魔法少女リリカルなのはViVid キャリバーオブデザイア   作:エステバリス

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やっぱりドリルはロマンだぜ!と思った今週のドライブ。安田大サーカスの御三人様は結構演技いいですよね!確か昔レスキューフォースに出てましたよね。

タイプワイルドかっこいい!肩にタイヤという発想はなかった……もしかしたらタイプテクニックは足につくのかな?

と、そんなことよりダンプ強いダンプ。ダンプにドリルとか加速ついて止められなくて負ける気しないはずだ!

……ねえ、それよりハンターちゃんは?僕ぁ最近ハンターちゃんが出てこなくて悲しかとです……いや、コイン爆発させるベガスくんの姿を見せて満足ですけども。




第二章 誰のための力
一話 眩しい光と寂しい影と否定する夢


「とーちゃくやー!」

 

「……ahea……oh……shit……」

 

女性がパーっと両腕を広げ、バイクに跨る大人エイジ(都市部なので変身中)の後ろではしゃぎ出す。

 

「なんで……なんでここにいたくなかったから家出したのに帰ってくるんだ……例え俺に安住の地があっても意地でもここから出さないつもりか……!?」

 

そんなエイジは女性とは裏腹にライドベンダーのフレームに肘をつき、ヘルメットごと頭を抱えて絶望する。因みにアンクはサイドカーの中のバッグに詰め込んである。いつも通り。

 

「いやー、助かった助かった。ありがとーな!」

 

「……うい。別にどってことないっす……」

 

エイジがライドベンダーを適当なところに停車させ、サイドカーを取り外してサイドカーだけ転送魔法で次元の狭間の物置き……通称コウガミ版四次元ポケットの中に突っ込んで、ライドベンダーはその場でバイクの姿をしたマシンバイクモードから自販機の姿に偽装したマシンベンダーモードに変えてそこらに置いておく。

 

「ほえ〜。最近の乗り物は便利やねー」

 

「まあ、一応特注品っすから……コイツに関しては」

 

そしてエイジは女性に貸していたヘルメットと自分のヘルメットをコウガミポケットに投げ込み、元の姿に戻る。

 

するとヘルメットを外したことで今までフードもしくはヘルメットに隠されていた女性の顔がはっきりと出てきて、エイジは少しだけビックリした。

 

なんというか、黒い。ジャージも黒かったが、多種多様髪色のあるミッドチルダの中でもかなり珍しい黒髪だった。

 

それをツインテールに纏め、まだ少しあどけなさの残る顔つきは少し話しただけでわかるような女性の明るい性格の表れだろうか。

 

エイジが女性に抱いた感想は"ヴィヴィオやセンパイ達のような可愛い"と"ミカ姐さんやノーヴェさんみたいな綺麗"を足して二で割ったみたいなものだった。子供らしさと大人の魅力がかまぼこみたいに美味しくごちゃ混ぜになっているみたいなものとよくわからない感想を持った。

 

「……む、なーんかまた難しいこと考えとるな?」

 

「え、いや……別にそういうわけじゃないんすけど、なんつーか……可愛いと綺麗のかまぼこみたいな見た目だなって……」

 

「……かまぼこ?それ美味いんか?」

 

どうやら彼女はかまぼこを知らないらしい。まあ"地球"なんて辺境の世界の辺境の惑星の小さな島国の食べ物なのだから知らなくても仕方がない。むしろ知っているエイジがおかしいくらいなのだ。

 

「美味いっす。魚の身をすり潰したもんなんす」

 

「ほえ〜。世の中色んな食べ物があるんね!」

 

女性はそう言いながら手近なポップコーン屋を見つけて薄塩味を買い、ボリボリと食べ始める。

 

「ジャンクフード派っすか……」

 

「うん、私はどうしてかこーいうのが好きなんよ。キミは食べる?」

 

「いや、いいっす。塩辛いのは苦手なんで」

 

「不思議な子やなぁ。こんなに美味しいのに……」

 

女性は周りの人が少ないのを見ると、今のうちにとフードを被る。どうやら結構な恥ずかしがり屋らしい。まあエイジからすればどうでもいいことだ。

 

「で、俺を来たくもないどころか全力で遠くに逃げることを望んでいたクラナガンに連れてきて、なにがしたいんすか?」

 

「んー?ウチインターミドル出るんよ。だからついでに迷子をクラナガンに預けようかなーと」

 

「俺は迷子じゃねえ」

 

思わずエイジは敬語を捨てて吐き捨てる。取り敢えず子供扱いしてほしくないお年頃なのだ。

 

というか、行き先がインターミドルの会場ならぶっちゃけエイジが来たくなかったクラナガンの中でもぶっちぎりトップに行きたくなかった場所なのだ。

 

「勝手に家出なんてしたらミカ姐さんになんて言われるか……『天瞳流の面汚しめが!』……あ、ない。うん。これだけはない。

だとしたら……『そんなに私の個別指導が退屈か……?』……ヤバいミカ姐さん超怖ぇ」

 

エイジが師匠のことを思い出してブルブル震える。目をそらす辺りが妙にリアルだ。

 

「……ミカ姐さん?天瞳流?……個別指導?……あ!もしかしてキミ、ミカやんの言うてた自慢の弟子!?」

 

そしてエイジの呟きに女性もビクンと反応する。

 

「え?は?アンタまさかミカ姐さんの知り合い!?」

 

「せやで!うわー、まさかあんなところで会ってみたいなーって思ってた子に会うとは思ってもおらへんかったわ!」

 

「……なんで片っ端から俺はやることなすこと自然発生するイベントに台無しにされるんだ……!」

 

エイジは完全に膝と腕を地に付け、絶望の表情を浮かべる。

 

「たまには鬱憤の一つや二つ晴らさせろオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

哀れ、エイジ・コウガミの叫びはただただ、青く眩しいクラナガンの大空に響くだけだった……

 

◆◇◆

 

「………」

 

ボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリ。

 

ひたすらボリボリがゲシュタルト崩壊しかねないほどエイジは好きじゃないとぬかした薄塩ポップコーンを頬張り続ける。

 

「おーい、エージきゅん?ウチミカやんにもなんにも言わへんて。せやから無言でポップコーン食べて食べ終わったらまた買って食べるの無限ループやめへんか?」

 

「………」

 

ボリボリボリボリ。

 

エイジは一心不乱に、無心となって、ミカヤと知り合いという女性……ジークリンデ・エレミアの言葉を完全無視してボリボリする。

 

金なら問題ない。有り余っている。むしろゲーム以外の使い道ができて清々しているほどだ。

 

「あ、あかんで……これをこのまま続けたらエージきゅんの選手生命が完全に塩分のせいで途絶えられてまたミカやんに迷惑かけてまうパターンや……」

 

そう、彼の名はエイジ・コウガミ。基本的に他人のことを考え過ぎても自分のことを考え過ぎてもよくない方向に転がる彼だが、自分の思考を完全に捨て去るということは=他人が迷惑してしまうという迷惑極まりない生き物なのである。

 

そして最早、平常心も捨て去り食べるということにだけ全ての意識を向けている彼を誰が止められるだろうか。恐らくポップコーンがなくなるまでは絶対止まらないだろう。ジークリンデ……ジークやその光景を見ていた人は皆、そう思っている。

 

最早誰がなんと言おうと止まる様子はない……そういう勢いだった。

 

まあ、結果的にジークはエイジを放っておくこともできずにインターミドルの会場まで引っ張って行って一緒に予選見ながらポップコーンボリボリしている。

 

そうしているうちにインターミドルの選考試合が始まり───エイジはボリボリする手を少しだけ緩めた。

 

『Eリング、ゼッケン1066VSゼッケン1084』

 

「───」

 

思わずエイジは手を止め、見入った。そのエイジが見つめる先にいる人物───ゼッケン1066こと、ヴィヴィオ。

 

「……知るもんか。俺はもうアイツがどうなろうが知ったことじゃないんだ」

 

エイジがすぐに表情を仏頂面に戻してポップコーンボリボリを再開しようとした時に、ジークに止められた。

 

「……なんすか、ジークさん」

 

「いんや。なんだか今エージきゅんの目が一瞬だけ……せやね。おかーさんみたいに見えたんよ。おかーさんが食べ過ぎはあかんで?」

 

「なんの冷やかしっすか……ってか、なんで俺があんなのに対しておかーさんになんなきゃいけねぇんすか」

 

「ふーん?あの金髪オッドアイの子と知り合いなのは否定しないんか」

 

「否定しようがしまいがそれが事実なのは変わんねーからなぁ。まっ、ケンカ中の幼なじみだと思ってくれりゃ、そんなところで大正解なんで」

 

「へー……エージきゅんはやっぱり友達面で苦労する性格してんねんな。ちょっと話しててもすぐわかるよ」

 

「そーいうジークさんこそ俺のかーさんっすか。なんで俺の周りの十代の女の人はこうも俺を子供扱いして面倒見ようとするのかねぇ……」

 

ケッ、と吐き捨ててエイジは選考試合に目を配る。余談だが、彼が年上の女性に世話を焼かれやすいのはまぎれもなく彼の性格故だろう。大人を頼らない子供ほど大人は頼ってほしくなってしまうのだ。主に危なっかしくて。

 

リングを見ると、ヴィヴィオは対戦相手に一瞬で距離を詰め寄り、ラッシュでガードを強要させていた。一枚一枚が軽いヴィヴィオにとってはこの拳での弾幕張りはある意味生命線とでも言えるのだろう。

 

だが、その薄い一撃も特訓を始めた頃から見てもかなり見違える。師匠の教えがよかったのか、彼女自身の呑み込みが早いのか……あるいは、両方か。

 

ふと、エイジは自分の右腕につけてある魔力負荷リストバンドを見る。これは日常的に自然に使う魔力に負担をかけることで、リストバンドが"重い"という錯覚を与えるものだ。常に魔力に負担をかけ、筋肉に負担をかけずに日常で意識して筋肉を使うようになるため、魔力の限界値も筋力も常勝する便利すぎるものだ。

 

恐らくはそれの助けもあるのだろう。因みにエイジ以外の四人は特訓も半ばを過ぎると両手足に最大出力で負担をかけていたが、エイジは五人の中で最も魔力値が低いし、そもそも筋力が四人より性別的にも特訓的にも優れていたため、右手の一つに最大出力でかけていただけだった。

 

「……ほんっと、世の中魔力あるヤツが勝ち組だからな。なのはさんとかなのはさんとか、タヌキさんとか」

 

はあ、とエイジは自分の周りの圧倒的な魔力の内包者を思い浮かべる。実際、あの二人の戦闘スタイルもバカみたいな魔力があるからこそ成り立つ"前線に出れる超鉄壁砲撃手"と"超広範囲を殲滅する戦略兵器"なのだ。悪い言い方をすると、彼女らから魔力をとればただの一般兵なのだ。無論、彼女らも魔力ありきの戦い方はせず、魔力がなくともエイジ程度なら簡単にあしらえるだろう。

 

実際、一度魔力の限界値の伸びをここ一ヶ月間見ていたが、彼の魔力の限界値はリストバンドのおかげで著しいほど伸びた四人とは比べるのが恥ずかしくなるくらいに伸びなかった。

 

前はまだ、彼には"オーズ"という四人にはない逃げ道があったが……そうは問屋が、真木が許さなかった。

 

真木がヴィヴィオにライダーシステムを……プロトバースを渡した時は、エイジは『守るために戦ってるのに、これじゃ戦う意味がない』なんて言ったが、その彼の言葉の裏にあったのは『グリードやヤミーに対抗できるのは自分だけなのに、そのアイデンティティーすらも自分のコンプレックスの元となっている彼女に奪われたくない』というものだった。

 

……そう。彼は、エイジ・コウガミは高町ヴィヴィオ達に嫉妬していた。

 

自分よりも強い彼女を。自分よりも友達の多い彼女を。自分よりも輝いている彼女を。自分なんかよりも優しい彼女を自分よりも、自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも自分よりも……

 

自分には周りにはないなにかが……オーズがある。エイジは昔からそれを知っていたが故に、自分だけの領域に誰かを立ち入らせたくなかったのだ。

 

だから、彼は本来のところバースの製作自体を拒否していたかった。

 

だが、そこで彼は、オーズの記憶を持っていたせいで大人とはなんなのかを、どの方法が一番簡単にカタがついて人を……大事な人を守れるかということを知っていたがため、結局バースの製作を認めたのだ。

 

子供であるのに、子供扱いしてほしくなく、かといって大人になれるはずもないのに、大人である。

 

そんな葛藤はやがてエイジという人間を嘘だらけの人間にしてしまったのだ。

 

その試合、エイジの瞳にはヴィヴィオの姿はあまりにも眩しく映り、彼女の姿を見ることができなかった。

 

◆◇◆

 

彼女……ジークリンデ・エレミアがエイジ・コウガミに対して最初に持った印象は『年不相応にねじ曲がったいい子』だった。

 

実際、エイジはジークを途中で行き先を聞いて行きたくもない場所だったはずのクラナガンまで律儀に連れてきてくれたのだ。その時にジークはまた彼の印象に『素直にならない優しい子』となっていた。

 

そうしてエイジと暫く話していると、彼女の瞳にはエイジの姿は、人が彼を囲って手を差し伸べしているのにそれを拒んでいるように見えた。

 

一見掴んでいるように見えるが、いつ離れてもおかしくない、そんな危なっかしいものだった。

 

故に、ジークは色々な言葉で彼という人間を当てはめようとして、諦めた。

 

なんというか、この少年は言葉では表しても無駄な気がしたのだ。それでも一言で言い表すならば、"渇いている。"だろうか。

 

彼の行動そのものに彼自身意義を見出せていないのだ。なにかを求めているのはわかるのだが、そのなにかを見つけ出すことができておらず、結果的になにかを見出している者達に劣等感を抱いている。

 

ジークはそんなエイジを放っておくことができなかった。いや、そもそもミカヤの愛弟子ならば尚更放っておけなかったのだ。

 

直接指導する弟子はとらない主義と言っていたミカヤがたった一人、彼にだけ特別に個人指導を敷いていたのだ。そんな人間をそんな"下らない"渇きのせいで選手として終わらせたくなかったのだろう。

 

……だからこそ、そのタイミングでやって来た親友は、とてもタイミングが読めなかった。

 

「見ーつけた」

 

「へ?」

 

ジークの顔を隠すためにつけていたフードは外され、思わずジークは後ろを振り向いてしまった。

 

そこには、金髪の女性がおり、ジークもよく見知った人物であった。

 

「ヴィクター?」

 

「お久しぶり、ジーク」

 

彼女の名をヴィクトーリア・ダールグリュン。彼女もまたインターミドルの常連であり、ジークの親友だ。

 

「そんなにフード深く被ってちゃダメよ。見えづらくないの?」

 

「……目立つの嫌やもん」

 

「それに、またこんなジャンクフードを!」

 

「あー!」

 

ヴィクトーリアはジークが持っていたポップコーンをひったくると、ジークに対していつものことなのか、説教を始める。

 

「ちゃんとしたご飯食べてるの?」

 

「食べてるよ。それはたまたまなんよ」

 

「……だったらここにある大量のポップコーンの袋はなんなのかしら?」

 

「い゛」

 

ジークは思わず女性らしからぬ声をあげてしまう。横にいるエイジは食べ飽きたのか、ポップコーンを既に手放しており、そのポップコーンの袋の位置はジークが食べたともとれる位置にある。

 

「あっ……それ、俺が食ったヤツなんで」

 

と、そんな時に終始無言だったエイジがようやく口を開いた。しかし顔は難しいままで、考え事をしているというのは容易に想像がついた。

 

「そ、そう。ごめんなさいね。でも流石にその量は身体に悪いと思うわよ……?」

 

「問題ないっす。半分くらいはジークさんが食ったヤツなんで。あと全部俺の金で買ったヤツなんで」

 

「ジークッ!!!!」

 

「ひいいい!!?ちょ、エージきゅんなに言うてくれてんねん!?事実やけども、それでも私が食べたのは三割くらいなんやて!」

 

「この量じゃ五割も三割も大した違いじゃありません!しっかりした食べ物食べなさい!」

 

「ひえええ!!」

 

エイジはそんな会話をしているジークとヴィクトーリアに対して、やはりまた劣等感を募らせてしまった。

 

どうすればこんなに仲良くしていられるのだろうと。どうして自分はヴィヴィオ達に普通に接することができないのだろうかと。

 

そう思っているとまた別の人物の声が響いて来る。今度は複数人だ。

 

「あーくそ、すっかり遅刻しちまった!」

 

「リーダーが寝坊するからっすよ〜!」

 

すっ、と目を向けると、そこには赤い髪ポニーテールに結ってある女性と、その女性を取り巻くようなマスク、グラサン、長身とまた個性のバーゲンセールのような四人組がいた。

 

「アホのエルスがナマイキに選手宣誓なんぞするって聞いたから笑ってやろうと思ったのによ」

 

「自分らは何度も起こしましたからねー?」

 

「ま、結構面白い試合も見れたし良しとらするか!」

 

女性がふらふらと歩いていると、ヴィクトーリアと互いに目があった。因みにジークはこの隙にフードを被ってポップコーンをボリボリし始めた。

 

「ポンコツ不良娘!どうして貴女がここに?」

 

「ヘンテコお嬢様じゃねーか。あれ?今年はお前、選考会からスタートだっけ?」

 

「違うわよッ!シードリストも見てないのッ!?私は六組の第一枠!」

 

このヴィクトーリアをヘンテコ呼ばわりした女性の名をハリー・トライベッカ。やっぱり彼女もインターミドル常連。

 

「あー、そうだったか?こちとらお前のことなんざ眼中ねーから、見落としてたかもしれねーなァ」

 

「貴女こそ。今年は地区予選で落ちてくれると助かるわ……ていうか、負けちゃって?貴女と戦うの面倒くさいから!」

 

「なんだとてめー!?」

 

バチバチ、と火花を散らす二人。この二人はなんというか、犬猿の仲というか……遺伝子的に相容れぬ存在とでも言うようなものだ。

 

それでも互いにそれなりにウマは合うらしく、決して仲が悪いわけではない。互いに嫌い合う性格をしているだけで。

 

そしてもう、エイジはその場にいて耐えられる気がしなくなった。

 

「……ジークさん、俺もう行くよ。これ以上ここにいると変な気分になりそうなんで……」

 

「あ、ちょ、エージきゅん……!?」

 

エイジは一通りポップコーンの袋を片付け、さっさと立ち上がって会場を後にする。

 

やはり子供とは難しい生き物なのだろう。その中でもエイジは性格的にも境遇的にも群を抜いてタチの悪いものだった。

 

「……やっぱり、インターミドルは……ここは俺には眩しすぎる。ここの人達はみんな、俺にないものがある……」

 

エイジはただ、自分の中に詰め込んできたフラストレーションを溜め込むことしかできず、かといって会場から出ることも叶わず、後ろから聞こえる歓声にただ羨望の瞳を向けることしかできなかった。

 

……その夜、エイジの眠っているうちに一通のメールが届いた。送信者はジーク。その中には短文で要件がまとめられていた。

 

『エージきゅんへ

もしよかったらまた今度やるインターミドルのスーパーノービスクラスの一回戦、観に行かへんかな?

正直エージきゅんがなにに劣等感を抱いてるのかはわかんないけど、最初会った時に言った通り、年上は頼るもんやで?』

 

エイジはその夜、昔自分が描いていた"ヴィヴィオ達と背中を並べている自分"の夢を見た。

 

その夢はとても懐かしく、まるで今のエイジの存在を全て否定しているかのように見えた。

 

 

 

 

 

カウント ザ メダルズ

 

現在オーズが使えるメダルは?

 

赤 タカ×1

緑 クワガタ×1、カマキリ×1、バッタ×1

黄色 トラ×1

灰色 サイ×1、ゾウ×1

青 シャチ×1、ウナギ×1

紫 なし

橙 カメ×1

特殊系 イマジン、ショッカー

 




シリアスは暫く続く……そして作者公認と化したエージきゅん。……思えば、エイジくんの呼ばれ方はかなり多彩ですね。
エイジくん、エイジさん、コウガミくん、コウガミさん、エージ、エージきゅん、若様、若社長、オエージ……

なんでセンパイとヴィヴィオ以外誰も普通にエイジの名前で読んでくれないんだ……?
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