虫の王   作:砂糖のご飯

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第1話

 

 

はるか遠い昔の話

 

人は狩られる側であった。

 

日々迫りくる恐怖におびえ、喘ぎ、絶望していた。

 

現代、人間はピラミッドの頂点に立った。

 

それゆえに忘れていたのだ、かつての恐怖、絶望の連鎖を...

 

 

 

<side...?>

 

森が燃える、かつて生い茂った緑の楽園は煙が立ち込める平地と化していた。

 

「もはやこれまでなのか...」

 

そっとつぶやく

 

昨日まで笑いあった仲間、家族の姿はどこにもない

 

「我々が何をしたというのだ...」

 

何もなくなった、空っぽの心

力ないものはすべてを奪われる。

 

彼の心に一つの感情の火が灯る。

激しい怒り、憎しみの炎が燃え上がる。

 

「神よ!私たちが何をしたというのだ!」

 

狂気的な叫びがこだます。

 

いつまでも...

 

 

 

 

 

窓から入る日差しが心地よい

ふと空を見れば雲一つない青空

 

「平和だな...」

 

そんなつぶやきがこぼれる

 

ふと人の気配を感じ後ろを振り返れば

不満そうな女子が一人

 

「なんで気づいちゃうのよー」

 

彼女の名前は、安達千絵

 

俺の数少ない友人であり幼馴染でもある。

 

「まあいいわ、それより聞いてよ!朝から家にゴキブリが出て大変だったんだから」

 

「それでどうしたんだ?」

 

「ママが新聞紙で一発よ!」

 

「....あっそ」

 

教室内にチャイムが響き渡る。

 

「えーまだ全然話せてないんだけどー」

 

文句を垂れ流し席に戻っていく様子を横目で見ながら

また空を見る。

 

ホームルームが始まり、教師の話し声だけか教室に響き渡る。

 

「はい、今日のホームルームを始めま「..ブーン...」」

 

突如として流れる、異質な音に

教室がざわつきだす。

 

「えー「なに?」」

 

教師が生徒をなだめようと手を叩く。

 

「はーい静かにしなさい」

 

しかし異音は鳴りやまず、むしろ大きくなっていく。

突如として、一人の生徒が窓を指さし叫ぶ。

 

「せんせーあれなにー」

 

ふと外を見れば、何かが近づいてくる

よくよく見るとそれはただの蜂のように見えた。

 

しかし何かおかしい、近づけば近づくほどに違和感の正体が

より鮮明になっていく。

 

「え?」

 

窓ガラスが爆ぜ、吹き飛ばされる。

 

 

それは間違いなく蜂だった、しかし一つ通常の蜂とは違う

それは大きさ、ゆうに2メートルを超える巨大な身体。

 

顎をカチカチと鳴らし、辺りを見回している。

教室内の人間がその光景を信じられず、息を殺す。

 

ふと蜂がの視線が一点を見据えた。

 

次の瞬間、その巨体からは考えられないような速さで動き出す。

その先には教師。

 

一瞬の出来事、叫び声を上げる間もなく教師が肉塊へと変わる。

 

「ゴキッバリ..」

 

生々しく耳障りな音。

 

その音を皮切りに、一斉に生徒達が悲鳴を上げ

教室から逃げ出す。

 

パニックの中、動けずに蹲るもの、呆然とするもの

他人を押しのけ逃げるもの、俺はその中に千絵を見つける。

 

「何してるんだ!早く逃げるぞっ」

 

「あっ...えっ...」

 

足を震わせ、声にもならない声

俺は千絵を担ぎ上げると教室から逃げ出す。

 

外ではけたたましいサイレンが鳴り響く

 

 

 

平穏は長くは続かない、これは始まりに過ぎない。

 

 

 

 




というわけでこんな感じで書いていきます。

人間がゴキブリを怖がるのは、昔人はゴキブリに喰われてたから
本能的に怖がるという話を聞いたことがありますけど
本当なんですかね?
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