完璧主義の変態紳士がファンタジー世界で匿名動画サイトを作ってエロと萌えと燃えと素敵なもの⭐︎をいっぱい♫広めて前途ある超優秀な若者達の脳を徹底的に破壊しただけなのに 作:かりん2022
記念すべき、第一回目の投稿は国歌斉唱だった。いいんじゃないかな。
思わず複垢の三分の二くらい使って賛成してしまったぜ。
だが、何故だか帝国の国歌も上がってきた。
ううーん。帝国語は一応わかるけど、後々いろんな国が入って来る事を考えると、チェックをする為にも
「王国語でおk」だな。
国で差別はしたくはないが、チェックができないのはダメだ。
動画を落とす投票にもつけよう。言葉がわからないって。
お知らせ、注意事項に追加して、と。
しかし、閲覧数とコメントが増えてきたな。
4月になったら卒業に見せかけてサクラ(偽コメ)を減らすか。
動画も減らしていって管理が主になりそう。
仲良しグループらしき一団がポツポツと動画を上げているのを見ると、微笑ましくなる。
頑張れ……頑張れ……そうして新しい作品を作るのだ……。
あ、少し早いけど、動画が増えた時の為に予定してたアップデートもしようっと。
ケイオス、ユリウス、ファン、レオン達は、動画の傾向を調べていた。
やはり、目玉は動く絵の物語、アニメだろう。
2時間、一年12回の放映。
これを目指していた。無謀である。
何故なら、今までの歴史においても、30分放映十二回が限界だったからだ。
しかも、作法として連載放送は前後に音楽を挟むものだ。
作家を任命されたファンは頭を抱えた。
2時間十二回、計四十二時間のストーリーである。大変でないはずがない。
超大作の芝居を12回、シリーズで作れと言ってるのだから当然だ。
更に、動画入力で作って見た所、5分動画でもめちゃくちゃ大変だった。
頭に明確に思い描いて投影して入力するのだが、これが大変なのである。
何も見ずに頭に絵を思い描いて、それを紙に書き出してみるといい。
思った通りに描ける者はごく少数だろう。
思考投写は、全体像を同時に隅々まで明確にしないといけないので、更に難しいのだ。
「レオン王子! 劇を簡単録画にしましょう! 流石に無理です!」
「その手があったか! いや、しかし単調にならないか?」
「とりあえず、月4で試さないか?」
「ダメだ、時間がない。後十ヶ月もないぞ。いくつも試作してる暇はない」
「アップデートが来た! アバター作成と、音声作成ができるようになって動画編集の機能が増えたぞ!」
「調べたいのは技術的な事なんだから、とりあえず劇作家に頼んで、今やってる劇をして貰えばいいんじゃなないか?」
「曲は外注しましょう」
「台本も外注しましょう、この際手段は選んでいられません」
喧々轟々と話し合ったり。
「ファ、ファン様! 三ヶ月でファン様の言う仕様で作品を作れですか!? 48時間!? しかも、今練習している劇の公開を二ヶ月遅らせろと!?」
「このファンの頼みだ! ちなみに、ライバルの作品はこれだ」
「ひゃあ!? な、なんですかこれ? 魔術師様、学校でこんな授業をしてるんですか!?」
「学校というか、その、まあ、負けられない戦いがあるのだ。内密にしてくれ。とにかく、ユリウスの名誉が掛かっているのだ。頼む! あ、もちろん内密でな!」
「ゆ、ユリウス様の名誉が!?」
「創作意欲が湧いてきました! 素晴らしい曲を作ってご覧に入れます!」
「わ、私が主題歌ですかぁ!? 主題歌ってなんですか?」
劇作家や作曲家と打ち合わせしたり。
「これをこうして……だあああ! 全部同じアバターになった!」
「ええと。あああああああ! 声や効果音やエフェクトを当てはめるの大変すぎる! 待て、大体で作った動画を隣に置いて、動画入力で直接流すのはどうだ!?」
「なるほど、やってみるか!」
「頑張ってください、ケイオス様、ユリウス様! 私は効果音と声とエフェクトの一覧表を作ります!」
編集を頑張ったり。
「ござる! ござる!」
「こんな架空の国を思いつけるなんて凄いな。神秘の国ジパングシリーズかぁ」
「それにしたって男と女が入れ替わると言うのは無理があるだろう……」
「うーん、これに勝つのか。難しい」
みんなで試聴をしたり。
「ケイオス、授業動画見たよ」
「なかなか面白かったんじゃないか?」
「ファンも詩の朗読、よかったぞ」
5分動画をちょくちょく上げたり。
そんな事をしていると、全員の成績が乱高下しだした。
例えば、ファンは魔法の腕が急激に上がったし、ユリウスやケイオスは詩作や芸術などの成績がぐんと伸びた。物語について勉強したり、帝国の王子と会話するにあたり、帝国語も伸びた。
また、明るくなり、仲間内で楽しそうに話すようになった。帝国の王子を中心に。
それ以外は大幅に下落した。
今まで勉強や訓練に当てていた勉強が動画作成全振りになったのだ。当たり前のことだよね!!
家の者からも怒りを通り越して心配の声が寄せられ、特にユリウスとファンは王子に呼び出される事となったのだ。
「で? 帝国の王子と何をしているのかな?」
「いけません! ルイス殿下の耳が穢れます!」
「ルイス殿下を悪い道に引っ張るわけには!」
「君らも悪い道に進ませるわけにはいかないんだよ」
はあ、と王子はため息を吐く。
「僕は君たちが心配なんだよ」
ユリウスの祖父が続ける。
「どうしても正直に話す気はないか? 間諜の心配までされているのだが」
「わ、わかりました。では、大人。大人の魔術師に報告させていただきます。お祖父様でも、宮廷魔術師でも。それで、その大人に殿下に言うべきか判断していただけたらと」
王子が視線を寄越すと、祖父と宮廷魔術師が進みでた。
万一、帝国の王子が魅了などの魔法や薬を使っていてはいけないとのことで来ていたのである。
ユリウスも関わっているので、祖父だけでなく祖父の息のかかっていない若き宮廷魔術師。
直、同じ頃、ケイオスも健康診断を受けている。
ユリウスとファンは洗いざらい話した。
そして、問題のものを確認し、そのような魔法が使われているが王子は安全が確認できるまで触らないことが告げられ、光曜日が訪れた。
若きエリート魔術師は狼狽えた。
「えーっとぉ。相談させてもらっていいですか? 理事長殿はどうお考えですか?」
「こ。この。この。この。パルスーーーーーーーーーーーーー!!!」
そして、何故呼び出されたかわからないユリウスの叔父のパルスは2時間の説教を受けた。
そして、全校生徒が呼び集められ、動画の作成者及び幹部及びシステム管理者は出頭するように言われた。
自ら申し出たのはケイオスたちばかりだった。
後、魔導学院の裏が全校生徒にばれ、それを通じて広く広まった。
「自主性は重んじるが、エロ動画はやめろ」
先生達のお説教もどこ吹く風、むしろ嘲笑うかのように動画は上げられ続けるのだった。