あれ?俺泣いてる?
俺は頬を触ると確かに涙が流れていた。
なんで泣いているのだろうか…確かに今まで食べたスパゲッティの中で1番美味しかった。でもそれだけで涙なんて出るはずが…
俺は気づいた。
あぁ…こうして家族と夕食を食べることが出来ていることに泣いているんだと。社会人になって夜は1人で食べることが多くなって親と食べることが無くなったから…感動して泣いているんだと。
「つい美味しくて…すみません」
「いいのよ。泣くほど美味しいなんて言われたらバルトロも喜ぶと思うわよ」
母さんは微笑んだ。
多分バルトロとは屋敷にいる料理人だろう…後で挨拶に行かないと。
「今の兄さんにハンバーグなんて食べさせたら感動して1日中泣いているんじゃない?」
エリノラは笑いながら言った。
「確かに今のリーフ兄さんなら泣くかもね」
アルも続く。
ハンバーグまであるのか…こりゃ毎日の夕食が楽しみだな。
俺は涙を拭いてスパゲッティを再び食べ始める。美味い…本当に。
「アル、新しいスパゲッティは今開発中なんでしょ?」
エリノラがアルに聞いた。
「うん。アカラの実とキノコでペペロンチーノってのを作ろうと思ってるよ」
アルがにこやかに言う。
「ペペロンチーノ?聞いたことないわね。あんた、また、私にアカラの実を大量に食べさせたりしたらわかってるわよね?」
エリノラが笑う。
笑顔こわっ…
「大丈夫だよ!ちゃんと作るから。期待してて!」
アルは笑う。
あれは多分何か企んでる顔だな。
てか、今ペペロンチーノとか言ったな。みんなも名前を知らないみたいだし、多分彼は…
俺は確信した。後で部屋に行って聞いてみよう。
こうして夕食の時間が過ぎていった。
「ごちそうさまでした」
俺は食べ終わり部屋を出る。
「リーフ、ちょっといいかい?」
父さんが呼び止める。
「なんですか?」
「後で、アルと一緒にダイニングルームに来なさい。あとアルにも伝えといてくれるかな?」
父さんは言った。
何か粗相でもしたのだろうか?ここで断れば変に思われるし…とりあえず、
「はい!分かりました。後で向かいます」
元気よく返事をした。
「!?こうハキハキ喋られると調子が狂うね」
父さんは苦笑いをした。
「あはは…」
リーフ君…どんだけ無口なんだよマジで。
兄妹たちが各々部屋に戻っていく。自分の部屋だけは覚えたから、あとはみんながどの部屋なのかを知る必要があるな。
俺は歩幅を小さくしゆっくり歩き出す。そして自分の部屋の前でゆっくりドアを開く。動作をゆっくりにすることで他の兄妹たちがどの部屋なのかを知るのだ!
俺の隣はエリノラか…でその隣は次男か…そろそろ名前覚えないと。ごめんね次男君。
俺は自分の部屋の扉を閉め目当てである部屋に行く。次男の隣の部屋がアルの部屋か。
俺はアルの部屋をノックする。
「リーフだけど少しお話しいいかな?」
「リーフ兄さん?めずらしいね。どうぞ」
アルが扉を開け…えっ?勝手に開いた!?魔法の類かな?後で教えてもらう。
俺はアルの部屋に入り扉を閉める。
「用事って何?リーフ兄さん」
アルが尋ねる。
「そうだね。単刀直入に聞くよ?」
俺には確かな確証がある。多分間違っていないはずだ!
俺は緊張しながらアルに言った。
「アルはこの世界に転生してきた日本人かい?」
何か気になった点などありましたらどんどんおっしゃってください。