「そこまで!」
父さんが終了の合図をした。
「なんで!?私はまだやれるわよ!!」
エリノラが文句を言う。
「次もあるからね。飛ばしすぎるとへばっちゃうよ」
父さんが言う。
そして俺も追撃する。
「いやーエリノラの攻撃が速くて全く攻撃出来なかったなぁー、腕を上げたね!」
年齢からして前世だと中学生だからね。エリノラは素直に褒めると喜ぶタイプだろう。まぁ本当に攻撃出来なかったんだけど。
「そ、そう?兄さんが褒めるなんて珍しいわね!次は一撃喰らわせてあげるわ!」
エリノラが笑う。
嫌だなー痛そうだし。
「次は、アルとシルヴィオだよ!準備して!」
『はい』 2人は返事をする。
「アル。頑張ってね」
「うん。ありがとう」
俺とアルはハイタッチする。
「あんたたち、いつからそんな仲良くなったのよ?」
エリノラが聞いてくる。
「リーフ兄さんは実は結構な面倒くさがり屋ってことを知ったからね」
アルが言う。 まぁ…否定はしないけど。
こうして総当たりを一通り終え休憩をする。
俺は、サーラからタオルを受け取り汗を拭う。
この屋敷には、メルさん、ミーナさん、サーラさんがメイドとして働いている。
「サーラっていいなぁ…」
俺は自然に口に出していた。
「分かる」
聞いてもいないのにアルが答える。
「特に黒髪がいいよね」
「すっげぇ分かる」
アルお前分かってるな。俺のアルへの好感度が少し上がった。
「そういえば、前のリーフ兄さんは魔法は全くダメだったけど、今のリーフ兄さんはどうなの?」
アルが質問してくる。
そうなのか、リーフ君は魔法が全然ダメなのか。
「一通りの魔法の詠唱は昨日覚えたけど…とりあえずやってみる?」
「やってみてよ!」
アルが言ってきた。
魔法かぁ…出来ればすごく面白そうだけど、果たしておれにできるのやら…
俺はタオルを置き中庭の中心に立つ。
昨日読んだ本の通りにとりあえずはやってみよう。
俺は魔力を身体中に循環させる。何かが身体中に這っている感覚だ。これが魔力なのだろう。
そして詠唱を唱える。
本の最初にあった魔法を…
「我は求める…いかなるものをももやす小さな小さな火を」
両手を空にあげ唱える、魔力が手に集中する。前世では感じたことのない感覚だ。
「火よ…放て!」
小さな火が空に向かって放たれる。
おおお!!魔法が!俺にも魔法が使えるぞ!
俺は嬉々として空を見上げる。すると俺の放った「小さな小さな火」は、
「大きな大きな火」となって上空に昇っていき爆発した。
……………小さな小さな火って俺言ったよね?どうしてこうなった?
「リーフ兄さんすごいね!後で魔力制御の方法教えてあげるね笑」
「リーフが魔法を使えるのには驚いたけど、これはやりすぎだね」
2人が俺の魔法を見てそう言う。
「いや!俺も魔法が使えるとは夢にも思っていなかったわけで……あ!やばい!?2人とも後ろみて!?」
父さん、俺、アルは一斉に声をあげる。
『屋敷が燃えている!?』
この後、母さんとアルの水魔法で鎮火し大惨事にはならなかったが、俺は夜までお説教フルコースを堪能することになった。
異世界食堂二期のカレー食べ比べ回が1番お気に入りです。