「我は求める…燃えさかる、真紅で鋭利な炎よ…」
俺は先程シェルカが唱えた魔法を唱えてみることにした。
思ったとおり手から炎を纏った槍が出てきた。後はこれをギデオンに向けて投げるだけなのだが…
そこで俺は考えた。
この炎の槍、投げ方次第で威力が上がったりしないだろうか…槍だから槍投げのイメージなんだけど、槍投げはしたことないからなぁ…
投げるイメージ、投げるイメージ…そうだ!野球ならどうだろうか!?中学時代野球部で外野を守っていたからイメージは十分だ!
俺は前世のイメージを思い浮かべなら槍を放つ準備をする。
「センターからホームに送球するイメージで………放つ!!」
俺は炎の槍をギデオンに向けて放った。
明らかにシェルカが放った魔法よりも威力がありそうだ!!何も考えず放つ魔法よりもイメージして放つ魔法の方が威力があるのかもしれない。
「ふははは!リーフ!想像以上だ!!妹の魔法を真似していながら妹以上の威力!!そうだ!もっと俺を楽しませてくれ」
ギデオンはそう言って俺の魔法を防ぐため魔法を唱えた。
「我は求める…大気渦巻く、旋風の守りを」
ギデオンの周りに風が集まる。
俺の放った炎の槍はギデオンの風魔法により消滅した。
「ははっ…まじか!?あんな容易く俺の魔法が消滅するなんて」
魔法が消滅すると同時にドッと疲労が溜まる感じがした。どうやら魔力を相当消費したらしい。100メートルを全力で走ったような感覚だ。
「想像以上だ!この一言に尽きる。この魔力があれば俺の研究は更なる高みへと行けるだろう!さぁ次は違う魔法を打ち込んでくるがいい!」
…俺のことをエールしか頭にないやつとか言ってたけど、お前も魔法しか頭にないやつじゃね?
「絶対にエールを飲ませてくださいよ!!我は求める!大気より集いし鋭き風の刃を」
俺はそう言って風魔法を唱える。
その後、俺は無属性、水属性の魔法をギデオンに打ち込んだ。どうやら俺の適性は火、風、土、水、無の5種類らしい。ちなみに氷魔法は使えなかった。
氷魔法が使えないのは痛すぎる…水魔法が使えるだけ良しとするか。
俺は地面に倒れ込みながらそんなことを考えていた。
体に力が入らない。これが魔力切れというやつか…どうしたら回復するのかな?
「非常に有意義な時間だった。5つもの魔法を持ちどれも相当な威力を持っている。今からでも魔法学園に入学してみる気はないか?俺が父上に取り計らってあげよう」
魔法学園?興味はあるけど、長い間拘束されそうだな…
「私は長男ですので、学園に通う余裕はないですよ」
「そうか…それは残念だな。長男なのだからこれからも王都に来る機会はいくらでもあるだろう、その都度俺にお前の魔法を見せることいいな?」
は?なんでそんなことしなくちゃいけないんだよ!?適当に学園の生徒でも捕まえろよ!
「私に拒否権はありますか?」
一応聞いてみる。
「公爵家に逆らうのか?」
出たよ公爵家。その言葉に刃向かうほど俺は馬鹿じゃない。
「分かりました。王都に来た際にはギデオン様に魔法を見せに行かせていただきます」
…公爵家と繋がりが出来た。ということにしよう。
「よし。今日はもう遅い、宿まで送ってやる」
ギデオンはそう言って近くにいるメイドに馬車を手配するよう言った。
馬車を手配していただけるのは非常に助かる。
馬車が来た頃には俺も歩けるくらいには回復していた。
「今日はありがとうございました」
とりあえずお礼を言っておこう。魔法の適性を知れたのは良かった。
「いや、こちらこそ助かった。今度は俺の研究室に来い。もてなしてやる」
研究室なんて持っているのですね。
「では失礼します」
俺はそう言って馬車に乗り込んだ。
「英雄ドラゴンスレイヤーの息子か…ギデオン、会ってみてどうだった?」
「父上…あいつ、リーフはあんな田舎に閉じ込めておくには勿体無い逸材ですよ。現在の魔法使いとしての需要をさらに高めるだけの能力を彼は持っています」
「リーフ=スロウレット…面白いやつだ」
ギデオンはそう言ってニヤリと笑った。
俺は馬車で揺られている間今日1日を回想していた。
リーングランデ邸に行ってフリスビーをして、ブラムと王都を走り、シェルカから逃げて、空を飛んで、ギデオンに魔法を放った。
「密度の濃い1日だったな…」
でも何か忘れている気がするんだよな、何かすごく大事なこと…
結局思い出せず馬車は宿に着きそして自室に着いた瞬間思い出した。
「ああっ!結局今日エール飲んでないじゃん!?」
長い1日でしたね。