もしもJK星歌ちゃんだったら。   作:三十路スキー

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永らくお待たせしました。なんとか復帰! 次回からは文化祭編です。


虹夏と星歌 姉side後編

「星歌、まだ起きてる?」

 

 日付が変わってすぐ、妹の部屋をノックする。静寂に扉を叩く音だけが響く。

 

「入るよ、星歌」

「……」

 

 返事はない。……こりゃ起きてるな。狸寝入りがバレバレよね。

 

「いいよね?」

 

 扉に鍵は掛かっていない。ドアノブに手を掛け、ゆっくりとドアを開く。

 

「やっぱり起きてた。返事ぐらいしなさいよ」

「……ごめん」

 

 星歌はベッドの上で布団もかぶらず体育座りしている。ずっと拗ねてたのか……。今日は私は妹に晩御飯抜きを命じた。星歌が学校で問題を起こしたお仕置きとして。男子相手に大喧嘩したらしい。クラスの男子が一人親の星歌の友人を揶揄ったのがきっかけらしい。自分の事なら我慢できるのに、友達のことだと怒りを抑えられないのはあの娘らしいっちゃらしいよね。でも私はケジメが必要だと思う。……初めてあの娘を叱った。

 

「こっちおいで。これ、食べよ?」

 

 ベッドの下のローテーブルに星歌を手招きする。私は両手に持ったカップ麺をテーブルに置く。

 

「え、今日はメシ抜きって……」

「もう日付変わったよ。お仕置きはもうおしまい。しょうゆと味噌、どっちがいい?」

「……いらねぇ」

 

 ぐぅううう……。星歌の腹の虫が鳴る。強がってるな、妹よ。

 

「嘘。めっちゃお腹すいてるじゃん」

 

「うっさい」

 

 ぐぅううう……。私の腹の虫も鳴る。

 

「そっちもお腹鳴ってるじゃん。お姉ちゃんもメシ食べてないんだよね?」

 

 流石にバレるよね。

 

「たはー。まあ、私のはダイエットだよ。べ、別に星歌だけご飯抜きじゃ可哀そうってわけじゃないから」

 

 もちろん嘘。星歌に合わせて私も今日は夕食を食べていない。ダイエットは……明日から。

 

「……味噌、頂戴」

「ほら、2つ食べてもいいよ?」

「そこまではいいって」

 

 

 

 

 

 あっという間にラーメンを食べ終わり、ペットボトルの水も飲み干す。妹とテーブル越しに向かい合う。

 

「起きたら酉友行こうか。明日は2人だけで楽しもう」

 

 酉友下北沢店。近所の大きなスーパーだ。

 

「え? 土曜はバンドの練習じゃなかったっけ?」

「……休む。1日ぐらい休んだって大して変わらないよ」

「いいのかよ?」

「いいの。明日は特別な日にしちゃうから。ほらこの『承認欲求モンスターショー』ってやつ行こう。星歌好きだったでしょ? 握手とサインも貰えるらしいよ!」

「好きだったの幼稚園のころなんだけど……。まあ、いいよ」

 

 明日は2人とも学校が休み。目覚ましなんかセットしないで昼まで寝て、ソファーに並んで星歌の好きなアニメのビデオでも見てダラダラしてさ。近所の酉友で買い物してからファミレスのハンバーグでも食べるかな。屋上のなんとかショーは夕方からみたいだし。

 それに来月には私のバンドでライブがある。もちろん星歌を連れて行こう。初めてのライブ体験、忘れられないものにしてやるんだから!

 

「さ、歯を磨いて寝るよ。今日は一緒に寝るからね!」

「なんでだよ姉貴! もう一人で寝れるって!」

「いいの! 今夜は湯たんぽの刑だよ! 一晩中抱っこしてあげるから覚悟しなさい!」

 

 

 

 

 

補足:『承認欲求モンスター』

 しめじまきのデビュー作。ある日突然、承認欲求モンスターになってしまった女の子がたくさんいいねをもらったり、なんか可愛がられたりする不条理ギャグ漫画。




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