堕天の王のヒーローアカデミア   作:アイリッシュファラオ

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リメイク前より良い好評で嬉しい限りです。
学業との兼ね合いの関係で、のんびり更新していくので気長にお待ちください。
それとそろそろ前アカウントのアカウント変更のお知らせは小説投稿で発見しやすいほうは消すと思います。
もう認知してもらっていると思うので。まぁ気分次第です。


出会い

 暖かく包まれるような感覚とともに、もう見えなくなったはずの光が薄っすらさしてきた。もう死んだはずの自分には縁のないはずの感覚に違和感を覚えてゆっくりと瞼を開いた。久しぶりの明かりに慣れないのか、目には白一色でよく見えず眩しかった。

 

 十数秒後、ようやく光に慣れてきたのでハッキリ目を開けると、白一色から青一色になった。そこでようやく自分が仰向けで寝ていたと気付いた。体を起こし周りを見渡してみるとそこには自然が広がっていた。全く身に覚えない場所に困惑しながらも、まずは現状の把握をすべきだと自分の身体を見て再び困惑した。何故か、聖剣に貫かれたはずの身体は治っており痛みもない。衣服は以前ケテルと対峙する前に自分が着ていた服であり、自分が死ぬ直前に着ていた服でないことが更に困惑を広げた。

 

 原因を探るべく、考えると自分が起きるときの感覚に既知感を覚えた。どこであったか思い返して、イエソドとの戦いを思い出した。そこで自分を癒した人物を理解したのと同時に、誰が世界を破壊しようとしていたのか理解してしまった。自分でも予想外の人物だったが動機を知る機会は何となくもうない予感がした。もうこれ以上考えようがないので、この事については考えないことにして次の疑問についてだ。

 

 

 「此処は、何処だ?」

 

 

 思わず口に出してしまうくらいには、まったくもって知らない光景だった。此処は周りを見渡せる場所にあるから見渡してみても少なくともこのような自然地帯は知らないし少し先の場所には町が広まっているようだが天界や魔界、他の行った事があるストライクワールドとは建物の雰囲気が全く違う。

  

 取り敢えず周りを散策しようと飛ぼうとした時、街の方角から物凄い勢いでこちらに一人来る気配がした。こちらに来ることから戦闘態勢に入って数秒後それは姿を現した。

 

 

 「大丈夫かい少女よ!私が来た!」

 

 

 来た人物は見ただけで暑苦しそうなくらい筋肉隆々な金髪の男だった。おまけに五月蠅い。だが、何か知っていそうな人物かもしれない。警戒は抜けないが取り敢えず、気になったことを尋ねた。

 

 

 

 「・・・・・・・・・・・誰だ貴様は」

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・尚、相変わらず聞き方は仮にも初対面に対する聞き方ではなく、何処までも傲岸不遜であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ All Might side ~

 

 

 

 

 それは温かい春の日。季節は冬から変わりすっかり過ごしやすい季節になり町には多くの桜が咲き誇り、奥の山には冬に枯れたとは思わせないほど緑が覆っていた。

 

 

 その日はヒーロー活動の時間が制限時間が半分くらいになってきた為、腹ごしらえも兼ねて一時自宅に帰ったものの、冷蔵庫に何もないのでトゥルーフォームで買い物に出かようとしたとき、自宅の窓から光の柱のようなものが見えた。

 その瞬間買い物に行くという選択肢が消えた。マッスルフォームになり全身に力を込めて跳びあがった。ヴィランの攻撃か、災害関連か、個性の暴走か分からないが取り敢えず現場に全力で急行した。被害が大きくなってからでは遅い。その思いで現場に急行した。現場に近づいて来た時、金髪の少女の姿が見えた。外国人だろうか。混乱しているのか分からないが、いかんせん情報が少ない。とりあえず安否確認と事情聴取だ。

 

 

 「大丈夫かい少女よ。私が来た!」

 

 

 「・・・・・・・・・・・誰だ貴様は」

 

 

 ・・・・・・マジかよ。初対面にしては言葉使い厳しいな。だが私が分からないということは混乱しているか、意識がもうろうとしている可能性があるな。自画自賛になってしまうが私を知らないということは早々にない。外国人ということもあってもしかしたら知らないこともあるかもしれない。判断するには取り敢えず、まずは本人に対する軽い質問からだ。

 

 

 「私はオールマイト。ヒーローだ。君の名前は分かるかい?」

 

 

 「・・・・・ルシファー」

 

 

 警戒されている?しかし何故?

 

 

 「自分が何をしていたか分かるかい?」

 

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 無言!!何か答えてほしい。見た感じ特に外傷はなく意識もしっかりしているようだが一応病院に運んだほうがいいだろう。確か今日は近くの病院にリカバリーガールが出張できているはずだ。このお昼時なら手は空いているはずだし、一度トゥルーフォームになることで騒ぎになったりせず、活動時間の関係も何とかなりそうだ。

 

 

 「取り敢えず、事情聴取と一応の検査も兼ねて病院に抱えて搬送したいのだがいいかい?」

 

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。良いだろう」

 

 

 相変わらず警戒は抜けないようだがとりあえず了承してもらったし、急ぎたいから抱えていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

~ All Might side end ~

 

 

 

 

 

 オールマイトとやらを完全には信用できないが知らない土地で彷徨うよりはマシだ。それに体に異常がないかは一応知りたい。そんな訳で運ばせたが驚愕した。まさかこんなにも力があるとは。たった一歩でもう街に入ってしまった。羽もないのにただの身体能力でここまで跳べるとは。それから数秒後、病院らしき建物の屋上に着き待っているように言われてから数分後。医者らしき老婆が来て案内され、そこで暫く診察された。

 

 

 「うん、あたしが診察した感じ特に異常はないね。一応聞くけど何か違和感あるかい?」

 

 

 「特にない」

 

 

 「そうかい。そりゃよかった。じゃ、あたしゃほかの患者のところに行くよ。後はオールマイトに任せるよ。もう入ってきていいよ、オールマイト。診察は終わった。」

 

 

 「そうですか。ありがとうございます」

 

 

 そうして老婆の医者は退出していった。そしてまた先程の男と今度は細身の黒髪の男が一緒に入ってきた。また知らぬ人間が増えたことに警戒心を強めつつ、黒髪の男を見つめて紹介しろという雰囲気を出しら、金髪の男がそれをくみ取ったのか話し始めた。

 

 

 「大丈夫そうでよかった。ああ、こちらは警察の塚内くんだ。事情聴取のために来てもらった」

 

 

 「よろしく頼むよ。早速で悪いけどオールマイトに救助される前にしていたことを覚えているかい」

 

 

 「・・・・・・・・・・・一応覚えている。だがその前にいくつか質問に答えろ」

 

 

 「・・・いいよ。僕にかい?それともオールマイトにかい?」

 

 

 「答えられるのならばどちらでもいい。まず此処はどこだ?」

 

 

 「此処は日本の静岡県だよ」

 

 

 「二ホン?シズオカ?全くもって知らない土地だ。次にそこの男も名乗っていたがヒーローとは何だ。」

 

 

 「!!驚いた。今のご時世にその年でヒーローを知らない子がいるとは。ヒーローとは簡単に言えば人助けをする職業だよ」

 

 

 人助けをする職業?取り締まるのが憲兵、いやここでは警察というのはわかるのだが違いがあるのか?階級とかだろうか。

 

 

 「ヒーローと警察の違いは何だ?」

 

 

 「警察は犯罪者を取り締まる職業さ。ただし飽くまで基本的には個性を使ってない犯罪者に限るけどね。対して個性を使用した犯罪者、ヴィランを取り締まるのがヒーローさ」

 

 

 「個性とは何だ?」

 

 

 「!個性までもわからないのか。個性とは簡単に言えば人間が宿す超常のことで、種類は千差万別。但し一人一つしか発現せず、あまり最近だと少ないが4歳までに発現しない人に個性は発現せず、無個性と言われる。個性だの発現が増えたことにより個性を使う犯罪者が増えた」

 

 色々得た情報が多いがヒーローとは称号のようなものではなかったか?前にオラゴンがそのようなことを言っていたような気がする。次に個性だ。神の恩寵とはまた別のもののようだが。まぁ、とりあえず最低限知りたい情報は知れた。そう思っているとそれを見計らったのか、今度はこちらに質問がきた。

 

 

 「質問は取り敢えず終わったみたいだから今度はこちらが質問させてもらうけど、さっきの質問を聞いた感じあまり世情に詳しくないようだけど、君は記憶喪失だったりするのかい?」

 

 

 「違う」

 

 

 「では何故、これほどまでに世情に疎いんだい?言っては悪いが正直どの国でも子供でも知っているという位には当たり前のことを知らないようだが」

 

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 どうすべきか。多少話しただけで大した付き合いもない人間に信用して話していいものだろうか?聞いた感じストライクワールドとはまた別の文化のことから、此処はおそらく前に天聖どもが言っていたストライクワールドの外の世界のようだが、そもそも私の事情を知ったところでまず信じられるか?天聖どもが言わなければ存在すら知らないような場所を。大抵は裏付ける証拠が無いと眉唾物と言われるのがオチだ。

 

 どう言うべきか、そもそも本当のことを話すべきか考えながら前を見ると金髪の男と目が合った。その表情はどこまでも真剣で真摯にこちらに向き合っているように感じた。過去にもこの様な人物の目は見たことがある。オラゴン、ウリエルや他の仲間達などといった決して卑しい噓をつく様な事がない人物達と同じ目をしていた。この目は信用していい。我ながら甘くなったのか、そう感じてしまった。

 

 

 「今から話すのはとてもおかしく信じられず、眉唾物と言われてもおかしくない話だ。或いは記憶が混乱しているとでも言うかもしれない。そのくらいに荒唐無稽な話だ。それでも聞くか?」

 

 

 「聞こうか」

 

 即答か。吟味という言葉を知らないのかと思ってしまう程に早かった。だがそれだけ真剣だと伝わってくるのが自分の見立てが間違ってなかったと確信してしまった。

 

 

 「ああ。その話の前に。水を差すようで悪いがこの壁に手を入れてほしい。勿論、まだ信用を完璧にはしていないだろうから飽くまでこちらの要望であり強制はしない」

 

 

 「いや、構わん。ここに入れればいいんだな」

 

 

 「ありがとう。協力感謝するよ。それでは話に戻ってくれ」

 

 

 「ああ。・・・・・・・・・・・」

 

 

 誰かに自身の話をするのは初めてだからうまく話せるか。その緊張と不安を鎮める為に一呼吸おいてから話始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「少々長くなるが、・・・私のこれまでの旅路。どうか最後まで聞いてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Loading・・・・・・・・・・・・・・・・・After several ten of minutes.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・・・・・・・・そして貴様らに会って今に至るというわけだ。これで全てだ」

 

 

 「・・・・・・・」

 

 

 「・・・・・・・」

 

 結局すべて話してしまった。堕天使になったきっかけから自分が最後に全てを隠して犠牲になったことまで。語っている途中にはあまり思い出したくないことも少なからずあった。しかし、それ以上に今までの多くの思い出を振り返って、思わず郷愁にふけてしまった。顔が緩んでいないといいのだが。昔の自分が今の自分を見たら呆れるだろうか。初対面の相手にいったい何を語っているのだろうか、と。そう思えるくらいに自分はまるくなってしまったと自覚してしまった。これはやはり仲間たちの影響なのだろう。それがいい影響なのか悪い影響なのかはさておき。そう思いながら、対面する二人に目を向ける。

 

 

 自分が語った事は中々に荒唐無稽なのは自覚があるため、少し整理が必要だと思い数分待っているとやがて金髪の男が口を開いた。

 

 

 「確かに普通なら荒唐無稽というだろう。だが私自身が荒唐無稽の身であること。そして、それを抜きにしても信じるに値すると確信した。勿論混乱や記憶喪失はないと考える」

 

 

 「僕も同意だね」

 

 

 「・・・・・思ったよりもずいぶん簡単に信じるな」

 

 

 「そりゃあ、君の語っているときの感情が少しではあるものの、少なくとも私達に対する無愛想さから出てくるとは思えない程、喜怒哀楽がしっかりしていたからさ。とても演技とは思えなかった。そして・・・・・・・・」

 

 

 

 そして金髪の男は少し黙ると体から煙が出てきて、やがて煙が収まるとガリガリのやせ細った男が出てきた。あまりの異変に目を見開いていると、男が悪戯が成功したように笑った。

 

 

 「先ほども言った通り私も荒唐無稽の身だ。さっきのガタイからこんなやせ細った身体がでてくるとは思はないだろう。これでも私は有名人だ。だがこれを知っているのはごく一部の人間のみ。知らない一般人からしたら、到底荒唐無稽だろう。私もスケールは小さくとも同じ様な境遇ということさ」

 

 

 「僕は立場上別の視点で見させてもらったよ。というのも君が手を入れてもらった壁穴に秘密があってね。まず君の心拍数などを常にモニタリングさせてもらった。更に壁の向こう側には僕の妹がいてね。偶々僕の傍に妹がいたときにオールマイトから連絡が北から連れてきたんだ。妹の個性は噓発見器(ポルノグラフ)と言ってね。身体接触をする事で本音が分かるという個性だ。まぁ飽くまで本音だから真実を確認してるわけではないけどね。穴の一部に穴があってね。そこから身体接触をしていてもらったんだけど少なくとも本音だと言っている。更にこの穴がある通りこの部屋は特殊でね。色々監視機器その他の諸々がある。その結果は問題なしと出た。ああ済まないね。こんなことを捜査の為とは言ってもね」

 

 

 確かこの部屋に入ってから妙に視線を感じていたがそういうことだったのか。まぁ私のような訳ありを入れるには最適だと納得する。

 

 

 「構わない」

 

 

 「ああ、そして最後に。これは半分私情なってしまうが、オールマイトがその姿を見せたことだね。知られるわけにいかない真実をいうというのは、彼を信頼している僕からしたら大きい。特にこの秘密は一番重要な秘密だ。これでさらに大きくなり決め手になった」

 

 

 「なるほど。理解できた」

 

 

 取り敢えず事情の説明が終わりこれからどうするかと思った時、金髪の男が先ほどとは違い細々しい腕で手を挙げた。

 

 

 「君の事情は分かった。おそらくだが元の世界に帰れないだろうし、帰る気もないように思える」

 

 

 「ああ。欺くためとはいえ世界を壊しかけたのだ。一部は真実を知っているかもしれないが大多数には恐らく悪人に映ると思うし、そう歴史に残るだろう。今更帰る気は起きない」

 

 

 「そこで提案なのだが私の養子にならないかい?」

 

 

 「正気か?自分で言うのもなんだが、こんな面倒ごとの塊を引き取るのか?」

 

 

 「こんなに秘密があるからこそだよ。下手に他に預けられないし、私は事情を知っているから対応は円滑だ。そして何より私が助けたいと思った」

 

 

 「僕も賛成だよ。警察としても、一人の大人としても。面倒な手続きも戸籍や養子のカバーストーリーが作りやすい。安全面も下手な他のヒーローに預けるよりも安全だ」

 

 

 「だそうだけどどうする?君の選択次第だ。もちろん強制はしない。他がいいというのであれば出来る限り要望に沿おう」

 

 

 これは悩むまでもないだろう。ここまでするお人好しは早々居ない。一応私を悪用するという考えが浮かんできたものの、少なくともこの二人には当てはまたないだろうとすぐにその考えを放棄した。これ以上の環境はないと思った。だからこそ、無意識に自然と右手を金髪も男に出して言葉を口にしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「宜しく頼む、オールマイト」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ああ、此方こそ宜しく。ルシファーくん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人は微かに微笑み合い、固く握手を交わした。

 

 

 

 

 

 

 そしてそれを祝福するかのように桜が舞い上がり空に飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ To be conntinued ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルシファーの年齢は原作に合わせるために無理やり理屈を作っています。

余談なんですが、塚内妹の方が噓発見器というのがヴィジランテで書いてあったのですが塚内警部って個性あるんですかね?まぁそもそもヴィジランテ見たことないので正確には知ったのは、ハーメルンの他投稿者様の作品を読んで知ってそんなキャラ居たっけ?ということで調べたんですが。塚内警部野球好きとしか書いてなかったのでわからないのですがまだ不明なのか無個性なのか分からないから今話の個性の説明時に無個性の具体人物の例が書けなかったんですよね。まぁそんな訳で塚内妹については設定が曖昧です。まぁあんまり多用しないし大した影響もないんですが一応の報告でした。
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