魔法少女リリカルなのはViVid キャリバーオブデザイア 作:エステバリス
やあ、結局サブタイの時点で光実最後の変身なんて言ってたのにマトモに極アームズと戦わなかったおかげで来週が待ち遠しい甲殻類です。
オーバーロードが全滅ってことはあとは人間同士の醜い醜いライダーバトルなのかぁ、と思いつつも、見る。
ようやくミッチが迷走しまくった結果となんでこんなことしようとしてたのかに気付いちゃいましたね。しかし迷走。
というかいい加減貴虎ニーサンは帰って来て!面割れ+落水なんて生存フラグ以外の何物でもないんだから!|M0)ジー
ミッドチルダ首都クラナガン、臨港次元船港付近。
「人を待たせるってのはそれなりにいい気分になるもんだなぁ……ちょっと急ぐかな」
「はー。別にエージがなにしようと勝手だが、変な事だけは起こすなよ」
エイジが港に向かって軽く速足で進む。アンクはそれに大したお咎めもせずに旅行鞄の中から聞こえにくい声でモゴモゴと喋る。
「わかってるよ……ヴィヴィオじゃあるめーし、そこまで急ぎ足にはならねーって」
そうは言いつつも少し急ぎめになっていくのは人間故に。エイジはスタコラと歩を進めて行き、道の角に差し掛かる。
「ここを右に……ってうわっ!?」
「きゃっ!?」
曲がり角で見知らぬ少女とエイジはぶつかってしまった。エイジは咄嗟に身体のバネを生かして立ち上がると、その見知らぬ少女が倒れないように両腕で支え、立たせたところで腕を引く。
ここら辺の支えて立たせるまでの手際の良さはまるで二人でダンスでも踊ってるようだった。御曹司だからその辺の社交ダンスにはある程度慣れているのだろうか。
しかし、もしそうだとしたら10歳の男が社交ダンスを踊れるというのも奇怪なものである。
「おっと……すんません。無事っすか?」
「ありがとう、私は無事よ」
エイジとぶつかった少女は見た感じ10代半ばくらいと言ったところだろうか。だと言うのに妙に大人の色気を感じる。
と言ってもそんな色気とかどうでもいいのがエイジなのだが。
「すんません、ちょっと人を待たせるから急いでたんす」
「人を待たせるために急ぐ……?ふふっ、おかしな子ね……ええ、私も人を待たせているから少し急ぎ足だったわ」
二人は軽く謝り合うとすぐに同時にまた急ぎ足で走り始める。
「ほれ見たことかエージ。ヒト様の迷惑はかけるなってお袋に教わんなかったのか?」
「ぐっ……気をつける」
エイジはそのまま少しだけ速度を落として港に向かって行った。
「……不思議な子ね。悪い気はしないわ」
少女はエイジの方を見ながら軽く微笑み、目的の場所に少し急ぐ。
目的の路地裏には、白い服を着た男性がいた。
「お待たせ、ガメル」
「あ、メズール!おれ、メズールくるのまってた!」
ガメルと呼ばれた男性は外見に全くそぐわないほど幼い喋り方をしていた。
「偉いわガメル。ごめんなさいね、少しおかしな子に出会って時間を使っちゃったの」
「だいじょうぶ!おれ、えらい!メズール、やさしい!」
「ふふっ、ありがとうガメル……それじゃあ、今日も人間の欲望を探すとしましょう」
まるで姉弟のようなそぶりの会話をする二人だが、路地裏に一瞬だけ差した光に映っていたのは、間違いなく人間ではないなにかだった。
◆◇◆
無人世界カルナージ、ミッドチルダ首都クラナガンから臨港次元船で約4時間の船旅の末にある世界。標準時差は7時間。
一年間通して温暖な気候は大自然に恵みをもたらす豊かな世界。
そんな船旅の末───
「ようこそ無人世界カルナージへ、若社長エイジ・コウガミくん」
「……なんでアンタがいるんだドクター」
「いえ、豊かな発想力を養うために偶然、偶々、奇妙な運命と共に導かれるかのようにここにやって来ただけ……ですが」
目の前にいるメガネに長身、喪服の如く真っ黒なスーツの男……ドクターと呼ばれた彼はエイジの方向を見ずにまるで肩に乗せた人形と話すかの如く喋っている。
「嘘つけ引き籠りドクター!なんの恨みがあって俺の旅行場所に現れる!」
「……四年前のJ.S.事件……私はあの場でドクタージェイルと行動を共にしていました。そんな私がルーテシアさんのロッジにいることはおかしいことですか?」
「おかしいに決まってるだろうが!ジジイがアンタを引き抜かなかったら今頃スカリエッティ共々無期懲役の終身刑だ!んなヤツに被害者が心を開くと思ってんのか!?」
「あー、マキィ。そこの機材取って」
「わかりました。ルーテシアさん」
「なんだその示し合わせたようなタイミングの良さは!ルーは絶対態とやってるだろ!」
「あ、バレた?」
ドクター、本名を真木清彦。通称ドクターマキ。コウガミファウンデーションの優秀なドクターだ。
セルメダルを用いたメダルシステムは大抵鴻上コウセイの指示によって彼が作ったのもだが……性格にいささか問題がある。
まず一に、肩に乗せている人形のキヨちゃんを通さないとマトモに話ができない。
そして二に、なんかウザい。憎たらしいのはジェイル・スカリエッティに心なしか似ているので兄弟説があるが真偽は不明。
彼は四年前のJ.S.事件の首謀者の一人であり、今の管理局を終わらせるというジェイル・スカリエッティの欲望の過程に共感し、管理局の終末による今の世界体制の終末を望んでいたのだが、結果は失敗。判決が下される直前に前会長の鴻上コウセイが彼をスカウトし、ありとあらゆる手を使って強引に無罪にした。
その後彼は前会長の指示によってセルメダルシステムを開発、提供している。
事件の首謀者ということで表立って行動はできないが、彼も彼で割と自由にしている。
「だいたいルー!お前こんなん許してどうするつもりだ!?」
「んー?なんかマキィは憎めないんだよねぇ。私の歴史調査にも手伝ってくれるし」
あっけからんとルーテシアは言い放つ。エイジはもう好きにしろと言わんばかりに諦める。
「そうですか……それでは若社長。貴方のこの旅行に素晴らしい終末が訪れんことを……」
「不吉なことを言うな!」
ロッジの中へと消えて行ったドクターに向かってエイジは叫ぶが、結局なにも返って来なかった。
◆◇◆
「水遊び?断る」
「そんなこと言わないでよエイジくん!行こうよ!」
「うるさい黙れヴィヴィオ!なにが悲しくて女だらけの川に遊びに行かにゃならん!そんなところにいられるか!俺は森に行かせてもらう!」
「待ってエイジくん!それ死んじゃうから!」
こうしてエイジはヴィヴィオの話を全く聞かずに森に向かって行ったのだが……
「迷った」
「見事すぎてなんにも言えねぇぞエージ……」
「うっ、うるせっ」
エイジは若干顔を赤らめながらも相変わらず反抗的な態度で、あそこまで言って後戻りするのは男としてどうなのかという小学生特有の見栄っ張りでそのまま森の奥へと足を踏み入れる。
ただ、カルナージは仮にも無人世界。森林伐採なんてするはずもなく、自由気ままに伸びる草木でエイジは更に迷う。挙句の果てに草木が伸びまくってるのでエイジの身長では目の前の景色すら見えないので変身魔法すら使ってしまう始末。
「おいエージ……そろそろ戻ったらどうだ。これ以上行くと流石にロッジに戻れなくなるぞ」
「嫌だっつーの。ここで引き下がったらヴィヴィオ達にm9って感じに見られるだろ」
「あいつらに限ってんなことするわけねーだろ……いーから戻るぞエージ」
「知るか」
エイジはなおも頑なに森を進む。そんな道の途中、一つの川を発見した。
「川……そーいや、あいつらは川で遊んでるんだったな」
「だから知るかっつーの。さっさとこの川渡る───」
エイジがそう呟いた瞬間だった。
「っ!下がれエージ!」
アンクが突然エイジに飛びかかった。なにが起こったのかわからないエイジはただ慣性に任せて川の真ん中で倒れてしまう。
「っつ……んだよアンク。なんか俺に恨みでも───」
エイジの言葉が終わる前に目の前からひらぺったいなにかが後ろから飛んで来た。
「っんな!?」
エイジが間一髪で躱すと、その物体はエイジの目が向いた方向へと飛んで行き、オレンジの腕をした人間ではない者の手に収まった。
「……貴方、アンクね。だとすればそこにいる貴方は……オーズで決まりね」
その声の主は人間らしからぬ外見だが、その身体つきと声、喋り方から女性型であることは容易に想像がつく。
その身体は下半身が不完全で、頭にターバン状の物質を巻いている。背中や両腕には鉄壁とも言えそうな鎧と円形状の物質を纏い、守りを一点に集中しているかの如く身体の真ん中辺りは黒く薄い鎧に纏われている。
不完全な下半身が彼女がグリードであると端的に表しているようだ。
「……お前、グリードか。アンク、コイツは誰だ?」
「……わからねえ。少なくともあの初代が使っていたメダルの色にあんなのはなかった」
アンクが相変わらず声と腕だけで見事な感情表現をする。
そのグリードはああ、と思い出したように納得する。
「そうね……私が生まれたのはベルカよりもずっと後のこと……確か、カンリキョクで言うところのシンレキに入る直前に生まれて同時に封印されたから、貴方達が知らないのも無理はないわね。
まあ、私を産んだニンゲンはわざわざグリードの情報一つ一つを私に植え付けたおかげで私は貴方達のことはだいたいわかってるわ……だからこそ、私は貴方達が憎い!」
そこまで言うとグリードは急に腕についている物質を投げて来た。
「くっ!さっきのヤツはこれか!アンク!とりあえずタトバ!」
「とりあえずって言うなエージ!」
アンクが避けながら投げて来た3枚のメダルを受け取り、慣れた手つきでセット、スキャンする。
「変身!」
『タカ!トラ!バッタ!
タ・ト・バ!タトバ・タ・ト・バ!』
「行くぜ……グリードならメダル集めしても大丈夫だろ!」
オーズは早速バッタ・コアの力を利用して脚部を変形させて跳躍、同時にトラクローを展開してグリードの背中に突き刺す。
だが、しかし。
「なっ……硬ぇ……!」
「そんなひ弱なツメ程度で、この鎧の守りが破られると思わないことね!」
グリードは腕に着いた円形状物質をオーズに当てるように裏拳を放つ。
「ぐっ、あぁ!?」
予想外の防御力に呆然としていたオーズに容赦のない拳が突き刺さる。
「ぐっ、なんつー硬さだ……物理攻撃はほぼ無意味か。だとしたら、ライオンくれ!」
「そらよ!」
エイジがアンクにライオンメダルを求めた瞬間にアンクの手からメダルが渡される。
「サンキューアンク。やっぱ俺のことわかってるよお前!」
『ライオン!トラ!バッタ!』
コンボ非成立時の共通音声と共にオーズは頭部をライオンのものへと変え、瞬時に熱線ライオネルフラッシャーを放つ。
コンボの揃っていないものとはいえ、その熱量はやはり凄まじく、川の水を蒸発させる。
「ぐっ……ぅう……熱い……!」
「コイツ……熱に弱いのか?だったらもっと威力を強めた方が……いや、コンボはあんまり使いたくない……まだ出し惜しみはできる!」
オーズは光を放ったままトラクローで無防備になったグリードの胸部を狙い、バッタの跳躍力で一気に接近する。
「メダル、もらったーーーー!!」
「ぐうっ、うぅ……調子に、乗るなぁ!」
グリードは頭を軽く振るうとターバン状に巻いていたそれが離れる。
それの正体は───
「んなっ!?」
「コブラじゃねーか!」
頭に軽く巻きついているそのコブラはグリードに肉薄するオーズを薙ぎ払って吹き飛ばす。その衝撃でライオネルフラッシャーはその光を止めてしまった。
「ぐっ!……んなろ、やってくれるじゃねーか」
「喋っているヒマはないんじゃなくて?オーズ!」
「がはっ!?」
強固な腕から強烈なパンチを放たれ、オーズは咄嗟にトラクローを交差させてガードするが、それでも強引に殴り飛ばす。
「この程度なのオーズ?私が生まれてから一度も味わったことのない外の世界の空気を貴方達は私よりも長く味わっている!ああ!ああ!妬ましい!どうして貴方達だけこうも世界の空気を沢山吸える!?」
「ぐっ……なんつー嫉妬だよ。生まれたのが遅かったからって自分より長く生きてるヤツらに自分より長く息吸うなって……」
「うるさい!貴方達が私よりも長く生きていることが妬ましい!だから早くコアメダルを手に入れないといけないのに……!」
「んな理由で殺されてたまるか!グリードだろうが人間だろうが一人一人違うんだよ!一人一人違うから対等で不公平なんだ!テメェのくだらねぇ価値観で世界を壊させてたまるかっつーんだ!」
エイジはそう言いながら後ろのアンクに左手を差し出す。アンクもそれがなにを意味するのかを悟り、エイジに一枚のコアメダルを投げ渡す。
「使えエージ!今回は許す!」
アンクが投げ渡してきたのは、チーター。それをバッタと入れ替えてスキャン、コンボを形成する。
『ライオン!トラ!チーター!
ラタ・ラター!ラトラーター!』
コンボの認識音声と共にオーズはその身体を黄色のコンボ、ラトラーターコンボへと変える。
「テメェだけは絶対野放しにしてらんねえ!ぶっ潰す!」
カウント ザ メダルズ
現在オーズが使えるメダルは?
赤 タカ×1
緑 クワガタ×1、カマキリ×1、バッタ×1
黄色 ライオン×1、トラ×1、チーター×1
灰色 サイ×1
青 ウナギ×1
紫 なし
橙 なし
特殊系 なし
丸一日車の中にいたら更新も遅れる←本日の言い訳
いや……でも丸一日車の中にいたのは事実ですたい。丸一日神社巡りなんてしてたからですたい!