魔法少女リリカルなのはViVid キャリバーオブデザイア 作:エステバリス
日曜日から遅れてしまった!これも乾巧ってヤツの(ry
さて……今週ドライブなかったから話題のタネがないですね。キッチリこの前書きコーナーの感想も送ってくれる人いるのに!
……えーと、えーと。
……マジで話題がねえ!
「おーし全員揃ったなー」
「「「「はい!」」」」
「……うぃーっす」
エイジの天瞳流の一件より後日、ヴィヴィオ達は本格的にインターミドル出場のための練習をすることになった……のだが。
「どうしたエイジ。声に張りがねえぞ」
「当たり前のように拉致られて出もしないインターミドルの練習に参加させられれば普通こーなるっす」
こう、朝起きたらヴィヴィオがいて「さあ練習だよエイジくん!」なんてものっそい笑顔で連行された。なんで家にいたい時に限ってこうも拉致られるのだろうか。
「今日はBFの最新パッチ配信日だってのに……」
「ゲームなら夜にでもやりゃいいだろ……こういうのは明るい時しかできねぇんだぞ?」
「十のガキに夜更かし進める大人初めて見たぞ……」
「まだあたしゃ19だ。大人じゃない」
「なんつー理屈を……19とかほぼ大人じゃねぇか」
エイジがぶつぶつと相変わらず小言を言いながらなんだかんだその場に留まる。
チョロい。ノーヴェはそう思わずにはいられない。ヴィヴィオに行かせて正解だった。
「……さて、お前らはチームで出場するとはいえ、選手としてはバラバラのライバル同士。当然、そうなると訓練指導も別々にすることになる。試合じゃなく殺し合いをするエイジもだ。
だから特訓の目的はただ一つ!"特技の徹底強化"だ!」
特技の強化……確かにそれは的を射ている。ヴィヴィオのファイトスタイルはカウンター。アインハルトとリオはインファイター。コロナはゴーレムを使ったトリッキーな戦い。そしてなによりエイジには格闘技中心の三人とは全く別の天瞳流。どれも四人にとって一番の長所を伸ばすということは下手に苦手な部分を得意な部分に近づけようとするよりも余程効果的だ。
「で、リオとコロナには専門のコーチを用意した」
ノーヴェがそう言うと現れたのはシスター服と執事服を纏った女性と……男、女性?
「……なあ、ノーヴェさん。俺前教会に行った時から気になってたんだけど、あのオットーって人、男なのか?女なのか?
男にしちゃやけに線も細いし腰回りが丸っこいんだけど……」
「あー、あれはオットーの趣味だ。アイツは女だよ」
「ああ……やっぱりっすか」
エイジがノーヴェと話している間に二人のコロナとリオへの挨拶は終わったようで、ノーヴェは続いてヴィヴィオに目を向ける。
「で、ヴィヴィオはあたしだ。コーチはこの三人が個別でつくことになる。……んで、アインハルトとエイジは、あたしには覇王流の型も天瞳流のこともあんまり知らねえからな。アインハルトは引き続きミカヤちゃんとこで斬撃系選手との直接練習、エイジは剣術指導だな」
「「「「はい!」」」」
「ういーっす」
ビシッとキメる四人とある意味いつも通りなエイジ。まあともかく、こうして修行期間は始まったのだった。
◆◇◆
「しっかし、センパイと俺も奇妙な縁っすねぇ。ヴィヴィオ達が突然来れなくなって二人でその辺歩き回ったり一緒の場所で修行したり……」
「そうですね。やはり、王族は何年経っても惹かれ合うのでしょうか……」
「惹かれ合う……っていうか、俺からすれば物心ついた時からの付き合いだったヤツに一人センパイが加わっただけなんすけど」
「私からすれば一気に二人です。それも一人はオリヴィエのクローンで、もう一人はあのオーズの末裔……」
天瞳流の道場へと向かう道中、自分から話にいかない二人にしてはすんなりと、どちらが喋り出したのかは知らないが会話が起こっていた。
「まあ、俺はいい出会いの転機だとは思ったっすよ。あのバカのおかげで頭のカタイ悩みも簡単に終わったんだから不思議っすよ」
「はい。クラウスはクラウス、私は私で、オーズはオーズ、エイジさんはエイジさん……難しいですが、とても簡単です」
「……エイジさん、ね。名前で呼んでくれて嬉しいっすよ、アインハルトセンパイ」
「お互い様です。これで余計なつっかえ物が一つ落ちたような気さえしますから」
二人はつい先日のデートっぽいなにかからは信じられないほどマトモな会話が成り立っていた。
そして、不思議と互いに名前で呼び合っている。どうやらヴィヴィオ達の策謀は無駄ではなかったようだ。
「さてっ……センパイ、ノーヴェさんからなんかリストバンド預かってるんすけど、好きな手の方に模擬戦と風呂、就寝時以外の時はずっと着けとけってさ」
「リストバンド……ですか?着けておけと言われたからにはなにかの意図があるのでしょうけどっ……!?」
「ぬわっ!?」
リストバンドをアインハルトは左手に、エイジは右手に嵌めるとその瞬間リストバンドから体積的にありえない重力か負荷された。
「なっ、んだこれ……!重力発生装置かなにかの類か……!?」
「いえっ……これはまたそれとは違う……日常で自然と使う魔力に負担がかかっているようですが……」
「魔力負荷……そうか、これで負担をかけて自然に魔力を消耗させるってハラか……!」
「確かに……これなら格闘技の練習をしながら魔力の限界値を底上げできますが……」
できるのだが……天瞳流道場は大量の石段を登った先にある。
「……苦労しそうっすね、センパイ……」
「そうですねっ……」
石段を登り終えたエイジの感想は「とても疲れた(小並感)」だそうだ。
◆◇◆
ミッドチルダ某所、そこには一つの大きな建物がある。それの名をコウガミファウンデーション。エイジが次期会長を務める大企業である。
「最近はヤミーの活動が若干鎮静方向にあるね……どう思う、サトナカさん?」
「どうもこうも、そういうのは後藤さんや若社長さん達現場組と研究部の考えることですよ。私、給料以上の仕事と残業はしない主義ですから」
会長室で事務に勤しんでいるサトナカという女性はソファに座っている後藤から受け取った資料を軽く読みつつも読んだのを後悔したかのように後藤に投げ返す。
「はぁ……若様もそうだけどさ、サトナカさんも一応ファウンデーションの一番上なんだよ?らしい働きしなくてどーすんのさ。二人してどんだけ俺の胃に風穴開けるつもり?」
「風通しがよさそうですね後藤さん。こんな暑い時期に涼める後藤さんにはより一層働いてもらいましょうか」
「酷い職権乱用を見た!」
後藤が頭を抱えてテーブルにごちんと額をぶつける。が、次の瞬間には真剣な顔つきになってポケットに入れていた手紙を取り出す。
「それと……サトナカさん。アンクから伝言だよ。
『また新しいグリードが現れた以上は戦いは当然激化するからさっさと治せ』だってさ」
「さっさと治せるのならもうとっくに終わっています。そこは真木さんの職務怠慢でしょう?」
そーなんだけどねぇ……と後藤は呟きながらアンクからの手紙を見続ける。
「……バースのシステムも試運転用のプロトタイプも満足に出来上がってない。カンドロイドシステムも未完成……アレも治しきれていない。アンクの予想ではもうすぐグリードが大きな戦いを挑んで来る頃合いだっていうのに……ドクターはなにをやってるんだ……?」
中間管理職は楽じゃない。この会社が個性に溢れていなかったら今頃後藤はとっくに引退して世界の存亡を賭けた戦いなんてものから一番遠くにいたのかもしれない……なんて思いながら、後藤は今の位置に満足と後悔を交えていた。
◆◇◆
「……ダメですね。セルメダルの解析はできてもコアメダルに関しては初代オーズが頭の先から足の爪先まで厚すぎるファイアーウォールを広げている……これの解析ができればまた一歩、新たな終末へと若社長は見せてくれるのでしょうが……それだけに残念……んぅ?
これは……そうですか、その手が……」
ファウンデーションのドクター真木の専用研究室。そこでは真木が一つの培養液ポッドの中の物体に向けてコンソールを叩き続けていた。
「なるほど……だがしかし、これを行うにはかなり骨が折れますが……」
真木は暫く考えるような素振りを見せ、再びコンソールに手を向ける。
「いやしかし……コウセイ氏が申していたことも少しだけ理解できますね……命は死に際にこそ輝くものと思っていましたが……誕生する瞬間もまた然り、ですね」
真木は一旦ポッドの中身を放置してまた別の研究に目を向ける。
「さて……後藤くんへの偽装工作は完璧ですね……そしてこれをヴィヴィオさんに渡すだけ……あとは、このメダル次第ですね……」
真木の手元にはカプセル状のものとひねりがついたバックルがあり、ポッドの中には割れた赤い光が三つ、迸っていた。
◆◇◆
現在、エイジの目の前に映るのは自分のものとは比べものにならないほどの素早い刀の閃きとそれをいなす腕だけだった。
「はぁ……やっぱ俺、オーズじゃなかったらこの程度なんだよな……」
ミカヤとアインハルトのスパーリングを見て頭を抑える。学校の方のスポーツテストの方でもなんとなくわかっていたが、恐らくDSAAという対等の条件で戦えば彼の力はヴィヴィオにも劣る。
もっと言えばエイジの魔法は彼の事情から戦闘用よりも実用性を重視しているものばかりなので戦い方によってはヴィヴィオ、コロナ、リオ、アインハルト、エイジの五人のうち一番弱いのはエイジだろう。
無論、エイジにも四人にはない天瞳流があるが、約半年離れていたブランクはかなり大きく、今日の個別教導で痛いほど自分の力不足を理解してしまった。
「えらそーなこと言って、俺が一番なってねーじゃねぇか……」
とはいえ、エイジの評価できる点はそれを自覚して認めているということだろう。魔法戦技であるDSAAは必然的に実用性よりも戦闘用の魔法が必要となってくる。
DSAAに出るとするならばエイジが伸ばすべきものは……やはり剣技と魔力の限界量だろう。
魔法に劣るとは言ったものの、エイジの持つ魔法は実際稀有なものだったりするので、使い方によっては化けるだろう。
例えば、エイジが人知れずオーズをやってた頃やいつもの体格だと不都合がある時に使う変身魔法一つとってもヴィヴィオ達とは違ってデバイスの起動と共に動くものではないため、瞬時に子供と大人を使い分けるだけでも変則的な戦い方ができる。
転送魔法も回避が間に合わない時の緊急措置や物質のショートジャンプとして機能するだろう。
物は使いよう、使えないものを使えるようにがエイジのモットー。だがしかし、使えるようにするにはエイジ自身の技量が足りないとはなんたる皮肉だろうか。
「おいエイジくん、見ているのかな?」
「あ……さーせん、ミカ姐さん」
エイジが物思いに耽っているとミカヤから非難の声をかけられる。そしてエイジは正直に謝る。
エイジは二人のスパーリングを見ながら改めて二人の動きを確認する。
抜刀術だというのにアインハルトの独特な格闘術を完璧に防ぎきっている。しかも、刀を抜かずに鞘だけで防ぐことでアインハルトの拳にも刀にも負担を減らしている。
一見攻めているアインハルトが有利に見えるが、明らかにミカヤは攻められる局面でも攻撃をしていない。それは当然スパーリングなので要所要所で攻撃はしているが、抜刀術という一撃必殺を心掛けるものであるはずが一本を取らないということはミカヤにとってもこのアインハルトとのスパーリングには利点があるということだろう。
「実戦ならもうセンパイは8回くらいは死んでてもおかしくない隙を見せている……やっぱりこれは年季と経験の差が出ている……」
エイジはこのスパーリングを通して敵の隙を見い出す練習をしているが、ミカヤはエイジが口にした以上の隙を見つけているだろう。
「……オーズだけじゃ、ダメなんだよな」
エイジは改めて自分の力不足を実感したのだった。
◆◇◆
そして時は流れるように流れ、練習が終わってエイジは家に帰って来た。
「あっ、おかえりエイジくん」
「おー、ただいまー」
エイジが帰ってくるなりヴィヴィオが出迎えに来てくれたので軽く一言言葉を交わす。
「汗かいてるでしょ?お風呂沸いてるから早く入ってねー」
「んー、わかった」
ヴィヴィオに促されるままエイジはさっさと風呂に入る。暖かい湯が徐々にエイジの思考をしっかりとしたものへと巻き戻して行き、ささっと頭を洗って身体を洗って、体についた水を拭って私服に着替え、ドライヤーで髪の毛を乾かして部屋に戻る。
「なぁ〜んでナチュラルに俺の家にいるのかなぁお前!?」
そしてつっこむ。あまりにも自然にヴィヴィオがいたのでエイジは湯船に浸かって暫くするまで事のおかしさに全く気がつかなかった。
「私が彼女を呼びました」
「ドクター……ここは俺の家だぞ!?なんで俺ん家ってこーも身内に不法進入されてんの!?」
「それは放っておきましょう」
「ほっとけるかぁ!」
「そんなことより、ヴィヴィオさん……改めて問います。貴女は覚悟がありますか?」
エイジのツッコミを完全に無視して真木はヴィヴィオに問う。エイジにはなんの問いかわからなかったが、それが自分にとってマズイことだというのは本能が示している。
そしてヴィヴィオもさっきまでのにぱーっとした顔から一転、真剣な面持ちとなり、真木の言葉に頷く。
「はい。私は覚悟ならできています」
「偽りはありませんね?」
「はい。絶対にエイジくんを守ります」
「ねえ、なんで俺の預かり知らないうちに俺とヴィヴィオが結婚したみたいな会話になってんの!?」
「マジメな話をしているので若社長は黙っていてください」
真木の声でエイジは渋々引き下がる。そして真木は元々変化の乏しい表情筋を真剣な表情に変えると、ヴィヴィオに一つのバックルを手渡して来た。
「なっ!?おいドクター、そいつは!?」
「その通りです。後藤さん用に渡されるセルメダル式のライダーシステム……その名も"バース"……そのプロトタイプです」
「ふざけんなドクター!そいつは後藤さんのヤツだろうが!なんでよりにもよってヴィヴィオに!」
「私の独断です。私は後藤さんに完成したバースを渡す過程としてテストプレイヤーに最も相応しい人物として……彼女が一番"できる"人間と評価しました」
エイジの予想通りの反発に真木は文章でも読んでいるかのように淡々と告げる。
「"誰がすべきか"よりも"誰にしかできないか"と"誰ができるか"……これは貴方がよく言う言葉ですが?」
「そういう問題じゃねえ!ヴィヴィオに渡したら俺が命張って戦う意義がない!俺はコイツらが危険な目にあってほしくなかったからジジイのオーズになるなんて要求を引き受けたんだぞ!?」
「それは貴方の都合です。それに、彼女の意思は既に決まっていますから……それを無下にすることは私にはできない」
「テメェッ……!」
エイジが思わず真木の胸ぐらを掴む。しかし真木はいつものようにキヨちゃんに目を配っている。
まあ、その態度にいい加減エイジはブチ切れたわけで。
「テメェはそれ越しじゃねえとマトモに会話もできねぇのかおお!?」
とうとうエイジはキヨちゃんを奪い取ってゴミ箱にぶん投げた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ダメだから!投げちゃダメ!?汚れついちゃうからぁ!?あ治った!汚れ取れたよ!」
そして真木はよくわかんないことのたまりながらゴミ箱の中のキヨちゃんを掘り当てて全力で撫でる。
そうしているうちにエイジはヴィヴィオの説得に入る。
「っ……おいヴィヴィオ。悪いこたぁ言わねえからさっさとそいつを返せ。そいつはお前には相応しくない。お前の舞台は殺し合いじゃなくて格闘技の場だろ?」
「それじゃあエイジくんに全部任せちゃうことになっちゃうよ。私は世界の命運なんてよくわかんないけど、そんなに重たいものをエイジくんだけに背負わせたくないの!」
「それでもダメなもんはダメなんだよ。それはお前が持ってちゃいけないんだ」
「いいもん。別に。エイジくんが認めなくても私が勝手に使うだけだから」
カッチーン、なんて音がエイジの頭の中で鳴り響いた。
「……あーそうかい。だったら好きにしろよ。勝手に使って勝手にグリードなりヤミーなりと戦っとけ!」
「最初からそうするつもりだよ!」
「……っ、勝手にしろ!ヴィヴィオなんかグリードとかヤミーとかに襲われて死んじまえ!」
「死なないもんね!エイジのバカ!」
「バカはお前だバカ!どっかいけ!」
「ふんだ!」
エイジとヴィヴィオが一通り罵倒の仕合……正確には頭にきたエイジが一方的に罵倒してヴィヴィオがそんなことにならないとだけ言っていただけなのだが、エイジの言ったどっかいけ……この一言を聞くとヴィヴィオはさっさとエイジの家から出て行った。
「ちっ……あのバカが。どうなっても助けねーからな。ドクター、お前もさっさと出てけ」
「……そうですか。それでは若社長。貴方に良き終末が訪れんことを」
真木はそれだけ言うとエイジの家から出て行った。
エイジが乱暴に足音を鳴らしながら二階の自室に戻ると、話を聞いて気を利かせたのか、アンクがさっさと部屋から出て行った。
「っ……ヴィヴィオのバカヤロウが……!……俺の、バカヤロウ……!ヴィヴィオなら絶対こうするだろうが……!なんで、なんであんなこと言ったんだよ……!俺のバカヤロウ……!」
エイジの後悔に満ちた呟きはただひたすら、彼の自室に響いて壁が反響するだけだった。
カウント ザ メダルズ
現在オーズが使えるメダルは?
赤 タカ×1
緑 クワガタ×1、カマキリ×1、バッタ×1
黄色 トラ×1
灰色 サイ×1、ゾウ×1
青 シャチ×1、ウナギ×1
紫 なし
橙 カメ×1
特殊系 イマジン、ショッカー
子供が主人公だとよくケンカとかしますよね。リリなのの無印でもなのはさんはアリサさんとケンカっぽいのしてましたし。
……だが、このケンカは命のやりとりに繋がるというね。なんたる酷いこと!