転生したらフォルテだった件   作:雷影

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何故アイリスとトリルがこの世界にいたのか…それが語られます。


10話 新たな仲間と豚頭族の脅威

宴会が行われるはずの村では、皆がリムルを見ていた。今日の宴会はリムルが人の姿で食事する大事な日。皆が見守るなかリムルは串焼きの肉を食べる。

肉を噛み締めていると、リムルは頭を下げて震える。

 

「りっリムル様…。」

 

「お口にあいませんでしたか?」

 

「うっうっうんっっっまぁぁい!

 

リムルの笑顔に皆は大喜び

 

「良かったなリムル。ようやく肉の味を味わえるようになったな。」

 

「ああ!美味そうものを味なく食べるのは虚しかったけどようやく味を感じることができた。あぁ生きてるって素晴らしい!」

 

「良かったねリムルさん。」

 

それから皆で楽しく宴会を始めた。皆が楽しむなか、俺は端の方でアイリス達に俺の事やカーネルのことを説明した。

 

「やっぱり此処は私たちの世界とは異なる異世界なんですね。そして、貴方は私の知る兄でなく光君達の世界のカーネルなんですね。」

 

「あぁ。私はフォルテ様の力でこの異世界で新たな命を得て復元された。」

 

「成る程。そして貴方は更に違う世界からこの異世界に転生した。その前世の世界で私達の事をゲームなどの架空の存在として知っていたと。」

 

「その通り。まぁ信じられないような話だと思うが。」

 

「確かに普通なら信じられない話ですが、私達はビヨンダードと言う並行世界…光君達の世界の存在を知ってますから。それに並行世界の存在でもまた兄さんに会うことができて私は嬉しい。」

 

「私はフォルテ様の記憶から君の事を知った。だが実際に会えるとは思わなかった。」

 

「確かにな。さてアイリス、悪いが何故君達がこの異世界に来てしまったのか教えてくれないか。」

 

「はい。あれはリーガル博士の無事が確認され半月ほど経った頃です。」

 

「何⁉︎リーガルだと!」

 

リーガルの名にカーネルが驚く。

 

「落ち着けカーネル。ビヨンダードのリーガルは善人の科学者だ。」

 

「…そうだった。済まない少し取り乱した。」

 

「いえ…あの、光君達の世界にもリーガル博士がいたのですか?」

 

「あ〜いたんだが、俺の知るリーガルはワイリーのように世界を戦慄と恐怖で支配しようする悪人でな、ディメンショナルコンバーターのエネルギーに多くのナビを犠牲にしたり、ナビを闇の力で染めてしまうダークチップをばら撒いたりしていたんだ。」

 

「そんな事を⁉︎……やはり世界が違うと同じ人物でも違うんですね。」

 

「まぁワイリーやバレルのような殆ど同じ存在もいるが。それでビヨンダードのリーガル博士は何か新しい発明でもしていたのか?」

 

「はい。光正博士の人造頭脳が残したフォッサアンビエンス解析データを利用した時空転移装置を完成させました。」

 

 

 

 

 

ビヨンダードでの実験が開始される直前。

 

「ついに時空転移装置が完成した。これで今度こそ人類とネットナビの共存を可能にした並行世界の恩人達に会うことができる。」

 

「やりましたねリーガル博士。」

 

ビヨンダードのリーガルとバレル大佐が完成した装置を見ながら話す。

 

「これでまたネットとロックマン達に会えるんだよねお姉ちゃん!」

 

「そうねトリル。光君達にはちゃんとしたお礼が言えてなかったから。」

 

「ああ、俺達は彼には感謝しても仕切れない恩がある。」

 

「私は会ったことがないが並行世界とはいえあの光正博士の息子さんやお孫さんにはちゃんとしたお礼が言いたい。それに向こうの世界ではディメンショナルエリアの研究も進んでいるとアイリスから聞いているが、まさかナビと人間の融合とは。是非ともその研究ついて教えてもらいたいものだ。」

 

リーガル博士はアイリスやバレル達から聞いたクロスフュージョンについてとても興味を持っていた。

 

「よし、実験を開始しよう。皆離れていてくれ。時空が安定する前に近くにいると何が起こるかわからない。」

 

リーガル博士の指示のもと皆が離れ持ち場着く。

 

「では実験開始!」

 

リーガル博士の指示で職員達がシステムを起動を開始。転移装置に時空の歪みが発生し亀裂が生まれ広がっていき、装置により広がる亀裂は安定していく。

 

「よし。順調に時空の歪みが安定している。」

 

リーガル博士も実験がうまくいっていることに笑みを浮かべたその時、研究所から緊急警報が鳴り響く。

 

「どうした⁉︎」

 

「大変です!歪みの中からウィルスがこちらの世界に向かって来てます!」

 

「何⁉︎」

 

リーガル博士が驚く中、時空転移装置から無数のウィルスが飛び出した。しかも獣化した獣化ウィルス

 

「どうして獣化ウィルスが⁉︎」

 

「兎に角今は避難を!獣化ウィルスは俺達が排除します‼︎」

 

そう言ってバレル大佐達が獣化ウィルスと戦う。その戦いの隙にアイリスは時空転移装置のデータを回収を試みていた。

 

「アイリス!早く避難を!」

 

「でもこのデータは守らないと!」

 

アイリスがデータをメモリーに移し終えた直後、獣化ドリームビットがアイリスに飛びかかる。

アイリスはなんとか交わしてメモリーをリーガル博士に投げる。リーガル博士がメモリーを受け取った瞬間、近くのナビの復元及び複製装置がウィルスの影響で暴走。そのエネルギーが獣化ウィルスとアイリスに流れ込む。

 

「きゃあああ!」

 

「お姉ちゃん!」

 

トリルは悲鳴を上げるアイリスを助けに行こうと向かうが、トリルにもそのエネルギーが流れ込む。

 

「うわあああ!」

 

「アイリス!トリル!」

 

バレル大佐が叫び、すると獣化ドリームビットが普通のドリームビットに戻り次々と複製され、なんとアイリスとトリルからは半透明のアイリスとトリルが出現し分離した。

 

「⁉︎貴方は!」

 

「私は…!」

 

「え⁉︎僕⁉︎」

 

「僕がもう1人⁉︎」

 

アイリスとトリル達は互いに驚くが時空転移装置までもがそのエネルギーで暴走を起こし時空が歪み辺りのものを吸い込みだした。

その際半透明のアイリスとトリルそしてビット達が時空の歪みに吸い込まれていった。

 

 

 

「そして気がついたらこの異世界にいて私とトリルは一緒に来たあのビット達に襲われて逃げていたんです。」

 

「つまりお前とトリルは装置の暴走で生まれたアイリスとトリルの複製…つまりコピー体ってことか?」

 

「多分そうです。私自身、自分の今の体が不安定なの感じますから…。」

 

確かに俺から見てもアイリスとトリルの体は実体化してるが今も安定しているとはいえない。

 

「しかし、何故時空転移装置の歪みから獣化ウィルスが出現したのかが分からん。」

 

「はい。あの時設定した時空のパターンは間違いなく光君達の世界に繋がっていたはずです。なのに何故獣化ウィルスが……。」

 

時空転移装置から獣化ウィルスが現れたことに悩むアイリス。だが俺はその原因がなんなのかわかった。

 

「それは多分向こうで超電脳獣を復活させようとしていた教授が復活させて進化した獣化ウィルス……ゼロウィルスだろう。」

 

「え?光君達の世界でそんな事件が⁉︎」

 

「ああ。教授と言うワイリーを崇拝している奴がいたんだが、そいつが異世界とはいえワイリーの意思を継ごうと超電脳獣の残骸から獣化因子を抽出し進化させたんだよ。更にその残骸から超電脳獣を復活させようとしたが、熱斗達の活躍で不完全な状態の超電脳獣は倒され、事なきを得たんだ。」

 

「良かった……。それで分かりました。その教授と言う者が復活させた獣化ウィルスがこちらの世界で開いた時空に侵入したんですね。」

 

「獣化ウィルスからすれば自分達がいた世界に帰ろうとしたのやもしれん。」

 

アイリスとトリルがこの異世界に現れた理由はわかった。でもまだ問題は残っている。

 

「そっちの話は終わったか。」

 

俺が考え込んでいると、ちょうどリムルとシズさんがこちら側に来た。

 

「今話し終えたところだ。そっちはどうだった?」

 

「それがな、かなりやばい事態かもしれないんだ。」

 

大鬼族(オーガ)達の話によれば平和に暮していた大鬼族(オーガ)の里に豚頭族(オーク)が攻めて来たらしい。格下の豚頭族(オーク)大鬼族(オーガ)に戦いを挑むなど普通はあり得ないが、武装し森を埋め尽くすほどの圧倒的な数で里を蹂躙され、300人いた同胞もこの村に来たあの6人しか生き残れなかったらしい。

 

「成る程な。ちなみに数は?」

 

「数千ぐらいだったらしい。」

 

そりゃあそんな数に攻められたら敵わないか…。そんな中、カーネルがリムルに問う。

 

「武装していたと聞くが装備は?」

 

「人間が着用しているような全身鎧(フルプレートメイル)だったらしい。」

 

「数千のオークがそんな金がかかるような装備用意できるのか?」

 

「普通に無理だそうだ。ただオーガの長の話だと軍勢の中に仮面をつけた魔人がいたそうだ。」

 

「だから仮面をつけたリムルを仲間と勘違いしたのか。それでオーガ達はこれからどうするんだ?」

 

「力を付けて再度挑むつもりらしいけど、行く当てもないようだし俺の部下にならないかって誘ってみた。」

 

「部下?……成る程な、数千のオークがオーガを襲った。そんな異常な事態が起こっているならこの村がオーク達に狙われないはずがないか。」

 

「ああ。だからこちらとしても戦力は多い方が都合がいい。まぁ決めるのはあいつらだから無理強いはしない。今はゆっくりと考えてもらっているよ。それでアイリス達は何故この異世界に?」

 

「それはな……。」

 

俺はリムルにアイリスから聞いた話を説明した。

 

「そんなことがな……それでアイリス達はこれからどうする?」

 

「私達は……。」

 

「人のいる国に行くなら送ってやれるし、国に入るのもカイジン達がうまく話してくれると思う。」

 

悩むアイリス。その時、トリルが声を上げる。

 

「僕此処に残りたい!」

 

「トリル?」

 

「だって此処にはお姉ちゃんのお兄さんがいるし、それにフォルテと一緒いれば強くなれる。そんな気がする。」

 

「トリル……さっきリムルが言っていたが、これからオークとの戦いがあるかもしれない。分離された存在とはいえお前を巻き込む訳にはいかない。」

 

「でも、僕は強くなりたい! それにフォルテには僕がついていた方がいいと思う。フォルテの中に超電脳獣がいるんでしょ!」

 

トリルの言葉に俺は目を開き驚く。それはアイリスも同じだった。

 

「トリル、何故それを…。」

 

「なんとなくだけど感じるんだ。フォルテの中から超電脳獣の気配を。」

 

そういえば、トリルは獣化因子の抗体シンクロナイザーだったな。その力が俺の中に眠る超電脳獣の存在に反応しているのか。

 

「フォルテ…さっきの話は…。」

 

「隠してた訳ではないが済まない。確かに俺の中には超電脳獣の核が眠っている。」

 

俺はこの異世界に転生するときに思ったことがこの世界でスキルや自分の力となった事を説明した。

 

「その中で超電脳獣の事も思った結果、その核が俺の中に宿った。この超電脳獣が目覚めて暴れだしたとしても、抑えられるように俺は強くなる、そう決めたんだ。」

 

「だったら僕の力が役に立つと思うよ。だからフォルテと一緒にいさせて!」

 

「何故そうまでして俺に?」

 

「僕はいつもロックマンや皆に守ってもらってばかりだった。だから僕自身強くなろうって決めた。でも、ビット達に襲われた時も僕は何もできなかった。だから僕の前で皆を守ったフォルテの力に憧れたんだ。そんなフォルテみたい強くなりたいし、フォルテの役に立ちたいんだ!」

 

真剣な瞳で俺を見つめるトリル。…こんな決意を断る事だけの理由を俺は待ち合わせていない。それに、トリルの言うようにシンクロナイザーの力が必要な気がした。

 

「わかった。ただ無理な事はしないようにな。」

 

「うん、ありがとうフォルテ!」

 

そう言って俺に抱きつくトリル。

 

「トリル…。リムルさん、フォルテ、すみませんが此処にいさせてもらってもいいでしょうか。」

 

「フォルテが良いって言ってたろ。なら俺も別に良いよ。」

 

「ついでだ、アイリスとトリルの不安定な体もこの世界に適したものにしないとな。」

 

「え?そんな事が⁉︎」

 

「俺のスキルならそれができる。ただしネットナビでなくなるがいいか?」

 

「構いません。どちらにしてもこの不安定な状態では皆さんの役に立ちませんからお願いします。」

 

「僕もいいよ!」

 

「わかった。それじゃ始めるぞ、電脳創造(サイバークリエイト)!」

 

俺は2人の身体を再構成を開始。所々にある不安定な部分も含めて、魔素を送りながら組み直していく。そして全ての工程が完了した。

 

「これで良し。2人共身体の調子はどうだ。」

 

「凄い…さっきまでと違って違和感が無くなって身体が軽くなりました。」

 

「凄い凄い! とっても動きやすいよー!」

 

トリルは元気に走り回る。

 

「それでだ。再構成された2人に改めて名付けをしたいんだがいいか?」

 

「名付けですか?」

 

フォルテはこの世界の魔物の名付けについて説明する。更にカーネル達に名をつけた時のことも話した。

 

「大丈夫なんですか⁉︎」

 

「まぁあの時と比べたら魔素量もあるから大丈夫な筈だ。それにこの名付けは2人の為でもあるからな。」

 

「…分かりました。」

 

「うん。」

 

「なら改めてよろしくな、アイリス、トリル。」

 

2人に前と同じ名を与えた直後に魔素がごっそり減り2人が輝く。

 

「凄いです。身体に何か力を感じます。」

 

「僕も! ひょっとしたら明日には大きくなってたりして!」

 

トリルは笑いながら言う。…まさかな。だが、リグルドのこともあるからなんとも言えない。

 

 

 

 

 

翌日……フラグが回収された。

 

 

「………トリルだよな?」

 

「うん……僕だよ。」

 

「私も話には聞いていましたが、こんな急速に成長するなんてこれが進化の力…。」

 

俺達の目の前には、俺やアイリスと同じくらいに身長が伸び、黄色ボディのロックマンとも言える姿となったトリルが立っていた。

 

「成る程……トリルはロックマンと何度も融合しているし、最後の融合は分解されたデータからのフルシンクロの融合だったからロックマンのデータが身体のモデルになったってことだろう。後は、やはりトリル自身ロックマンのように強くなりたいと思っていたはず。」

 

「確かに僕はロックマンのように強くなりたいって思っていたけど、でも姿まで殆ど同じなったのは驚いたよ。」

 

なんか姿だけでなく性格もアニメのロックマンみたいになったな。

後は進化したことで俺と同じ武装変換(ウェポンチェンジ)や一部耐性スキルを獲得したらしいが、なんとユニークスキルとして属性変身(スタイルチェンジ)も獲得したらしい。

 

「成る程……トリル。これからは俺達との模擬戦に参加するか?」

 

「え、いいの⁉︎」

 

「ロックマンの姿になったのなら、ロックマンと同じ戦い方や能力を発揮できるはずだ。現に属性変身(スタイルチェンジ)をユニークスキルとして獲得している。それにその身体に慣れないといけないし、強くなりたいんだろ?」

 

「うん!」

 

「なら決まりだ。リムルにも説明しに行くか。」 

 

だが俺達が向かった頃には、リムルは大鬼族(オーガ)達の名付けを終えて低位活動状態(スリープモード)になっていた。

 

そして、更に翌日には大鬼族(オーガ)達はリムルの名付けにより鬼人へと進化した。

 

大鬼族(オーガ)の若長は紅丸(ベニマル)。巫女姫は朱菜(シュナ)。胸の大きい女性が紫苑(シオン)。老人は初老くらいまで若返った白老(ハクロウ)

青い髪の男性が蒼影(ソウエイ)。最後の大男が黒兵衛(クロベエ)

 

姿は人間に近くなりイケメンや美少女、美女にロマンスグレイになっていた。

鬼人とは大鬼族(オーガ)の中から稀に生まれる種族であり、6人もの大鬼族(オーガ)が全員鬼人に進化するのは前代未聞らしい。

 

リムルが目覚めるまで俺はトリルの特訓に付き合った。最初は進化した身体の把握から始めた。基本はやはりロックマンと同じで、武装変換(ウェポンチェンジ)で使用武器を変えて戦う。そして属性変身(スタイルチェンジ)も同じで自身の属性と姿を変えて戦う能力。

 

まぁアニメの決まった属性スタイルになるようだが、ひょっとしたらサイトスタイルまで使えるかもしれない。

トリルにはまずバスターで撃つ練習を繰り返してもらい、そのあとは村の周りをランニングしてもらった。身体を慣らすにはこれくらいがいいだろう。

 

トリルが走っているのを見守っていると、ベニマルがやってきた。

 

「どうしたベニマル。何かあったか?」

 

「いえ、俺もトリルの訓練を見に来まして。リムル様から話は聞いていましたが、やはりフォルテ様同様に俺達とは違う力があるようですね。」

 

「まぁな。ところで、何故俺まで様付けだ? お前達はリムルの部下になったんだろ?」

 

「何を仰いますか。フォルテ様はリムル様と同格…いやリムル様には失礼ですが、フォルテ様の力はリムル様より上だと思っています。」

 

「俺がか?」

 

「はい。あの強大な魔獣をオーラごと消し去ったあの力に俺は圧倒されました。」

 

「俺は戦う力は確かに強いだろうが、リムルには俺にない強さがあるからな。」

 

前世でもリムルは大手のゼネコンの会社に勤めていたし、今もなんだかんだ言って皆をまとめている。

 

「そうですね。でも俺はフォルテ様ほどの力はありません。もし俺にフォルテ様のような力があれば里の仲間を守れたはずだと思っています。」

 

「ベニマル……今は違うだろ。」

 

「フォルテ様……はい。」

 

3日後、リムルは目覚めて鬼人やトリルの姿に驚いたのは言うまでもない。

 

その頃、ジュラの大森林で起こった異変は確実に侵食していき、シス湖のリザードマンの領域まで近づいていた。




名付けによってロックマンの姿に成長したトリル。
これからのトリルの成長を見守っていてください。
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