魔法少女リリカルなのはViVid キャリバーオブデザイア 作:エステバリス
いやあ、今週の鎧武はいっぱい死にましたね。あの虚淵氏が本気を出し始めたのでしょう。
いや、やっぱザック死んじゃいましたね。あと耀子さんがあんなにあっさり死ぬとは思ってもみなかった。
そして始まる鎧武対バロンの軍団バトル……どんどん段階的に強い変身を使っていく二人やバイクとダンデライナーを使ったバイクアクションに空中戦。めっちゃ胸熱でした。しかしなんでバロンはレモンにならなかったんだ?と思いましたが、そーいやプロフェッサーに壊されてましたね。多分耀子さんのはあの時拾ったプロフェッサーのでしょうし。
いや、死んでも迷惑なことするプロフェッサーは流石ですね。
というわけで来週は人間同士の果実の奪い合いは終わる模様……?だとしたらラスボスはやっぱりヘルヘイムの侵食を止めようとする紘汰さんを止めるべく最後の壁としてサガラなんでしょうかね……?もしくはメロニキの呪縛から解放されたとしたらミッチ……?
ともかく、早くクライマックスになってドライブも見たいのに欲しいのに終わって欲しくないというドキドキ感満載ですね!
「……死ぬかと思った」
「大丈夫エイジ?露天風呂で星を見てたらのぼせて溺れかけただなんて……」
「……俺はストラトスセンパイに会ってからロクな目にあってない気がする……過労で倒れたり過労で倒れたり道に迷ったり死にそうな思いになりながら迷ったり考え事してたら溺れ死にかけたり……とにかくあざっす、エリオさん」
「なかなか出てこないからヴィヴィオ達が心配してたんだよ?それでまさかとは思ったけど……多分日頃の無茶が祟ったんだよ。心身共にね」
エリオに膝枕されるという特に嬉しくないイベントをこなしているエイジは死にそうな目をして天井を眺め続ける。
おかしい。なぜ自分はこうも慰安目的でなにかしようとすると疲労を持ってくるんだ。
「ってか……今日はどんだけ災難なんだよ……道に迷うわ死にかけるわ、使い慣れたメダル二枚盗られるわ溺れ死にかけるわで……」
「まあまあ。明日に期待しようよエイジ。今日の不幸は明日の幸運だと思って、ね?」
「うぅ……そう思いたいのにそんな気が全くしないのが悔しい……早く帰ってBFとエクストリームブイエスやらないと……」
こんな時でもゲームに対する執着は忘れないエイジであった。
◆◇◆
ロッジアルピーノ、二日目の朝は早い。正確に言うとヴィヴィオ、アインハルト、リオの三人はぐっすりと眠っているのだが、他の人達はそれぞれ早くから起きて朝練やらミーティングやらを行う。
そんな中、エイジは───
「……あーもう!たかがメダル二枚だ!もーいいこのことは忘れる!」
絶賛お悩み中であった。
まあ、当然と言えば仕方が無い。昨日は考え事の末に溺れ死にかけたのだからそんなこと考えるヒマなんてなかったのだろう。そもそも一人で思い詰めるタイプのエイジはロッジから少し離れた場所で頭を振り回すという奇行に走りながら考えていた。
「はあ……ロッジに帰ろ……ん?メダル?あのグリードが落としたのか?だとしたらあのグリード……随分おっちょこちょいだ……!?」
メダルを拾った瞬間、エイジの中になにかか入っていくような感覚に陥る。次第に身体の自由がそのなにかに乗っ取られて行くような……そんな感覚だ。
「なっ───がっ……ぁぁあああああ!!?」
エイジはその感覚に言い得ぬ不快感を示し、身体全体を使って拒絶する。しかし、そのなにかはエイジを跳ね除けて完全にエイジの身体を掌握した。
「『……あ?なんだここ。おーいリョウタロー!カメー!クマー!リュウター!コハナクソ女ー!』」
エイジを支配した存在はこの場がどこなのかわからず、知人と思われる者達の名を呼ぶ。しかし、エイジがいた場所も手伝ってか、誰もなんの反応もしない。
「『なんなんだよここはー!?ってかこの小僧は誰だぁー!?』」
彼の名はモモタロス。時間の運行を守るため、時間の波の中を走る車両、デンライナーの乗客である。
◆◇◆
『なんなんだよはこっちだわけのわからんヤツが!とっとと俺の中から出てけ!』
「『んだとゴルァ!こちとらお前みてえなリョウタロウ以下のもやしヤロウに取り憑いて散々だ!』」
『俺は世界を渡り歩くが破壊者じゃない!だいたいお前はなんなんだ!新手のグリードかヤミーなのか!?寄生するタイプとか今までで一番タチが悪いっつの!』
「『グリードってのぁなんだ?俺はイマジン!モモタロスだ!』」
『じゃあそのモモタロスはなんで俺に取り憑いてんだ!』
「『んなもんこっちが聞きてーんだよ!あーあああああー!早く迎えに来てくれよリョウタロウー!』」
「……見た限りエイジくんが一人で怒ってるようにしか見えないよね」
魔法の使用があまり得意ではないエイジを除いた陸戦練習試合がこの後控えているというのにこの騒ぎである。
因みにエイジにモモタロスが憑いてる……というか、エイジの様子がおかしいことには全員すぐ気づいた。
ロッジに帰ってきたモモタロス憑依エイジはヴィヴィオに「おはよーエイジくん」なんて言われた瞬間に「『はい、エイジくんです!』」なんてわけのわからないことを言ったのが運の尽き。
すぐさま尋問されてモモタロスは全てを吐いたのである。
「『おかしいな。リョウタロウの姉ちゃんにこう言った時は騙せたのに』」
『どんな姉ちゃんだ!』
そしてエイジのボケへのツッコミも大したものだ。
『だいたいこんなのが憑いてて俺の身体に自由が効かない状態であのグリードが来たらどうするつもりなんだよ!お前が戦うのかおお!?』
「『……戦い?おいコラエージ……とか言ったな。戦いってのぁ暴れられんのか?』」
エイジが意識だけ暴れまわっていると、突然モモタロスは頭の中のエイジに問いかける。
『お前……まさか戦闘狂とかそういうタチなのか?だとしたらカンベンしてくれよ……まあ、暴れられるのは確かだけど』
「『おお!こんなわけわからん小僧に取り憑いてアンラッキーかと思ったら面白そうなこともあるもんだなぁ!よし、そのグリードってのはどいつだ!?あの色違いの目の女か!?』」
『んなわけあるか!アイツはただのダチだ!』
延々と繰り広げられる一人漫才を見ている一同。全員が一人漫才に圧倒されているが、一人だけそれに対して冷静にいる人物がいた。
「ねえ?モモタロスくん?」
高町なのはである。
「『ああ?なんだよ女!お前がグリードなのか!?』」
『ちげえっての!ってか、なのはさん怒らせるな!殺されてえのか!?』
「さっきからエイジくんとなに喋ってるのかわかんないけど……うちの子に手を出したら、わかってるよね?エイジくん……?」
最後の言葉は明らかにエイジに対しての脅迫だった。エイジは精神だけの状態ながらも恐怖心だけで一時的にモモタロスの支配から逃れることができてしまった。
「は、ははははははいなのはさん!モチロンこのモモにはキツく言っときますから!そんなこと起こりうるはずすらもなく『おいコラ!勝手に略して呼んでんじゃねえ!俺はリョウタロウにつけられたモモタロスっつー立派な名前が』うるさい黙れモモ!『だから勝手に略すな!』」
人格がポンポン変わりながら自分に向かって罵倒のしあい。コウガミ劇場とでも言うべき状態である。
一人漫才をしまくっていると、すぐにエイジの嫌な予想が的中してしまった。
「エージ!モモ!グリードだ!昨日のオレンジのヤツだ!」
「『テメェも略してんじゃねえぞアンコ!ってかオレンジってなんだ!?花道突き進むのか!?』」
「アンコじゃねえ!アンクだ!いいからさっさと行くぞ!」
『モモ!一暴れしてこい!俺が認める!』
「『戦えんのか?だったら行くぜ行くぜ行くぜぇ!』」
まるで嵐のような超展開。エイジとモモタロス、そしてアンクはそのままロッジの外へと走り去って行った。
◆◇◆
ロッジの外、陸戦練習試合予定地にそのグリードはいた。下半身を不完全なものはそのままに、オーズを探し回る。
「どこだ……どこにいるオーズ!私のメダルを返せ!」
エイジ達に気づいていないグリードはただひたすら訓練場に設けられた質量を持ったホログラムを破壊していく。エモモタロスはその陰でベルトを取り出す。
「アイツだ!さっさと片付けろモモ!」
「『だからモモって言うなっつーの!変身の仕方はエージに教えてもらったからな。完璧だぜ!』」
モモタロスはいつもとは違い左手にベルトごと出現したバックルを勢いよく腰に装填し、そのまま慣性でベルトがバックルに止まる。
そして三枚のメダルを装填し、モモタロスはオースキャナーを目の前にかざし、ニタリと笑う。
「『見せてやるぜ……俺の変身!』」
『タカ!トラ!バッタ!
タ・ト・バ!タトバ・タ・ト・バ!』
その変身音声でオーズの存在に気づいたグリードはオーズとアンクのいる方向に目を向ける。
そこにはいつもとは立ち方がどこか不良的なオーズかいた。そのオーズは右手の親指を立てて自分の顔に向かって指差し、そして両手両足を広げてどこかカッコいいポーズをキメる。
「『俺……参上!』」
「……随分様子が変わったわね、オーズ。参上して悪いけど、さっさと退場願うわ!」
「『退場だぁ?冗談じゃねえ……俺は最初っから最後までクライマックスだぜ!』」
オーズは簡易的な転移魔法を使ってメダジャリバーを呼び出す。魔法云々はエイジが精神状態ながらもなんとか紡いだものだ。
そしてオーズはメダジャリバーを片手にグリードに向かって斬り込んで行く。
『モモ!こいつは守りが堅い!小手先の技が通じる相手じゃないぞ!』
「『へっ!そんなの関係ねーっつーの!なんせ俺は……クライマックスだからなぁ!』」
オーズは不良のように笑いながら乱暴にメダジャリバーを振り回す。当然、グリードはそれを冷静に受け止める。
「動きが乱雑よオーズ……昨日の戦い方はどうしたのかしら?」
「『黙ってろ女版カメ!そんなに俺の必殺技、見てえんなら見せてやるぜ!』」
オーズはオースキャナーをベルトにかざし、投げ捨てようとして思いとどまる。
「『おおっと……こいつぁいつものパスじゃなかったんだな。ともかく、必殺……俺の必殺技!オーズバージョン!』」
◆◇◆
「もー!こんな時にモモタロスは!どこに言ったのよー!」
「ハ、ハナさん……落ち着いて。モモタロスがいなくなるのはもう何回もあることなんだから、ちょっと探せば帰ってくるよ」
「何回もやってるから怒ってるの!オーナー、モモはどこにいるんですか!?」
とある電車の中、プンスカプンプンと怒りながら小さな少女が制服を着た中年の男性に向かって問いかける。男性はただ静かに山のテッペンにハタのついたチャーハンをハタが落ちないように食べているだけである。
「焦らずとも、モモタロスくんの居場所は既に特定できています……ただ少ぉ〜し、厄介なことになっていますねぇ……」
「厄介……?イマジンとか、ですか……?」
特徴的な喋り方をする男性に次に問いかけたのは見るからにもやしっぽい青年。話し方もどこか頼りなさを感じる。
「いいえ……イマジンではありません……ただこのままでは、モモタロスくんの今いる時代に多大な影響を及ぼして、最悪の場合その時間の消滅……なんていうこともありますねぇ」
ゆっくり、慎重にチャーハンをすくっていたが、電車の揺れが原因でチャーハンのハタは見事に倒れてしまった。
「───」
オーナーと呼ばれた男性は余程ショックだったのか、奇妙なポーズをして驚くと、すぐにそのチャーハンを放置してその車両から出ようとする。
「良太郎くん……急ぎましょうか……モモタロスくんがいる時間が消えてしまう前に……さあ、"デンライナー"のコクピットへ……」
「……わかりました、オーナー。イマジンじゃないにしろ、時間の消滅を防ぐのが僕の……"電王"の仕事ですから」
青年の名を"野上良太郎"。モモタロスが本来取り憑いている人間の名で、イマジンによる干渉を受け付けない"特異点"……またの名を、"電王"。
カウント ザ メダルズ
現在オーズが使えるメダルは?
赤 タカ×1
緑 クワガタ×1、カマキリ×1、バッタ×1
黄色 トラ×1
灰色 サイ×1
青 ウナギ×1
紫 なし
橙 カメ×1
特殊系 ???
やっぱりタマシー使うとしたら電王はゲスト出演しちゃいますねぇ。一応、モモがメダルになってエイジに取り憑いた理由は時間の運行がグリードの目覚めで一時的に狂ったから、ということになっています。