「ついに来た、フランス!!」
「いや、ゆうくんここどこなの・・・・」
デュノア社のプライベートジェットに乗り込み数時間、日本を脱出した祐治はフランスに着くや否や自慢の身体能力をいかんなく発揮し、護衛の目を盗んで自転車と最低限の荷物だけを持ちフランスの町へと繰り出していた。
「ねぇゆうくんほんとにどこに向かってるの?」
「目の前を見れば判るはずさ、あれはアルプス山脈です。あれを越えてリスルって町に行こうかと思ってね。」
ツールドフランスでの最大の難関とされているアルプス山脈越え。
アルプス山脈を越えるために走るイゾアール峠は頂上が2300mを越え、ツールドフランスでもっとも標高が高い場所になる。
「本当ならパリ~ルーベの石畳を走りたかったんだけどパンクが怖くてね、もう少ししたら補給食を買わなきゃいけないし、そのときになったら詳しい道を教えるよ。」
「不安だ・・・・」
シノンの不安を他所に祐治は軽快にペダルを回し、フランスの町を駆け巡る。
「あそこに おみあげ って書いてある店があるけど・・・・お土産の間違いだね。」
「ツールドフランス饅頭?美味しそうじゃない、あそこによって行こう。」
シノンが見つけた間違った日本語を使うお店のツールドフランス饅頭というものに惹かれ祐治はおみあげ屋に入っていった。
「しかし入ってみると本当に日本のお土産屋だな。でもよくみると外国人が考えた日本のお土産なんだけどね。」
昔から忍者、侍、怪獣、ロボット、日本で生まれたそれらの物は長い年月をかけて世界から憧れる日本の素晴らしい文化として常に第一線で人々を楽しませてきた。
そしてそれらは衰えというものを知らず、日本人だけでなく世界中の人々に大きな影響を与えている。
ただ日本人と外国人で質感が違うので、外国人が考えた日本、というちょっと、もしくは随分とずれた形でこういった場所に存在することがある。
「これはブリキのロボットじゃないか、それにこれは・・・・こけし・・・?プラスチック製のこけし・・・・」
おみあげやの店内を見渡すと日本人ですらもう映画や漫画の世界でしか見ることのないブリキのおもちゃに日本全国の伝統工芸品の様な物、さまざまな物が見せの中に並べられている。
「それってこけし・・・だよね?どうしてプラスチックでできてるの?」
シノンの疑問は祐治も思っていた事で、祐治はプラスチック製のこけしを手に取り側面に付いているスイッチを入れてみた。
「震えだしたけど、ゆうくんそれが何かわかるの?」
「電動こけしだ。」
電動こけし、祐治の年齢でお世話になる事はほとんど無いだろうが、一人の男として情報だけは手に入れておいて損はなんだろうと、オンラインゲームの知り合いから聞かされていた物のまがい物だ。
「電動こけし?聞いたこと無いけど。」
「気にするなこれは電動のこけしだ。」
そう言って祐治は手にしたこけしの様なものを元の場所へ戻した。
「見なかった事にしよう。」
「え、ちょっと見なかった事って、ちょっとゆうくん!?」
「さーてこれからアルプス越えだ、補給は万全にしないとな。」
「ゆうくん!?ゆうくんてばー!!」
「あー疲れた、箒のやつ手加減って物を知らないな。」
こちらはIS学園。
一夏一週間後のセシリアとの決闘のため、箒にISの特訓をお願いしていた。
「しかし祐治の奴大丈夫かなぁ、俺は専用機が用意されるみたいだけど祐治にはそんな話は一切無いみたいだけど。」
「一夏、お前があいつの心配をする余裕があると思っているのか?」
一夏は自分がいくら境地に立たされても周りの心配ができる。
これは彼の良いところであり悪いところである。
そんな一夏の呟きに反応したのは笑みを浮かべた彼の姉である千冬だった。
「いや、普通に考えて心配するだろ?」
「まぁいい、そこがお前のいいところでもあるからな。そんな一夏にいい物をやろう、着いて来い。」
一夏がつれて来られたのは千冬の部屋。
「うわ、相変わらず千冬ねぇは片づけができないんだな。」
「織斑先生と、まぁいい。とりあえずこれを見ろ。」
千冬は散らかり放題の部屋のゴミたちを脇に押しやり、一夏の座る場所を確保すると部屋に備え付けてあるモニターで祐治が始めてISを動かした実技試験の映像を流し始めた。
「これは、祐治か。」
映像は祐治が歩行を始めるところから撮影されており、歩行、浮遊、飛行と段階が進むたびに一夏は映像に釘付けになってゆく。
「すごい・・・・」
そして映像は射撃から演習へと移り変わる。
「あれ?ISって射撃補正がなかったっけ?わざわざ構えなくても撃てたような・・・」
「なんでも実際に構えて撃ったほうが当てやすいとか言ってたな。」
そうか、と一夏が呟くとまた映像に集中し始めた。
「んーでも格闘は苦手なのか?」
映像では祐治が焔備から葵に持ち替えて教官に切りかかって行く場面である。
「見てれば理由がわかる。」
祐治の素人丸出しの格闘に疑問を持った一夏が呟くが千冬の一言で大人しく映像に集中することにした。
「なるほど、相手を油断させていたのか。」
初めてのIS起動にも関わらず、ISの操作だけでなく勝つために全力で挑む祐治の動きに一夏はどんどん吸い込まれていった。
「凄いな・・・ISのことよくわからないけど祐治が凄いんじゃないかって思えてきた。」
「もし桐島がもう少しISの知識を持っていたら、もしかしたら勝ててたかもしれないな。」
本来ラファール・リヴァイヴには閃光弾など装備していないのだが、誰かが装備したまま放置したらしい。
「なぁ千冬ねぇ、この映像貰っていいか?」
「あぁいいぞ、元々そのつもりだったからな。」
「後、一つ聞きたかったんだけど、クラス代表を決めるって話が出たときの祐治の言葉って本心だと思うか?俺は祐治がそんなこと言うとは思わないんだけど。」
「そうだな。国家代表候補生って言うのは一夏が思っているよりも国の発言と直結していると思っていい。そんな代表候補生があの発言をしたと誰かがIS委員会にでも通報すればオルコットの代表候補生としての資格が剥奪されかねない。」
国家代表候補生というのは国家公認のアイドルの様な存在で、タレントやモデル、俳優なども行っていて、その発言には責任が伴う。
「そこで桐島の発言だが、あれはオルコットを庇う為とただ頭にきたのと半分半分だろうな。」
「それでも祐治がオルコットのために発言した可能があると思えれば少しは気が楽になる。」
「ふん、一夏は桐島の事を心配する前に自分の心配をしろ。あいつだってフランスに遊びに行ったわけじゃないんだからな。」
そういって千冬は一夏の頭に拳を乗せた。
「へっくし!!んん?誰かが噂をしてるか?」
まさか祐治が自転車でアルプス山脈越えをしているなどとは夢にも思っていない一夏と千冬の事など知ってか知らずか祐治は充実した笑みを浮かべながらひたすらペダルを回し続けている。
「しかし少し気温が下がってきたな、それにツールドフランス饅頭は試食がなかったから直接デュノア社に送ったから向こうに着いたら食べないとな。」
補給を補充した祐治はすでに標高1000mのあたりまで来ておりもう少し走ればイゾアール峠に差し掛かろうという所まできている。
「とりあえず峠を越えたところで迎えに来てもらう様に連絡したけど・・・・」
シノンが半ば諦めたような表情で呟く。
「まぁまぁ、どうせこの先俺の自由なんてあってないようなものになるんだから多めに見てよ。」
「ゆうくん・・・・」
「そんな顔しなさんなって、好きでやってるんだし。それにこんなことに付き合ってくれるシノンには本当に感謝してるかさ、これからどうなるか判らないけど仲良くしていこうぜ。」
「うん!!」
落ち込んだシノンは祐治の言葉に笑顔を取り戻した。
「さーここから本格的に上っていくよー。」
「おー、ゆうくんがんばって!!」
標高1300mから2300mまでを上る約20kmの距離がイゾアール峠と呼ばれており、ここでレースが動くことも多く、ここを制した選手が優勝する事も多い。
そんな峠を祐治はひた走り、気分がすっかりよくなったシノンは祐治をひたすら応援し続けた。
「はぁ・・・ふぅ・・・よし!!もう、少しで頂上だ。」
イゾアール峠を上り始めて約一時間、祐治はシノンの応援の元、頂上へとたどり着いた。
「まぁ、何も無いんですけどね、ここ。」
頂上に着いた祐治は、少し道からそれた所へ自転車を置き辺りを見渡しながら達成感をかみ締めた。
「ねぇゆうくん、あそこに誰かいるんだけど。」
シノンの指差した先には、本来ならば人が入らないであろう崖際に座る一人の女の子がみえた。
「なんだか危なそうな人だね。」
「そうだな・・・・」
そういって祐治はゆっくりと崖際に座る女の子へと近づいていった。
「初めまして、こんなところで何をしているんだい?」
「・・・・・・・」
女の子は祐治の声に気がつくと、ゆっくりと祐治のほうに振り向くが声を出すこともなく、ただじっと祐治を見つめるだけ。
「こんなにボロボロになってしまって・・・」
こちらに振り向いた女の子は、目からは光が消えうせ、金色の髪は泥や砂埃で汚れ、露出している肌には生傷がいくつもありボロボロの服を気にすることなく、祐治を見つめ続ける。
「くっ・・・・」
祐治はこの女の子が身に纏う雰囲気に覚えがあった。
(おにいちゃん、遊ぼうよ!!)
(うわぁ、お兄ちゃん凄い)
(次の大会はわたしが勝つんだから)
(んーやっぱりおにいちゃんは強いなぁ)
(あの・・・おにいちゃん・・・)
(おにいちゃん・・・・・)
女の子の纏う雰囲気に触発され祐治が思い出したくない記憶がフラッシュバックしてくる。
「くっ・・・うぅ・・・」
「ちょっとゆうくん大丈夫!!?」
「あぁ・・・・大丈夫だ。」
祐治が思い出したのは両親ですら気を使って話題に出さなくなった双子の妹である佑香の記憶。
仲の良い兄妹であり、好敵手であった妹は祐治の目の前で車に撥ねられて亡くなった。
そんな記憶に押しつぶされそうになった祐治だが、すんでのところで持ちこたえると崖際に座ったまま祐治を見つめ続ける女の子を力任せに担ぎ上げ自転車を置いている場所まで引き返していった。
「しかしここまで歩いてきたのか?」
「・・・・・・」
祐治は女の子に声をかけながら体中の汚れを拭取り、傷の手当を行ってゆく。
「靴を脱がせるよ・・・・うわ凄い血豆だな。」
声をかけて汚れを拭いても傷の手当をしても何も反応は無く、ただ祐治を見つめ続ける女の子。
「とりあえず骨折とかそういったものは無さそうだな、汚れた服はどうにもならないけど。」
祐治の処置で体中絆創膏と包帯だらけになった女の子の反応は相変わらず。
「さてシノン、この子をここに置いておく訳にもいかないからデュノア社に連絡しておきて。」
「もう連絡しておいたよ。」
「デュノア社の人なの?」
流石シノンだなと感心していると先ほどまで何をされても一切反応が無かった女の子はデュノア社という単語に反応した。
「なんだ?デュノア社の社員というのはこうやってサボって自転車に乗って旅をする人たちなのか、それは楽しみだな。」
「違うなら何で私なんかを助けたの?」
唯一反応を起こした女の子との会話を続けるため冗談を交えて笑い話にでもしようかと試みたがまったくの無反応だった。
「こんなに可愛い女の子だ、下心があるに決まってるでしょ?」
本当はこの女の子が纏っている雰囲気に佑香を思い出してしまったのが原因なのだが、そんな事を赤の他人に言う必要は無いと思い嘘をついた。
「それは嘘。」
だがそんな嘘はあっさりと見破られてしまった。
「ま、嘘なんだけどね。面白い話じゃないけど、聞きたいの?」
「聞かせて。」
先ほどまでの反応の無さから、まさか聞きたいなどと言う訳が無いと思っていた祐治は予想外の答えに少し悩んだが、仕方なく話をし始めた。
「まぁ面白くない話を聞きたいならかまわないけど。」
どうせ聞かれるのは今後会うことも無いだろう女の子と、いずれ話す時が来るだろうと思っていたシノンだけだったので祐治は妹である佑香との過去を話し始めた。
「俺には妹がいた、母親に似て小柄で元気があって可愛い奴だったよ、名前を佑香って言うんだ。佑香は俺の妹であり最高の好敵手だった、一緒にトライアスロンとか自転車のトレーニングをして大会に出てお互い良い刺激になっていた、だけど中学生になると男と女で体力と筋力に差が出始めて佑香が俺に負け越すようになってきたんだ。」
「それでも最初のうちはなんとか食らいついて来てたんだけど、やっぱり性別の差はどうにもならなくてね。そのうち佑香と俺は両親の勧めで別々にトレーニングをすることになったんだ。でもこの時意地になってでも佑香とのトレーニングだけは一緒にやるべきだったんだ、そうすればこの後の事は起こらなかったかもしれない。」
「別々にトレーニングをすることになって、俺は両親から直接指導を受けて、佑香は事業団に入ってそこで指導を受けていたんだ。後で聞いた話だけど事業団に入ってすぐ女性権利者団体に目を付けられたんだよね。そんなこんなで段々と佑香と話す機会が減ってお互いの距離が離れていったんだ。」
「それでも佑香は俺を目標にして一緒に走ることを楽しみにしてずっとトレーニングをしていたんだ。結局その後一緒に走ったのが最初で最後になったんだけどね。」
佑香との思い出が話しているうちに抑えきれないほど浮かんできてしまい喋るのが辛くなってきた祐治は一旦深呼吸をして話を再開した。
「佑香は俺と別の大会に出てたんだけど同年代の同性では周りに敵がいない位強かった、だから男女の関係ない大会に出て、男にも負けな走りをしてた。それに女性権利者団体の屑共が目を付けた。ISのお陰で女の地位が上がったけど実力がまったくついてこなかったのが気に食わなかったみたいで男にも張り合える佑香を自身のくだらない見栄のために使ったんだ。」
「最初のうちは佑香も男と争えてたけど、中学も三年になれば体の差で勝てなくなってきたんだ。それでもあの屑共は佑香をたきつけて無理やり大会に出させ続けた。そんなプレッシャーでストレスを溜め込んでいく佑香に気を使ってやれなくて、どんどん暗くなってやつれていく姿を見てられなくて目を離してしまったんだ。」
「そして三年に上がってすぐ二年ぶりくらいに一緒に自転車の大会に出ることになったんだ。その日の朝俺は嬉しくてね、佑香に何度も声をかけてたんだけど目線もあわさないし元気のかけらもない姿を見てみぬ振りをしてしまったんだ。自転車の大会って公道を使うんだけど封鎖とかを一切しないで普通に車が走る道でやるんだ。」
「走り始めは俺が佑香を引っ張って行ってたんだけど、途中で佑香が前に出たんだ。その時の佑香の走りは酷いもので道の段差とかを一切避けずに走ってたんだ、それで声をかけようと思っていたら大雨が降ってきて、声をかけようと思っていたら段差で体制を崩した佑香がそのまま対向車線に流されていって、運悪く正面から来ていた大型トラックに撥ねられた。」
「それはもう見事なタイミングでね。あまりの出来事に何十メートルも吹き飛ばされていった佑香を呆然と眺めることしかできなくて、しばらく、たぶんほんの一瞬なんだろうけど凄い長く感じる時間眺めている気がしたけど我に返って駆けつけても殆ど虫の息。腕に抱いて何度も声をかけても反応がなくて最後にごめんなさいって謝られて息を引き取ったんだ。」
とりあえず気分が高まりすぎた祐治は一呼吸置いて女の子を見ると、相変わらずじっと祐治を見つめているが目からはとめど無く涙を流している姿をみて感情はあるんだなと安心して話を再開した。
「その後女性権利者団体を憎み始めて段々とおかしくなって女さえいなければって思うぐらいに狂ってきちゃって。それでいつだか女性権利者団体の集会があるって聞いて、そこに乗り込んで皆殺しにしてやろうと思ってたんだけど前日の夜に夢で佑香に会って散々説教されちゃってね、そこから心を入れ替えて佑香をこれ以上思い悩ませないために佑香の最高の兄であるために生きることにしたって訳。」
「ゆうくん・・・・」
「・・・・・・・・」
「この話はシノンにはいつかしようと思ってたんだよ。今でも感情を抑えきれないときとかあるさ、っと!?」
先程までじっと祐治を見つめていた女の子は無言のまま祐治に抱きついた。
「え?あの・・・ちょっと、ほら汗臭いし離れなよ。」
そういって抱きついてきた女の子を引き剥がそうとするが背中に回された腕に力を込め頑なに拒んでくる。
「無理はよくないと思う、僕は君が妹の事を大切にしていたのがよくわかるし、今君が凄い無理をしてるのもわかる。それにそんな妹と同じ結末にならないように僕に気をかけてくれたのもわかる。それが嬉しいからもう少し頑張ってみようかなって思えた、だけど頑張るために今は思いっきり泣きたいから君の胸で泣かせてもらう、それくらいいいよね?」
目に大粒の涙を浮かべ上目使いでそんな事を言われては断れるはずもなく返事の代わりに少し力を込めて抱きしめてやると一瞬体を強張らせたがすぐに理解したのか大きな声で鳴き始めた。
「吹っ切れたつもりでいたけど、そんなことは無かったみたい。」
そういって祐治は大きな声で鳴き続ける女の子を抱きしめながら泣き止むまで頭を撫で続けた。
「ん・・・ありがとう。なんだかすっきりしたよ。」
そういって女の子は祐治から離れる。結局泣いている時間は30分程だったが、そこから落ち着くまでさらに30分程祐治に抱きついていた。
「そうか、それはよかった。」
「えっと・・・どう?君も泣いとく?」
そういって女の子は祐治に向かった腕を広げて見せた。
「とても魅力的な提案ですけど、その柔らかそうな胸に飛び込んだら一生離せなくなりそうなのでやめときます。」
「つれないなぁ~」
そんなやり取りでどちらからでもなく笑い出し、祐治は女の子の雰囲気が明るくなったのに安心した。
女の子は先程までの雰囲気とは比べ物にならない位明るくなり、祐治と他愛の無い話で盛り上がっていると一台の車が祐治たちに近づいてきた。
「桐島様と・・・・シャルロット様!?こんな所に。皆心配なさっていますよ。」
車から降りてきたスーツ姿の男性が女の子を見ると驚いた表情を浮かべ、しきりに怪我は無いかなどと安否を心配する。
「知り合いなのか、良かったじゃないか。」
「えーと桐島って、もしかして君桐島祐治?」
「そう、です・・・」
女の子の知り合いも現れてこれにて一件落着だなと安堵している祐治に教えてもいない本名を呼ばれ少し嫌な予感がするなと思っていると。
「えーと、遅くなっちゃったけど。僕の名前はシャルロット・デュノア。デュノア社でISのテストパイロットをしているんだ、よろしく祐治。」
「あ、あぁ、よろしく頼む。」
最初に会ったときには想像もできないほどのまぶしい笑顔で握手を求めてくるシャルロットに祐治は、もう合う事もないだろうと思い喋った事を後悔しながらもシャルロットの笑顔を見ているとどうでもよくなり、力強くシャルロットの手を握るのであった。