もしもJK星歌ちゃんだったら。   作:三十路スキー

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あたしとピンクのヤベーやつ③

「ミスりまくったー!」

 

「MCスベってたね」

 

「ぐぬぬ」

 

 散々なライブが終わり、ようやく楽屋で一息着く。あたしは演奏もMCも何もかもスベりまくり! リョウも練習通りには全然弾けてなかった。

 ぼっちちゃんも緊張で茹でダコみたいになってたし、演奏走りまくってた。せめて段ボール被ってステージ立つよりマシと思おう。

 ……でも結局一番悪いのあたしだわ。一応リーダーなのに。もっとしっかりしないと。

 

「あ、あの!」

 

 正面から迫りくるピンク・オブ・ザ・デッド! な、なに? こういうのマジ怖いんだけど! お姉ちゃん助けて!

 

「つ、次のライブまでにはクラスメイトに挨拶できるくらいにはなっておきます!」

 

「目覚ましい成長……感動モノ」

 

「いや、なんだよその決意! わけわからん!」

 

 ――次のライブ?

 

「なぁ、ぼっちちゃん」

 

「は、はい」

 

「もしイヤじゃなかったら、正式にバンドのメンバーになってよ。お願い!」

 

「バンドの名前は結束バンド。傑作でしょ?」

 

「いや、ネーミング寒いし! 次までには変えるから」

 

「あ、あの! 次もいて……い、いいんですか? 私なんかで……本当に」

 

「よいぞよいぞ。ぼっちおもしれーし」

 

 メンバーになってくれるんだ。うれしい!

 あと、謎キャラで答えるな山田は。

 

「あ、はい! こ、これからよろしくお願いします」

 

 ぼっちちゃん、今日初めて笑ってくれたな。ぎこちないけど、かわいい。

 

「よし! 今からぼっちちゃんの歓迎会とライブの反省会だ!」

 

「今日は人と話し過ぎたので帰りまーす……」

 

 え、このタイミングでか?

 

「ごめん、眠い」

 

 立ったまま寝るな山田。

 

「少しは結束しろ! あと、ぼっちちゃん、帰るの待った!」

 

「あ、はい」

 

「これ!」

 

 あたしはグイっとスマホを差し出す。

 

「ス、スマホで攻撃?」

 

「ちげーよ! ロイン交換しよ? 連絡できないと不便でしょ」

 

「あ、ロイン交換とか初めてで、その……」

 

 アプリの操作がおぼつかないぼっちちゃん。仕方なくあたしがスマホを借りて登録する。

 

「これでよし。リョウのも後で送っとく」

 

「あ、ありがとうございます。ふへへへ」

 

「あと、それから」

 

「は、はい」

 

「な、な……」

 

「???」

 

「な……なにがあっても、逃げたら許さないから!」

 

「に、に、に、逃げません~!」

 

 言ったそばから逃げてるじゃん。夜でも目立つピンクジャージは逃げるように帰っていった。

 

『仲良くしようね』

 

 なんでこの一言が言えないんだ! あたしのバカ! アホ! サナダムシ! ホント前途多難だな……。なんであれバンド始められてたし、これからとっても楽しいことが待っている……ような気がする。




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