こういう企画の要領はつかめてませんが
一応ギャグ寄りにまとめてみたよ。多謝!
夢オチかつメタてんこもり注意!
「よう、私」
「……え? どちらさまですか?」
「私は伊地知星歌。お前も伊地知星歌だろ?」
「はあ。確かにあたしも伊地知星歌ですが……」
公園で妙なおばさんに絡まれた。夏休みはもう始まってる。つーか暑くなるとヘンなの湧いてくるよな。
「お前は私で、私がお前だ」
「は? 暑さでどうかしちゃったんですか?」
……やっぱヤベー奴か? 見た目はアラサーぐらいに見えるけど顔はあたしにそっくりだ。老け顔で悪かったな。
髪はセミロングかな。ちょっと前までのあたしの髪型に近い。
「違う! ホントに私はお前なの!」
「何言ってんすか? じゃ、未来から来たとでも言うんですか?」
「厳密には違うらしい。実は私にもよく分かってない……」
「詳しくはあたしから説明するよ!」
「おわ! 今度はなんだよ!」
空の上からなんか来たぞ! 白のミニスカワンピース、背中に白い羽。どういう原理か頭の上に光る輪っかが浮いてる。
いわゆる天使の恰好をした女。顔は姉貴そっくりだ。でもなんか若いな。高校生ぐらいに見える。お肌ピチピチだ。
「あたしは大天使ニジカエル! 永遠の17歳だよ♪」
やべぇ。身内そっくりの痛いコスプレ女とか見るに堪えない。
「うわキツ」
「……なんか言った?」
「ナ、ナニモイッテマセン」
怖い……。怒った姉貴並みの威圧感を発揮してくる自称大天使。
「それからこの子はメンダコぼっちちゃん」
「ンニャ!」
大天使が抱えているのは、人の頭ぐらいの丸っこい物体。ぬいぐるみなのか、生物なのか。名状しがたいモノだ。
「ひぃ! なんだよコレ!」
いきなりピンクのナマモノは、あたしともう一人のあたしに触手のようなモノを伸ばしてくる。
ピトッ! ……あ、気持ちいいかも。
『あ、私はメンダコぼっちちゃんです。い、今あなたの脳内に直接話しかけています……』
「え!? この声ぼっちちゃんか?」
『あ、違います。メンダコぼっちちゃんです』
「いや、後藤ひと……」
『違います』
「違うと言ってるだろ。メンダコぼっちちゃんをあまり困らせるな」
えぇ……。それでいいのか、もう一人のあたし。
「かわいいからいいんだよ。あと、同じ名前だとややこしいから私のことは『星歌先輩』って呼べ」
「いや、なんで?」
「私の方が人生の先輩だからだ。お前のことは『星歌ちゃん』って呼ぶ」
「はぁ、もうそれでいいです」
夢だろこれ? 早く覚めてくれ。
「で、結局これはどういうことなんすか? あたしにも理解できるように説明してくださいよ」
「これは
「んなこと言われてもわけわからんぞ!」
うーん。これが中二病ってやつか?
「最後まで聞きなー。で、キミたちはそれぞれ
「ンニャニャ!」
『10年ぶりに再会した後輩となんだかんだあって付き合うことになったアラサー伊地知星歌』
『本来出会うはずの無かった運命の人と出会い、片思いに悩む乙女なJK伊地知星歌』
ピンク生物がふよふよと浮遊しながら二つの看板を掲げている。ご丁寧にあたしたちの顔写真入りだ。
「ざっくり言うとこんな感じだね。興味持ったら本編読んでねー!」
「ンニャ!」
と、大天使(笑)と珍生物がドヤってる。……本編?
「ホントにざっくりしてんなおい。星歌ちゃん解ったか?」
「……わけわからんし」
「ま、そういうことなんで。少しの間だけ会話を楽しんでねー!」
『プルルルル♪』
電話だ。天使がスマホ持ってる姿、シュールだな。あいつは焦った様子で電話を取る。
『あ、もしもしリョウエル? すぐ次元修復すればバレないって!
「あ、そんじゃーね!」
「ニャニャニャー!」
あ、消えた……。あいつら最初からなにも居なかったかのように消えた。なんだったんだあいつら……。何か不穏なことを言ってたようだけど。
「取り残されちゃいましたね……星歌先輩」
「そうだな。ま、少し待ってるしか無いよな。そんな気がする。……そういや、なんか悩んでんのか?さっきそんな感じで黄昏てたからさ」
「あたし、好きな人がいるんだ」
何言ってんだ、あたし。まだ誰にも言ったことない秘密を……。
「へえ、いいじゃん」
「でも、その人は女の子なんだよね。女の子に片思いだなんて……やっぱヘンだよな。あと、あたし、今バンドやってんだけどその娘はバンドメンバーだし。だから好きって気持ちを言葉にしたら今の関係を壊してしまうんじゃないかって。……怖いんだ」
「好きなら、躊躇するな!」
「え!?」
「あ、ごめん、デカイ声出して。でもそういう気持ち、心の中に仕舞い込んだままだとすれ違ったままで終わるぞ。あの時の私みたいに。すごく傷ついて、後悔することになる。遠い遠い回り道をすることになるかもな。……私から言えることはそれだけだ」
なんか、妙に具体的だな。
「……先輩、急に変なこと聞くけどいいかな?」
「ん?なんだよ星歌ちゃん」
「ねぇ、先輩。いま幸せ?」
「幸せだよ、私は」
「あ、それは……」
星歌先輩の薬指に光る指輪。
「ま、そういうことなんだ。婚約指輪は別にいいって言ったんだけどさ」
星歌先輩は頬を赤らめて照れ笑い。スマホで写真を見せてきた。星歌先輩と男の人が写ってる。見ようによっては男前って感じだ。
軟弱なサブカルマッシュ野郎やジョニーズ系に比べれば、こういう男らしい人の方があたしは好きかな。
「こいつは日向。幼馴染の後輩。……私の大好きな人」
「へぇ」
「聞いてくれるか? 星歌ちゃん。こいつとのこと」
「うん……聞かせてよ、星歌先輩」
……聞かないと拗ねるんだろうな。この人、あたしだもん。
「うーん……もう朝か」
見知った天井。あたしの部屋だ。……ヘンテコな夢を見た。『もう一人のあたし』に会う夢だ。ハチャメチャなのに妙にリアリティがあった。
散々彼氏さんとの惚気話を聞かされる羽目になったけど。そこから意識が遠のいて今ベッドの上に居る。
あれ?枕元に知らないぬいぐるみがある。ピンクの丸っこいキャラクターだ。この子いつお迎えしたんだっけ?思い出せない……。
「くしゅん!」
風邪気味かな。少し熱もあるし。今日は1日オフだしゆっくり休もう。とりあえず、起きてリビングに行くか。
「おあよう~せ~かちゃ~ん!あああ、あだまが~頭がいでぇよう~頭の中身外して丸洗いしてぇわ~」
リビングにはもう姉貴がいる。酷い二日酔いでくたばってる。
「おはよう。懲りねぇな、姉貴も」
あたしはコーヒーメーカーに向かう。二日酔いの姉貴には、気付けの一発だ。ブラックコーヒーを淹れてやる。
「……ありがと。気が利くようになったじゃん」
あたしは牛乳多めのカフェオレ。
「昨日、昔の知り合いに会ったんだけどさ。めちゃくちゃ盛り上がってさ。3次会まで行ったんだよね」
ちびちびとコーヒーを飲みながら姉貴が語りだす。
「ふーん」
「って、あれー? 星歌ちゃん顔赤いよ? ぼーっとしてるし。あ、もしかして恋でもしてるの?」
上目遣いでこっちの顔をまじまじと見てくる姉貴。
「風邪気味なだけ。いや姉貴こそ、そろそろいい相手いないのかよ?」
「誰が行き遅れじゃい!」
「そこまで言ってねぇよ」
「好きな人はいるよ。とりあえず、これ見て!」
姉貴がスマホの写真を見せてくる。
「じゃーん!高校の後輩だった日向君!なんとプロ野球選手だよ!……万年二軍だけど」
……あれ? この人見たことあるような、ないような。
「10年ぶりに運命の再会しちゃった。今度映画行くんだ♪」
なんだよ、年頃の女子みたいに喜んじゃってさ。アラサーのくせに。
姉貴はベランダに出て一服する。電子タバコってヤツだ。よく知らんけど。あたしもベランダに出て、姉貴の横に立つ。
「タバコやめるんじゃなかったのか」
「やめるのやめた」
「なんだそれ。そんなウマいもんか?」
「未成年がナマ言ってんじゃないよ。オトナの嗜み」
「ま、なんでもいいけどさ」
「もしさ……星歌ちゃんも好きな人がいるんなら躊躇しちゃだめよ? 後で後悔することになるから。昔の私みたいにさ」
「なんだよそれ」
「ヒミツ。大人のオンナには秘密の一つや二つあるもんよ」
あたしは後悔したくない。やっぱりあたしはぼっちちゃんが好き。友達じゃダメなんだ。
ありがとう、星歌先輩。
今回のコラボ様先
星に歌う
https://syosetu.org/novel/307251/
世界一かわいいアラサーの先輩。
不器用な二人の恋。可愛くて綺麗な星歌先輩に浄化されるぞ。
なお拙作の本編
もしもJK星歌ちゃんだったら。
https://syosetu.org/novel/313752/