ポケットモンスター 『移動カフェ"安らぎ"』 作:sisid
『ポケモンコンテスト、マスターランクの優勝は一体どちらでしょうか!審査員の結果は…』
ブチッとテレビを消す。自室の部屋でポテトチップスを食べながら、クルマユのごとく布団に包まっている。
シンオウ地方、ヨスガシティ。ポケモンジムの他に、ポケモンふれあい広場や、ポケモンコンテストの会場があったりとなかなかの都会。
そんな街で、家族と暮らしているがここずっと部屋に篭りきりの少女がいた。
私、なにしてるんだろ。
ふとそう思う。小さい頃はどんなことがあっても楽しみながら頑張ってたのに。月日を重ねていくごとに限界を見るようになった。
それから自分に失望して…よくお母さんとも話してたのに、今じゃドア越しで…っていうか話してない。
良くないことだって分かってるけど、お母さんからも、周りの人達からの視線からも今はもう怖くて動けない。
ここから出て『大丈夫』って聞かれるのが嫌だ。言われるのも嫌だ。
最低だ、私って奴は。
カーテンを開ける。外は雨で、昼なのに暗い。まるで自分自身を映しているような…
「……えっ?」
一筋の光が地上から上へと飛んでいくのが見えた。すると一変、天使のハシゴが見えた。そして見る見るうちに虹がかかり、先程までが嘘かのように晴れ渡る。
「まさか…」
少女は突然身体を起こし、自らその空間から飛び出した。バタバタと階段を降り、青いボサボサの髪も、パジャマも何もかもそのままの状態でサンダルを履いた。
「ちょ、ちょっとアキ!?」
母親の声も聞かず、行ってきますと叫んで走り出した。玄関を開けて、少し走り出した後、ガサッとポケモンか何かが動いたようだが、それすら気づかずその光差した方角へ。
「ハァ…ハァ……」
そこはヨスガシティから少し外れた自然溢れる道路だった。
「おや?」
その声に反応した。アキの視界に入ったのは頭を撫でられている通常より一回り、否、二回りほど小さい色違いのサーナイトと、そのポケモンのパートナーであろう青年だった。
サナリスとアンペルだ。
「息が上がっていますが、どうしましたか?」
アンペルにそう言われ、アキは呼吸を落ち着かせることなく聞いた。
「ガーディを!ガーディを見ませんでしたか!?」
「ガーディ?」
「"にほんばれ"を、誰かがしたんです!もしかしたら…」
「ああ、それはこの子ですよ。実は今日ヨスガシティでカフェを展開する予定でしてね」
「サァナ」
「え…サーナイト?」
「はい。サナリスって呼んでください」
「サナ!」
「………」
そっか…そうだよね。いるわけないんだ。ガーディがいるはずなんてない。私のことなんてあの子はもう忘れてるんだ。私のせいだ、私のせいなんだ。私があんなことを言わなかったら…
「え、あの」
「……え?」
「なんで泣いているんです…?」
「え?…あれ?あれ?なんで、なんでだろう。違う、違うんです。私、泣きたくなんか…止まって、止まってよ…ねえ、なんで……!?」
その場でうずくまるアキに、アンペルは少し動揺するが、サナリスと目が合う。その視線でアンペル頷き、キャンプ用のテーブルと椅子を用意し、そして車の中でアキの年齢に見合った温かい飲み物を作り始めた。
「サァナァ」
「ひっく…そんな、いいです……」
「泣いている人を放ってはおけません。僕達はこれで商売をしていますが、今日は特別ですよ」
「うぅ……」
言われてアキは椅子に座り、飲み物を飲んだ。甘く、どこか酸味もあるようなお茶。移動カフェ"安らぎ"特性、『ソクノ茶』。
ソクノのみの果汁と薄皮、そしてハチミツを入れ一晩おいて完成させたもので、お湯で割ってしっかりとかき混ぜるだけで美味しく出来上がる。
身体がうちからポワポワと、先程まで走っていたから元々熱いのだが、それでも飲める。ほんわりと身体が気持ち良い。
「…ふぅ……。ありがとうございます」
「いいえ。こちらの非でもあるようですので」
「えっ?」
「ガーディと勘違いしたようなので。大切な貴方のポケモンなのでしょう?」
「………あの子は、そう思ってないと思い…ます」
そう言って俯くアキ。アンペルはアキと対面するような形で椅子をもう一つ用意してそこに腰を掛けた。
「良ければ話してみませんか。お客様…では無いけれど、僕のブレンドを頂いている方が笑顔じゃないのは、どうも落ち着かない」
「…………」
アンペルは口をつぐんでしまったアキを見て、しばらくしてからこう言った。
「人の我慢というのはバケツのようなものです」
「……え?」
「感情や、気持ちを押し殺そうとする度に、我慢というバケツの中に入れていく。ですが人によって"容量"や、"数"が違う。貴方は我慢出来ずにここへ来た。バケツから"気持ち"が溢れ出て涙を流した。そして落ち着いた今、また言おうとせずにそのバケツの中に感情を詰め込もうとしている。…赤の他人にぐらいには話してみても良いのではありませんか」
「……ガーディは、生まれつき後ろの右足が少し悪い子なんです」
アキは深呼吸をした後そう言った。
------------------
私がまだポケモンを持っていなかった時、お母さんと一緒にヨスガシティを出てポケモンコンテストを観に行ったことがあった。
ヨスガシティにあるコンテスト会場はシンオウ地方で一番大きいけど、それ以外のところだって別に見劣りしていない。
私はそこで自由自在なパフォーマンスを見せるトレーナー達に感動した。
帰り道は歩きながら、その凄い人達のモノマネをするかのように踊っていた。
「ふんふ〜ん♪」
「アキったら、すーっかりハマっちゃったわね」
「うん!私もいつかポケモンコーディネーターになって、有名人になる!」
「いいじゃない!アキならきっとなれるわ!」
お母さんはそう言って私を信じてくれた。そんな帰り道だった。
「あれ…?ねえお母さん、あのポケモン怪我してるよ?」
「あら、ガーディだわ。……弱ってるみたいね」
「大変!ポケモンセンターに連れて行こっ!」
今思えば危ないことをしてたなあって思う。野生のポケモンは気性が荒いってよく聞くし。それを抱き抱えて走ったもんだから、ほんと当時の自分は勝手になんでもできる子だと思ってたんだ。
ポケモンセンターで目が覚めたガーディは、右足が悪く、ポケモンに虐められていた可能性が高いと聞いた。
命からがらに逃げていたが、意識を失って、私に助けられた。
と、言っても当事者はそんなことを知らないわけで
「ガウッ!」
「ひゃっ!もう!私は命の恩人なんだよ!」
ガーディは、お世話するようになった私に対して威嚇したり、かみつくをしてきたり。でも怖くなかった。私はどんな時でも一生懸命になってガーディに寄り添った。
少しずつ、月日を重ねるごとにガーディの毛に触れれるようになり、警戒心のあった喉をゴロゴロと鳴らしていたあの音も、すっかり落ち着きのある音に。
「行くよっ!それーっ!」
「ガォオンッ!」
フリスピーすら、コツを掴んだのか右足が悪いことを忘れるぐらい軽快な動きでキャッチすることが出来るようになっていた。
三年も経てば以心伝心。目を交わすだけで何を考えているか分かるぐらいには、一緒にいた。
「…お母さん。私、ガーディと一緒にポケモンコンテスト、出る」
「そう!夢だったものね!アキなら大丈夫よ!」
「うん!頑張ろうね、ガーディ!」
「アウッ!」
そしてポケモンコンテストに備えての特訓を始めた。楽しい楽しい時間だった。
初めてエントリーして、初めてコンテストに出場した時の緊張は今でも忘れられない。
ノーマルランクっていうまだ何も実績にならないランクから初心者は始まるけど、スーパーランク、ハイパーランク、マスターランク全てクリアして、そして最後のウルトラランクに行く。そういう気持ちだった。
だけどマスターランクのところで私は初めて"壁"を感じた。
「マスターランク、優勝は〇〇さん!おめでとうございます!」
初めてコンテストで敗北した。ハイパーランクまでは順調だったのに。
マスターランクからは一次予選を通過した者だけが優勝争いに加われる。予選は通過出来たけど、優勝はできなかった。
「大丈夫よ。アキならやれるわ!」
お母さんはそう言ってくれたし、審査員の方々も褒めてはくれた。近所の人たちからも。
だから私とガーディは頑張った。
「ガウッ…」
「ガーディ!…そっか、右足が悪いものね、いくらコツを掴めたって言っても、何度も空中を舞うような動きをさせるのは酷だよね…」
「ガウッ!!」
「ううん!ダメだよ!私にはガーディしかいないから!無理して本当に右足が動かせなくなったら困るの!ガーディも困るでしょ?だからなんとか違うパフォーマンスを…」
そして構築を練り直して二回目のマスターランク。予選落ち。
「なんで…?」
「大丈夫よ。あんなに頑張ってるんだもの。次は大丈夫よ」
お母さんはずっとそう言ってくれた。そうだ、今、私は大丈夫。絶対マスターランク優勝して、ウルトラランクに行ってみせる。
「アウゥウ」
「ん…?毛布?あはっ、私そんな顔悪い?ごめんね、後少しだけ考えさせて。そしたら寝るから」
「アウ…」
三回目、予選落ち。しかも前よりパフォーマンスにキレがないのが分かった。ガーディに指示を出すのが遅れた。ガーディの右足を気遣い過ぎてしまった。
…あの子の右足が悪くなかったら…
「大丈夫。大丈夫よ」
「…お母さん、何が大丈夫なの?」
「えっ?」
「何も知らないじゃん。近所のお爺ちゃんも私のこと応援してくれてるし、『大丈夫』って言ってくれるけど、何も知らないじゃんか」
「……アキが頑張ってるのを私たちは知ってるからね」
「…うん。そうだね。ごめん!ネガティブなのは良くないね!」
元気に振る舞わないと。応援してる人たちに情けない姿は見せたくない。頑張らないと。もっともっと頑張らないと。
四回目、五回目、六回目……何回落ちた?いや、関係ない、落ちても何回でも受けれるのだから、その時予選通過出来るように頑張らないと。
「アンッ…」
ガーディはいつもそんな私に毛布を持ってきてくれるようになった。私はそんなに酷い顔をしているのか。鏡を見る暇もないぐらい、初めて見る壁が高過ぎて、分厚過ぎてどうすればいいか分からないせいで、でもそんな弱音は吐いちゃいけない。
「『大丈夫?』って聞いてるの?私に?」
「アウ」
「大丈夫だよ!私は!ほらこの通り!」
「………ガウッ!」
ガーディは大きく吠えると、空中で今までにみたことないぐらい大きく身体を捻り、舞って見せた。
「…ガーディ」
「ガウッ!ガウ!」
「……うん、分かった。あの時試そうとしてたこと、やってみよう」
そして何回目かのマスターランク一次予選、見事に通過。"だいもんじ"と'円状に作った"かえんほうしゃ"を空中に飛ばし、ガーディがその隙間を身体をアクセルのごとく捻りながら飛ぶ。その高度は非常に高く美しかった。
予選通過した次の種目で、さらに凄いのをお見舞いして見せようとした。
最初は同じ流れ、だけどそこから宙へ舞っている間に。
「"にほんばれ"!」
会場内をライト要らずの明るさに変える。それのおかげで炎の煌びやかさが増す。
「フィニッシュ行くよ!だいもんじの真ん中を打ち抜け!"かえんほうしゃ"!!」
「ガウッ!!」
空中にいる間、落下しながらかえんほうしゃを放ち、炎は散り散りに、けど儚くも美しい結晶のようにキラキラと。花火の最後のような残火。
ーーよしっ!
心からガッツポーズを決めた。これは優勝候補の人たちに比べても上だっ!そう思った。
「ガッ!」
「……えっ」
さっきまでのお客さんの熱気が嘘かのように落ち込んだ。ガーディが、最後の最後で着地に失敗した。練習した時はちゃんと出来ていたのに、肝心なところで失敗したのだ。
「マスターランク、優勝は△△さんです!おめでとうございます!」
目の前が真っ暗になった。っていうのはこのことを言うのだろう。
「アキ!今日は貴方の大好きなオムライスよ!今日は惜しかった!でもやっぱり大丈夫よ!予選通過出来るんだし、次こそ…」
「もういいや」
「えっ」
「もういい。今日夕飯いらない」
「え、ちょっとアキ!」
「うるさい!話しかけないで!なにが『大丈夫』?全然大丈夫じゃないよ!私の最高のパフォーマンス!今までで一番しっくり来た構築なの!それを次見せても、審査員の人達は『またか』ってなるだけなの!ポケモンコンテストはね、同じパフォーマンスを見せても優勝出来るほど、甘い世界じゃないのよ!」
「ご、ごめんなさい。でも、アキならきっとだいじょ…」
「その言葉、もう聞き飽きたよ!みんなそう言う!『大丈夫』『大丈夫』って!何が?どこが?根拠もないのにそんな言葉、易々と言わないで!!」
今までにない、暴言の数々。お母さんは固まってしまった、そんなお母さんを横目に、私は隣にいるガーディを置いて、真っ先に二階の自分の部屋に戻って行った。うるさい物音を立てながら。
「あぁあああ!!もう!!なんで上手くいかないの!?何が足りないのよ!これ以上、何を頑張れば良いの!?」
「クゥウン…」
ガーディが部屋にやってきた。ドアを開けた音すら気付かないぐらいに荒れていた。そんな私に、いつものように毛布を持ってきた。
私は、それにイラッとして毛布を強引に奪った。
「…あんたがっ、あんたがしっかりしてれば!!」
「!!」
「あんたがちゃんと着地してれば優勝できた!!あんたが私に『大丈夫』って見せたから!!それを信じてあのパフォーマンスを見せたのに!!それなのに!!あんたが全て台無しにした!!!あんたのせいだ!!!」
「…アウ……」
「あんたのその右足のせいで、あんたがポンコツなせいで!私の最高のパフォーマンスはぜーんぶ台無し!!出てってよ!!しばらくあんたの顔なんて見たくないの!!!出て行って!!」
「……アウ」
「出て行け!!」
「!!…………」
その時のガーディはどんな顔をしていたんだろう。もう憶えていない。罵詈雑言浴びせたその日から、ガーディは家を出て行った。
私の心は空っぽになった。初めて一方的にガーディを追い詰めたからか、初めて我慢してた感情を吐き出してしまったからか、空虚で、何もしたくなくて、お母さんにも誰にも会いたくなくて、それでもたまにガーディが恋しくなって。ごめんって言いたくなって。
そんなことを思いながら数ヶ月間ずっと自分の部屋に引きこもっては出て行かなかった。
ごめんって言いたいって何様なんだろう。私にそんな資格はない。ガーディは絶対戻ってこない。私のことが嫌いになって、きっと遠いところに行ってる。
そんなモノクロの世界の中、急に色がついたのが、今日"にほんばれ"を見た瞬間。
------------------
「私…本当ダメな人間なんです。自分がこんなにも弱いだなんて思ってなかった」
涙は流していないが俯き、ソクノ茶ももう飲み終わりそうだった。アンペルは、「話を聞かせてくれてありがとう」とそう言ったあと続けた。
「貴方は、凄い人です」
「えっ…」
「好きなことに一生懸命で、ガーディのことを思ってパフォーマンスを考えて、努力して…素晴らしい才能の持ち主です」
「そんな…私には才能がない。だからマスターランク止まりで…」
「"努力に勝る天才無し"。貴方のその努力する姿勢は、誰も真似することができない。それを貴方の周りの人達は見てきた。だから、貴方の言った言葉を、信じている」
「言った言葉…?」
「ええ。だから今一番、貴方が欲しい言葉を周りの人達は言えない。僕に話をするのは大正解でした」
「どういうこと…ですか?」
アンペルは優しく微笑むと、立ち上がり、アキの髪を優しい手つきで撫でながら、いつもの声色で目を細めながら口を開いた。
「『大丈夫』」
「あっ…」
私の嫌いな言葉だ。無責任な『大丈夫』が大嫌いだ。何も知らないくせに。何が『大丈夫』なんだ。
嫌いだ。大嫌いだ。……それなのに。そのはずなのに、どうしようもなく込み上がるこの感情は"嫌悪"じゃない。
涙が自然と溢れるぐらい、ずっと欲しいと思っていたのを隠し続けて我慢していた、もう一つのバケツだ。
「うぅ……ぅあ………」
「周りは貴方を見ている。貴方に無責任な『大丈夫』を何も考えずに口に出せるぐらい、貴方の頑張っている姿を見てきた。貴方の魅力は一言では現すことが出来ない。だから『大丈夫』です。貴方を信じて、皆、貴方が立ち直るのを待っている。ガーディも、貴方とまたコンテストに出たいと願っている」
「うぁあああ……!わ、わた、私、ガーディに会いたい………!また一緒にポケモンコンテストに出たいよぉ……!!」
「ええ、ええ、そうでしょうそうでしょう。初めて会った僕ですら、分かる気持ちです。貴方は素晴らしい才能の持ち主です」
サナリスもアキを撫でる。綺麗な腕輪がにほんばれのおかげでさらに輝きを増していた。
…ああ、他にも色んな魅せ方、あるじゃん。
空っぽにしたおかげで何かが見える気がする。視界がクリアだ…
「ソクノ茶、ありがとうございました!美味しかったです!」
「それは良かった。良ければ送りましょう」
「え?どこへですか?」
「貴方の会いたいポケモンのところにです」
「え!?近くにいるんですか!?」
「ええ。サナリスはそういうのが得意なんですよ」
「サァナ!」
「えぇ…!お、お願いします!話したいこと、沢山あるから!」
「…ふふっ」
「な、なんですか?」
「やはり笑顔は素敵だな、と。ではサナリス、お願いします」
「サナ!」
サナリスはアキの手を掴み、テレポートした。その先は…
「え…私の家……?」
「サーナイ」
「玄関よりちょっと歩いた先?あ、ちょっと」
サナリスは場所を少し示した後、すぐにアンペルのところへとテレポートして戻った。
これは、私の問題だものね。
先程とは違って、歩く。走らずに、周りを見ながら歩く。
他の人達がいる中で、私は大きく息を吸った。
ーー恥ずかしいけど、でも気持ちを吐き出すことは、悪いことじゃないって気づけたから。
「ガーディ!出てきて!私、貴方とポケモンコンテストに出たいの!!私のせいでごめん!ガーディのこと、大好きなの!!私のせいで今まで一緒に入れなかった時間、忘れるぐらい一緒にいたい!」
そしてもう一呼吸、大きな声で。
「私はもう、『大丈夫』〜!!!」
周りはザワザワしている。そんな中、少し先の草むらの茂みから、見慣れたポケモンがアキの前に現れた。
「…ごめんね。おかえりなさい」
「アウ!」
▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙▣◙▣
「会えましたね」
「サナッ」
「ふぅ…あの空気の中、僕たちはカフェをこれから始めますが…お客様、来てくれるかなあ…」
「サァナ!」
「そうですね。来てくれますよね」
アンペルは車を止め、準備をしながらサナリスとそう何気ない会話をしている。
ーー嫌いになったから出て行ったのではない。大好きだから出て行った…"愛"というのは、対になっていそうな言葉を、なんの矛盾もなく通してしまう。ガーディは、心の底から、貴方を愛しているのでしょうね。
サナリスと、アンペルの宝石がきらりと光った。
長くなって申し訳ない( ; ; )
さて、二話までご覧になった方はもうお分かりでしょうが、一話完結形式でやっていくつもりです。
長くなり過ぎたら前編後編分けるかもしれませんが、基本軸はこれで行こうと思っています。よろしくお願いします。