魔法少女リリカルなのはViVid キャリバーオブデザイア   作:エステバリス

6 / 21
時間がかかったね……

こうなった理由は……別の小説を次話投稿して……その次話投稿も遅れたから……ああっ!全部私のせいだ!

ハハッ、読者様くん、全部私のせいだ!フフフフ!




五話 鮮烈と選択とやらねばならぬこと

……また、あの時の夢だ。

 

オーズの力でクソジジイが村々を蹂躙していく夢。

 

蹂躙する夢の時のクソジジイは必ず気味が悪いくらいに笑ってやがる。

 

……なにが面白いんだ。クソジジイ、テメェのせいで人間が死んでるんだぞ!テメェのせいで、俺は人との関わりがしにくくなりやがった。

 

畜生、畜生畜生畜生畜生……畜生!

 

なにが面白いんだ!?言えよクソジジイ!人を殺して、なんでテメェはそんな笑顔でいられるんだ!?

 

答えろよクソジジイ!

 

なんでテメェが勝手に残したクラウスとオリヴィエとの確執のツケを、今になってなんの関係もない俺達に払わせようとしてんだ!?

 

テメェがオーズとグリードを作ったせいで親父とお袋とジジイは死んだんだ!

 

テメェの勝手な欲望で、俺の家族を奪わないでくれ!

 

テメェのせいでアイツらが……強引に友達になってくれた俺の友達が死んだらどうする!?テメェの子孫だけじゃ飽き足りずに無関係なヤツらまでテメェは殺す気か!?

 

俺は……俺が守りたいものを守りたいだけなのに、どうしてアンタは俺が守りたいものを片っ端から壊そうとするんだ……

 

◆◇◆

 

「……最悪の目覚めだ」

 

目が覚めるなり開口一番、不機嫌な声を漏らす。天井が知らないものだが、それに関して考えるような状態ではなかった。

 

「クソジジイが……!何百年も昔に死んだクセに今更ぶり返してんじゃねえぞ……!死人らしくさっさと墓ン中で永眠してやがれ……!」

 

エイジがどこの場所とも知れぬ壁に拳を叩き込む。ちょっと痛かったのは秘密。

 

手元に貴重品類の一切がないことを確認すると大人しくベッドに背中をつける。

 

すると壁ドンした影響か、シスター服を纏った水色の髪をした女性と紫髮のシスターがやってきた。

 

「……誰だアンタら。俺は今すこぶる機嫌が悪いから放っといてくれ」

 

「……アチャー。シスターシャッハ。噂通りの不良っぷりですねこれは」

 

「ええ……個人的には綺麗さっぱり教育したいところですが、今はそういう状況ではありませんからね」

 

「あぁん?んだよアンタら。俺に説教たれようとしてたのかよ……」

 

エイジは普段にも増して不機嫌に不良っぽく語気を荒げる。しかし相手は仮にもシスター。不良の態度程度では折れない。

 

「私は聖王教会のシスターシャッハ、こちらはシスターセインです。エイジ・コウガミくん」

 

「聖王教会ってことはここの聖王教会の病院か……で、その聖王教会のシスターサマ御二人が俺になんの用っすか?」

 

「……貴方はなんのことかわかっているのでは?」

 

「さて、小学生がシスターに尋問されるなんて極めて特殊な性癖をもつ人を集めるような状況に陥ったことはないんで、なんのことだかわかりかねるっす」

 

エイジが「キャーセクハラー」とおどけながら言う。正直かなりウザい。

 

シスターシャッハはウザい言動に呆気にとられながらも気を取り直す。

 

「"覇王"イングヴァルトの末裔……アインハルトから聞いたよ。オーズのこと。あのアンクも後藤って人も質問には正直に答えてくれたしね」

 

セインがそう言うが、エイジはへーそうなんですかーとでも言うように、まるで興味がないような態度をとる。

 

「……で?後藤さんとアンクに聞いたのなら俺なんかに聞くことなんてないでしょう?じゃあ逆ナンですか?俺小学生ですよ?ショタコンですか?行き遅れですか?」

 

エイジが次々と嫌味ったらしいことや喋り出す。一瞬シスターシャッハから殺気を感じたが気のせいだろう。

 

「……いいえ、そのどれも違います。私の問いはオーズである貴方に対してです」

 

「断ります」

 

「今すぐオーズに変身するのを……って早いです!最後まで言わせてください!」

 

「嫌です。そもそも俺が戦うのをやめたら誰がヤツらと戦うんすか?」

 

エイジの言うことは尤もだ。デバイスの力ではグリードはおろか、ヤミーすら倒せない。かといって、質量兵器でどうにかなるような敵ではない。

 

だがそれでもたかが10歳の少年を戦いの場に駆り出したくないというのがシスターシャッハの本意なのだろう。彼女はその場を譲らない。

 

「しかし貴方はまだ10歳なのでしょう?こんな危険なことは大人や管理局がやればいいと思わないのですか?」

 

「思わないっす。大事なのは"誰かやるべきか"じゃなくて、"誰にしかできないか"と"誰ができるか"。

ここで俺がオーズとして戦うのを放棄したら俺にしかできないことを一つ棄てたってことになる」

 

俺はくだらない正義感なんかじゃこんなことしないっすよー、とエイジは続ける。

 

「そもそも"やるべきか"に関してだってグリード駆除はクソジジイの尻拭いって意味もあって動いてんだ。大人だからー、管理局だからー、よりも人間的でいいと思うんすけどねぇ」

 

そこんとこどうっすか?とエイジは二人のシスターを見る。まあ確かに先祖の尻拭いは大人だから、管理局だからという理由よりも裏がなくてわかりやすい。

 

「そもそも俺は言い訳がましい大人と管理局が嫌いだ。そういう理由でオーズは手渡したくない」

 

「しかしそれは……」

 

「いいんじゃないんでしょうか、シスターシャッハ、シスターセイン」

 

突然、四人目の人間の声が聞こえた。

 

慈愛に満ちている声、そう表現すればいいだろうか。とにかく、理由はわからないが聞いていて落ち着く声。そんな感じだ。

 

声の発生源はシスターシャッハとセインのすぐ後ろ。丁度今入って来た金髪の女性だ。

 

「……アンタは?」

 

「聖王教会所属の騎士、カリム・グラシアです。一応、名目上は管理局の少将にも身を置いてますが、あくまで名目なので気にせずに」

 

「カンケーねっす。少将だろーが元帥だろーが俺は人によってゴロゴロ態度変えるのは好きじゃないんで」

 

「そう、それはよかった」

 

失礼しますね、とカリムは一言断ってからエイジのベッドのすぐ近くにある椅子に腰掛ける。

 

「騎士カリム!この少年にオーズを託してもいいとはどういうお考えですか!?」

 

シスターシャッハがカリムに詰め寄りながら驚きの顔を隠せずに問い詰める。

 

対してカリムは落ち着きを崩さず、静かに瞳を閉じたまま答える。

 

「やるべきかではなくやるしかないかやるか……ええ、私は彼のこの考えはよくわかります。はやて達が機動六課を立ち上げた時も、はやては自分がやるべきとは言いませんでした。

それに、子供の自分にしかできないことを奪うというのは成長の阻害にもなりかねませんしね。加えて……私はこの子が気に入りました」

 

「気に入った?こんな不良がっすか?」

 

「ええ、気に入ったわ。その誰にも態度を変えない心の強さも含めて。それにアインハルトさんが言っていた、ベルカを滅ぼしかけたオーズは彼じゃないんですから。後藤さんやアンクの話から考えれば、少なくとも彼は滅ぼすためじゃなく守るために戦ってる」

 

そうでしょう?とカリムは微笑みながらエイジを見てくる。

 

その微笑みはエイジにとって逆に眩しすぎるものだった。あまりに自分を知らない彼女はなぜこうも自分を信じるのか、彼には理解できなかった。

 

「……アンタ、俺を買いかぶりすぎだ。俺はそんな市民を守るために戦ってる聖人君子なんかじゃない。自分がなによりも強くなるために戦うだけで、結果的に助けてるだけだ」

 

「だったらなんで貴方は一週間前の通り魔騒ぎの時に通り魔の犯人と言っても他言じゃないアインハルトさんを助けたの?」

 

「死なれたらムナクソ悪いだけっす。事実殺しかけたし」

 

エイジはカリムの言葉をとにかく否定する。自分はそんな善人じゃない、自分は助けたヤツを殺しかけた。そんな風の言葉を続けている。

 

カリムはそんなエイジの態度にも苦い顔一つせず、エイジの膝の上にオーズドライバーのバックルを置く。

 

「貴方が助けを必要とすれば、私は協力を惜しまないつもりです。必要とするかは貴方次第です」

 

「………」

 

エイジはただ無言で立ち上がるとバックルを取り、カリムが持っていた自分の鞄をひったくるように受け取って病室から出る。

 

「……騎士カリム。アンタのその選択、後悔するなよ」

 

一言、エイジはそれだけ言って病室から出て行った。

 

エイジがいなくなった病室で、カリムは自分にしか聞こえないような小さな声で呟く。

 

「……エイジ・コウガミくん。貴方の選択で貴方の物語はこれから改めて始まっていきます……貴方の選択に、ハッピーバースデー……」

 

◆◇◆

 

病院から出てきたエイジを迎えたのは、自分の家でもないのにヴィヴィオだった。

 

「おはよう、コウガミくん」

 

「……ストーカーか?お前」

 

エイジはただ一言、色々言いたい気持ちを抑えて一言だけそう言った。

 

思えば、ここ一週間の学校での昼休みに一人で色々な場所に昼食を食べに移動していたのだが、エンカウント率が異常だった。

 

屋上、校舎裏、校庭の片隅……ありとあらゆるところにヴィヴィオ達三人組は現れた。

 

最早ストーカーなんじゃないかと疑いをかけたくなるレベルなのだった。

 

「そんなことないもん!もう起きてるかな?って立ち寄ったら偶然コウガミくんが起きてただけだもん!」

 

「あーはいはいそうですか。うんわかったヴィヴィオはストーカーじゃない」

 

まるっきり棒読みだった。棒読みすぎて逆に感嘆するくらいには棒読みだった。

 

「……むー!コウガミくん、早く学校行くよ!」

 

「は?おい待て……俺は学校行くなんて一言も」

 

「いいから行くの!」

 

ヴィヴィオに腕を異常な握力で掴まれながらエイジはヴィヴィオに引っ張られる。

 

そんな中、エイジは素朴な疑問が浮かんだ。

 

「おい待てヴィヴィオ……お前、俺が怖くないのか?」

 

「なんで?」

 

「なんでって……俺は古代ベルカ時代で聖王にも覇王にも仇なしたオーズの子孫だぞ?怖がりこそしないかもしれんが、普通は警戒とかするだろ?」

 

エイジの問いにヴィヴィオは暫くポカンとしていたが、急に大笑いした。

 

「なんだよそのバカみてぇな笑い方は」

 

「にゃっはははは!いや、ゴメンね……でも、おかしくってさ。だって、オリヴィエはオリヴィエで、クラウスはクラウス、ベルカのオーズはベルカのオーズでしょ?

私でもアインハルトさんでも、ましてやエイジくんでもないんだから、気にする方が変だよ」

 

今度はエイジがヴィヴィオの言葉にポカンとした。暫く固まったままだったが、やがてエイジは呆れたように溜息をつく。

 

「んだよそれ……俺がバカみてぇじゃねえか」

 

この日が、ベルカ時代の三人の王が時を越えて巡り会った日……その日が、エイジ・コウガミの奇妙でおかしい戦いの始まりの日……

 

彼ら三人の、鮮烈な物語の、始まりの始まり。

 

 

 

 

 

カウント ザ メダルズ

 

現在オーズが使えるメダルは?

 

赤 タカ×1

緑 クワガタ×1、カマキリ×1、バッタ×1

黄色 ライオン×1、トラ×1、チーター×1

灰色 サイ×1

青 ウナギ×1

紫 なし

橙 なし

特殊系 なし

 




なんかグダったー。二巻もこんなにグダるのかと思うと一種の恐怖心を覚える今日この頃。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。