海岸からバーベキュー場までは案外近かった。
その間俺はモルトさんとアーバインさんとで「リーフ様はチョロいのか」について議論していた。
いや、そもそもチョロくはないんだけれども。
そんなこんなで目の前にはバーベキュー場…もとい広場に着こうとしていた。
「そもそも、しょっぱいエールってどんな味なんでしょうね?」
「そんなのしょっぱいエールって言うんだからしょっぱいんだろ」
モルトさんとアーバインさんがそれぞれエールについて考察しているが実際のところ俺もどんな味なのか検討がつかない。まぁ、しょっぱいのは確かなのだろうけど。
「噂によると見た目から度肝を抜かれるとか、強烈な風味があるとかそんなことを聞いたな」
「見た目?風味?」
アーバインさんの話を聞いていよいよ訳がわからなくなってきた。
「ま、どんなエールが来たってリーフ様のエールより美味しいものなんてこの世界に存在しないですよね!リーフ様」
お?直接言葉で言われると意外にも嬉しいもんなんだな。でも、
「モルトさん褒めてくれてありがとうございます。だからといってエールは出しませからね」
商品であるエールをそう容易く渡すわけにはいかない。それにバーベキュー場でエールが提供されるのだからそれをありがたく飲めばいいのだ。
「ちっ、リーフ様ならチョロいから褒めれば飲ませてくれると思っていたのに」
「だからチョロくないですって」
などとやりとりをしているうちにバーベキュー場に到着した。
「おお…すごい人の数。それにテーブルと椅子まで」
バーベキューといっても内輪でひっそりやるものだと思っていたからびっくりしてしまった。
「この人混み中見つけるのか?」
「これは骨が折れそうですね」
俺としてはどこでもいいから席を確保して例のエールを飲みたいところなんだが…
「あ!リーフ様こっちすよ。こっち」
声をかけられて振り向くと案外近くにトリーさんと商会の方々が座って飲んでいた。
「あれ?リーフ様、アルフリート様はどうしたんすか?」
「アルなら市場を見てくるって言ってイリヤさんとアリューシャさんそしてルンバさんを連れて行きましたね。時間までには帰ってくるとは思いますけど」
本来なら兄の俺がアルの近くにいるべきなのだろうが…「弟」と「しょっぱいエール」どっちを取るかといえば「しょっぱいエール」と相場は決まっているのだ。
「そうだったんすね。バーベキューまでまだ時間があるんでリーフ様も色々見てみたらどうすか?」
「はい、ぜひそうさせていただきます。まずはしょっぱいエールとやらを飲んでみたいなと思っています」
「リーフ様ならすぐそこに食いつくと思っていたっす。きっとびっくりすると思うっすよ」
うーん、商人のトリーさんまで言うってことは本当にすごいエールなのか?勝手に俺の中で期待値が上がっていっているのだが。
とりあえずは実物を見てみないとどうしようもないな。
「それと飲んだ後は是非感想を聞かせて欲しいっす」
「分かりました。エールなら自分も造っていますからね、生産者目線、消費者目線両方からお話ししますよ」
俺はトリーさんにそう言って席を立った。
「リーフ様!見つけましたよ」
席を立ってエールをもらいに行こうと思った瞬間アーバインさんとモルトさんがこっちに向かってきた。
てか、いつの間に二人と別れたんだ?俺。
「二人ともどこ行ってたんですか?ちなみに席はここですよ」
俺は二人の席を指差す。
「リーフ様がトリーさんと喋っている間にあのエールを取ってきたんですよ」
そう言ってモルトさんが木のジョッキ三つをテーブルに置いた。
ふむ、さてどんなエールなのだろうか。まぁ、前世で数々のエールを飲んできた俺をびっくりさせるなんてそうそう無い…
俺はそう思いエールの入った木のジョッキを上から眺めた。
「おい…これって」
「ああ、すごい色だな」
アーバインさんとモルトさんが何か言っている気がするがそんなことはどうでもいい。
俺はこのエールを見て驚愕した。
「黒…エールだと?」
アサヒの新作ビール「ビタリスト」いいですね。
苦味と香りが好きです。
ただ常に飲みたいと思うのはキリンの一番搾りホワイトですね。
次の更新は少し早めだと思います。多分