頼りだったアルがいないことでかなり焦る俺、どうしたものかと考えているとドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
父さんが返事をする。
「入るぞ」
ドアの向こうから野太い声が聞こえる。
「久しぶりだな!リーフにノルド!息災であったか?」
そこには屈強な男が俺たち家族の前に現れた。
ご…ごっついなぁー。騎士団っていうからにはもっとスリムな感じだと思ってたけどそんなことは無かったよ。
「お久しぶりです。レスト団長。お元気そうでなりよりです。」
父さんが言う。
「なに、我々は王都そして王を守護する者、簡単にくたばる訳にはいかん!リーフも元気そうでなりよりだ!」
やっぱり俺にも言ってくるよね…リーフ君の普段を俺は知らないからどうしたらいいのやら。とりあえずここは…
俺は元気ですお気遣いありがとうございます。と言う意味を込めて会釈をした。すると…
「何黙っているの?挨拶をしなさい!」
母さんに叩かれた。えっ?間違ってた?
(いきなり喋り出したらレスト団長もびっくりすると思いまして)
と母さんにアイコンタクトを取る。お願い!届いてこの思い!
「なによ?瞬きなんかして、目にゴミでも入ったの?」
残念!アイコンタクト失敗!こうなったら…
「俺は元気です。お気遣いありがとうございます」
俺は元気よく答えた。
「!?リーフよ。そんな喋れる子だったのか?」
レスト団長が困惑している。そりゃそうだよね。
神託を受けたって言っていいのかなぁ。言っても信じてくれるかどうか。
(神託を受けたことをレスト団長に言ってもいいですか?)と
俺は再びアイコンタクトを試みる、次は父さんだ!届いてください!
(いいよ)と父さんがアイコンタクトで返事をする!
さすがだせ!父さん!あの鈍感な母さんとは違…(なんですって?)
「ひっ」俺は小さな悲鳴をあげる。
後ろを振り向くと母さんが笑顔でこっちを見ている。
「な…何も言ってないですよね?」
俺は答える。
「リーフも最近アルと一緒で何を考えているか顔にでるのよ」
母さんが答える。ならさっきのアイコンタクトも成功できたのでは?
「リーフよ何を黙っているのだ?」
レスト団長が言う。正直に言うしかないか。
「あっ、すみません。実は実家で療養中、神様から信託を受け、思ったことや感じたことは素直に言葉にしなさいと信託を受けたのです」
「何!神託だと!?それはすごく名誉なことではないか!」
え?そうなの?
「なので、これからは喋ることが多くなると思いますのでよろしくお願いします」
ぺこりと俺は頭を下げる。
「まさか沈黙の騎士が自ら喋ります発言か!これは、王都でも騎士団でも大騒ぎだな!」
レスト団長が笑う。そんなおおごとなの?
「レスト団長。今日は、リーフを騎士団本部に?」
父さんがレスト団長にたずねる。
「おお!そうだった!リーフをこれから騎士団に行って早速稽古をしようと思うのだがよいか?」
レスト団長が俺に聞いてくる。これは…やばいですね。
「大変申し訳ないのですが、私たちは本日王都に到着し長旅で疲労が溜まっています。ですので今日ではなくまた後日でお願いしたいのですが…」
と俺は素直に言葉にする。
「ははは!リーフがそんな弱音を吐く訳ないだろう!ほらさっさと行くぞ!」
レスト団長が腕を引っ張る。この人力強いな!
(病み上がりだから今日は遠慮したいです!そう!病み上がりなので!)
と俺は父さんにアイコンタクトをする。さっき通じたんだからこれも通じるよね!
「いってらっしゃい」
父さんは笑顔で見送る。あっ…これはわざとだな。
そして俺はレスト団長に連れられ部屋を出た。
次回は騎士団本部に行きます。