「明日には王都に出発するからね!」
『はい!』
俺とアルは元気よく返事をする。
「でも王都に行く間は剣の稽古が出来ないから今日は1日中やるよ!」
『はい!』 『いやです!』
俺を含む兄妹4人が声をあげる。
ちなみに、はい!がエリノラ、シルヴィオ、いやです!が俺とアルだ。
「……アルはともかく、リーフも嫌がるなんてね」
父さんは苦笑する。
「ノルド父さん明日は王都に行くんだよ。剣の稽古なんかやめてゆっくりしようよ」
アルは死んだ目で言う。
「アルの言うとおりです。王都まではかなり距離があります。今日は休暇を取り明日万全の状態で王都に行くことを進言します!」
俺も乗っかる。
「リーフは明日からよろしくね。って言ったら「はい!」って元気よく答えたよね?」
「いや!「はい」とは言ってないですよ?「もちろんです。頑張りますね」とは言いました」
俺は口答えをする。
「………同じ意味だよね?」
「…はい」
朝からいい笑顔ありがとうございます…
「じゃあまずは、リーフとエリノラだよ!準備してね」
父さんが手を叩く。
昨日のうちにアルから家族やメイドについて教えてもらった。
準備をしながら思い出す。
エリノラ…スロウレット家長女、12歳、アル曰く人間じゃないとの。
多分冗談なのだろうけどどうやら相当剣の腕がいいらしい。そんな相手と戦うなんて…これは、王都に行く前でゲームオーバーか?
「兄さん…病み上がりだからって手加減はしないわよ!」
エリノラが構える。
あーあ、どうしたものか、剣なんて握ったこともないのに。
とりあえず俺も構える。
「準備はいいね?では、はじめ!」
父さんが手を叩き試合が始まった。
「はあぁぁ!」
エリノラが勢いよく飛び出す。
速っ!?やられる!
と思ったら次の瞬間俺は…
俺はエリノラの剣を剣で防いでいた。
「えっ?なんで?」
声が出た。なんで防げているか。脳からの指令ではないことに気づく。どうやら身体が勝手に防いだようだ。
「‼︎次行くわよ!」
エリノラはすかさず次の攻撃を放つ。が、俺はそれを防ぐ。俺はというより俺の身体が…かな。
「なんで!?なんで防がれるのよ!?」
エリノラが嘆く。
俺も聞きたいよ。なんで防げるんだ?
一度間合いを取り息を整える。
「こんどこそ!!」
エリノラが攻撃を仕掛ける。
ああ。なるほど。冷静になって分かった。なんとなくだけどエリノラの次の一手がわかる。だからその一手を防ぐための防御をすればいいのか。
俺は理解し再び攻撃を防ぐ。
「兄さん…なんで攻撃してこないのよ」
息を切らしながら文句を言うエリノラ。
攻撃の仕方がね…分からないんですよ。
「病み上がりだから……ね」
適当なことを言ってその場をやり過ごそうとする俺であった。
もう一本書いて王都に行きます。