【銀翼】との決戦を終え、氷の洞窟から帰還した3人は対人戦を避けつつ移動する事にした。
だがメイプルとアイスの2人が共にいるだけで十分牽制になってる事を2人は知る由もなかった。
その後、アイスが崖周りを飛行したりメイプルが毒のカプセルに包まれたりと紆余曲折して運良くメダルを獲得していた。
〜1時間後〜
「みて!アイス!サリー!卵の様子が!」
しばらくすると3人が持っていた卵がついに孵った。
「「か、可愛い〜〜!」」
メイプルとサリーは生まれたばかりの狐、亀、ペンギンに骨抜きにされていた。
「この子の名前どうしよっか?」
「はーい、私はシロップに決めたよ!2人合わせてメイプルシロップだよ」
「じゃあ、あなたの名前は朧…朧でどう?」
メイプルとサリーは早々に名づけを完了していた。
一方、アイスはと言うと…。
「名前どうしよっかな、メイプルは可愛い名前だし、サリーは漢字でカッコいいな…んーそうだ」
少し考えて名前を思いついたのでパネルを操作して名前を入力してみる。
「どうアイス?名前は…何これ?」
「禍不壊羅帝(カフェラテ)だ……2人合わせてアイスカフェラテになる…メイプルとサリーを参考にしたんだがどうだ?」
「うん、却下」
「それはないよ…アイスくん」
2人とも呆れた様子でアイスを見る。
「ユン!ユン!」
ペンギンがアイスに向けて鳴き…抗議の意思を向けられた気がした。
「悪かった悪かった…そうかじゃあ…あ、フリーダ…フリーダなんてどうだ?」
「うん、いい名前じゃない、さっきより全然マシ」
「うん、さっきより全然可愛いよ!」
「じゃあこれで決定だ…これからよろしくフリーダ」
川辺エリア>>>>>砂漠エリア
「さすがにシロップに砂漠はね」
「ああ、フリーダにも砂漠は酷だな」
「朧も砂だらけになっちゃうし」
3人は砂漠の中を歩いていく…初日の草原同様に砂だらけの光景に軽くうんざりしてた。
アイスはインベントリからアイスキャンディーを取り出し食べながら歩いていた。
「あ、ズルイ!私も食べたい!」
「良いよまだ沢山あるし、ほら」
それを目ざとく見つけたメイプル。
アイスはインベントリから2つアイスキャンディーを取り出してメイプルとサリーに渡した。
「あ!あそこで休憩できそう!」
「オアシスって奴か?」
「蜃気楼じゃないと良いけど」
しばらく歩いていると砂漠のオアシスを見つけたのでその場所に向けて移動した。
そうして3人は到着すると木陰の裏に待ち伏せしている者が1人。
それに気づいた3人は身構えた。
「前回3位のメイプルだな」
「は、はい…あの、あなたは?」
「ふむ、6位くらいでは眼中にないということか」
女剣士は刀の柄を握り、臨戦体制をとった。
「持ってるのだろう金のメダルを」
サリーも短剣を構え、メイプルもそれに倣い大盾に隠れる。
「フッ、さすがに分が悪いか」
女剣士は柄から手を離した。
「先に喧嘩売っといてそれはないんじゃない?それに逃すと思う?」
「……【超加速】!」
「【超加速】!」
女剣士は逃走をし、サリーはそれを追いかけた。
置いてけぼりになるアイスとメイプル。
「え?ええ⁈待ってよー!どうしようアイスくん!置いてかれちゃうよ!」
「まぁサリーの事だから倒して戻ってくるだろ待ってようや」
「そんな〜、そうだ!良い事思いついたよ!」
メイプルはおもむろに大盾を持って砂丘を登り出し、ソリのように上に乗った。
アイスはイヤな予感がした。
「さぁアイスくんも乗って!」
「やっぱりか…はぁ今行く」
メイプルに言われるがまま大盾に乗った。
「それじゃあ行っくよー!」
そうして2人は砂丘をすごい速度で滑り降りて行った。
「うわー!はやーい!…ところでこれ、どうやって止めるの?」
「いや、俺に聞くな!てかメイプル!前!前!」
「へ?うわぁぁー、止まってーー!」
メイプルの願いも虚しく2人は崖を滑り落ちていった。
「メイプル⁈」
そして落下地点にちょうどいたサリーと女剣士の2人を巻き込んだ後、何かが作動する音がし、4人は砂地獄に飲み込まれてしまった。
砂漠エリア>>>>>砂漠の地下洞窟
目を覚ますと4人は鎖に繋がれて1つの状態になっていた。
「【束縛の鎖】…繋がれてる誰かが死ぬと全員死亡…さらに破壊も不能と」
「うわぁキッツイなぁ」
「なんで俺だけ両手……」
メイプル達、女性陣は片手だけなのに対し、アイスだけ両手が不自由な状態となっていた。
「大丈夫だよ、いざという時は私が守ってあげるから」
「ありがと、頼りにしてるよメイプル」
サリーとメイプルがほんわかとした雰囲気を出している。
「私がすごく場違いだな」
「「「あっ…」」」
完全に女剣士の人が蚊帳の外であった。
運命共同体となった4人は互いに自己紹介をする事にした。
「サリーって言います」
「敬語は必要ない、カスミだ」
「メイプルでーす!」
「アイスです」
自己紹介が終わり、4人は洞窟の奥に進んでいく。
メイプルは鎖に引っ張られ転んでしまうが転んだ先でメダルを獲得できた、まさに怪我の巧妙である。
「さてこの先どうしたものか…」
しばらく進んでいると分岐の道が増えてきた。
するとサリーが物音を聞き取り、隠れるように指示する。
岩陰に隠れると巨大なカタツムリが徘徊しているのが見えた。
「今のは…」
「どうしたの?アイスくん」
「ああ、さっきのカタツムリ、HPバーが見えなかった…それはつまり」
「モンスターではなく破壊不可のギミックということか」
アイスの説明にカスミが補足を入れてくれた。
「ちょっと不味いかな…沢山きてる」
サリーが物音を感知していると一箇所を除いて全ての道からカタツムリが近づいてくる。
「わわっ、囲まれちゃうよ…どうするの?」
「「【超加速】!」」
サリーとカスミは互いに視線で合図して走り出した。
「うわあぁ〜!わわわわわ、おわ〜!」
「おー、早い早い」
メイプルは咄嗟の事に対処できず鎖に体ごと引っ張られてしまう。
それを予見したアイスは既に杖に乗って浮遊しておりウェイクボードに似たような状態で引っ張られた。
そして洞窟の最奥に到着して急停止する2人。
慣性の反動でメイプルは2人の前方に投げ出された。
アイスは浮遊してる為、その影響を受けなかった。
洞窟の奥に着いたが後ろからジリジリとカタツムリの群れが迫ってくる。
「これでは逃げ場が…」
「気休め程度だが【氷柱】×50!」
アイスは【氷柱】で全ての通路を50本の氷柱で封鎖した。
「とりあえず1分だけは止められる…あとはどうにかしてくれ」
「え⁈えっとえっと〜…あっ!あれ!」
メイプルがオロオロしてると横穴を見つけたのか指をさして知らせる。
「うーん、でもあそこは…」
「サリー!スキル【跳躍】だ!」
「でもあの高さじゃ…」
「なんとかする!早く!」
「【跳躍】!」
だが横穴までは届かず4人は落ちてしまう。
「【三の太刀・孤月】!」
その時、カスミのスキルの踏み込みによって空中を蹴り、もう一度体が浮き上がる。
そして横穴の着地に成功した。
「ありがとうカスミ【跳躍】だけじゃ届かなかったよ」
「孤月だけでも同じだ、サリーの【跳躍】があってこそだ…それにアイスの足止めのおかげで冷静になる時間も取れた」
「気にするな…俺は足止めをしただけだ、あのまま全員ゲームオーバーって言うのも嫌だったし」
こうしてカタツムリの大群から逃げ切った4人は洞窟の最奥にある部屋に到達した。
すると4人を縛る鎖が解けた。
「やっと鎖取れた〜」
「ダンジョンクリアという事か?」
「そうみたい」
4人は鎖から解放された事に安堵した。
そして目の前の大きな宝箱の前まで移動する。
「良い?開けるよ……よっと」
宝箱の中身は杖、槍、盾が各1つずつと巻物が3つとメダルが2枚入っていた。
「大盾と杖か…これはメイプルとアイスが貰うといい」
「ええ⁈いいの⁈…じゃあせめてこの槍を…」
「俺も杖だけ貰えればそれで良いよ…メダルはサリーとカスミの2人で分けな」
「良いのか?だがそれではアイスの分が…」
カスミはとても優しく少し頑固な性格のようで中々引き下がってくれない。
このままでは埒が開かないとアイスは1つ芝居を打った。
「あー、実は皆に黙っていたがさっきメダルを1枚拾っていたんだよな、だからサリーとカスミで1枚ずつ渡ってこれで全員一枚ずつで文句はなしだ」
左手でメダルを弾いて掴み取り3人に見せる。
3人は呆然とアイスを見る。
それもそうだ先程はカタツムリに皆必死で物を探す暇など無かったはずだと。
だがカスミはそんなアイスの不器用な優しさに鈴を転がすような笑みを浮かべた。
「アイス…ふふっ、礼を言う」
「杖を貰えただけでも大きな収穫だ、礼を言うのはこっちだよ」
そうして4人は帰還の魔法陣に乗り、地上へと戻った。
地下洞窟>>>>>砂漠エリア(夜)
「夜空だ」
「そんなに長くいたわけでもないのにね」
「もうこんなに時間が経ってたのか」
転移で帰還すると砂漠も夜となり4日目も終わりを迎えようとしていた。
するとメイプルはフレンド登録して欲しいとカスミに提案していた快く了承したカスミとそこにサリーも加わる。
女性3人…集まれば姦しいとはこのことだ。
するとカスミはアイスの方へ足を運んだ。
「良かったらアイスも私とフレンド登録してくれないか?」
「良いのか?俺は男だぜ?普通警戒するもんだが」
「アイスならかまわない…今後ともよしなに頼む」
「ありがたい申し出だ是非登録させてくれ…でも気をつけた方がいい、カスミは美人だから登録希望者が後を絶たないだろうな」
「なっ///揶揄うな///馬鹿者///」
カスミはアイスの言葉に赤面する。
フレンド登録が無事終わり…カスミとはこの場で別れた。
「さてと俺たちは野宿する場所を見つけないと…どうした?」
カスミを3人で見送った後、サリーとメイプルを見るとむくれた表情を見せてアイスを少し睨む。
「別にぃ?綺麗だったもんねカスミ」
「そうね、スタイル良かったもんねカスミ」
「?…確かにあれだけ綺麗でスタイルが良いと現実でも引く手数多だろうな…ああいうのを高嶺の花って言うのかね」
「「ふーーーーん?」」
「さっきから息が合いすぎて怖いぞ2人とも」
そうして第二回イベントの4日目が終了した。