魔法少女リリカルなのはViVid キャリバーオブデザイア   作:エステバリス

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ああ、読者さんよ、サブタイの時点でわかってると思うけど……歌は気にするな!




一話 ゼロと覇王と気になる歌

「どうなってんだよこれ……寄生型の魔導生物か?」

 

ノーヴェの呟きは驚きと恐怖が入り混じっていた。

 

目の前に突如現れたライオンのような2メートルを越える怪物は突然覇王を自称する女性を内側から喰らうように現れた。なにが、なぜ、どうして。

 

どうして、今まで現れなかった……?

 

怪物はノーヴェに目を移すと、その巨体からは想像もできない速度でノーヴェに迫ってきた。

 

「くそっ!やられるかよ!」

 

ノーヴェはジェットエッジの速度を最大限まで上げ、攻撃を躱す。本来ならここで害獣として駆除したいところだが、取り込まれた女性がどうなるかもわからない。結局、見つかりそうにもない解決策を探しながら避け続けるしか選択肢はない。

 

(畜生……他の奴らに連絡してるヒマすら与えてくれねー。コイツの魔力も感知できない以上、あたしががんばるっきゃねーな)

 

ノーヴェは覚悟を決めて怪物に蹴りを入れんと突っ込む。

 

「どおおおりゃあああああ!!」

 

ジェットエッジのスピナー部分が回転し、怪物に直撃する。

 

だが、直撃したスピナーは怪物の身体に当たったと同時に止まった。まるでチェーンソーが硬いものに食い込んで回転を止めたかのようにだ。

 

「なっ……がっ!?」

 

ノーヴェが一切のダメージを与えられなかったことに驚き、それが一瞬の隙となる。その隙を逃さなかった怪物はそのままノーヴェを殴り飛ばす。

 

「ぐぁっ……はっ……!?なんつー、力だ……!」

 

一発で動くこともままならなくなってしまった。それほどに圧倒的な力を持っているというのか、この化け物は。

 

怪物はゆっくりと、まるで死刑の執行猶予を与えるかのように歩いて来る。ノーヴェは本能で怯え、自分の人生はここで終わるのだと確信めいた絶望が襲う。

 

「っ……!」

 

喋ることすらできない程の恐怖。圧倒的恐怖。

 

怪物がノーヴェのその爪を閃かせる、正にその時だった───

 

「───おっ……らぁッ!」

 

大きな黒いバイクがウィリーしながら怪物を吹っ飛ばした。そしてそのバイクを乗り捨てるかのように乗っていた男……鎧を纏ったエイジが飛び降りる。

 

この際、年齢云々は突っ込まないことにするが。

 

「おーおーぶくぶく成長してやがる。コイツは喰い甲斐があるってもんだ……!」

 

エイジが笑いながら怪物に近づいて行く。

 

「オーズ……オーズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!」

 

怪物がエイジ……オーズと呼ばれたそれに向かって行く。

 

「逃げねーか。だとしたらこのヤミーを生んだ欲望は……"戦闘欲"ってところか」

 

ヤミーと呼ばれた怪物はオーズに向かって飛び掛かる。

 

「だったらメダル稼ぎが楽でいーじゃねーか!逃げない以上イライラもさせてくれないしな!」

 

エイジは叫びながら両手の腕にマウントされていた武器、トラクローを展開し、怪物の爪とぶつけ会った。

 

「やっぱり完全体は歯応えがある……!雑魚い白ヤミーとはダンチだ!」

 

「おい!誰だかしらねーがやめろ!あの中には人間もいるんだぞ!」

 

自分が圧倒された怪物とたかが一手とはいえ、マトモに攻撃をぶつけ会ったことにノーヴェは呆気にとられながらも思い出したように叫ぶ。

 

「あぁん?寄生タイプだと……めんどくせぇ……!アンク!ムチよこせ!」

 

「ウナギだ!使えエージ!」

 

「み、右手ぇ!?なんで右手が浮いてんだ!?」

 

ノーヴェのもう本日何度目かもわからぬ驚きを他所に、アンクは青いメダルをオーズに渡す。オーズはそのメダルを真ん中の黄色いメダルと交換するカタチでスロットに装填し、再びスキャンする。

 

『タカ!ウナギ!バッタ!』

 

オーズの腕部が強靭なツメを持っていたものから白いムチを装備した青と黒を基調としたものへと変わる。

 

「……た、タカ?ウナギ……バッタ?」

 

もうなにがなにやら。困惑しかできないノーヴェを完全に無視してオーズは戦いに集中する。

 

「エージ!寄生型ヤミーとの戦い方は?」

 

「憶えてるよ!宿主を強引に引き剥がすか動きを阻害して禁断症状に陥らせて分離させる!」

 

オーズは腕に装備したムチ、ウナギウィップを振るう。ライオンヤミーはそれに行動を阻害され、暴れるが、どう見てもライオンヤミーよりも体格が小さいオーズはヤミーの動きを完全に止めている。

 

「オーズ……オーズゥ……オリヴィエノ……!」

 

「……こいつ、喋った……!?猫系ヤミーは人間の言語は話せないはずなのに……それに、オリヴィエってまさか……コイツの宿主はオリヴィエ・ゼーゲブレヒトと所縁のある王族の子孫か……!?しかも、記憶を引き継いでいるタチの悪いタイプ……!」

 

オーズはヤミーの呟きに驚愕し、更にオリヴィエという名が出たことに舌打ちする。

 

「何代も前のクソジジイが……!テメェが余計なことするから俺が苦労するハメになってんじゃねえか……!ただでさえオリヴィエ・ゼーゲブレヒトのクローンがいるんだぞ……!」

 

オーズはスッキリできると思った矢先に苛立つことが起こったことに本気でムカつき乱暴にもう片方のウナギウィップでライオンヤミーを殴り飛ばす。

 

「おいお前なにやってんだ!?さっきも言っただろ!」

 

「黙ってろ!俺は今最高に苛立ってんだよ……!」

 

オーズは己の欲望のままに拳を振り回す。ノーヴェの瞳にはオーズの姿はヤミーよりも恐ろしく見えたほどに、乱暴に欲望のままにライオンヤミーを殴る。

 

「どうせヤミーを生んだヤツにも責任はあるんだ……強くなりたいってだけならジムなりなんなり通えばいいだけじゃねえか……!ストリートファイトしてるからこうなるんだよ!

死なねえ程度に殴ってから引っ張り出してやるよ……!」

 

オーズはライオンヤミーを一方的に殴り続ける。殴り続けた箇所から無数の銀色のメダルが散らばり、その場の異様さに拍車をかける。

 

「一方的に殴られる怖さを教えてやる……ッ!?」

 

嗤いながら殴り続けていたオーズ……否、エイジが顔面を殴り飛ばされる。

 

殴ったのは、ノーヴェだった。拳にあまり力はこもっていなかった。恐らくオーズが戦っている間に動ける程度にはなっていたのだろう。

 

「テメェ……いい加減にしとけよ!お前がやってることはそいつに取り込まれたヤツと同じ……いや、それ以上のことだ!お前がどんくらい強かろーとお前がやってることは完全に悪人のやってることだ!

まして、個人的な苛立ちでこんなことやってるお前は一番タチが悪い!」

 

「っ……説教タレてんじゃねえぞ……!俺がどういう感情でコイツと戦ってんのかも知らねえくせに……!」

 

「ハッ!私怨で人を殺しかねないヤツの気持ちなんてわかりたくもない!それに自分のこと知らねえとか言うけどな、初対面でなにも言わねえヤツのことなんてわかるわけねえだろ!」

 

「ンのアマ……!」

 

二人が舌戦をしている最中、ライオンヤミーは逃走を図ろうとする。

 

しかし───

 

「おいエージ!そこの女と言い争ってるヒマなんてねえぞ!逃げる前にさっさとヤミーの宿主なりセルメダルなり抜き取ってけ!」

 

「ちっ……テメェが余計な手出ししたせいで……!くそっ!」

 

オーズがウナギウィップを伸ばし、ライオンヤミーを拘束する。

 

「めんどくせぇ……さっさと宿ぬしぶっこ抜いてぶっ倒してやる!」

 

オーズはタカの効果で強化された感覚で正確にライオンヤミーの中にいる女性の位置を掴む。

 

「そこかっ!」

 

オーズがライオンヤミーの口に向けてウナギウィップを突っ込む。そしてウナギウィップで掴んだ女性を体内から引っ張り出す。

 

「ジジイ……使えるもんは使わせてもらうぞ!」

 

オーズは再び真ん中のメダルを青から黄色に変え、またスキャン。

 

『タカ!トラ!バッタ!

タ・ト・バ!タトバ・タ・ト・バ!』

 

「……た、タカトラバッタ……タトバ?なんだその歌?」

 

「歌は気にするな」

 

オーズが基本形態、タトバコンボへと姿を戻すと乗っていたバイクから刃の青い、刀身に僅かな空白のある剣を取り出す。

 

「メダルの無駄遣いはしたくなかったが……もうめんどくせえ。一気に決める!」

 

オーズは先程の殴打で散らばった銀のメダルを適当に三枚拾い上げ、柄と刀身の間にある穴にメダルを三枚投入してロックをかけ、右腰のスキャナーをメダルのところに翳す。

 

『トリプル!スキャニングチャージ!』

 

オーズはその剣をライオンヤミーに向けて縦一文字に斬撃を飛ばす。

 

すると、斬撃が通った場所が一気に空間ごと切り裂かれ、ヤミーがいた空間をヤミーごと真っ二つにする。

 

真っ二つになったライオンヤミーはその身体が一気に大量の銀色のメダルとなり、すぐにまた黄色と青を変えてタカウバとなったオーズのウナギウィップに取られ、全てオーズの体内へと消えた。

 

「……んじゃ、帰るか」

 

オーズは戦闘が終わると一気に冷めた態度になりバイクに乗ろうとする。

 

が、オーズはそのバイクのハンドルを掴み損ね、そのままその場に倒れ、変身も変身魔法も解けて小さな姿へと戻る。

 

「身体休めないからこうなんだよエージ」

 

それを見ていたアンクはそれだけ言うとエイジの服を掴む。

 

「おい、そこの女」

 

「あ?そこの女ってあたしか……って、コイツまだガキじゃねえか。変身魔法でデカくなってたのか?」

 

「んなことどうでもいいだろ。コイツがこうなった以上俺達はもう逃げらんねえよ。捕まえるなり保護するなり好きにしな。ヤミーに寄生されてた女もコイツが好き放題やったせいで暫く目は覚めないと思うぜ」

 

「……あ、ああ……悪いスバル、ちょっと頼まれてくれねーか?」

 

ノーヴェはアンクに促されるまま、自分の姉に連絡を繋げるのだった。

 

 

 

 

 

カウント ザ メダルズ

 

現在オーズが使えるメダルは?

 

赤 タカ×1

緑 カマキリ×1、バッタ×1

黄色 ライオン×1、トラ×1、チーター×1

灰色 サイ×1

青 ウナギ×1

紫 なし

橙 なし

特殊系 なし

 

 






というわけで1話でした!なんかアンコが原作より丸いね!きっと昔色々あったんだね!

まー紫も橙もあるかないか開示されてるけどいいよね!どーせもうあることなんてだいたいわかるんだから!

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