もしもJK星歌ちゃんだったら。   作:三十路スキー

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あたしたちの星座⑤

世紀末風の輩なんか来るわけもなく平和な文化祭だ。その中で、2組のメイド喫茶は大忙し。

 

「オムライスさん、おいしくなーれ! きたーん♪」

「このオムライス、暖かな家庭的な味でとっても美味しいわ!」

「うめぇ! うめぇ! 匙と涙が止まらねぇ!」

 

 喜多ちゃんの王道かわいい映えメイドさんは男女問わず大人気。順調に客足を伸ばしている。

 

「ドリンク? ほら、取りに来て」

「きゃーん♪ リョウ様―好きぴー! もう喜んで養分になりますー!」

 

 リョウのユニセックスイケメン執事も一部の層に大好評だ。つーか以前からのファン連中が学校まで着いてきてないか? ストーカーみたいでちょっと怖いな。

 そして、クラスの女子みんなかわいいんだよな。やっぱ女子高生って最強だわ。しかもコスプレならなおさら。

 

 

 

 

 

 で、一方のあたしたちは……。

 

「おう、ちょっと待ってろ」

 

 メニューにはいろいろ書いてたがどうやらどれも『ただのオムライス』らしい。ここはあたしが連中の相手をしてぼっちちゃんは料理を取りに行かせようと声を掛けたが、珍しく『大丈夫です』と自身ありげだったので、今回は任せてみることにした。まあ、最近は接客も少しは慣れてきたし、多分大丈夫だろう。リナはあれでいい奴だ。フォローはしてくれるはず。長谷川も厳つい見た目ほど悪い奴じゃなさそうだし。

 

「えっと、これかな?」

 

 即席のバックヤードに入って、レンジで皿に移した冷凍オムライスを温める。パセリを添えてケチャップでハートマークを描いて完成だ。うん、我ながら綺麗に出来た。2皿目はニコニコマークを描こう。こっちも上出来。あとはお盆に乗せて運ぶだけ。

 

「あ、キミ肌白いね……グフフ、ロイン交換、しよ?」

「ちょっと、え、なんなんすか? いきなり顔、触んないでもらえます? 流石に初対面でこれはドン引きっすよ……」

「はははは! ぎゃははははは! うひぃー! もう、これじゃぼっちちゃんってより『おっぢさん』だよなー! ……ぐえ!」

 

 ぬううううん! 戻って来るなり地獄絵図。なんでこの短時間でこうなる!? リナに飛び膝蹴りを食らわせつつ、事情を聞いてみる。お盆は見事にキープだ。

 

「いってー! あーしじゃなけりゃ死んでたぞ! いや、こっちは『ぼっちちゃんおしゃべりしてよ』って言っただけだよ。なーぜかあいつ10秒くらい考え込んでから謎行動に出たってわけよ」

「ちょっと『おっぢさん』ヤバいっすよ」

 

 うーん。またいつもの奇行だろうか?

 

「つーかぼっちちゃんどうした?」

「よ、陽キャは、た、たぶんこんな感じだと思って……」

 

 いやいや、いろいろ間違ってるぞお前の陽キャ観。ここで何度かやってきた『陽キャになる特訓』が裏目に出るとは。

 

「……とりあえずほら、オムライス出来たぞ。味には文句言うなよ」

「おお、せーちゃんサマになってきたじゃん。」

「ふたりともメイド服すげー似合うっす。正直美人さんっすね」

 

 ってこいつら何言いだすんだ!

 

「べ、別にそんなことねーし」

「いいい、いえ! そんなことないです! ……星歌ちゃんは、か、かわいい……ですけど」

「ちょ!」

 

 待て待て待て! ぼっちちゃんまでどさくさにまぎれて何を!

 

「つーかな。はっきり言って、おめーらは陽キャじゃないんだからな。競うなよ。持ち味を活かせ!」

「た、確かに陽キャじゃないけどさ……」

「え、え、あ……陽キャじゃない……ですよ、ね」

 

 そこまではっきりと言われると、ちょっとムカつくな。あと、ぼっちちゃんはショック受けんな。別に陽キャが偉いわけじゃないだろ。

 

「ま、そういうことだし。この『おいしくなるおまじない』ってやつ、やってもらおーかなー? 自分なりのやり方でやってみるんだぜー?」

「店員さーん、お願いするっすよー!」

 

 くそ、ふたりとも他人事だと思って……。恥ずかしいけど、やるしかない!




次でメイド編終わりです。
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