もしもJK星歌ちゃんだったら。   作:三十路スキー

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あたしたちの星座③

「本当にすみませんでした!」

 

 教室で思い切り頭を下げる。あたしは勢いよく直角に頭を下げながら、後藤の頭を押さえつけるように頭を下げさせる。ライブ本番の前日に、なんてことをしでかしてくれたんだこいつは!

 

「あわわ! 困ります! 頭を上げてください!」

 

 困惑するメイド女子たち。

 

「あわわわわ……ちーん」

 

 ぼっちちゃんは真っ白にフリーズ。この状況でもメイド服が似合ってるのがちょっとムカつく

 

 ――ああ、なんでこんなことに!

 

 秀華祭の一日目、楽しみにしていた後輩たちのクラス訪問。と、く、に! ぼっちちゃんのクラス、メイド喫茶! ぜーったい行くって決めてたもんね! ああ、ラブラブご奉仕でガチ恋営業かけてもらいてぇな……。

 

「今回の件、メイド喫茶でメイドが逃亡とあらば敵前逃亡も同じ! 学級魔女裁判モノの重罪であることは重々承知しております。しかし! そこを曲げて! どうか! 後藤をクラスで仲間外れにしたり、集団で虐めたりしないでやってください! この通りです!」

 

 あたしは再び頭を下げた。見事な直角最敬礼。誠意ある謝罪は攻撃的なのだ。

 

「そんなことしませんよ! 人聞きの悪いこと言わないでください!」

「後藤さんもイヤだったら言ってくれたらよかったのに……」

 

 メイドさんたちが今にも泣きそうな顔をしてる。泣きたいのはこっちなのに……。

 

「あはは……まあ、逃げちゃったものはしょうがないですよ。だったらみんなで罪滅ぼしをするってのはどうでしょうか? 例えば……メイドを手伝うとか?」

 

 喜多ちゃん、何を言い出すんだ?

 

「いいですね! ぜひお願いします!」

 

 メイドさんたちも乗り気だ。……こりゃ逃げられねぇな。

 

 

 

 

 

「あのな、ぼっちちゃん」

「は、はい……」

 

 ここは更衣室。4人でメイド服に着替えている最中。あたしはぼっちちゃんに諭すように言う。

 

「あたしだって、別にぼっちちゃんがメイドを嫌がるから怒ってるんじゃないんだ。クラスのみんなで決めたことから逃げたから怒ってるんだ。そりゃ多数決とかだろうから、やりたいわけじゃないだろうけどさ」

「……」

「そうよひとりちゃん。大事な時に逃げるのは良くないわ。みんなに迷惑を掛けてしまうもの。……私が言えた話じゃないんだけど」

 

 まあ喜多ちゃんも『ニゲタギター!』だしな。でもいまは十分すぎるほど貢献してくれてる。覆水は盆に返らずだけど、こぼれた水はまた汲めばいいんだから。

 

「ププっ……星歌スカート短すぎ」

「高身長用のサイズが残ってなかったんだから仕方ないだろ! つーかなんでお前だけ執事服なんだよ!」

「かっこいいからな。私は何を着ても似合う」

「ぬぅぅぅん……。確かにカッコイイからムカつく」

「キャー! リョウ先輩ステキ!」

 

 服そのものは入ったんだからあたしはスレンダーボディなんだよ! さすがにこのスカートは国民的アニメの妹みたいで恥ずかしいけどさ。まあ、全年齢鉄壁理論で見えてない。これもケジメだ。

 さて着替え終わったし、オトシマエ付けてくるか!

 

「では、私はこれでシツレイシマス……」

「おっと、逃げんじゃねぇぞ後藤」

 

 ぼっちちゃんの頭のアレを捕まえつつ捉えるあたし。ゴムが伸びて逃がさない仕組みだ。

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