居てくれー! 感想くれ―!
「パサついてる……」
「美味しくないっす……」
「しょーがねーだろ、冷凍食品なんだから」
「すすす、す、すみません……」
ぼっちちゃんの『おいしくなる呪文』見事に失敗。なぜか毒々しい何かが、オムライスにへばり付く幻覚さえ見えた。
「せーちゃんなんとかしてよ!」
「今度こそ、美味しくなる呪文お願いするっす!」
「は? なんであたしが」
いやちょっと待て。あたしに喜多ちゃんみたいなのは無理だって!
「後輩の不始末は先輩がなんとかするもんだ!」
「伊地知先輩頑張るっすよ!」
「ええい! しかたない!」
「……んみゃ!」
ぼっちちゃんは隅っこでメンダコみたいになってる。仕方ない。ここはあたしのド清楚ぶりを見せてやる!
「みらくる~てぃんくる~♪ オムライスさん! 美味しく……ならねぇと承知しねぇぞ!!」
ツンツンツンツンツン! デレェ~♪
「ほら! べ、別にお前らのためにやったんじゃねぇんだからな!」
「パサパサ陰キャ味からツンデレピリカラ風味に変わった!」
「これはこれで美味いっす!」
ふたりとも夢中でオムライスを食べてる。……とりあえずこれでよかったのか?
それぞれの個性を生かしてメイドさんをやる一日。持ち味を活かしてみんな頑張った。
「写真ですか? いいですよー。可愛く撮ってイソスタにあげてくださいね。私たち『結束バンド』です。宣伝お願いしますね!」
喜多ちゃん、あざと可愛くもちゃっかりしてるな。
「写真? なら追加料金をたんまり貰わないと……」
「はい! えれ、喜んで養分になります!」
「山田ぁ!」
中学生ぐらいの女の子にタカるんじゃねぇ! つーか君もだぞ! とりあえず姫カット地雷系? の女の子には、写真はドリンク追加ってことでお願いした。
「お、お、お待たせしました!」
「デュフフ……。2組の後藤氏、こんなに可愛かったのでござるな。これは要チェックナリよ」
ぼっちちゃんに、なんかヤベーお客様がいるんだけど……。なにかしたら、右ストレートでぶっ飛ばす。二度とチーズ牛丼食えない体にしてやる!
今日一日頑張った甲斐もあってか、クラスの子たちには大いに感謝された。……こういうのも悪くねぇな。交代で休憩時間を貰って、ぼっちちゃんと2人で文化祭を回ったのは、また別の話。
最後に体育館のステージを4人で見に行く。設営の真っ最中みたいだ。いつものライブハウスより広いステージ。やっぱ、実際に舞台を見ると気合いが入るな。
――帰り支度を済ませると、もうすぐ時計は6時。もう空に一番星。この風景をぼっちちゃんたちはいつも見てるのかな?
『忘れてやらない、長い一日』に続く。
やっと文化祭編終わった。あとはライブとエピローグで完結予定。