もしもJK星歌ちゃんだったら。   作:三十路スキー

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ダイヤの原石……かもしれない②

 学校の話は取り止めになったけど、それ以降は意外に会話が弾んだ。好きな食べ物や休日の過ごし方、好きな音楽、ネットの動画、漫画とかたくさんのことを3人で語り合った。まあ、ぼっちちゃんはすぐ自虐的になって自分の世界に引き籠るし、リョウは突拍子のないボケをかます。結局あたしが話題を振って仕切るしかなかったんだけど、結構楽しい。サイコロは3回目でやめた。

 前に教えた『ギターヒーロー』動画の感想を聞いたときは、なぜかやたらニコニコしていた。気に入ってもらえてうれしい。やっぱギターヒーロー、推せるよな?

 ついでにぼっちちゃんがやってる動画のことを聞いたら泡吹いて気絶した。そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃん。今はヘタクソでもがんばってるとこ見たいだけなのに。

 

「す、好きな食べ物は……唐揚げですかね、へへっ」

 

「へぇ、いいじゃん。あたしはりんごとか好きかな」

 

「私はサウジアラビアの家庭料理」

 

「適当な嘘をつくなリョウ! お前はカレーだろ?」

 

「ばれた?」

 

「そりゃ知ってるよ、幼馴染だし」

 

 結構話が弾んできた。ぼっちちゃんは休みの日は妹にギター教えたりしてるらしい。ぼっちちゃんやさしい。漫画も好きみたいだから、あたしの好きな『まんがキラキラ』を貸してあげよう。

 音楽については青春コンプレックスとやらはよくわからないけど、禁句が多いならとオリジナル曲の作詞をお願いしてみた。休み時間は図書館で過ごすことが多いらしいから、いい歌詞が書けるかも。

 リョウは作曲担当だから負担を大きくしたくない。それに自分の気持ちを言葉にするのは苦手みたい。あたしもそういうのは苦手だ。前に作ってみたときはリョウに『報告書みたい』って言われてしまった。だから現状ぼっちちゃんに期待をかけるしかないわけで。

 

 さて、ここからが本題だ。バンド活動についていろいろ話さないと。バンドは売れるまでとにかくカネがかかる。チケットノルマやスタジオの使用料、機材代、その他諸々。もう、とにかくカネがかかる!……と、いうわけで。

 

「ぼっちちゃんもここでバイトしよー!」

 

「え! バイト!?」

 

「ぼっちちゃん、今日イチ声出たな」

 

 まあ、これは計画通り。ちょうどスターリーはバイト増やす予定だったし、姉貴にぼっちちゃん雇うように頼んだらすぐOKしてくれた。

 

「あたしとリョウもいるし、怖くないから。最初はフォローする!」

 

「アットホームで和気あいあいとした職場です」

 

 リョウのはヤバい会社の常套句じゃねーか! 無表情で言うと怖いし。ぼっちちゃんはコンビニバイトとかでも1日持つ気がしないからバンド続けるためにも、ぜひうちで働いてもらわないと!

 

「バイト……が、がんばりましゅ……」

 

「歓迎するよ! 姉貴にも言っとく」

 

 

 

 

 暫く今後のバンド活動のことを話してたらもうこんな時間か。そろそろスターリーの営業開始だ。今日はあたしとリョウもバイトのシフトは入ってないし、これで解散かな。

 

「じゃ、来週からバイトよろしく。初日は履歴書持ってきてな。姉貴が形だけは面接するって」

 

「ばいばい、ぼっち」

 

「は、はい」

 

 ふう、とりあえず第一回バンドミーティングは無事終了。これからは練習もバイトもボーカル探しも、がんばるぞい! っと。

 

「ねぇ星歌、帰る前にちょっといい?」

 

「リョウ、どした?」

 

「ぼっちのこと、どう思う?」

 

「かわいい。バンド組めてよかった」

 

「……そういうことじゃなくて。ぼっちの演奏、どう思う?」

 

「ギターは……正直まだまだかな」

 

 あたしはドラム専門でギターのことはよくわからないけど、ぼっちちゃんの演奏はとにかく周りと全然合わせられないのはわかる。ギターの経験もあるリョウならわかることもあるんだろうか?

 

「それは人と演奏した場合の話だね。ソロだったら結構上手いんじゃないかな?多少癖はあるけど基礎は完璧に近い。あくまでこれは私の想像だけど、ステージに立つ極度の緊張とセッションの経験不足で大きくマイナスあるかもね」

 

「……結局なにが言いたいんだよ」

 

「ぼっちのギター、磨けば光る。ダイヤの原石……までかはわからないけど」




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