なんかカードゲーム型eスポーツのある世界に転生したんだが 作:九十九もちもち
もうプロットもロクに作れていないので、多分今度こそエタります。
プレイヤー1 ヤス
『リントの戦士 クウガ』コスト3000
『屈強なる姫 カワカミプリンセス』コスト500
『VF-1A一般機』コスト3000
残りコスト8500
VS
プレイヤー2 品沢 敦史
『冷徹たる“女帝” エアグルーヴ』コスト500
『図鑑No.006 リザードン』コスト2500
『ライダー メデューサ』コスト2800
残りコスト9200
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3
2
1
START!
今回はC&Tだ。
C&Tとはチーム戦で人気のルールであり、Cost(コスト)&Touchdown(タッチダウン)の略。
先にコストが尽きた側の敗北となるほか、それぞれの陣営の初期位置が『本陣』と設定され、先に相手側の本陣へ自陣側のユニットを到達させたチームの勝利となる。
コストの枯渇か本陣へのタッチダウン。
故にC&T。
(あっちにもウマ娘、か……)
やはり人気カテゴリだけあって動画でもよく見る顔ぶれの一人だ。
ウマ娘の特徴は人間を超える身体能力。
特に走力は大きく上回っている。
「記念すべき私の初陣! 華々しく勝利で飾ってみせますわ!!」
力強く声を張り上げたのはカワカミプリンセス。
彼女はこの間スターターパックガチャで引いたユニットの一人である。
ウマ娘の中でも高い膂力と、溌溂とした性格が持ち味だ。
「さて、初陣はこいつも同じだな」
そう言いコクピット型UIに向き直る。
同じく新しいユニットのVF-1A。
これはVF(ヴァリアブル・ファイター)というカテゴリのロボット系ユニット。
一言でいえば安物の量産機なのだが、ジム系やザク系にも引けを取らない扱いやすさが強みである。
今回はこいつの操作もとい操縦を行うため、必然的に五代さんとカワカミに割ける集中力は下がる。
「んでマップは……と」
数瞬だけUIを操作し、マップを表示させる。
見た通りの市街地。
こちら側の本陣が一本の大通りと直通になっているのが気になるが、あちらからは遠いのでまず一気に到達されるような心配はないだろう。
エアグルーヴの表示がないのは仕様であって、バグなどではない。
低コストのユニットは、このように標準レーダーだけでは捕捉されにくくなる等の、システム面からの恩恵がある。
よって当然、あちら側のマップではカワカミは表示されていない筈だ。
一応、索敵に特化した何らかの能力があればレーダー抜きで探ることは出来るが、今のところ相手側にそういった様子は見られない。
「よし五代さん、カワカミ、載って!」
二人をVF-1Aの上に載るよう指示。
VFの特性は三段階の変形機能にある。
戦闘機型のファイター形態、人型のバトロイド形態、そしてその二つの中間であるガウォーク形態。
今は機動力の高いファイター形態なので、2人は戦闘機の上に載っかるような形となる。
しっかり掴まっているのを確認し、離陸。
二人が振り落とされる可能性を考慮し最大戦速でこそないが、それでも十分な速度で進行していく。
「…………」
このやり方、実は結構危険である。
というのも3つのユニットが一塊になっている状態なので、大型のビーム砲で狙撃でもされたら一発で全滅になるリスクが付き纏うのだ。
アーツカード『ディバインバスター』コスト30%
品沢 敦史残りコスト8360
「ほらきたぁっ!」
回避行動。
数秒後、視界の奥から桜色の光条が伸び、こちらの居た空間を貫く。
「二人共、大丈夫!?」
振り落とさないような機動にしたつもりだが、念の為確認を取る。
「姫たるもの、このくらい根性で耐えますわ!」
「俺も平気だから気にしないで!」
とりあえず影響はないようだ。
撃ってきたのはメデューサか。
ディバインバスターはかの有名な『管理局の白い悪魔 高町なのは』が得意とする砲撃魔法である。
となれば、消去法で魔法適性の高そうなサーヴァントに使わせるのがベター、といったところだろう。
「!」
「っと、向こうからも近付いてきたな」
「二人共、そろそろ降りる準備しといて」
高度を下げながらガウォーク形態に変形。
ファイター形態では人型になる程の大掛かりな変形となるため、二人に影響を与えないであろうこちらを選んだ。
ほどなくして地面スレスレまで下がり、マニピュレータでカワカミを下ろす。
クウガの方は機体上面からそのまま飛び降りた。
その様子を確認し、再びファイター形態へ変形。
上空へ舞い戻り、リザードン目掛けて向かう。
「よし、カワカミは本陣へ進行、五代さんはメデューサと戦ってくれ!」
アイテムカード『ヤマハ YZF-R3』コスト300
ヤス 残りコスト8200
市販のバイクをクウガの近くに召喚。
彼は淀みない動きでそれに乗り込み、指示された通り走り出す。
前回の試合を終えてから軽く試行錯誤し、能力の一つとしてバイクの操縦が得意という点が判明したのだ。
カワカミはVF-1Aの手から降りてすぐ駆け出していた。
現役オリンピック選手を軽く超える速度でマップを走り抜けていく。
これがウマ娘。
人とほぼ同じ形でありながら馬と同等の走行能力を持つ。
それだけでなく全カテゴリでもトップクラスに扱い易く、プレイヤー側の適性や技量面での伸び代が大きい。
それで平均コスト約500という破格のアドバンテージときた。
現環境の一角というのも頷ける。
ちなみに今回クウガはイラスト通りの赤い姿になれている。
精神面での問題はとりあえず解決したようだ。
「おっと!」
早速接敵。
(ちょっと考え込み過ぎたか)
マップ上ではしっかり敵ユニットのアイコンが接近していたにも関わらず、クウガとの共有視界に映るまで気付かなかった。
(やっぱ複数のユニットを同時に操作するのは、キッツいな……)
システム側の補助はあるとはいえ、一つのユニットのみと比べて段違いに集中力を要求される。
(兎に角今は目の前の敵だ)
バイクから降り、構えを取る。
「こいつは……メデューサか」
黒と紫を基調とした服装の、艶めかしい印象の女性と対峙する。
「五代さん、そいつの目には気を付けて」
確か視界に入れるだけで石化してしまうんだったか。
深く思考に入る前にあちらから動き出した。
「!」
一瞬にして距離を詰め、手に持った短剣で切りつけてくる。
躱す、躱す、躱す。
こっちだって馬鹿正直に食らってやるつもりはない。
前回の反省を活かし、十全に慣らしを終えた状態で試合に臨んだのでコンディションは良好だ。
即座に拳打と脚振で反撃。
しかし一発顔面に当たっただけで、後は全ていなされてしまった。
お返しとばかりに繰り出された回し蹴りをガードし、カウンター気味にフックを見舞う。
「……くそ!」
しかしギリギリで避けられ、華麗なバク転で間合いを開けられる。
一旦の仕切り直し。
「他の場所はどうなってる…!?」
マップでカワカミや他の敵ユニットを確認。
カワカミはこれといった障害もなく進行中、もうすぐ本陣設備から歓迎されるだろう。
敵ユニットのリザードンは
エアグルーヴはカワカミと同じ低コストユニットなので、標準レーダーにはまだ映っていないが、セオリー通り本陣を狙っている可能性は高い。
(さてどうするかな……)
「……よし」
リザードンを迎え撃とう。
単純に戦力として放置できない。
「五代さん、なんとか持ち堪えてくれ!」
集中力の配分をVF-1Aの操作に多く割り振ることを決意。
推進系を吹かし、爆音と共に加速した。
10秒と経たない内に射程圏内へ捉える。
ロックオンが完了するのとほぼ同時にトリガー。
多数のミサイルが射出され、一斉に目標へ向かう。
……が、それらは悉く避けられてしまう。
急降下に宙返りにコークスクリュー。
凄まじい空中軌道で捌ききって見せた。