どんな結末をむかえるのか……どうぞ。
ラキュアはウルティマに裁かれ、悪魔指揮官達を紫苑達が倒した事で隣国の兵達は撤退。
ラージャを守る事は出来た。
残るは、ラキュアに騙され狂鬼化したヒイロを救うのみなのだが、橋の上でヒイロと紅丸が刀を交え続けていた。
「ていっ!やーっ!」
「おーっ!うおっ!」
激しく鬩ぎ合うヒイロと紅丸。
激しく剣が交わる音が、橋から響き渡る。
そして、橋の下まで避難した朱菜とトワさんが二人を心配しながら見守っていた。
「うおおおーっ!」
ヒイロの炎の刃の一撃を紅丸は刀で受け止め鍔迫り合いとなったその時、紅丸は橋の下に避難している朱菜とトワに気付いた。
「ヒイロ…。これ以上、あんたの大切な主人を心配させたくないだろう。」
「うううぅぅ…。」
紅丸はヒイロにそう呼びかけるが、ヒイロは唸り声を上げるだけだった。
「くっ…うっ!」
紅丸はヒイロから飛び退き、距離を取るとヒイロに向かって構え直した。
そして……刀に黒炎を纏わせる。
「悪いが、ここからは手加減無しだ。」
「あ…。」
「ヒイロ…。」
朱菜とトワさんは、紅丸が本気の一撃でヒイロを攻撃すると悟り、ヒイロの身を案じた。
「ううう…。」
唸り声を上げながら紅丸に迫るヒイロ。
「頼むから死なないでくれよ。」
紅丸は覚悟を決めてそう呟いた。
「うーっ!うおおおおおお‼︎」
ヒイロは咆哮しながら跳躍し紅丸に斬り掛かる。
「朧・黒炎斬!」
紅丸の刃がヒイロを一閃した後、一瞬の静寂が場を支配した。そして次の瞬間、ヒイロが黒炎に包まれ橋が崩壊した。
「うわああぁぁぁぁ‼︎」
ヒイロは絶叫を上げながら橋の崩落に巻き込まれる中、紅丸はなんとか無事に着地した。
「お兄様!」
朱菜とトワさんは紅丸に駆け寄る。
「ハァ…。」
「あっ…。」
朱菜は紅丸の無事な姿を見て安堵する中、トワさんが何かに気付いた次の瞬間、瓦礫が吹き飛び炎が燃え上がると、炎の中からヒイロが立ち上がる。
「うおおおおおお‼︎」
「ヒイロ!」
「まだ動けるのか…。」
ヒイロから叫び声を上げる中、トワさんは声を上げ紅丸は呟く。
「うおっ!」
ヒイロはその場で大きく跳躍。
「うおーっ!」
そのまま紅丸に斬り掛かる。
紅丸は迎撃しようとするが間に合わないと思われたその時だった。
トワさんが紅丸を守ろうと両腕を広げてヒイロの前に出たのだ。
「トワ様!」
驚愕する紅丸。そして朱菜の叫びがその場に響く。
ヒイロの炎の刃がトワさんに迫る中、狂鬼化したヒイロの目にトワさんが映ったその瞬間、ヒイロの脳裏にトワさんに救われてからのこれまでの記憶が呼び起こされた。
そして、再びトワさんの姿を見た瞬間、狂鬼化して我を失っていたヒイロの瞳に光が戻った。
「ハッ…!」
我を取り戻したヒイロは、炎の刃がトワさんに当たる直前…間一髪のところで刃を止められた。
その状態のまま見つめ合うトワさんとヒイロだが、また狂鬼の力がヒイロを取り込もうとする。
「ううっ……うおぉぉ……あぁぁぁ………っ!」
呻き声を上げながら、その力に必死に抗うヒイロ。
「ううううっ……うおぉぉぉぉっ‼︎」
そして、ヒイロは炎の刃を自分の体に突き立て、そのまま自らに突き刺したのだ。
「「「あっ!」」」
その光景を目の当たりにした紅丸、朱菜、トワさんが声を上げる。
「ぐああーっ!」
ヒイロはそのまま突き刺した炎の刃を引き抜く。
「うぐ……うおおおーっ!」
ヒイロはそのまま己が右腕を傷口に突っ込むと、何かを無理矢理自分の体から引き抜き取り出した。
それは、ラキュアに騙され飲み込んでいた
そして、ヒイロは
それにより、
それを目の当たりにしたトワさんが唖然となる中、紅丸はヒイロの元へと駆け出す。
「ヒイロ…ヒイロ!……兄者‼︎」
紅丸の叫びが響く中、ヒイロは倒れた。
「兄者!」
駆け寄った紅丸は、ヒイロに声を掛けながら抱き起こす。
「若…。強くなったな。」
「…兄者ほどじゃないさ。必ず自力で正気に戻れるって信じてたぜ。」
「俺ひとりの魂ではないからな。」
紅丸とヒイロがそう言葉を交わす中、ヒイロの左手が徐々に石化……いや灰の様な脆いものとなって崩れていく。
それに紅丸とヒイロは気付き目を向けた。
「力の代償か…。」
そう。騙されたとはいえ、
「ヒイロ!」
「兄様!」
徐々に崩れていくヒイロの元にトワさんと朱菜が駆け寄る。
そして、上空からリムルとフォルテ達も急ぎ駆けつける。
「紅丸!
リムルは紅丸に
「リムル…無理だ。」
「
「なっ……くっ…!」
フォルテとウルティマの言葉を聞きたリムルは、悔しそうに歯を食いしばんだ。
紅丸は、ヒイロを崩壊した橋の一部にゆっくりともたれかからせる。
「ハァ ハァ ハァ…。」
ヒイロは息絶え絶えであり、崩壊は両足と左肩からも始まり最後の時は刻一刻と近づいていた。
「もう十分だ…。」
「兄者…。」
ヒイロは朱菜の方に目を向ける。
「朱菜。お前を本当の妹の様に思っていたよ。」
「兄様!」
「一足先に…あいつらが待っているからな。」
ヒイロの崩壊が身体の殆どまで進んでしまった。
そして、ヒイロは最後にトワさんを見る。
「トワ様…。」
そして、最後の力を振り絞り、崩壊仕掛けている左手を
トワさんの方へと向けた。
トワさんはその手を握ろうとするも、触れた瞬間に崩れてしまった。
もう助ける事は出来ない…。
その現実にトワさんは涙を浮かべながらヒイロを見る事しか出来なかった。
「最後に……心から仕えるべき…主人が見つかって、おれは…幸せ……。」
そして、ヒイロは最後の言葉を言い切る前に完全に崩れてしまった。
目の前でヒイロが死んでしまった……朱菜は涙を流し、
紅丸は頭を下げて悲しんだ。
そんな紅丸達の姿を後ろからリムルとフォルテは見る事しか出来なかった。
(ヒイロ…せめて魂だけは…。)
フォルテは
「許しません。」
トワさんが口を開きそう呟いた。その言葉を聞いた皆は、トワさんの方へと顔を向けた。
「
その言って両手を前に広げるトワさん。
「ッ⁉︎まさか…!」
フォルテはトワさんのしようとしている事に気付いた。
隣に立つウルティマも、当然気付き目を見開いた。
「アグリーティアラよ、奇跡を!」
トワさんが両手を組んで祈ると、ティアラが光を放ち魔力を解放する。
「女神よ!お力を
ティアラの魔力を使った代償で、トワさんの身体が一気に呪毒に侵蝕されていく。
そして、崩壊して灰の山となっていたヒイロの身体が、
時間が巻き戻るかの様に元に戻っていき、ヒイロの身体は完全に復元された。
「ト…トワ様?」
復活したヒイロが目を開けると、映ったのはティアラの魔力使い、呪毒が全身に広がりきってしまったトワさんの姿だった。
トワさんは、無事にヒイロが蘇ったのを確認すると、安堵の笑みを浮かべた。
だが、…その時だった。
魔力を使い切り、限界以上の力を発揮したのか、ティアラ全体に亀裂が生じ砕け散った。
「あっ…!」
「うっ…あっ、ああ……!」
その瞬間、トワさんに凄まじい衝撃は襲い掛かりまるで
攻撃を受けたかの様に何度も仰け返る。
「トワ様…トワ様!」
それを見たヒイロはすぐさま立ち上がりトワさんの元へ駆け寄る。
「うっ…。」
トワさんは限界に達し光に包まれる。
「トワ様‼︎」
ヒイロはトワさんを抱きしめながら叫ぶが、トワさんは
砕け散り光の粒子となってしまった。
砕け散ったトワさんの光が漂う中、ヒイロは膝を付き座り込んだ。
そんなヒイロの姿を見ていた紅丸は、リムルとフォルテの方へと振り向く。
リムルは目を瞑り、悲しげな表情を浮かべる。
願いの代償故に、リムルにもどうする事も出来ないのだ。
ヒイロの蘇生はそれほど大きな願いだったのだ。
紫苑達を生き返らせる為に魔王に進化したリムルとフォルテには分かるのだ。
……だが、ヒイロの時は無理であったが、トワさんなら話が変わる。
フォルテはウルティマを見ると、ウルティマは頷き応える。
「二度も命を救われて、俺はまた……何も出来ないのか…。」
ヒイロがそう悔やみながら呟き、この場を漂うトワさんだった光の粒子を見ている事しか出来なかった。
……その時だった。
ヒイロの左右にフォルテとウルティマが並び立つ様に前に出る。
「諦めるなヒイロ。」
「フォルテ殿…。」
「俺は約束した。トワさんを必ず救うと。ウルティマ。」
フォルテの呼び掛けにウルティマは頷き応え、両手を前に翳した。
「契約破棄はこちらの落ち度だから、今まで楽しませてもらったお礼も込めて、少しばかりお詫びを奮発しとくね。」
ウルティマがそう言って
その際、凄まじい旋風と眩い光によって、紅丸と朱菜は顔を覆い目を瞑った。
リムルとヒイロはなんとか耐えながら集まる光を見続ける。
「ハッ…。」
見続けていたヒイロは思わず声を出した。何故なら、集まって光が人の形を成していき光が弾けると、中からトワさんが現れたのだから。
「トワ様?」
ヒイロは一瞬呆然となるが、すぐに笑顔浮かべながらトワさんに駆け寄る。
「トワ様!」
トワさんに駆け寄ると、そのままトワさんを抱きしめるヒイロ。
「ヒイロ?」
トワさんは何が起きたの理解出来ずにヒイロを見ていると、ヒイロはトワさんを抱きしめながら涙していた。
そして、夜が明け日の光がラージャを…ヒイロとトワさんを照らした。
日の光に照らされる二人の様子をフォルテは笑みを浮かべながら見ていた。
それはウルティマも同じで優しい笑みを浮かべていた。
そんなウルティマにフォルテは近寄りウルティマの肩に手を乗せる。
「ウルティマ。…良くやった。」
「フォルテ様。……うん!」
ウルティマはフォルテに満面の笑みを見せるのだった。
その後、トワさんとヒイロに事情を説明したり、狂鬼化したヒイロが破壊した街の瓦礫の撤去などを行なった。
その際、シャドーマンからヒイロと紅丸の戦闘で崩れた洞窟である物を発見したと報告を聞いたりした。
そしてその夜。トワさんの完治とラージャ小亜国の危機が去った事への祝いとして、盛大な宴が行われた。
リムルとフォルテがカイジン達に頼んで用意した花火が
沢山打ち上がる中、広場では住人達の賑やかな声が響いていた。
猪八戒とゲルドは子供達を肩に乗せて一緒に花火を見ていた。
「「「乾杯!」」」
ある者達は笑顔で乾杯し。
「ありがとうっす。」
ゴブタはスープを受け取って食べたり。
「「「あそ〜れ!あそ〜れ!」」」
ガビルは住人達と肩を組んで楽しんでいた。
「クァーハハハハハッ!」
ヴェルドラは豪快に酒を飲んで笑っていた。
皆が楽しむ光景をリムルとフォルテは城のベランダから見ていた。
「リムル殿。フォルテ殿。」
「「ん?」」
そんな中、モブジさんが話しかけてくる。
「この度は、リムル殿とフォルテ殿のお力添えありがとうございました。このお礼は一体どの様にしたらいいか…。」
「お礼をしたくともー、ご存知の通り、ろくな資源もない有様でして…。」
モブジと大臣は、申し訳なさそうにそう言うのだった。
「それなんだけどさ…。」
リムルはそう言って蒼影を見ると、蒼影は前に出て口を開いた。
「紅丸とヒイロの戦闘で崩れた洞窟にー、鉄鉱石の鉱脈が発見されました。」
「「おお…。」」
「ですが、鉄鉱石は需要が…。」
「他国でも供給されておりますし…。」
「それだけじゃない。」
フォルテがそう言うと、蒼影の隣に立つシャドーマンが口を開いた。
「鉄鉱石だけでなく、フォルテ様がお探しになっていた
「レアメタル…?」
「それはどの様な物なのでしょうか?」
「そうだな。…簡単に言えば、魔鉱石並に貴重な金属と言っておこうか。数も少なく極めて貴重で特殊な金属だ。その中でも、ラージャで発見された
ラージャで見つかった
なんと、ダンボール戦機の世界に存在したスタンフィール・インゴットと同じだと判明したのだ。
この
フォルテの話を聞いてある程度理解したモブジと大臣。
「では…。」
「ああ。ラージャで採掘される
「鉄鉱石もいくらあっても困らないし、そっちも買い上げるよ。」
「「おお!」」
フォルテとリムルの言葉を聞いたモブジと大臣は思わず声を上げる。
「この国の再建に力を貸して頂けると…。」
「そうなると、周辺諸国もこの国へ簡単には手出し出来なくなる。」
「願ってもない事です。」
リムルとフォルテ…二人の魔王が良き交流をするラージャに手出しすれば、魔王の怒りを買うと、他国も迂闊に手が出せなくなるという事だ。
「しかし、宜しいのですか?」
「もちろん!」
「ギブ&テイクだ。」
「それにさ、俺達は自分の命を懸けてまで誰かを助けようとするー、そんなトワさんが好きだからな。」
「皆もそうだろ?」
「ええ。」
「そうですな。」
「はい!」
「「異論ありません。」」
「もちろんです。リムル様とフォルテ様と同じくらい、
トワ様と兄者が大好きですから。」
リムルとフォルテの言葉に、皆も同じ気持ちだったので良い返事で答えくれた。
「ありがとう。」
そんな皆に向かって、リムルは笑顔を浮かべる。
「私もです。」
「当然、僕もね。」
お盆にワインを乗せて持つディアブロが口を開き、
ウルティマはフォルテに抱き付きながら笑顔でそう言った。
「ウルティマ。ディアブロ。」
「二人共…これからも宜しくな。」
リムルとフォルテは笑みを浮かべてそう言った。
「クフフフ…。」
リムルの言葉に、ディアブロは歓喜し涙を流した。
「では、ラージャ小亜国と
「乾杯!」
フォルテとリムルがそう言ってグラスを掲げた瞬間、夜空を覆うかの様な特大の花火が上がった。
そして、打ち上がり続ける花火を、トワさんとヒイロは一緒に見続けるのだった。
やがて、花火が打ち上がるのが終わると、トワさんと
ヒイロの元にフォルテとウルティマがやって来た。
「フォルテ様。それに、女神様も…。」
「…女神じゃなくて僕の名前はウルティマだよ。」
「そうでしたね。ウルティマ様。」
トワさんはウルティマに向かって笑顔でそう答えるのだった。
「ヒイロ。あれから身体の調子はどうた?」
「はい。今のところは問題ありません。」
フォルテはヒイロを心配し聞くと、ヒイロは胸に手を当てながら答えた。
「……僕の配下が馬鹿やったせいで迷惑をかけたね。本当にごめんね。」
ウルティマはトワさん達に謝罪する。
「謝らないでください。
ウルティマ様のお陰ですから。」
トワさんは、ウルティマと初代女王との契約と、金鉱脈を教えたのもウルティマだった事も聞いた。
全てを知った上でウルティマを責めたりせずに、寧ろ感謝していた。
ウルティマがティアラを授けてくれず、金鉱脈の存在も教えなければおそらくラージャ小亜国はとっくに滅んでいただろうから。
「それでも、契約破棄はやっぱりこちらの落ち度だからね。それに、ラキュアの暗躍がありながらも、良くぞこの数百年耐えたって僕は感動したんだよね。」
そう言ってウルティマは両手を前に翳した。
「だから、もう一つお詫びと僕からの御褒美を含めて、もう一度これを与えるね。」
そうして、ウルティマの両手の中から現れたのは、壊れて散ったアグリーティアラだった。
「ッ!それは…!」
ヒイロは思わず声を上げた。無理もない。トワさん達歴代の女王を苦しめていたティアラがまた目の前に現れたのだから。
「大丈夫。今回用意したこのティアラは、フォルテ様に
協力してもらって作り直した物だから。」
「ティアラの魔力を正しい事に使ったなら、呪毒には蝕まれない様にした。
そして、悪意ある者がこのティアラを使えば、一気に呪毒が全身を蝕む様に改良を施した。」
「ティアラの性能と耐久力も前の物よりも強化したからね。」
新しいティアラについて、フォルテとウルティマは
トワさんとヒイロに説明した。
「受け取ってくれるか…?」
「はい。」
フォルテが問うと、トワさんは即答した。
「
トワさんは笑顔でそう言った。
「じゃあ。」
ウルティマはティアラを持ってトワさんに近寄る。
トワさんはその場にしゃがんで頭を下げる。
そして、ウルティマはトワさんの頭に新たなアグリー
ティアラを冠せた。
「魔力を…力を感じます。」
「これからも、ラージャの為に頑張ってくれ。」
「はい。」
「フォルテ殿。ウルティマ様。…感謝する。」
ヒイロはフォルテとウルティマに向かって感謝の気持ちを込めて頭を下げる。
「気にするな。寧ろ、こっちが感謝している。この宝石を譲ってくれたのだからな。」
そう言って、フォルテが右手から取り出したのは、掌サイズのブリリアントカットされた赤い宝石だった。
シャドーマンから手渡され解析した結果、フォルテの予想通り、ウルティマが持ってきた六つの宝石と同じ物…つまり、最後の一つだったのだ。
ラージャで見つかった物故に、トワさん達に報告したのだが、トワさんが助けていただいたお礼にと、そのまま譲ってくれたのだ。
「いえ。この国を…トワ様を救ってくれた恩。まだ返し足りないくらいだ。」
「そうか。…さっきモブジさんにも話したが、これからラージャとは良い関係を築いていくつもりだ。だから、
これからも宜しく頼むぞ。」
そう言って、ヒイロに手を差し出すフォルテ。
「はい!もちろん。」
ヒイロは返事してその手を取り握手を交わした。
こうして、ラージャ小亜国と女王トワを救ったリムルとフォルテだった。
翌日。
「フォルテ!」
フォルテを見たミリムは、そのまま勢いよくフォルテに抱きついた。
「おっと!ミリム?」
「やっと帰ってきたのだな。待っておったのだぞ。」
帰ってきたフォルテに向かって、満面の笑みを見せる
ミリム。
「遊びに来ていたのかミリム。」
「そうなのだ。だがせっかく遊びに来たのに、リムルもフォルテも居なかったからアゲンスト達と遊んでいたのだ。」
ミリムがそう言ってアゲンスト達を見る。
「うむ。インターネットコロシアムで我らが交代しながら相手をしてやったのだ。」
アゲンストの言葉に続く様にヴェルキオン、グレイガ、ファルザーは頷く。
「そうか。ありがとうな。」
リムルは笑顔でアゲンスト達に礼を言った。
もしアゲンスト達が場所を考えずにミリムの相手をしていたら……
「ところでミリム。遊びに来たのはいいが、ちゃんと
フレイさんに言ってから来たのか?」
「ッ!…そっ…それは…?」
…どうやらまた黙って来た様だな。何故なら……ミリムの背後に怖い顔したフレイが立っていたからだ。
「うっ!」
フレイさんはミリムの頭を鷲掴みにした。
「ゆっくり話しましょうか。……ね?」
「うう……うう……。」
フレイさんはそのままミリムを引き摺りながら連行していき、ミリムは完全に諦めて涙を流していた。
そんなミリムの姿を見送るフォルテ。
「……次来た時の為に、美味しいお菓子を用意しておくか。」
その頃、
「ヒッヒィ!」
「アッアア…。」
両手を鎖に繋がれ吊されているラキュアとチクアンが恐怖で震えていた。
何故なら、……二人の前にウルティマとディアブロが黒い笑みを浮かべながら立っていたからだ。
「やあ。待たせたね。」
「リムル様とフォルテ様を侮辱した罪、その身に刻み込んであげましょう。」
「おっ…お待ち下さい!わしはラキュア殿からヴィオレ様…いえウルティマ様からの命だと聞かされておったのですじゃあ!ラキュア殿の独断だと知らなかったのです!」
「ふ〜ん。…で?それがなに?ラキュアが僕の名で君に命じた事が、本当に僕の命令だったのかは確認すれば分かる事だよね。そんな言い訳なんて聞きたくないんだけど。」
「そっ…それは…。」
「ウルティマ様!私にもう一度…もう一度だけチャンスを‼︎次こそは必ず!必ず貴女様のお役に立ってみせます!」
「五月蝿い。黙れ。」
ラキュアの願いに対し、ウルティマは物凄く冷たい声でそう言った。
「ラキュア…元はと言えば、君の勝手な行動が原因なんだけど。なんでそんな君に僕がもう一度チャンスを与えなきゃならないの?」
ウルティマはゴミ以下の存在を見る様な冷たい冷酷な目でラキュアを見る。
すると、今まで黙っていたディアブロが口を開いた。
「それに、私が一番許せないのは、偉大なる主である
リムル様とフォルテ様を侮辱した事。貴方達を許す道理などありませんよ。」
「そういう訳だから、早速始めようか。」
ウルティマの額に再び蝙蝠の紋様が浮かび上がり、右腕に金色の魔爪であるナザルネイルが装着される。
「さぁ。僕の新たな力をその身でたっぷりと味わってね♪」
「お前達に未来永劫、死ぬ事すら出来ぬ苦痛を与えてあげますよ。」
「「ヒィっぎいゃぁあああああああ‼︎」」
誰もいなくなった牢獄に、ラキュアとチクアンの悲鳴が響き渡る。
こうしてラキュアとチクアンは、ウルティマとディアブロの手によって死ぬ事すら出来ないまま、永遠といえる苦痛を味わっていくのだった。
最後の締めはラキュアとチクアンの悲鳴でした。
これから彼らは、ウルティマとディアブロによって地獄の日々を過ごす事になりましたとさ。
次回は少しオリジナルの展開となる予定です。
七つ揃った宝石が、フォルテに新たな出会いへと導く。