「私」の青春   作:せんせい

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≪『先生、これからよろしくお願いします』

 『うん、よろしくね』≫

≪『突出しているわけではないので、何が出来るのか分かりませんが……』
 『ともかく、お役に立てるように頑張ります』
 『つい、私はキヴォトスのあちこちで口を挟んでしまう為、戦闘許可や後始末などで様々なご迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします』

 『あまり気負わない様にね…?』≫

≪『はい。しかし、責任を先生に負って貰う以上今まで以上に気をt』
 『sいませn、仲裁してきます』

 『え?』≫

【絆ストーリーへ】


モモトーク(1)

 先生と連絡先を交換して、初めてのやり取り。

記憶がある分、こうやって生徒側としてメッセージを送ることに多少違和感を覚えつつ、大した話はしていなかった。

ただ、モモトークの途中で戦闘行為(ケンカ)をしている子たちを見つけたから中断したことによって先生に心配をかけたらしい。

 

「ケガはない?」

「えぇ、大丈夫です……わざわざ走ったんですね」

「ん、まぁね。急に『仲裁してきます』ってメッセージの後に返信が無いからビックリして」

 

 ちょっと息を切らせた先生は、少し汗をにじませながら笑顔を見せる。

なりふり構わず生徒を想うその姿勢は、大人として、先生としての在り方が表れていた。

 

「汗、拭きますね」

「え、あぁ、ありがとう」

 

 かつては自分もこうやってキヴォトス中を走り回ったことを思い出し……今も大して変わっていないと失笑を溢した。

指揮ではなく直接の戦闘行為に手段は変わってしまったが、こうやって先生を目の前にすると自分という在り様も見直せてくる。

 

「いつもこんな風に仲裁してるの?」

「えぇ。放っておくと、みんなエスカレートしてくので」

 

 中々死なないというのは安全であり、同時に危険でもある。

なにせ危ないことをしても大体は大丈夫なのだから。普通なら危険すぎてやらないようなこと…近距離で爆発物を使ったりとか、そういうことを平気で行う。

結果として周囲にもたらす破壊痕も、戦闘の時間が長引くほどに苛烈に広くなっていき、毎度毎度修繕が大変になってしまう。

 

「そっか、大変だね」

「いえ、それだけ元気だと思えば、悪いことじゃないですよ」

「ハハ、なるほど物は考えようだ」

 

 元気な生徒(子供)達を見守るのは、とても気分が良くなる。

今も遠めに見えるみんなの姿を見て、先生と揃って嬉しくなり、微笑みを溢す。

彼女たちにとって、みんなの営み一つ一つが宝物なのだ。

 

「先生こそ、私はシャーレから戦闘許可をもらってますし、こういう時はそんなに焦らなくても大丈夫ですよ?」

「そういうわけにはいかないよ。シャーレが許可を出しているからこそ、気にかけないとね」

「むっ……たしかに、そうですね。考えが足りませんでした」

 

 先生の言葉から、自分はシャーレ所属の生徒である、という意識が少し足りないことに気付いた。

先生()なら自分で動いて、自分で解決して、その責任も自分で負っていた。

でも今は生徒なのだから、少なくとも最後の責任は先生が担っている。

 これは決して悪いことではなく、当たり前でありとても自然な関係でもある。

寧ろ、先生が来るまでの自分がおかしかったのだと、反省した。

 

「とはいえ、キミが強いのもまた事実だし……心配はしても焦ったりするのは自重しようかな」

「……ありがとう、ございます」

 

 彼女の強さを理解し、指揮官として重要な冷静さを保って事に当たる。

それはつまり、彼女の強さとやりすぎないという性格に信頼を置いている、という裏返しでもあった。

 

(………むずがゆい)

 

 生徒たちを信じている。みんなを信じている。今も昔もそれは変わらない。

ただ、その信頼を先生(大人)から向けられるという事実に、彼女は自分が生徒(子供)であるという事実を改めて実感として覚えた。

 今まで味わったことのない感覚に戸惑っていると、二人のお腹が同時に鳴り、そろそろご飯だぞと苦情を溢した。

 

「そういえば、昼食がまだだったかも」

「ふふっ……折角ですし、何か食べましょうか」

「そうだね。ちょっとしたお疲れ様会として、ここは奢っちゃおうかな」

「では、遠慮なくご相伴にあずかりますね」

 

 生徒に奢ると言い出す先生は笑顔で、その裏に何もないことをよく知っている彼女はあっさりと承諾した。

 

「任せて!……ちなみに訊くけど、大食いだったり、する?」

「さぁ~どうでしょうね?先生は私が大食いだったら、加減してほしいんですか?」

「うぐっ! じ、自分が言ったことに責任はもつとも。二言はないさ!」

 

 遠慮などはしない、だって先生は生徒の為になるのなら……生徒の幸福の為なら、どんな苦労もいとわないと知っているから。

 

「じゃぁどんどん食べちゃいますね。あ、そうだ先生」

「ん?何か気になることでも?」

「――ゲヘナ生徒の脚を舐めたって聴きましたけど、本当ですか?」

「あぁー!あそこのお店とかどうかな!?」

「ふふっ」

 

 生徒に嘘をつきたくない先生の下手な誤魔化しに付き合いながら、その日は昼からお腹いっぱい食べたのだった。

なお、先生は食事量が普通であること……もしくは脚舐め追求が無かったこにホッとしたとかしなかったとか。




――先生は「私」の強さを少し理解し、信頼した。
――「私」は先生を信頼している。


 実質先生が先生を攻略している……?わたしはなにをかいているんだ……???
 モモトークは考え付いた時にこうやってポイポイしていくつもりです。
ゲームで先生が日頃生徒と絆を深めていくように、物語が進むにつれ、私の脳内生徒と先生の関係が今どんな感じだろう?と、ふと気になったら多分進展していくかもしれません。

 因みに信頼感は先生より「私」の方が大きいです。一方的にMAXです。
なにせ先生は「私」に関してほぼ何も知らないので、これから積み上げてなければならず、まだフラグを建てる段階ですからね。でもある意味既にフラグは建っているともいえる……あれ、これどっちが攻略してるんだろう(迷走)。

 尚、時系列はあまり気にしないで書いてます。基本緩く気ままなので。
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