ぐだアースSS 作:ウヤムヤ
それは、一体何のでしょうか?
……バレンタインのお返し? ホワイトデー?
……なるほど、そのような催しがあるのですね。……そういえば、アルクェイドからも聞いていた気がします、バレンタインとどう違うのか疑問を抱いていましたが……なるほど、返礼の為の日なのですね。
それで、バレンタインで私からチョコレートを貰ったからその返礼にきた、と。
なるほど、よい心がけです。
……はい。もちろん頂戴します。ありがとうございます、マスター。
……………………?
……あの、マスター……何故箱を三つも渡されたのでしょう?
(これが俗に言う三倍返しというものなのでしょうか?)
……私以外にもアルクェイドと原型の私の分、なのですか……。
手を貸してくれたアルクェイドはともかく、原型の私には渡さなくても……日頃お世話になってるお礼?
…………私が言うのもなんですが、アレは果たして貴方の役に立っているのでしょうか……。些か疑問ですが。
とはいえ、返礼の品、確かに頂戴しました。
あとでいただくとしましょう。
……はい? 白いのは原型の私で、線の模様が入っているのはアルクェイドの分、と。……わざわざ分けてくれたのですか。
では、私のは残りの青い箱、ですね。
はい、しっかりと覚えました。アルクェイドにも、原型の私にも確かに渡します。
ありがとうございます、マスター。
「はい! そんな訳で、カルデアくんからお返しを貰いましたー! やったわね、わたしたち! 拍手拍手!」
「ほう、私の分まで用意するとは、召喚者として最低限の礼節はあるらしい」
「……貴方のは日頃お世話になっている礼、というだけでしょう、原型の私」
「なんだ嫉妬か? 別にチョコなぞやらんでも献上品を差し出された私に対する」
「…………そのようなものではありません。ただ、呆れているだけです」
「て、相変わらずスルーなのね、過去と原型のわたし。ま、それはともかく、過去のわたしの言いたいことは分かるけどね」
「なんだ、お前まで」
「だって、それってアレでしょ? 『配慮』ってやつ。あの子からすると過去の私が世話になってるから、ついでにその姉(?)みたいな人にも渡そうって気配りよ」
「ふん、それがどうした。貰ったという結果は同じであろう」
「うわ図太! 細かいことに頓着しないとそこまで図太くなれるのね!」
「……凄いですね。尊敬はしませんし、反面教師にしかしませんが」
「……お前達、最近私に対する偏見が著しくないか?」
「それは仕方ないんじゃないの、ねぇ?」
「はい。少なくとも、敬えるような行動をしていませんし、見てもいませんから」
「………………。まあよい、私はゆっくりと召喚者からの献上品を食すとしよう」
「あ、逃げた」
「……逃げましたね」
「まあいいわ。じゃあ、わたしたちも食べるとしましょう!」
「そうですね」
「ふふん♪ 一体中身はなにかしら♪ ……あ、これクッキーね! 美味しそう!」
「……私も同じですね。……いえ、色が違いますね」
「あら、ホントね! わたしのは黒だけどあなたのは白いのね。それによく見るとあなたの方は白いチョコチップも入ってるみたいね」
「…………そのようですね。そちらの方も、チョコレートを使って罅の様な演出がされています。マスターの手作りでしょうか? 器用なのですね」
「ふーん、なるほど……『お返し』かぁ」
「……アルクェイド?」
「ううん、なんでもないわ。……ただ」
「ただ?」
「その『お返し』の意味に気付いたら、あなたきっと『過去の自分』を殴りたくなるわよ」
「……どういうことですか、アルクェイド?」
「もう答えは手にあるんだし、あとは自分で考えなさい」
「…………?」