IS 散弾の閃き   作:mizurahi

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 小太刀の下り忘れてた。
 別な所で無理やり組み込む


36話 セシリア強化月間 上

 

「と言う訳で少し時間を貰いたいわけだ」

 

 セシリアからのお願いで訓練をする事になったのだが、まず祐治はセシリアに自分の弱点を克服させるために徹底的にそこを突く事にした。

 

「じゃセシリア、まずは一夏とやってみようか」

「はい、よろしくお願いしますわ一夏さん」

「あぁ、よろしく」

 

 専用機持ち同士の戦いを見たいのかアリーナにいた他の生徒達は一対一で対峙する肥りの邪魔にならない距離から見守っている。

 

「一夏、隙を見て一撃で仕留めろ。被弾は気にすせず瞬時加速を使って間合いに入れる距離を維持してプレッシャーを与え、ブルー・ティアーズに意識を向けた瞬間が機会だ」

「おう」

 

 コアネットワークを介して周りに気が付かれない様に祐治は一夏にアドバイスを送る。

 

「始め!!」

 

 祐治の合図と共に動き出す二人。

 

 まず仕掛けたのはセシリア。スターライトMk.Ⅲによる的確な射撃が白式の肩を射抜く。

 だが一夏は祐治の助言を忠実に守り数発の被弾を許しながらも近すぎず遠すぎない距離を保ちセシリアの周囲を飛び回る。

 

「飛び回っているだけでは良い的ですわよ」

 

 いまだに攻撃を仕掛けない一夏の行動に疑問を持ちながらもシールドエネルギーを削っているためか自身の優位性に疑いを持たないセシリア。

 だが距離を詰めた事により同じ速度でも狙うために武器を大きく振り回さなければならなくなったため一夏は被弾する事が少なくなる。

 

「SRは近づかれると弱い、遠距離ばかりを狙っている奴なら特にね」

 ピット内で二人の戦いを見ながら簡単な説明をしていく祐治。

「例えば距離が離れていれば対象が10m横に移動したときに自分は銃身の先を1cm動かすだけで良いけど距離が近くなれば10cm、1mと銃身の先を動かす量が増えて行く。狙いを付けるまでの時間が多くなって避けられやすくなるという訳」

「確かに、言われてみればそうだな」

 剣道一本の箒も祐治の解りやすい説明に納得する。

「篠ノ之も近接が主体だろうから一夏同様に役に立つはずだ。それと焔火やヴェントの様に連射できない武器を使う時に起こる事なんだけど一発撃って次撃つまでに時間がかかるからちゃんと狙わなきゃ、はずさない様にって余計な事を考える。武器を振り回すのと合わせて距離が近づく程撃つ速度が遅くなる」

「言われてみれば距離を詰められてから明らかに遅くなってるね」

 シャルロットが気が付き納得する。

 

「今はセシリアが戦いにくい距離って所かな。そろそろしびれを切らす頃でしょ」

「後10秒」

「そうか、ちょっとセシリアにはきつい事するけど乗り越えられれば確実に強くなる」

 簪の言う通りの時間でしびれを切らしたセシリアが次の行動に打って出る。

 

「ちょこまかとうっとおしいですわね」

「最初の威勢の良さはどうしたセシリア。当たって無いぞ」

「言ってくれますわね」

 当たらない攻撃と着かず離れずの苦手とする距離で飛び回る一夏に冷静さを失いかけているセシリアは状況を打開すべく行動を起こす。

「お行きなさい!!ブルー「貰った!!」

「なっ!?」

 一夏の間合いでブルー・ティアーズを使おうと意識を裂いた瞬間に距離を詰めた一夏に反応が遅れ雪片弐型の鋭い一撃がセシリアを襲う。

 

「止め!!」

 

 それと同時に祐治からの合図を受け二人は戦いを止める。

 

「良い動きだったぞ一夏。戦ってみてどうだった?」

「なんだか凄い動きやすかった」

「そうだろ?一夏シャルと交代だ。セシリアはエネルギーの補充だ」

「....わかりましたわ」

 生き生きとした表情を浮かべる一夏とは正反対に見るからに落ち込んでいるセシリアを余所に祐治は次の相手シャルロットへアドバイスを送る。

 

「次はシャルの番だけど、盾みたいなの持ってなかったけ?」

「あまり使わないけどあるよ」

「ならそれを構えて一直線にセシリアに向かって距離を詰める、出来るか?」

「任せてよ!!アニーに勝った時に使った手があるからそれを使うよ」

「よし、任せた」

 

 エネルギーを補充し終えたセシリアとラファール・リヴァイブ・カスタムMkⅡを身に纏ったシャルロットがアリーナで対峙する。

 

「宜しくねセシリア」

「よろしくお願いしますわシャルロットさん」

「始め!!」

 軽い挨拶を交わし、祐治の号令と共に動き出す二人。

 先ほどの戦いで身に染みたのか武器を構えるより早く一歩後ろに下がりスターライトMk.Ⅲによる射撃を開始するセシリア。

 相手は一夏とは違いISの操縦技術の高いシャルロット、最低限の動きでセシリアの攻撃を避けながら着実に距離を詰める。

 

「あら?普通に勝っちゃうかなこれは」

「それは無い」

「そう?」

「彼女は言われた事をそれ以上の結果でやる」

「珍しく評価高いね、たくろう」

「別に」

 

 流石と言うべきかデュノア社で圧力に耐えきったテストパイロットのシャルロットの実力は伊達では無くセシリアの得意な距離で戦いながらも被弾を最小限に抑えヴェントとアサルトカノン《ガルム》を交互に使い着実にダメージを与えて行く。

 

「それじゃそろそろ行くよ」

 シャルロットは手にした武器を拡張領域へしまうと左手に全身を隠すほどの大きさを持つエネルギーシールド、エネルギーカーテンを展開しセシリアに向かって一直線に突っ込み始めた。

 

「良い的ですわよ!!」

 まっすぐ突っ込んでくるシャルロットに向けてスターライトMk.Ⅲを連射するセシリア。

 見事に全弾命中させるがエネルギーカーテンは健在。

「なんて硬いシールド。ここは一端引いて...」

「そうはさせないよ!!」

 

 後方に下がって体勢を整えようとするセシリアだったが判断が遅くスピードに乗ったシャルロットを引き離すには距離が近すぎた。

「ッ!?何をなさるおつもり....まさか!!」

「気が付いちゃったかな?でももう遅いよ」

 

 シャルロットの意図に気が付いたセシリアだったが時すでに遅し。後方に逃げようにも、シールドを撃ちぬこうにも時間が足りな過ぎたのだった。

 最後の悪あがきとスターライトMk.Ⅲを構えるセシリアだったが勢いに乗ったシャルロットはエネルギーカーテンごとセシリアに体当たりをし体勢を崩した一瞬の隙を逃さず右手に隠し持っていた灰色の鱗殻(グレートスケール)を鋭い突きで突き刺した。

 

「止め!!」

 

 

「お疲れ、期待以上の結果だシャル」

「えへへ、お兄ちゃんの前だからね!!」

「さてセシリア」

「待って」

 この二戦を終えてある程度問題点を突いたので、どこがセシリアの弱点なのかを告げようとした所を簪が遮る。

「たくろうもやるのか?」

「....」

 無言で頷く簪。

 

「セシリア、もう一戦できるか?」

「え、えぇ....それくらいなら大丈夫ですわ」

「なら補給に行ってくれ」

 

 覇気の消えたセシリアを見ているとやり過ぎたかな?とも思える祐治だったが生半可な実力は身を滅ぼすだけなので心を鬼にするのだった。

 

「たくろうは打鉄弐式で出るのか?」

「そう、たろうのおかげで完成したから見てほしい」

「わかった、期待してる」

 

 

 

 

 補給を終えたセシリアと打鉄弐式を身に纏った簪が対峙する。

 

「確かそのISは一夏さんの影響で開発が遅れていたはずでは?」

「自分の目で確かめるといい」

 世間一般には簪の身に纏っている打鉄弐式は開発が遅れ、未完成だとなっている。

 だが簪が寝る間も惜しんで一人で組み上げたこの打鉄弐式、その実力が今解き明かされる。 

 

「始め!!」

 

「ブルー・ティアーズ!!」

 開始と同時にセシリアは全力を持って一気にたたみかけようとブルー・ティアーズを展開し、スタータイトMk.Ⅲと共に集中攻撃を開始する。

 

「攻撃頻度....動きの規則性....反応速度......解析終わり」

 

 ゆらゆらと舞い散る落ち葉の様に不規則な動きでセシリアの猛攻を交わす簪は攻撃を避けながらもセシリアのコンバットパターンを解析し、攻勢に出る。

 

「46...47...48、軌道データ打ち込み完了。山嵐起動」

 

 六機の八連装ミサイルポット山嵐から放たれた48発のミサイルは白い軌跡を残しながらアリーナ内を彩る。

 

「そんな!?山嵐のマルチロックシステムは未完成のはず」

 

 打鉄弐式の最大の特徴は48発のミサイル一つ一つに個別の敵をロックオンさせる事が可能なマルチロックオンシステム。

 だがこのシステムは予想以上に複雑な構造なうえに白式の開発を優先するに至った倉持技研には開発するだけの時間が無かった。

 

「!?ミサイルアラートが鳴らない?ステルス機能?それともロックオン無しで撃っただけですの?」

 

 山嵐から撃ち出された48発のミサイルにはロックオン機能は無く、空を自由に飛び回る飛翔体でしかない。

 このミサイルには簪に指定された軌道データが読み込ませているだけである、48発全てに別々に。

 

「目くらましか何かのつもりですわね」

 

 熱源に反応して近くの対象に向かう訳でもないただの飛翔体は簪の命令を忠実に守り、セシリアへと殺到する。

 ミサイルアラートも無しに向かってくるだけのミサイルなら避けてしまえばいい、簡単な事のはずだった。

 だがこのミサイルを放ったのは簪。

 圧倒的な情報処理能力と並列処理能力から導き出される予知の様な正確な読みはただの飛翔体にロックオン機能を持ったミサイル以上の追尾性能を発揮させた。

 

「な!?なんですのこのミサイルは。振り切れな、きゃああああ」

 

 真正面から向かって来たミサイルを避けよう動き出したセシリアをまるでロックしているかのような動きで追うミサイルに気を取られた瞬間死角から自分が向かう所に次々と飛来する別のミサイルの数々。

 いくつかは避けれているが48発のミサイルはまだまだ残っていた。

 さらに簪の攻撃はこれだけでは無かった。

「余所見注意」

「え?きゃああああああ」

 

 網の目の様なミサイルの嵐の中を簪は平然と飛び越えセシリアへと夢現で切りかかった。

 それもそのはず、このミサイルの軌道データを打ち込んだのは簪本人、どういった軌道で飛ぶのかをよく理解した人ならば可能....な訳は無い。

 48発のミサイルの軌道が頭に入る人間なんてそういないだろう、それどころか網の目の様なミサイルの隙間をISで飛びぬけるなんて芸当を考える物がほかに居るだろうか?正気の沙汰ではない、だが簪はそれを平然とやってのけたのである。

 

「止め!!」

 

 

「何が....起きたんだ?」

 目の前で起きた事に理解が追い付いていない一夏。

 

「何なんだいったい」

 自分の知るISの戦いから逸脱した目の前の出来事に驚きを隠せない箒。

 

「.....」

 余りの実力の高さに絶句するシャルロット。

 

「こんなことって....」

 三連敗にこの実力差をつきつけられて絶望の境地へと追い込まれたセシリア。

 

「さっすがたくろう!!」

 唯一無二の戦友の実力に高揚感が抑えきれない祐治。

 

「ふぅ、やっと完成した、私のIS」

 ようやく完成した専用機に満足げな表情を浮かべる簪。

 

 ISと言う絶対的な個に圧倒的な物量が合わさった一つの終着点とも言える簪の打鉄弐式は祐治達だけではなくアリーナで見守っていた生徒達にも大きな衝撃を与えた。

 

 何が起きたの?

 あれがIS、専用機の力?

 専用機持ちの実力?

 

「セシリア、交代だ」

「え?は、はい」

 

 どん引きしている一夏達や生徒達を余所に満面の笑みを浮かべた祐治がいつの間にかラファールを身に纏いアリーナへと出てきていた。

 

「たくろう、やろうか!!」

「勿論」

 

 そして誰の合図も無しに二人の戦いが幕を開けるのだった。

 

 

 

 

 




 凄い強い簪ちゃんです
 まだ本気じゃない

 シャルもセシリアも簪も性格が変わっちゃって原作みたいに一夏をタコ殴りにする事が無くなった
 シャルはアニーと言う師匠と祐治の射撃補助プログラムで強化されてる
 セシリアもこれから強化する
 一夏は優秀なコーチのおかげで着実に実力を付けて行く
 簪ちゃんどん引き
 どんどん強化してインフレ起きそうだけど、その頃には終わる筈

 お気に入り400超えましたありがとう、こんなにも見てくれる人がいるなんて嬉しいです
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