「さて、何か言うことはあるかい?」
父さんが笑顔でそう言う。だから怖いって。
「大変申し訳ございませんでした!」
俺は90度のお辞儀を敢行した。
うん。多分俺たちの父さんは怒らしたらダメなやつだ、だから誠意をみせる!
「どうして遅くなったのかい?」
父さんは俺の見たことないような動作にも慣れたのだろうか、普通に聞いてきた。
でも転生の話なんて信じてもらえないだろうし…どうしようか。
「魔道具の話をしていたらつい話が盛り上がっちゃってね」
アルが言う。
ナイス!!魔道具が何かさっぱりだが、それらしい理由を言ってくれた!
「そうなんだね。じゃあ先にアルの方から用事を済ませようか」
父さんがアルに手紙を渡す。
「手紙?」
アルが父さんから渡された手紙を読む。
どうやら貴族のお披露目会があるらしくアルことアルフリートも出席してほしいという招待状のようだ。
「えっ!?めんどくさっっ!?」
アルがめんどくさいと言いかけた瞬間父さんがアルの肩を掴む。
「王都に行けば魔道具も買えるしいいと思うんだよね。もちろん行くよね?」
顔は笑ってるけど目が笑ってないですよ父さん…
「分かりました!行きます!行きますから!」
アルがそう言うと父さんは安心したのか手を離す。
王都か…名前からして日本で言う東京みたいなものなのかな?珍しいものとかたくさんありそう。とりあえずアルは暖かい目でおくってあげるとしよう。
「アル、頑張ってね」
「何言ってるんだい?リーフも行くんだよ?」
父さんは言った。
「なんだって?」
俺は聞き返す。王都になんてめんどくさい。とりあえず当分はここでゆっくりしたい。
「リーフは王都での剣術大会優勝の表彰や賞金の受け取りがあるんだからね」
父さんが言った。
どうやら剣術大会に賞金の受け取り…リーフ君はそこそこ有能らしい。め…めんどくさい!
「じ…辞退で」
「さすがリーフ兄さんだね。優勝なんてすごいね!さすが『沈黙の騎士』と呼ばれているだけあるね!」
アルが褒める。いや笑っている。
沈黙の騎士って…もっとましな名前無かったの?
「ちなみに父さんはドラゴンスレイヤーって呼ばれているよ」
アルが耳打ちしてくる。
「!?ドラゴンスレイヤー…」
なんだろう。面白い。でも身体が笑うなと警告する。なぜと思い父さんをみる。
「リーフ?もちろん行くよね?」
それはそれは今まで1番怖い笑顔でしたよ。殺されると思いましたね。
「王都に行けば美味しいエールが飲めるかもよ?」
アルが言う。
「父上、王都に行くのはいつになりますでしょうか?」
俺は服従のポーズをとり聞く。エールとなれば話は別だ!王都でも魔界でもどこにでも行きますとも!
「!?態度が急変したね?そんなにエールが好きな子だったかい?出発は明後日だよ。それまでに準備をしてね」
『わかりました!』
2人はそう言って部屋を出た。
「めんどくさいことになったね」
アルが俺に言ってきた。
「ほんとにね。まぁ王都のエールが飲めるだけでもいいとするかな」
エールのことを考えるだけでも今からワクワクが止まらない。どんな味がするのやら。
そこで俺はアルの肩を掴む。
「リーフ兄さん、どうしたの?」
アルが聞いてくる。
「いや、なに、ちょっと転生初日に色々なこと言われてさ頭がパニックになっているんだ。アルさえ良ければこの後俺の部屋で一緒に整理しよう」
今日1日で色々あったからね。アルという先輩がいるだけで心強い。助けてもらおう。
「お…俺に拒否権ってありますか?」
アルが怯えて質問してくる。
「え?あるわけないじゃん!この沈黙の騎士様がわざわざ口を開いて懇願しているんだから!もちろん来るよね?」
沈黙の騎士とかいう名前を言って笑ってたのちゃんとみてたからな!!
「分かりました…」
アルは諦めたかのように言った
「アル…今晩は寝かさないからね」
俺は笑顔でそう言った。
「リーフ兄さんも笑顔だと結構怖いね」
アルが言う。
やかましいわ。
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