転生したらフォルテだった件   作:雷影

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突然現れたデューオを前に、フォルテとシズさんはどうなるのか続きをどうぞ。


8話 電脳之神

夜空に浮かぶ彗星を見ていた中、その彗星の光によりこの宇宙空間のような場所に連れて来られた俺とシズさん。そんな俺達の前に電脳神であるデューオが現れた。

 

「デューオ……なんでこの異世界にデューオが⁉︎」

 

「フォルテ君?デューオとはいったいなんなの?」

 

俺がデューオを見て驚愕している事に、デューオを知らないシズさんが問いかける。俺が答えようとした時にデューオが自分から語り出した。

 

【我はデューオ。誤ったネットワーク社会を粛正するもの。お前はかつて我が使者を倒した者。だが姿と力は同じようだが何故か人間の存在を感じる。】

 

デューオの言葉に俺はこのデューオが俺の知る中でアニメ世界の存在と分かった。デューオの使者は確かにアニメでフォルテに倒されたからだ。

 

【お前の記憶を見せてもらおう。】

 

その言ってデューオの目が光ると俺の頭の中を誰かに覗かれていくそんな感覚がした。

 

「グハァ!?」

 

「フォルテ君!」

 

俺はデューオに記憶を見られた反動で膝を着き、それを心配したシズさんが俺に駆け寄る。

 

【……成る程。更なる異世界に転生。そして、この世界の言葉と呼ばれるシステムは実に興味深い。我の存在が別世界で空想の存在として知られているとは。】

 

デューオは俺の記憶からこの異世界の事、そして俺の前世の世界を知った。

 

「はぁ…はぁ…デューオ。お前はこの異世界すら滅ぼそうとしているのか。」

 

俺は言葉にシズさんは目を見開きデューオに振り向く。

 

【かつての我ならばそうしただろう。だが我は人間の心とやらを知った。そしてこの異世界には魔物と呼ばれる存在や、我の知らないシステムが存在している。ならばその可能性を見守ろう。】

 

どうやらデューオはあの人と融合したことで、ただプログラムに従って実行するのではなく、その世界の可能性を見定めることを学んだようだ。

 

【それよりも我はお前達に興味がある。】

 

そう言ってデューオの目が再び光るとシズさんからセレナードが分離して実体化した。更に俺の身体から半透明の巨大な……超電脳獣が分離して浮いてる。

 

「セレナード⁉︎」

 

「シズ。まさかこんな形ですぐ貴方の前に出るとは思いませんでした。」

 

シズとセレナードは互いに手を取り合うなか、俺は自分から分離した超電脳獣を見上げる。眠っているその姿だけでもとんでもない力を感じる。

 

【その人間を救う為にみずから宿るネットナビよ。お前は我の知る中で特に強い存在。そしてナビの姿に転生した者よ。お前の中に眠るその電脳の獣の力はこの世界を滅ぼしかねない存在。お前達は何を望む。】

 

デューオはまるで俺達を試すように問う。

 

俺とセレナードはデューオの問いに答える。

 

「私はシズの中でずっと見てきました。悲しくも辛い中でも多くの人々を救う為に戦ってきたシズを、今度は私が支え救いたいと。」

 

「俺はリムルの作ろうとする皆が手を取り合い平和に暮らせる街を守る為に力を振るつもりだ。大切な人達を守る、その為に自分自身強くなろうと決めた!」

 

俺とセレナードの言葉を聞いたデューオは沈黙する。

静寂が支配する中で、デューオは再び話しだした。

 

【お前達の答えは確かに聞いた。故に我もお前達の未来を見守る事にする。】

 

それを聞いた俺は安心した。デューオの前では例えセレナードと俺であっても敵わない。それ程までの存在なのだデューオとは。

 

【そしてナビの姿に転生した者よ。先程の問いだが、我は宇宙にあるあらゆる惑星の探索と観察を続けていた。そしてある惑星で次元を超えるテクノロジーを得て今はあらゆる次元へと探索の範囲を拡大した。】

 

デューオはあの後更に進化までしていたのか。

 

【お前達に我デューオの力の一端を与える。】

 

そうデューオが言うと俺とシズさんとセレナードは光に包まれる。

 

《デューオと名乗る存在による力の影響により暗黒耐性を獲得。続けて電脳化(サイバー)写身(アナザー)を統合しアルティメットスキル電脳創造(サイバークリエイト)に進化しました。解答者(オペレーター)がデューオの因子及びその人格、能力を複製し変質者と統合しアルティメットスキル電脳之神(デューオ)へ進化しました。》

 

これは解答者(オペレーター)?……いや世界の言葉が俺に教えてくれたのか。アルティメットスキル……またとんでもない力を得た気がする。

 

【ほう。我が力の一端を得たことで我が人格を複製し力を得たか。更に創造の力……その力を今見せてもらおう。】

 

そう言うとデューオは自分の身体からある情報(データ)を分離して俺の前に出した。

 

【そのデータはかつて我と融合しようとした人間と共に融合したナビの一部だ。その残留データにお前が得た力を使って見せよ。】

 

そうデューオが言う。そしてデューオが言ったそのナビとは俺にはわかる。

俺はその残留データに向かって新たな力を使う。

 

電脳創造(サイバークリエイト)!」

 

俺の魔素が残留データを包み込むと再構成され始める。そして其処には一体のナビがいた。

 

黒い身体に軍人をようなアーマーにマントの装備したナビ…その名はカーネル。

 

「……私は。」

 

「目覚めたか。」

 

俺の声にこちらに顔向けるカーネル。

 

「フォルテ……いや君は私の知るフォルテではないな。この異世界でフォルテとして転生した者。」

 

「知っているのか?」

 

「君が私を生み出してくれた時に同時に記憶を見た。どんな形にせよ君は私の主だ。」

 

そう言ってカーネルは俺に跪く。

 

「おい待て⁉︎蘇ったのならお前のオペレーターの元に戻れば良いだろ。

デューオの力なら時間を超えて戻してもらえるだろう。」

 

「いや。私はデューオの中に残っていた残留データの存在。本体はすでに大佐と共に帰っている。」

 

「しかし…俺でいいのか?お前自身はそれでいいのか?」

 

「無論だ。君は私に新たな命をくれた、それに友の為に動く想いは素晴らしい。だからこそ私は君に仕える。」

 

「そうか…俺もお前が仲間になってくれるなら頼もしい。これからよろしく頼む。」

 

俺はそう言ってカーネルに手を差し出す。

 

「こちらこそよろしく頼むフォルテ様。」

 

そう言ってカーネルは俺の手を握る。

 

【お前の力見せてもらった。お前達は本当に興味深い。いずれまた会おう。お前と我はお前のスキルと繋がってるが故に我の力の一端を使える。故に我を呼ぶこともできよう。そして、お前達の存在がこの世界になんらかの影響を与える可能性がある……気をつけるがいい。】

 

デューオがそういい終えると俺と分離していた超電脳獣が俺の中に戻り、俺達は再び光に包まれた。

 

 

 

 

 

光が収まると俺達は最初に立っていた丘の上に戻っていた。最初は夢かと思ったが、シズさんの隣にセレナードがいて俺の側にカーネルがいたことから夢でないと理解した。そして空を見るとデューオの彗星は時空の歪みの中に消えていった。

 

 

「………デューオが去ったか。マジでどうなるかと思った。」

 

「皆無事でよかった。」

 

「はい。にしても…別世界とはいえ貴方と再会することができるとはカーネル。」

 

「私としては貴方と会うのは初めてだが、フォルテ様の記憶から平行世界では友であったらしい。ならば改めて私の友になってくれるか。」

 

「はい。もちろんです。」

 

セレナードにとっては、平行世界の存在でもやはりカーネルと会えたのは嬉しいだろう。あれ?そういえばシズさんと分離して大丈夫なのか?

 

「セレナード⁉︎シズさんと分離しているがシズさんは大丈夫なのか⁉︎」

 

「はい。先程のデューオの因子のおかげで私の身体も電脳人(ネットナビ)として安定しました。」

 

「私も大丈夫だよフォルテ君。私も新しいユニークスキル精霊之心(フェアリーハート)って言うのを獲得したの。」

 

精霊之心(フェアリーハート)?」

 

「うん。私はイフリートの事を…精霊の事をもっと理解出来ればと思っていたの。

その想いで獲得したスキルなんだ。精霊の心と通じ合えれば精霊の力を限界以上に高めることができるの。」

 

シズさん自身やはりイフリートの事を気にしていたのか。

 

「もしも精霊の気持ちを理解できるチャンスがあれば、今度は一緒に戦いたいの。」

 

「シズさん……その想い今叶えようか。」

 

「え?」

 

俺は手をかざし粒子化した魔素を放つと、その魔素が炎となり形をなす。其処に現れたのはシズさんに憑依していた炎の上位精霊炎の巨人(イフリート)だった。

 

「イフリート⁉︎フォルテ君これは⁉︎」

 

「正確に言えば俺が吸収したイフリートの分身体の情報(データ)から複製して、シズさんから写させてもらった変質者を得て進化した電脳之神(デューオ)で純粋な精霊として分離させた。だからシズさんに憑依していたイフリートとは別のイフリートになるが……無理はしなくていい。」

 

「フォルテ君……大丈夫ありがとう。」

 

そう言ってシズさんはイフリートに近づく。

 

「初めましてかな?私は貴方とは別のイフリートを宿していたの。だけど、私はそのイフリートの事を理解せずにただスキルで制御していた。でもセレナードに教えてもらったの精霊にも心がある事を、だから今度はちゃんと精霊と向き合っていきたい。こんな私だけど一緒に戦ってくれないかな?」

 

シズさんがそう言ってイフリートに手を差し出す。イフリートはしばらくシズさんを見つめる。すると、イフリートはそっとシズさんの手を握ると軽く頷きそのまま炎となってシズさんの中に宿った。

シズさんの体から暖かい炎が溢れ出し、シズさんをしばらく包むと炎は消えた。

 

「シズさん大丈夫なのか?」

 

「うん。イフリートが私の手を取ってくれた時に声が聞こえたの。自分で良ければよろしくって。そしてイフリートが私に宿って以前と違う暖かい力を私の中に感じるの。」

 

「そうか、よかった。」

 

「はい。では私もシズの中に戻りましょう。」

 

「ん?シズさんの体が安定したならもういいんじゃ?」

 

「そうですが、やはりずっとシズの中にいましたからそのほうが落ち着くようになりました。」

 

セレナード…シズさんの体をPET扱いしてないか?

 

「そうか。なら改めて言う。セレナードとカーネル、これからよろしく頼む。」

 

「はい。」

 

「了解した。」

 

2人の名を改めて言ってその瞬間、俺の魔素がごっそりと抜かれる感覚が

するとセレナードとカーネルの身体が輝いている。まさか名付けになったのか?そういえば、セレナードの名を言っていたのは精神世界だったし、カーネルに関しては今初めて名を言った。

流石にカーネルを再構成して創造し、イフリートを複製してから純粋な精霊として分離した後での名付けの魔素消費はきつく、俺はその場で膝をついた。

 

「フォルテ君⁉︎」

 

「フォルテ、どうしたのですか⁉︎」

 

「フォルテ様!」

 

シズさんにセレナードとカーネルが心配して近づく。

 

「大丈夫だ。どうやらセレナードとカーネルの名を言ったら名付けになったらしくてな。魔素をかなり消費したようだ。」

 

「名付け…。成る程、この世界で新たに再構成された私とカーネルは名がないと判断されたのですね。」

 

「らしいな。まぁ兎に角これからよろしく頼む。しばらくすれば魔素も回復するからな。」

 

 

「シズさん!フォルテ!こんな遅くに何してるんだ?」

 

「フォルテ様!」

 

其処にリムルとゴスペルが心配して呼びに来てくれた。リムルとゴスペルは俺達に近づくとゴスペルは臨戦体制をとり、リムルは驚いている。

 

「貴様達何者だ!フォルテ様に何をした!」

 

「セレナード!それにカーネル⁉︎なんでカーネルまでこの異世界にいるんだ⁉︎」

 

「あぁ、その事でリムルに話しをしたいんだが、少し待ってくれ。消費した魔素の回復がまだなんでな。」

 

しばらくして魔素が回復した俺はリムルとゴスペルにデューオにあったことやデューオの力の一端を受け究極能力(アルティメットスキル)を得たこと、そのスキルでカーネルを生み出し更にシズさんに複製したイフリートを新たに宿した事を説明した。

 

「………フォルテ。俺がいないところで何て奴を相手にしてたんだ⁉︎デューオってマジでやばいだろ‼︎」

 

「俺だってそうだ。まさかデューオが現れるなんて誰が予想できると思う。」

 

「まぁ確かに…でも皆無事で良かったよ。シズさんも別個体とはいえイフリートをまた宿したそうだけど、暴走の様子もないようだし良かった。」

 

「うん。心配してくれてありがとうスライムさん。これからイフリートと向き合って頑張っていくね。」

 

「シズさんなら大丈夫だ。それとセレナード、それにカーネル。これからよろしくな。」

 

「はい。もちろんです。」

 

「リムル様、それにゴスペル。これからよろしく頼む。」

 

「ああよろしくなカーネル。」

 

「共にフォルテ様の為に!」

 

「それでは私はシズの中に戻ります。」

 

そう言うとセレナードは粒子データとなってシズさんの中に戻った。

 

「さてと、色々予想外なことがあったが俺達の街に戻ろう。」

 

こうして俺達は街に戻っていく。翌日にはセレナードとカーネルはやはり進化したようで種族が俺と同じ電脳魔人(サイバーノイド)になった。

 

シズさんはデューオの遺伝子が体内に組み込まれたようだ。つまり、アニメの〝大園ゆりこ〟のような強い生命力と回復力を得た。

 

まぁ兎に角、あのデューオに会って無事だったことを素直に喜ぶのであった。

 

 

 

 

とある場所。大地は渇きひび割れ木が枯れている。そんな場所で1人のオークが彷徨っていたが力尽き倒れた。もう息絶えよとしていたそんなオークにペスト仮面をつけた怪しい者が近づく。

 

「お前に名前と食事をやろう。」

 

「…………彼方は?」

 

「俺の名はゲルミュッド。俺のことは父と思うがいい。」

 

突然現れたゲルミュッド名乗る魔人。オークは悩む。

 

「此処で死ぬか?」

 

「……名前を……そして食事を…。」

 

ゲルミュッドはオークの頭に触れて名を与える。

 

「お前の名はゲルド。」

 

「ゲルド…。」

 

名を与えられたゲルドは、ゲルミュッドの魔素が注がれ光る。

 

「やがてジュラの大森林を手中に収め豚頭魔王(オークディザスター)となる者だ。」

 

そう言ってゲルミュッドは血の滴る肉をゲルドに差し出す。

名を得たゲルドはゲルミュッドから貰った肉を貪るように食う。

肉を食らい尽くしたゲルドにさらにゲルミュッドはある小さな物を差し出した。それは紫色の基盤に血溜まりのようなクォーツが埋め込まれたリムルとフォルテがいた元の世界で使われているSDカードに似た物だった。

 

「それは?」

 

「ダークチップ。これによりお前は更なる力を得られる。」

 

ゲルドがゲルミュッドからダークチップを受け取る。するとダークチップから凄まじい邪悪な妖気(オーラ)がゲルドに注ぎ込まれる

 

「グォ⁉︎グオオォォォオ‼︎」

 

ダークチップの妖気(オーラ)がゲルドの背後で不気味な顔の形を模し、ゲルドの体がより強靭なものへと変化させ、その目が赤く光っていた。

 

今この瞬間、ジュラの大森林に闇の脅威が生まれた。そしてその闇が時空に歪みを作り別の存在を引き寄せる。

 

 

 

 




バレル大佐の…人間の感情と心を理解したデューオにより、フォルテはデューオの力によりアルティメットスキルを二つも取得!

リムルより先にアルティメットスキルを得たフォルテがどう活躍するかこれからも見守っていてください。
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