いや嬉しいね。皆はKF2やってる?たのしいよねあれ
「さて、早速だけど打鉄を呼ぼうかな?確か遠隔コールできるはずだし。でも寝てたらどうしよう」
「打鉄なら昨日からずっと起きて待ってるよ」
「それなら早く呼んであげないと.....来い、打鉄!!」
......
「あれ?来ないけど。うちがね~、うちがねちゃ~ん」
来ないなと思いつつも何度か打鉄の名前を呼んでいると祐治の周囲に小さな光の粒子が輝き始め、それが段々と密度を増して行くと一気に祐治に絡みつくように動き回り一際大きな光を発すると、その光の中からIS打鉄を身に纏った祐治が現れた。
「申し訳ない、少々眠気でまどろんでしまったでござる」
「待たせてしまって申し訳ない」
「お主は某との約束を守ってくれた、今はそれだけで十分でござる」
まったく、こんな良い娘をあそこまで思いつめさせるほど酷い扱いをした奴らは絶対に見つけ出して思い知らさせてやらないとな。
「して、某を呼び出して一体何をするつもりでござるか?」
「ちょっとした訓練をね。と言うわけでパワーアシストを切ってくれ」
「それはいいでござるが、満足に行動出来なくなるでござるよ?」
「ん?ラファールから聞いてないのか?一応ラファールでパワーアシストを使わないでドイツのプロトテュープに勝ったんだけど」
「それは真でござるか!?」
「もちろん。その時の映像、と言うか戦ったときの映像は全部撮ってあるから暇なときにラファールに言えば見せてくれると思うよ」
祐治はFPSをやっている時はプレイ動画を常に撮り、後で見直して自分の悪い点や良い点を探し出す一人反省会をする。
その為ISに乗ったときの映像も撮れないかとシノンに頼み、自身がハイパーセンサー越しに見たものなら記録に残せると聞いてからは常に録画してある。
「それでラファールが軽量化されたとは言え、パワーアシストを切った状態だと思った通りに動かせないから、その為の訓練と言うわけさ」
いくら軽量化されたと言っても本来なら走り回ることすら出来ない位の重さで、女が同じことしようとしても不可能な程である。そういいながらも祐治はパワーアシストを切った状態で一歩ずつ確実に歩みを進め始めた。
「それ以外にもISに不具合が起きて動けなくなる可能性だってある。そんな時になにも出来ないじゃ世話になっているISに申し訳が立たないでしょ?」
「お主はやはり色々な事を考えてくれているのでござるな」
「そういった不具合が起きない様にする為の毎日の点検整備なんだけどね」
祐治の乗っている自転車、二代目であるが一代目からずっと乗ったその日に点検整備をやっているお陰か今まで10年近くの間、不具合は無し。パンクは数回あるがその程度で自転車自体も新品同様の輝きを保ち続けている。
祐治いわく、「自転車だろうと何だろうと本当に大事にしていればそれに答えてくれる。実際に俺の自転車壊れた事ないし」との事である。
「とにかく安心してくれていいぞ。俺に使われると言う事は今までのような事は絶対に起きないから。周りのどんなISよりも綺麗で整備が行き届いた状態を維持するつもりだから」
「期待してるでござるよ!!」
「おし、任しときなさい」
ふふ、某は最高の主を見つけたのかも知れないでござるな。人間とはなんとも浅ましい生き物かと思っておったが、こうも素晴らしい考えを持って、それを実行できる者がいるとは思っても見なかったでござる。
もっともっと彼、祐治の事を知りたい、そして何れかは某の主となってもらいたいでござる。
打鉄はパワーアシストを切った状態のISを身に纏い、滝のような汗を流しながら訓練に励む祐治を感じながら、そんな事を思うのであった。
「あぁ~、疲れた.....」
「うむ、なかなか見事な訓練でござった」
「付き合ってくれてありがとう打鉄、いい訓練になったよ」
「お主の頼みとあらばいくらでも付き合うでござるよ」
「それじゃ毎朝頼んじゃおうかな」
「応!!」
普段なら多少疲れても絶対に疲れたなどと泣き言を言わない祐治だったが、パワーアシストを切った打鉄を身に纏って動き回ると言う訓練は予想以上に負荷が高く、圧倒的な筋力と体力を誇る祐治ですら2時間ほどで疲労困憊の状態に陥ってしまうほどであった。
「それじゃ打鉄、また後で。夕方には整備室に向かうけど、その前に呼ぶかもしれないから、そのときはよろしく」
「任されたでござる」
打鉄の言葉と共に祐治が身に纏っていた打鉄が一瞬で光り輝く粒子になり、ゆっくりと祐治を地面へと導くと霧散し、祐治との別れを惜しむようにゆっくりと消えていった。
「ちょっと、ゆうくん大丈夫?」
「へ、へーき.....」
朝の訓練を終え、部屋で汗を流した祐治は食堂へと向かっている。だがその足取りには力強さが無く、ふらふらと今にも倒れてしまいそうなほど危なっかしいものであった。
「ちょっと朝から頑張り過ぎてお腹空いた」
祐治は寝起きで何も食べなくとも少しくらいなら平気で身体を動かせる体質だが、今回の訓練は予想以上の負荷であったためシャワーを浴びている最中に異様なほどの空腹感に襲われ今に至る。
「後、もう少しなんだがな....」
祐治の目指す食堂はすでに視界に入っている。だが足取りは徐々に徐々に重くなり、進んでいるのかすわわからなくなるほどであった。
「あぁ、食堂が遠い....「お兄ちゃ~ん!!」
空腹のあまりその場に立ち止まってしまった祐治の背後から声をかけてきたのはシャルロット。
IS学園の制服を少し改造し、スカートがかなり短くなり色が白くきめ細かな肌を晒すシャルロットは祐治に背後から抱きついてきた。
「おぉ、我妹よいい所に来てくれた。ちょっと食堂まで肩を貸してくれ」
「もう、相変わらず無理するんだから。しょうがないお兄ちゃんだな~」
そういって可愛く頬を膨らませて怒りを露にするが、すぐに満面の笑みを浮かべ祐治の身体を支えながら食堂へと向かっていくのだった。
「シャル、あそこのボックス席に行こう。そして何でもいいから食べるものを取ってきてくれ」
「もう....ちょっと待ってて」
その後シャルロットの持って来てくれた料理の数々で復活した祐治は、今日はバイキング形式の朝食という事だったが、無性に野菜と果物が食べたかったのかラーメン丼いっぱいの野菜と果物の山をシャルロットと楽しくお話しながら食べたのだった。
「ふぅ、お腹いっぱいだ。本当に助かったよ、シャル」
「次からはせめて連絡くらいは入れてよね?一応お兄ちゃんの立場は理解してるつもりだから強く止めたりはしないけど.....」
「理解のある妹を持つと楽でいいな~」
そういって祐治は机を挟んで対面に座るシャルロットの頭に手を伸ばし優しく撫でる。
「えへへ.....っとそうだお兄ちゃんに渡すものがあったんだ」
撫でられた事によって表情を崩して微笑むシャルロットだったが、何かを思い出したように表情を引き締めると空虚から長方形のかなり大きさのある桐箱を一つ取り出した。
「それは?」
量子転換されていたのであろう桐箱を指差して祐治は至極全うな疑問をぶつける。
「セザールから貰ったんだけど....あ、そうだ。これを貰ったら連絡くれって言ってたよ」
「そうか」
まぁ、
ボックス席とは言え、食堂内での通話は気が引ける祐治だったが、チャントならばシノンやコアと対話しているときのように喋る事ができるので周りに迷惑がかからないだろうと判断しセーザールに直接通信を繋げる。
『今、シャルから箱を貰ったんですけど』
『ん?あぁ、戦場太郎か。イギリスの代表候補生と戦うときに言ってた近接武器についてなんだけど、とにかく開けてないなら開けてみてよ』
セザールに言われた通りに桐箱を開けてみると、中には一振りの小太刀と何枚かの写真が収められていた。
『小太刀、ですか?』
『そう。だけどただの小太刀じゃないよ。それを作り上げた刀鍛冶の名前は鉄山っていう日本人なんだけど、その人が言うには分子分離機構?だったかな。なんでも特定の周波数を纏わせる事によって触れた物の分子結合を分離させて切るらしい』
『様は普通の刃物とはまったく別の方面から切れ味を追求した、という事ですか?』
『簡単に言ってしまえばそういう事だね。それで戦場太郎の今までの戦いを見て、どうやら君の事をたいそう気に入ったらしくて、その日の内にそれを届けてきたんだよ』
『そうですか....自分の実力が認められると言うのはいい気分ですね』
『でも最終段階が残ってるからね?ちなみに今そっちにある小太刀は試作品で完成品は鉄山から依頼された任務を終えてから正式に託すそうだ』
『分かりました、それで依頼というのは?』
『それはね.....』
「許せないね」
「うん、そうだね」
現在祐治は教室へと向かって歩いている。
食堂で聞いたセザールの話を思い出して独り言を呟くとシノンが賛同してくれた。
依頼内容は鉄山が長い年月をかけて作り上げた分子分離機構という技術、これを倉持技研の研究員が盗み、あろうことか日本の代表候補生の専用機にこの技術を使った物を装備しようとしたとの事。
だがあまりに難解な技術のため完全には再現できず....というか鉄山という人物が非常に職人気質で大雑把に技術のさわりの部分は紙媒体に残してあったが大半は自身の五感を最大限に使った感覚勝負で確立した技術のせいで、ほぼ再現できていないと言ってもいい状態。
だがその中途半端な物を平気で使おうとする考えに鉄山の怒りはさらに加速した。
なので鉄山は祐治に、紛い物を使う代表候補生に試作品の小太刀一本で完膚なきまでに叩きのめす事。という依頼内容だった。
「とにかくお昼に食堂に行けば見つかるでしょう」
そういって祐治は手に持った依頼内容の詳細の記された紙と、目標人物の写真数枚を眺めながら教室へと向かった。
「おう祐治、昨日はなんで来なかったんだ?」
「はぁ、いったい何の事です?」
「歓迎会だけど、知らなかったのか?」
昨日?歓迎会....まぁ時間的には夕方から夜にかけての時間だろう。だがそんなお誘いも、そういった事をやると言う話も聞いていない。
誘われたり、知った所で俺が行っても空気が悪くなるだけだから断っただろうけど....ほら、聞き耳を立ててる女共が嫌な視線を向けてくる。
「昨日は色々あって参加できなかっただろうし、どうでもいいんじゃないかな?」
「でもなぁ.....おかしいな、伝えたって聞いたんだけどな」
鈍感なんだか空気を読めないんだか、一部のクラスメイトを除き、大半が祐治に対して悪い印象を持って毛嫌いしていると言うのが分かっていない一夏に祐治は呆れるばかりであった。
「皆さんおはようございます。あら一夏さんとゆ、祐治さんではありませんか」
「おうセシリア、おはよう」
「????」
いったいどうなっているんだ?初めて会った時はこれ見よがしに日本や男を貶しまくっていたのに、今はどうだ?そんな嫌な雰囲気など一切感じないどころかあの熱の篭った視線、あれは恋する乙女って奴だな......そういえば俺の事も呼ばれた?
「あ、あの祐治さん?」
あまりの急激な変化にあっけに取られていた祐治はセシリアに呼ばれたのを無視してしまったため、セシリアは表情に不安をあらわにしてもう一度祐治の名を呼んだ。
「え?あ、何かな?」
「もしよろしければ私にISの手ほどきをしていただきたいのですが.....」
「ほう」
セシリアのお願いに祐治の目の色が変わる。
セシリアの専用機、ブルー・ティアーズ。あれはFPSで言うところのSRの役なんだろうけど遮蔽物の何も無い大して広いわけでもないアリーナで戦うにはまったく適していない。
それのためにBT兵器なる物があるんだろうけど、それでも不利もいい所。
祐治としては機体のデータを見た段階から一体何のためにこんな機体を作り上げたんだろうと、そしてセシリアの戦いを見てSRの何たるかを一切理解していないのを見て対抗策と平行して幾つか打開策を考えていた。まさかこんなにも早く日の目を見るとは思ってもいなかったが。
「いいぞ、その時は厳しく行くからなセシリア」
「は、はい!!よろしくおねがいしますわ」
祐治が反応してくれた事、名前で呼んでもらったことで不安が一蹴されたのか、セシリアの表情は自信と安堵で満たされていた。
「おい、席に着けSHRを始めるぞ」
そんなこんなで今日もIS学園での平穏な一日が始まる。
「お兄ちゃ~ん!!」
と、思っていたが今日はシャルロットが転向してくる日。
フランスの代表候補生、専用機持ち、デュノア社社長の娘。これだけでも大きな話題になると言うのに自己紹介も程ほどにシャルロットは祐治に抱きつくと妹である事、第二の男性操縦者である祐治の護衛役である事をさらっとぶちまけた。
セシリア強化します。
普通に考えてブルー・ティアーズってISでの戦いに適してないよね
SRの癖にしょっぱい威力のスターライトマークⅢ
気持ち程度のBT兵器
大体FPSで初心者がどうしてSRを使うかと言えば遠くから一方的に攻撃できるのと物によっては一発、それ以外でも二三発適当に当てれば倒せる火力があるからなんだけど、それもないでしょ
その点を含めてそれを克服するための案はいくつか考えてある