完璧主義の変態紳士がファンタジー世界で匿名動画サイトを作ってエロと萌えと燃えと素敵なもの⭐︎をいっぱい♫広めて前途ある超優秀な若者達の脳を徹底的に破壊しただけなのに 作:かりん2022
侯爵家の嫡男で、容姿端麗文武両道唯我独尊魔術最強のケイオスが倒れた。
どうやら、何かに対して凄く悩んでいるようだ。
そして、そんなケイオスに、何故か私は呼び出された。
「ケイオス卿、何のようですか?」
「ユリウス卿、君は魔法が得意だな」
「貴方ほどではありませんが」
「ならば、魔導学院(裏)を知っているな?」
「……いえ。なんですか、それは」
「いや、知らない方がいいな。すまない、俺としたことが、やはり巻き込むなど」
「ケイオス卿。この魔導学院はお祖父様が理事長をしております。とてもではありませんが、聞き捨てなりません。この学校で、何が起こっているのですか」
ケイオスを問い詰めると、ケイオス卿は一週間以内に学園に張られた結界に干渉しろと言ってきた。
そんなもの、張っていないはずだが。
いや、ケイオス卿が嘘を言うはずがない。
私は精神を集中し、微弱な魔力波をとらえた。
これに気づくとは、さすがケイオス卿……。
「100年も何やってるんですか、我が校の生徒達は!!!」
「落ち着け、落ち着いてくれ、ユリウス卿」
おと、おと、男が女装なんて、その状態でエッチなんて、こんなとんでもないもの、あの偉大なるお祖父様が知っているはずはない。
これはひどい。誰だメンバー。誰だ幹部。まさかあのちゃらんぽらんな叔父か!?
腹を立てた私は、せめて深夜放送枠のいかがわしい物は撤去するべきだと叔父に訴えてやると気炎をはいた。
貴方のせいでケイオスが倒れてしまったのですよ!
あと、私の事も幹部に入れてください。風紀を正してあげます!
全く! けしからん! でもちょっと楽しそうではありますよね。
「待っていてください、ケイオス卿。貴方を苦しめたこの如何わしい動画達は直ちに削除させて」「お願いだ、やめてくれ!!」
「ケイオス卿!?」
「お、俺は今まで、訓練と勉強しか楽しい事を知らなかった」
「そんなの、私だってそうですよ」
「今初めて! 本当の楽しいと言う気持ちを知った気がするんだ! 堕落への道だとはわかっている。けれど、どうか……! 100年祭だけは、100年祭だけは!」
「ケイオス卿……。仕方ありませんね。そのお祭りを終えたら少なくとも如何わしい動画については削除させるよう動きますからね」
「すまない……」
「でも、そうですね。どうせなら、楽しみませんか?」
「楽しむ?」
「私達も動画を作ってみませんか。高尚な物語を。今まで学生がやってたのですから、できるでしょう。というか、正規の方法で幹部に上り詰めるにはそれしかないようですし」
「それは、そうだが」
「毒をくらわば皿までです。幸い、歌劇に詳しい友人がいるので、彼を頼りましょう」
王子の取り巻きとして選ばれた私は、当然だが、王子の取り巻きに詳しい。
王子の取り巻き、それ即ち各部門のスペシャリストの卵達である。
「助かる。では俺は動画について色々聞いてみよう。……所で、王子には言うか?」
「王子にはくれぐれも! 変なもん教えないでください」
「だよな」
そして、私はケイオスの手をしっかりと握った。
「私達の世代で、魔導学院(裏)に新しい風を吹かせましょう!」
「既に新しい風は吹きまくっているように見えるがな……」
叔父は言っていた。
遊びも極めないと、つまらない脆い貴族になるぞと。
あれはこの事を言っていたのですね。いいでしょう、遊びとやらを極めてやろうではないですか!
叔父からの挑戦、受けて立ちますよ!