完璧主義の変態紳士がファンタジー世界で匿名動画サイトを作ってエロと萌えと燃えと素敵なもの⭐︎をいっぱい♫広めて前途ある超優秀な若者達の脳を徹底的に破壊しただけなのに   作:かりん2022

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王国王子「我が国の未来を担う若者が帝国の王子に接近しているだと!?」

「この私に内密で手を貸して欲しいという事ですが、どういう事でしょうか。ケイオス様、体はもう大丈夫なのですか? これはそれに関係する事ですか?」

「ええ、実は、貴方の芝居の知識が必要なのです」

「心配はない。君が力を貸してくれるならな」

「私の芝居の知識が?」

「まずは、これを見てください。話はそれからです」

 

 そして、動画を呼び出し、適当に5分の動画を流す。

 

「なんと素晴らしい! これはお二人が開発した魔術ですか!?」

「いえ、この学園に100年前からあるものらしいです。私達は、卒業前にこれの幹部になりたいのです。しかし、それには動画を作成して提出せねばならないのです」

「なんと。随分変わった課題なのですね。しかし、確かに私は劇は好きですが、実際にするとなると……。ひとまず、情報収集が必要ですね。この術について教えていただけますか?」

「ああ、もちろん教えよう」

「100年祭に嵐を吹かせて見せましょう!」

 

 ということで、その日は動画の傾向を見て、次の日の放課後から集まって動画の作り方、上げかたを調べる事となった。

 

「まずはテストが必要だと思うのですよ。機能や評価基準を知りたい。ということで、目標は国歌斉唱動画を上げる事です」

「なるほど」

「簡単な事から、という事ですね」

 

 使い方から、動画作成の魔法を使う。

 動画作成の際の注意事項がずらずらと並び、それから選択肢が出る。

 

 5分、10分、30分、1時間、2時間。

 それを選ぶと更に一回、毎週放送(全四回)、毎月放送(全十二回)と出る。

 5分1回を選ぶと、動画入力、動画編集、簡単録画を選べる。

 簡単録画を選ぶと、更に音声、画面、両方と出る。

 試しに音声を選ぶと、○のマークが出た。

 動画で知っている。○を押して喋って、●を押して録画停止。

 とりあえず、国歌斉唱を撮った。

 

【音声ファイルを保存しました】

 

 そして、三角ボタンを押して再生。全く知らない声で歌が歌われた。

 その横に、女性1、男性1、おじさん1、おばさん1、男の子1、女の子1などずらっと並ぶ。

 それを選択すると、歌う声が変わっていく。

 

「面白いなこれ。面白いな、これ!!」

 

 画面の簡単録画を選んで魔法陣を人に向けると、画面に人が映し出された。

 ただし、仮面を被った知らない人のイラストとなってだ。

 これも、横のボタンでキャラを選べる。

 

 これなら、誰が動画を上げたかなんて絶対わからない。

 凄い技術である。

 

 動画編集を選ぶと、字体を選べてテキストが入力できた。

 直接絵を描くことも可能である。

 画面効果、というのを選ぶと、花畑で歌っているふうにできた。凄い。

 

 ともあれ、国歌斉唱を順番にして、最後に全員で歌うという動画ができた。

 花畑のエフェクトも入れた。

 動画を上げる時に、協力者を登録しますか? と出たので、登録する。

 

 3日後に魔法陣を起動すると、小さな手紙マークが左上に出て、それを見ると、動画が次週放映される旨の最終確認と、一定期間は削除できない旨、そして投票結果が出た。

 

 どの理由で不可、というのがズラズラと並んでいる。もちろん、そこに票は入っていないが。

 入っているのは、推薦や可ばかりだ。

 反対票0。圧倒的ではないか、我がチームは!

 

 放映されると、コメントが来る。

 

【ようこそ、魔導学院(裏)へ!】

【今後に期待】

【頑張れよー】

【初々しい】

 

 などと結構盛況に来て、3人は感動に震えた。

 そうこうしているうちに、帝国の王子が留学してきた。

 王子レオンは、にこやかに笑って一節を歌い上げた。

 思わず驚くケイオスの元に、王子が歩み寄り、耳元で囁く。

 

「思ったより人数が少ないのだね。で、君はサファイア? 仲良くしてほしいな」

 

 帝国王子、恐るべし!!!

 ケイオスは驚愕するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故、私の正体がわかったのですか?」

 

 放課後、警戒しながらケイオスがレオン王子に問う。

 

「あはは。声を変えても、所作や口調は変えられなかったようだね。君は目立つからわかりやすかったよ」

 

 驚愕である。この人怖い。

 

「魔導学院(裏)については、どうか内密に……」

「そうだね。僕【は】この学校の生徒だから、ルールには従うよ。その代わり、君達には100年祭の動画作成を手伝ってほしいな。僕は大会で優勝したいんだ」

「それは構いませんが……。待ってください、大会?」

「おや、お知らせを見てないのかな」

 

 慌てて魔法陣を起動すると、確かに大会のお知らせがあった。

 

「各賞の1位入賞者は、審査を飛び越して名誉幹部入りできる」

「凄い!」

「これは……」

「入賞するしかないね」

 

 こうして、動画サイトのチームは人数を増やしたのだった。

 なお、いち早く魔導学院(裏)に気づいた、レオン王子の従者(凄腕魔術師)は中継機を作ってせっせと帝国までルートを建設していた。

 レオン王子は広めていない。レオン王子はな。

 

 そして、これは帝国を週休二日制へと導いていく事になるのだった。

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