「私」の青春   作:せんせい

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たまにはごろごろと

 とある木陰に彼女は居た。

此処は人気が少なく、日当たりも良い感じに木陰を作ってくれる絶好のスポット。

身体に疲労感を覚えたら休む為にキヴォトスの各所にある、こういった場所を探すのも彼女の日課の一つだった。

 

「おや、先客ですか」

「あ、イロハ。こんにちは」

 

 万魔殿が近いこともあり、サボリ……もとい、良い休憩場所としてイロハに既に知られていた。

度々イロハとはよくこういった場所で出会い、一緒に寝っ転がってのんびり過ごすことがしばしば。

そのため、寝転んでいた彼女の横にイロハは慣れた様子で座って本を開いた。

 

「昼間からとは、珍しいですね」

「ん?まぁ、たまにはね」

 

 今は意識して先生から離れている。とはいえ、どうしても気にはなってしまうもの。

身体を動かして色んな戦闘に首を突っ込んで解決?していたものの、先生の方がひと段落する前に身体の方がガタついてしまった。

 無茶は禁物、というのはよく分かっているため、こうやって昼間から休みに来たのだ。

気分的に昼寝として最適な場所を考えた結果、思いついたのが此処だった。

 

「日頃イロハが使ってるからか、何となく落ち着くんだ……ふぁ」

「何ですか、その理由」

「ふふ、イロハは管理が丁寧だから」

「……煽てても何も出ませんよ」

「それは残念」

 

 からかい半分の彼女の様子に、イロハは全くもぅとため息をつきながら読書を続ける。

2人とも無言でありながら、穏やかな時間が流れていく。

決して気まずさはなく、ただ穏やかな気分でゴロゴロしていると、イロハがふと疑問を投げかけた。

 

「貴女はこういう場所を見つけるのが得意ですよね、コツとかあるんですか?」

「えっと、べつに得意じゃないよ?」

「此処だって先に見つけたのは貴女でしょう?」

「ん~~、本当にそういうのではないんだけど」

 

 しばらく悩むように考えた彼女は、ニヘッと誤魔化すように笑って答えた。

 

「しいて言うなら、そういう師匠が居たんだよ」

「師匠?」

「そう。サボり魔で、面倒が嫌いな、そんな人」

 

 そもそもコツというのなら、教えてくれたのはそんな生徒……『イロハ』だ。

サボりの常習犯であり、程よく力を抜くことが大事だと教えてくれた。

そんなことがあったからこそ、こうして息抜きの場所を意識するようになったのだから。

実際は師弟関係じゃなく、サボリの共犯者だったが……これは言っても仕方のないことだ。

 

「へぇ。それは気が合いそうですね」

「そうかもねぇ」

「……まぁ、あまり人が増えても困りますけど」

「アハハ、でも騒がしいのが嫌いってわけじゃないでしょ?」

「えぇ、まぁ……あ」

 

 本から視線が上がり、イロハは誰かを捉えた。

その人物はトコトコと走ってくると、そのまま勢いよくイロハと彼女の間に転がって来た。

 

「わぁ~~!イブキも一緒にねる~~!」

「しょうがないですね……」

「イブキ、こんにちは」

「こんにちは、おねーちゃん!イロハ先輩!」

 

 挨拶できて偉いね~と頭を撫でる。

イブキは万魔殿所属の生徒であり、この無邪気さで周囲を巻き込んだりメロメロにしたり、良くも悪くも色々な出来事や人に愛されている少女だ。

 

「イブキ、わざわざ探してたんですか?」

「うん、おねーちゃんが近くに来てるって聴いてたから!」

「あぁ、なるほど……モテますねぇ」

「あ、あはは…そう、なのかな?」

 

 いつか刺されても知りませんよ、と言いたげなニヤっとからかう笑みを向けるイロハのジト目を横目にイブキを撫で続ける。

彼女としては普通に接しているつもりだし、イブキも偶にしか万魔殿の近くに来ない彼女をレアな遊び相手程度にしか思ってないだろう、とイロハのジト目を流した。

 

「髪に葉っぱついてるよ、ほら」

「わっ、ありがと~……えい!」

「え、っとと」

 

 パッパと小さな少女の服についた土埃を払っていると、その手を掴まれた。

逆の手ではイロハの腕を掴み、そのままゴロっと二人を抱き寄せ昼寝を始めた。

 

「えへへ、あったか~い」

「アハハ……イロハ、読書はもういいの?」

「……えぇ、イブキが楽しそうなので」

「それもそっか。おやすみ、二人とも」

「えぇ、おやすみなさい」

「おやすみなさ~~い!」

 

 その後、イブキを探して散々駆け回ったらしいマコトが三人を発見し、イブキが起きるまで嫉妬に狂って静かに地団駄を踏んだりした。

幸い?そんな議長の姿を見た生徒は居なかったそうな。




 戦闘しかしてない気がしたので投下。
作者としてはのんびり平和に楽しく幸せに過ごして欲しい気持ちはあるんですよ?
ただ先生としての面を持つ以上こうなるだろうなって思うと知らない内に説教系戦闘少女になってしまっているだけで……。

 今更ですが、評価&お気に入り&感想ありがとうございます!
想像以上に良く受けているみたいで、改めてブルアカとプレナパテス先生の人気に脱帽です…!
自分もブルアカ二次を執筆している先輩先生達みたいに性癖語りした方が良いのでしょうか……(混乱)
まぁ語れるような癖は大体語り尽くされてるでしょうし、いいでしょう(ヨシ!)
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