5番目の英傑   作:初心者です

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勇者との出会い

城の騎士団に入った私は日々鍛錬を続けていた。

 

だが、少し思うところがある。人相手に訓練して意味はあるのか?

 

私たちが相手にするのは魔物なのだ。まあ最近ではイーガ団なんて奴らがハイラルを騒がせているからその対策なのかもしれない。

 

訓練を終えた後の食事の際、出身の話になった。私がウオトリー村の出だと話すと、宿場町出身の体格のいい男は私を見下すような発言をした。

 

栄えている町出身の俺の方が強い、なんて良く分からない事をいきがっていた彼に少し腹が立った私は彼と模擬戦形式で戦うことになり、さっき後にしたばかりの訓練所へ移動した。

 

彼の戦い方はあまりに無鉄砲で、駆け引きも何も無い。

思いっきり武器を振り上げて、私の頭目掛けて振り下ろした。

 

私は左に跳んで回避し、連撃をくれてやった。

怒りに怒った彼の行動は更に読みやすくなり、武器をグルグルと回し始めたので持っていた盾で彼の武器を弾き落とした。

 

勝負あり。そう確信した私は背を向け立ち去ろうとした。

 

彼は、雄叫びを上げた。まだ諦めていなかった。

油断した私はこの攻撃を避けられないだろう、と悟った。

 

「やめんか!!」

 

私の負けだ。そう思って目を瞑った瞬間、空気が揺れる程に大きな声が響き渡り、宿場町出身の彼は武器を置いた。

 

「フォッフォ。感心感心。だがちょっと度が過ぎておるぞフーモ。」

 

「失礼しました!ハイラル王殿!」

 

止めてくれたのはハイラル王だった。王は立派な髭を整えながら彼を窘めていた。

 

どうでもいいが彼の名前はフーモと言うらしい。そういえばいきなり蔑まれたから自己紹介もしていなかった。

 

フーモへの説教が一通り終わった後、私は王にご挨拶をした。

 

「こうして会うのは初めてか?儂はローム・ボスフォレームス・ハイラル。このハイラルの王じゃ。」

 

私は王の余りある威厳に、敬礼をする他無かった。

 

「見ておったがフーモはこれでも階級が君より3つも上でな?それをこうもあっさり倒してしまうとは。素晴らしい」

 

ああ、何て有難いお言葉なのだろう。私はハイラル城の騎士になって良かった。彼の階級は見直した方がいいとは思うが。

 

「そこで君とフーモの階級を入れ替えようと思う。構わんな?2人とも」

 

「……了解しました。ハイラル王。」

 

フーモは落胆した表情で肩を落として歩いていった。言葉にも先程までのような覇気がない。このままやめてしまうのではないだろうか。

 

「早速じゃが、最近城の近くに魔物が多く出現しておる…。そのため君の階級の騎士達に出陣して貰うことになる。準備しておくように」

 

翌日、ハイラル王は騎士にハイラル平原への出陣を命じた。

 

騎士の中で強さが噂になっている無口な若い剣士と同じ隊に入った。

私たち騎士は馬に乗り出陣の時を待っている。

 

私も問題児フーモを追い出した新人として噂になっているらしいが、それはさておき。

 

何でも彼は剣1本で魔物の群れを全滅させたとか、鍋の蓋で大剣を弾き返したとか…。

 

名前はリンク。偶然にも私の愛馬と同じ名前だった。

その事を彼に話したら、リンクは少し微笑んで私の愛馬のリンクを撫でた。

寡黙ではあるが、悪い人では無さそうだ。

 

しかし私たちの隊はやけに人が少ない。他の隊は20人ほどで構成されているが、我々はその半分にも満たなかった。

 

そんな事を考えているうちに開門の合図があり、私達は魔物討伐に駆り出した。

 

リンクが先陣を切る。

彼は馬の扱いもかなりの腕前で、まるで馬と一心同体になっているかのように意思疎通ができていた。

私達は彼に着いていくので精一杯だった。

 

唄ドリの草原で、大量の魔物を目撃。戦闘態勢に入る。

 

リンクは馬上で立ち上がったかと思えばそのまま跳躍して、魔物三体の頭を兵士の弓で狙い撃ち無力化する。

その後自ら魔物の群れの中心に入り、回転斬りをして見せた。

 

この活躍ぶりを見て、私はあの噂が本当だったこと、そしてこの隊の人数が他より少ない事の理由が分かった。

 

殆どの魔物をリンクが討伐した帰り道、馬のような下半身をした魔物に出会った。

その魔物はあまりに巨大で、一撃でも喰らうと死んでしまいそうな太い棒状の武器を右手に持っていた。

 

兵士の1人があの魔物の名前を呟き、絶望した表情で立ち尽くしていた。

 

獣人ライネル。接近戦ではまず勝ち目がないような巨体にも関わらず、距離を取ると三本の矢が射出される弓で狙い撃ちしてくるらしい。

 

この場では2人の兵士以外は戦意を失っていた。

 

私はリンクと目を合わせ、頷いた。私達がやるしかない。

彼らに馬を任せて、私達は獣人ライネルに向かっていった。

 

けたたましい雄叫びを上げた獣人ライネルは大剣を振り上げたまま突進してきた。

 

自然と怖さは無く、今までで1番冷静だったとまで言える程に周りが良く見えていた。隣にリンクが居たからだろうか。

 

リンクがライネルの攻撃をジャストガードすると、私は奴の頭目掛けて弓矢を放つ。獣人は頭をプルプルと揺らし、下を向いた。

 

好機。そう思った2人は同時にライネルの背中に飛び乗り、剣で攻撃を浴びせた。飛び降りる際にもリンクは弓で攻撃を与える。彼は抜け目がない。

 

ライネルは苦し紛れに火を吹き始め、私達は左右に分断される。

ライネルは私目掛けて怒りの突進。私がそれを紙一重で回避し、反撃を入れると、奴は見覚えのある攻撃を繰り出してきた。

 

フーモのように大剣を大きく回転させ始めたのだ。この攻撃を防ぐのは容易で、簡単に跳ね返す事が出来た。

 

その直後、魔物は力尽きた。

私は何が起こったのか分からず立ち尽くしていた。

じっくり魔物を観察してみると、頭に弓矢が2本刺さっていた。

1本は私が撃ったものだが、もう一本…?

 

考えているうちにリンクの仕業だという答えに辿り着いた。

 

彼は超遠距離からライネルの頭を曲射で撃ち抜いたのだった。

 

その人間離れした技に私は感服しつつ、自分の未熟さを思い知る。

 

…遠くに居る彼の表情は、いつもより柔らかく見えた。

城に帰ろう。

 

城に着いた私達は王に戦果を報告した。

 

殆どの魔物はリンクが討伐した事。獣人ライネルと遭遇し、私とリンクで討伐した事。

 

その功績からか、私達2人は伝説の退魔の剣のあるコログの森に赴くこととなった。正直、剣に選ばれるのは彼だとは思うが。

 

退魔の剣に選ばれた勇者と、4体の神獣を操る英傑で厄災に挑むことになるとハイラル王から聞いた。

神獣の繰り手はもう目処が着いており、ゼルダ姫が交渉中なんだそうだ。

 

弓の達人、リト族のリーバル。ゴロン族のダルケル。ゲルド族の長、ウルボザ。ゾーラ族の槍の名手、ミファー。彼ら以上の適任は確かに居ないように思う。

 

…厄災復活の日が刻一刻と迫っている。

もっと強くなろう。リンクに追いつける程に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




魔物と同等の戦い方をする彼の名前の由来は毛布です。彼がどうやって昇級できたのかは不明

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