後一話で終わるといったな。
あ れ は う そ
長くなりそうだから分ける事にした
《シュヴァルツェ・ハーゼ》との演習を終え一日が過ぎた朝。
現在の時刻は4時30分、祐治が起きる時間である。
「ん、朝か....」
目覚まし時計がなるよりも僅かに早く起き、目覚まし時計のアラーム機能を解除すると軽く柔軟を行い、体に違和感が無いか確認してゆく。
「ん~、昨日変な動きばかりしていたから少し筋肉痛が」
昨日クラリッサから逃げるためにターザンごっこをしたりカラクリ仕掛けを使ったりと普段行わない様な動きばかりしていたため筋肉痛の箇所が何箇所かあった。
柔軟を軽く行うと寝る前に用意したアンダーアーマ製のタイツ、ショートパンツ、コンプレッショントップスを着て祐治が着るには大分小さいジャージを持って洗面所へ向かった。
洗面所についた祐治は軽く顔を流し、歯を磨き始めた。
本来であればトイレに入り座って用を足しながら歯を磨くということをしている祐治だが一度シャルロットに見つかり少し嫌そうな顔をされてからは自重している。
一通り準備を終え祐治は外へ出るとゆっくりと走り出した。
走る事数分、目の前には黒兎隊の面々が寝泊りしている建物と、正面入り口付近で準備運動をしている眼帯をつけた三人の可愛らしい女の子が見えてきた。
「「「おはようございます、お兄様」」」
「おはよう」
この三人は祐治の圧倒的な身体能力に憧れ朝錬に付き合いたいと言い出したためこの様に待ち合わせをする形となった。
ちなみに黒兎隊のクラリッサを除く10人は祐治をお兄様と呼ぶようになった。
この三人は祐治の圧倒的な身体能力に憧れ、残りの七人は社長とクラリッサの言い争いの際に助け舟を出した事に感謝感激して。
「それでは本日から短い間ですがよろしくお願いします!!」
祐治と同じようにタイツ、ショートパンツ、コンプレッショントップスを着ている彼女の名前は《ハンナ》非常に負けず嫌いで勝気な性格、体力で大差を付けられた事によって祐治に強い対抗心を燃やしている。
祐治と同じようにコンプレッショントップス着ているが祐治と違ってあまり肉の付いていない(胸も無い)ハンナは少し寒そうにしている。
「ハンナ、これを着なさい」
「嫌」
こうなる事がわかっていた祐治は家から持ってきたジャージを差し出すがハンナは強がってそれを拒否する。
「そう、俺の言う事が聞けないのか....そんな娘はこうだ!!」
そっぽを向いているハンナを後ろから腰を掴み持ち上げると自分の肩に乗せ、飛んだり走ったりと激しく動き回る。
「う、うわ!!よせよせよせえええええ」
祐治の頭を両腕でしっかりと抱え込み落ちないように必死になるハンナをよそに祐治は動きに激しさを増し続ける。
「わかった、わかったから!!着る、着ます!!着させてください!!!!」
「最初からそういえばいいんだ」
そういってハンナを軽々と持ち上げゆっくりと地面に下ろしてやると祐治は持ってきたジャージを広げ、腕を通すように促す。
「な、なんのつもりだ」
「いや、着させてくださいって言ったでしょ?とりあえず後ろ向いて、腕を広げてー」
んんん!!とうなり声を上げながらも祐治に言われたとおりに背を向けて腕を広げる。
そして後ろから抱きかかえるような形で腕を通させると正面に回りファスナーを上げる。
「くっ....屈辱....」
目に涙をため、羞恥心で顔を赤くするハンナを見ているとどうしてもいじめたくなる衝動を抑えきれない。とにかく可愛い。
「あらあら~」
タイツ、スカート、長袖ジャージを着ている彼女は《リリー》胸がでかい。
ウェストも程よく引き締まりお尻もいい形をしている、えろい。
だが顔が非常に幼い、大正義ロリ巨乳。
ロリコン社長が喜ぶかと思ったが顔だけでなく体型も幼くなければ駄目らしい、筋金入りのロリコン格が違った。
「あの~、私にはそういった事しないんですか~?」
「リリーは特に問題ないんじゃないかな」
「そうですか~、では寒いんで抱きつきますね」
特におかしな所は無いよな、と一通りリリーの服装を確認していると何やらおかしな発言が聞こえた様なと頭が理解すると同時に正面からリリーが抱きついてきた。
腕を背中に回し抱きついているためリリーの大きく柔らかな胸が祐治の胸板で押しつぶされる。
だが胸(胸囲)の大きさならリリーよりも20cm近く上回っている祐治、そのサイズなんと105cm
「はいはい、動いていれば暖かくなりますからねー、今は我慢してください。それと俺に抱きつきたければ俺よりも胸(胸囲)が大きくなったらにしてください」
そういってリリーを引っぺがす。
「ん~つれないな~。ところでお兄様のお胸はどのくらいあるんですか?」
「105cm」
黒兎隊一の巨乳を誇るリリーであっても祐治の圧倒的な肉体には遠く及ばず、驚いたような表情を浮かべるリリー。
「おはようございます。ドイツ軍IS配備特殊部隊《シュヴァルツェ・ハーゼ》所属、吉田です」
《シュヴァルツェ・ハーゼ》の制服を着て姿勢を正し模範的な敬礼をするいる彼女は《吉田》本名ではないらしい。
日系ドイツ人らしいが間違っても吉田ではないとの事。
クラリッサや他の隊員に聞いても何故か誰も本名を覚えていないらしく祐治は勝手に黒兎隊七不思議とした。
後、所々の発言に《プラネット・フィールド2》の日本兵のラジオチャットを挟んでいるので彼女もプレイヤーなのだろう、後でスカウトしようと思う。
「その服装は動きやすいでしょうけど汗とかかいても問題ないのかな?」
「もちろんであります!!」
敬礼姿のままそう言い切る吉田の正面に立つと胸元に顔を近づけ、匂いを嗅いでみる。
「ふむ、大分使い込んでいるようだ。しかし服装は分けたほうが良い、これは訓練ではないのだからな」
「な、なななな、何をしているでありますか!!」
祐治の行動に顔を真っ赤にし、両腕で胸元を隠し大きく後ずさる。
クラリッサからの情報では彼女は私服のセンスが壊滅的(日章旗がでかでかとプリントされたTシャツとか着てくるレベル)でクラリッサから私服禁止令が出ているとの事。
容姿はとても良い、黒く真っ直ぐできめ細かい髪をベリーショートに切り、少しつり目気味で精悍な顔だちで体型もハンナとリリーの中間でとてもスタイルが良い。
だがこれも壊滅的なセンスで持ち余しているらしい、今度適当に私服を見繕ってプレゼントしよう。
「それじゃ早速朝の修練行ってみようかー」
「「「お、おー?」」」
可愛い黒兎隊の三人との交流で元気いっぱいの祐治と対照的に混乱気味な黒兎隊の三人は予定通り朝錬を行うために動き出した。
「それじゃ体も暖まったし本格的に始めようか。あそこにベンチがあるでしょ?あれでドラゴンフラッグを10回やったら向こう側に見える鉄棒までの約200mを8割くらいの力で走る。そしたら鉄棒で懸垂を10回、そしたらこっちに戻ってきてドラゴンフラッグを10回って言うのを繰り返す。今からお手本を見せるからそれを時間の限りやってみよう」
30分ほどゆっくりと走り、十分に体を温めた四人はデュノア社の敷地内にある自然公園にやってきた。
一通り訓練方法を説明し、祐治はお手本を見せるためにベンチへと向かった。
おもむろにベンチに仰向けで寝転がるとベンチの端を持ち、背中を起点にして腰と足を持ち上げる、そして腰をしっかりと反らしたまま足を伸ばしたままゆっくりと下ろして行く。
足先がベンチよりも低い位置まで下ろすと今度はゆっくりと足を持ち上げる。
これを10回行うとすぐさま立ち上がり鉄棒まで全力で走る。
200mをあっという間に走りきると懸垂を開始する。
まず顎が鉄棒よりも上に来るまで体を持ち上げると、ゆっくりと体を下ろしていく、そして腕が伸びきるギリギリまで下げ、また持ち上げるという動作を10回繰り返し黒兎隊の三人の下へと戻ってゆく。
「どうかな?こんな感じなんだけど。まぁ、インターバルトレーニングってやつになるのかな、とにかくやってみようか。走りこみも全力じゃなくていいし、ドラゴンフラッグは正しいやり方でやら無いと腰を痛めるからね」
「「「はい!!」」」
元気良く返事をする黒兎隊の三人と共に朝錬を開始する。
一通り動きを見るために三人に付き添いながら指示を出していく。
どうやら三人はドラゴンフラッグやったことが無いと言うことなので見本を見せたり、実際にやっている姿勢を正したりしていく。
ドラゴンフラッグは腹筋に大きな負荷がかかる分、間違った姿勢で行うと腰を駄目にしてしまうので正しい姿勢なるまでしつこいくらいに教える。
最初のうちはぎこちない動きだったが慣れてくると軍人として鍛えられた一面が見えてきて上手くこなすようになってきた。
「よし、そろそろ終わろうか」
本格的な朝錬を始めて1時間、初日から無理をしてもいけないと思い朝錬を切り上げるべく疲れきっている黒兎隊の三人に声をかけた。
黒兎隊の三人に合わせていつもより軽い朝練に祐治は息切れひとつ無いが三人は祐治の声と共にその場に倒れこんでしまう。
「ちょっと、やり過ぎたかな?」
普段元気一杯な三人はその場に倒れこんだまま一言も喋る事なく大きく深い呼吸を繰り返すだけ。
「初めてでここまで着いてくるとは見所がある。こうやって日常的に限界を引き出せれば大事な場面で普通の人が100の力を出すとき120,130の力を出せるようになるだろう。とにかく、よくやったぞ」
正直なところここまで追い込んでしまってはこの先続かないだろうと思う祐治であったが、こうやって限界を引き出す事の意味だけでも教えておけばいざという時必ず役に立つはず。
特に軍人であれば尚更。
「そろそろ落ち着いたか?これだけ動いた後の飯は旨いぞ。早いところ部屋に戻ってシャワーでも浴びて食事にすると良い」
「あ、ありがとう....ございました....」
そういってゆっくりと立ち上がるハンナであったが、足はガクガクと振るえ、立っていることすらままならない状態のように見える。
「大丈夫かハンナ?」
「だ、大丈夫だ。もう少し休めばこの位...っ!!」
強がって無理やり立ち上がり部屋に向けて足取りを進めようとするハンナだったが上手く足が運べず、その場に膝を着いてしまう。
「ふむ....リリー、大丈夫か?」
「はぁ.....はぁ.....」
祐治の問いかけにリリーは息を荒げるだけでまともに声になっていない、まだまだ回復にかかりそうな状態である。
「吉田、大丈夫か?」
同じく倒れこんでいるだろう吉田に目をやると以外にも立ち上がり姿勢を正した状態だった。
「我々は誇り高き軍人であり武士である」
歩けるくらいの体力は残っているようだが、たぶん少しでも気を抜けば残りの二人と同じ様な状態になるのだろう。
ただ吉田の場合気迫というか根性論、もっと言えば大和魂的な物をを持っているのだろう。
日章旗が好きだとかわざわざ日本兵のラジオチャットを真似ている辺り日本兵に憧れや尊敬といった感情を持ち合わせているのだろうと思う。
「時間もないし動けない二人は俺が運ぶとするか」
まずは仰向けに倒れたまま荒い呼吸を続けるリリーの元へ向かう。
先程よりも大分落ち着いているようだが、それでもまだ苦しそうだ。
「リリー、体を起こすから首に腕を回してくれ」
祐治はリリーの脇に腰を落とすと背中に右腕を回し上半身を起き上がらせる。
そしてリリーの腕を自分の首に回すように促すと、お尻の下に右腕を差込、祐治に抱きつく形で腕に座るようにして両腿で祐治の体を挟み込むような形で右側に抱きかかえる。
「よいしょっと。部屋まで送るからしっかり捕まっててくれよ」
「は、はい。おねがいします」
そう言って少し力を込めて抱きついてくるリリーの柔らかな体、火照った体温、早くなった胸の鼓動を感じハンナの元へ向かう。
「ハンナ、無理をするな。少しずつ慣らしていけばいい」
「い、いや大丈夫だ。もう少し休めば」
リリーと同じように抱き抱えようとするが頑なに拒む。
だが早めに体を休ませた方がいいと判断し、祐治は少々強引にハンナを抱き寄せる。
「よ、よせ。大丈夫だ一人で歩ける」
そう言って祐治から逃れようと暴れるが全快の状態でも力では到底及ばないのに満身創痍な状態で暴れても祐治にとっては全く及ばず、大人しく体を預けるしかなかった。
「吉田無理はするなよ」
両脇からの熱い吐息を感じながら吉田が着いてきていることを確認しつつ黒兎隊の面々が寝泊まりしている建物へ戻っていく。
「お、おつかれ.....大丈夫なのか?」
「見込みがあるので少々熱くなってしまいましたよ」
建物の前に着くと建物の中から祐治たちを確認したのかクラリッサが心配そうな顔を浮かべて出てきた。
「降ろすから暴れないでくれよ」
正面玄関の前にある階段に二人を座らせるように降ろす。
「足の調子はどう?」
「普通に歩くには問題ない、ただ踏ん張ると足が嫌がるというか痛みとはちょっと違うものが走る」
「それなら大丈夫だ。早めにアイシングをしよう、何か冷やすものは無いか?氷とかでもいいが....」
「こんな事になるとは思ってなかったので何も用意できるものが無い....」
「そうか....それならしかたない。家へ行こうか、もう少し歩くけど大丈夫か?」
「大丈夫だ」
そういって短く答え立ち上がってみせるハンナ。
先程よりも大分回復したようで歩くくらいならまったく問題ないようだ。
「私もなんとか大丈夫です~」
同じ様にリリーも立ち上がって何歩か歩いてみせる、こちらも大丈夫そうだ。
「ん?....!!!」
祐治の問いかけを聞き部屋に戻ろうと階段を上っていた吉田が振り向くと気が抜けてしまったのか足から力が抜け後ろに倒れそうになる。
「っと、このまま行こうか」
倒れそうになる吉田を抜群の反射神経と瞬発力で後ろに回りこみ支えると、先程までハンナ達にしていたような形で抱え上げる。
「かたじけない....」
どうやら吉田も限界だったようで嫌がるそぶりすら見せず祐治に身を任せる。
(な、なんだか実際に見てみると恥ずかしい格好だな)
(あの格好だと大事な部分を押し付けるようになるから恥ずかしいのよね~。あ、思い出してきたら興奮してきちゃった)
祐治が抱きかかえている方法は、体を脇から両腿で挟み込み、体を押し付けるように抱きつく形になり、顔が肩の位置に来るので胸や股を押し付け顔が非常に近い位置に来るため非常に恥ずかしい。
普通は子供を抱きかかえるときに使う物だが筋力が有り余っている祐治は小柄な人ならこういった形二人まとめて運んだりする事が多い。
「それではハルフォーフ、もう少し彼女達を借りていきますね」
「あぁ、頼んだぞ」
そうして祐治は三人を引き連れ家へと戻っていった。
家に戻ると準備しておいた水風呂に足だけ浸からせ風邪を引かないように上半身は温かいシャワーで汗を流すようにと教える。
そしてシャワーを浴びた三人とシャル、祐治の5人でご飯を食べ、朝の演習が始まるまで祐治は黒兎隊の三人の足に血行がよくなるマッサージをしたりして時間を潰すのだった。