転生したらフォルテだった件   作:雷影

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今回、タイトルに記載している通り魔王の…フォルテの恩返しがある者達に行われます。
どんな恩返しかは…続きをどうぞ。


132話 コラボ編 魔王の奇跡と恩返し

時空を安定させる作業の中で、新たな仲間と愛刀を手に入れたフォルテ。

 

現在フォルテはインターネットコロシアムの観客席から新たに仲間になった蟻の王であるネグロの実力を改めて確認していた。

 

今回再現されたフィールドは洞窟内部の広大な空洞。

 

対戦相手としてレーザーブーストフォームに変身が出来るカズマ、湊翔、白夜の三人に頼み、ネグロは三人纏めて相手をしていたのだが…。

 

「うわっ!」

 

「だあっ!」

 

「ガハッ!」

 

 

元々凄まじい力を持つ蟻の王であったネグロはフォルテの名付けによって更なる力を得て種族的にも進化している。

そんなネグロの素速すぎる動きと圧倒的な力の前に三人は簡単に殴り飛ばされ壁に激突した。

 

「かはっ!……マジで強えぇ。」

 

「蟻の魔物と聞いてはいたが……桁違いの強さだ。」

 

「本当に蟻の魔物かよ…。」

 

蹌踉めきながらなんとか立ち上がるカズマ、湊翔、白夜。

三人はフォルテから時空の正常化の作業中に時空を漂う蟻モンスターの亡骸を回収したのでせっかくだから蘇らせて仲間にしたので、三人に実力を見て欲しいと頼まれた。

 

三人は蟻モンスターと聞いて引き受けたのだが、現れたのは全長2メートルはある二足歩行の人型の蟻モンスターだった。

 

頭や背の翅と尾は確かに蟻だが、全身が板金鎧(プレートアーマー)の様な漆黒の外骨格に覆われていながら無駄の無い洗練された体型をしていた。

そして肩、腕、脚にフォルテXX(ダブルエックス)に酷似した紫のラインが刻まれており、背中の翅も薄紫で全身の関節部分が常に紫に発光していた。

 

初めてネグロを見た湊翔達は、顔だけ蟻の悪魔だと思った。

 

そんなネグロと戦闘する事になった湊翔達は、ネグロから放たれる凄まじい妖気(オーラ)に油断していたらすぐ負けると悟り、最初からレーザーブーストフォームに変身したのだ。

 

 

そして現在。

三人の予想は当たり、ネグロの一撃で壁に叩きつけられた三人は警戒しながら構えている。

その様子を、ネグロはその赤い複眼で見据えていた。

 

「今度はこっちが仕掛けるぞ!」

 

「おう!」

 

「ああ!」

 

湊翔の声にカズマと白夜は答えると同時に左右に跳び退くと、湊翔は自身のレーザーブーストフォームの能力である重力操作で自分の周囲の大岩を浮遊させる。

 

「くらえ!」

 

湊翔は浮遊させた大岩をネグロ目掛けて弾丸の様に弾き飛ばした。

迫る大岩に対しネグロは慌てる事なく右手の中指の指先から光の鞭を伸ばしてしならせると、大岩目掛けて高速で光の鞭を振るって大岩を真っ二つに切断した。

 

「なっ!」

 

驚く湊翔に向かってそのまま光の鞭が襲い掛かり、湊翔は鞭で打ち飛ばされた。

 

「ぐわっ!」

 

打ち飛ばされ地面に転がる湊翔。

 

「この野郎!」

 

それを見たカズマは伸縮自在な自身の腕を伸ばして勢いよくネグロに向かって飛ばした。

 

凄まじい勢いで迫るカズマの拳を、ネグロは身体を軽く反らして躱しながらその腕を掴んだ。

 

「えっ⁉︎」

 

躱され腕を掴まれた事に動揺するカズマだが、ネグロはそのまま掴んだ腕ごとカズマを振り回す。

 

「うわー!」

 

カズマは抗うことすら出来ずに振り回される。

そして、ネグロはそのままカズマを投げ飛ばして石柱に叩きつけた。

 

「ぐっは!」

 

石柱に叩きつけてられたカズマがそのまま落下し地面に倒れたその時、白夜が高速移動でネグロに接近して背後を取った。

 

「もらった!」

 

白夜はネグロ目掛け拳を繰り出したのだが、白夜の拳が当たる直前にネグロの姿が消え白夜の拳は空振りとなった。

 

「なに⁉︎」

 

ネグロが消えた事に驚愕する白夜だが、ネグロはその白夜の背後にいた。

そして、裏拳を放って白夜を真横に打ち飛ばした。

 

「グフッ⁉︎」

 

ネグロの裏拳を喰らった白夜は、地面の上を何度も弾みながら倒れた。

 

 

……反撃した筈の湊翔達がほぼ一瞬のうちに返り討ちとなった。

 

「くっ!…なんて強さだ。」

 

「此奴…絶対蟻じゃないよな⁉︎」

 

「これ程の強さを持った蟻型のモンスターがいたなんてな…。」

 

湊翔、カズマ、白夜はそう言いながら立ち上がるとネグロに向かって構え直す。

 

すると、ネグロは両手の指先を鋭利な刃の様な爪へと変化させて伸ばした。

 

「キエエエエエエ!」

 

ネグロが凄まじい咆哮を轟かせると同時に氷魔法で自分の周囲から無数の鋭利な氷柱を次々と作り出し湊翔を攻撃する。

 

「くっ!」

 

「うわっ⁉︎」

 

「チィッ!」

 

迫る鋭利な氷柱に湊翔、カズマ、白夜は跳び退き躱すと、ネグロはその鋭利な爪で湊翔達目掛けて氷柱を斬り飛ばす。

 

迫る氷の塊に対し湊翔とカズマはレーザーレイズライザーで銃撃し、白夜は拳で殴り砕いた。

 

それを見たネグロは自分の左右に黒紫の光輪を出現させる。

 

「なっ⁉︎あれはフォルテの⁉︎」

 

それを見た湊翔は驚き声を上げる。

 

ネグロが出現させたのは、フォルテの技である地獄光輪(ヘルズローリング)だったのだから。

 

フォルテの名付けによる進化の際に得たフォルテの魔素を捕食したネグロは、フォルテの技をある程度使える様になっていた。

 

ネグロはそのまま左右の地獄光輪(ヘルズローリング)をカズマと白夜に向かって放ち、その後すぐにもう一つ地獄光輪(ヘルズローリング)を瞬時に作り出し湊翔に向かって放った。

 

迫る地獄光輪(ヘルズローリング)を湊翔達は跳び退き躱すと、通り過ぎた光輪は石柱を両断した。

 

その光景を目の当たりにした三人の意識がそちらに向いてしまった僅かな隙をネグロは逃さず、凄まじい速度で湊翔の背後に回り込み爪を構える。

すると、ネグロの爪に紫の妖気(オーラ)が纏わりより鋭利な爪と化した。

これは、フォルテの闇之武装刃(ダークアームブレード)をネグロが応用した技であり、名付けるなら闇之武装爪(ダークアームクロー)だ。

 

 

ネグロはそのまま湊翔に向かって腕を振り下ろそうとした瞬間、ネグロの気配を察した湊翔は振り返りながら腕で防御した。

 

ネグロの爪を喰らった湊翔はそのまま切り飛ばされ地面に叩き付けられる。

 

「ぐっ!」

 

「湊翔!」

 

「大丈夫か⁉︎」

 

カズマと白夜は地面に叩き付けられた湊翔の元へとすぐさま駆け寄ると、湊翔はなんとか起き上がり口を開いた。

 

「ああ…なんとかな。だが、さっきの攻撃はヤバかった。」

 

そう言いながら湊翔はネグロの爪を防いだ腕を二人に見せる。

そこには、ネグロの爪撃で切り裂かれた腕の装甲があった。

 

「おいおいマジかよ⁉︎」

 

それを見たカズマが声を上げる。

何故なら、敵の剣で斬られダメージを受ける事はあっても、アーマーの装甲はかなりの硬度があるゆえに傷はついても切り裂かれる事は今までなかったからだ。

 

「このままだと確実に負ける。」

 

「なら、…一気に決めるしかないな!」

 

湊翔の言葉に白夜はそう言ってブーストマークⅡレイズバックルのスロットルレバーであるブーストスロットルマークⅡを握り締める。

それを見た湊翔とカズマも同じ様に握り締める。

 

そして、三人は同時にスロットルマークⅡを2回以上捻り、再度力強く捻り必殺技を発動する。

 

『『『 BOOST(ブースト) TIME(タイム)』』』

 

湊翔、カズマ、白夜は凄まじい速度でそれぞれ白、緑、黄の閃光となってネグロの向かって突っ込む。

 

『『『HYPER(ハイパー) BOOST(ブースト) GRAND(グランド) VICTORY(ビクトリー)』』』

 

それに対し、ネグロはその赤い複眼を光らせ湊翔達に負けない速度で加速する。

 

ネグロの赤い閃光が合わさり、洞窟内を赤、白、緑、黄の四色の閃光が絡み合いながら駆け巡り、湊翔達の炎を纏いし拳と、ネグロの闇之武装爪(ダークアームクロー)がぶつかり合い火花を散らす。

 

 

やがて、湊翔達の速度が低下しネグロの攻撃を捌ききれなくなり、三人は一撃を喰らって地面に倒れる。

 

「ぐわっ!」

 

「ぎゃあ!」

 

「ぐっ!」

 

レーザーブーストフォームの必殺技を持ってしても敵わなかった三人だが、諦めずなんとか立ち上がる。

 

すると、三人の前にネグロは現れ右手の爪に力を込めると、ネグロの右爪に蒼い龍が纏わり付く。

 

ネグロがそのまま湊翔達目掛けて右腕を振るった瞬間、右爪に纏わっていた蒼龍が衝撃波となって放たれた。

 

そう。殺生丸の技である蒼龍破だ。

 

放たれた蒼龍破が湊翔達を襲う。

 

「ぐあああ!」

 

「どわああ!」

 

「ぐはああ!」

 

蒼龍破をまともに喰らった三人は吹き飛び変身が解除された。

 

「そこまで!」

 

それを見たフォルテは声を上げ戦闘を終了させた。

 

フィールドが戻り元コロシアムに戻ると、フォルテは三人の元に駆け寄る。

 

「三人共、大丈夫か?」

 

「……これが大丈夫に見えるか?」

 

フォルテの言葉にカズマは恨めしそうに口を開いた。

 

「…あの蟻モンスターは強すぎる。」

 

「あんな蟻がいたとはな…。」

 

湊翔と白夜はそう口を開いて言う。

 

「だが良い戦いだった。ネグロにとっても良い経験となった。」

 

そう言ってフォルテはネグロの方に顔を向ける。

 

「ネグロ。三人の傷を治してやってくれ。」

 

「はっ!畏まりました。」

 

フォルテの声に応えネグロは湊翔達の側に寄り手を翳すと、ネグロの手から淡い緑の優しい光が放たれ湊翔達の傷を癒した。

 

「回復魔法も使えるのかよ⁉︎」

 

「しかもかなり高度な回復魔法の様だ。」

 

「ああ。傷があっという間に完璧に治ってやがる。」

 

先ほどの戦闘で負った体の傷が、ネグロの治癒魔法で完治した事に湊翔達は驚愕した。

 

「ネグロ。湊翔達と戦ってみてどうだった?」

 

「……正直に申しますと弱いです。ですが、このさき更に強くなる可能性は充分あります。」

 

「…へっ!言ってくれる。」

 

ネグロの言葉に白夜はそう呟いた。

 

「そうか。じゃあこれからしばらく湊翔達との手合わせをネグロに任せるか。」

 

「お断りします!」

 

フォルテがそう言うと、カズマはすぐさま拒否した。

 

「あんな無茶苦茶に強い奴の相手をこの先続けたら、こっちが保たないわ!」

 

「……だが、カズマ達は元の世界に戻ったら向こうの魔王を倒さないといけないのだろう?この先現れるであろう魔王軍の中にネグロ並に強い奴がいたらどうする?」

 

「うっ…。」

 

フォルテの言葉にカズマは黙り込む。

実際カズマ達はデザグラで神と戦ったり、ハンドレッドのせいでフォルテ達の世界に来てかなりの激戦をした。

今後、似た様な事が起こる可能性は高いのだ。

 

「……フォルテの言う通りだな。」

 

「なら、これからしばらく頼むぜ!」

 

湊翔と白夜は納得した。

こうして、湊翔達はネグロを相手にした特訓をしばらく続ける事になったのだった。

 

 

新たな仲間であるネグロがそんな活躍している頃、同じ新たな仲間であるエイトの方は、…猗窩座の道場で素流の技を学んでいた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ……!」

 

人間の姿で柔道着を着て汗だくになって息を切らしているエイト。

因みに、元の名字を入れて日比野エイトと名乗っている。

 

「…大分動きは良くなったな。この短期間にここまで動きが良くなるとは、真面目に俺の課題を熟し続けたお前の努力の成果だな。これからも、精進を続けていれば必ず俺の技が身につく。…期待しているぞ。」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

猗窩座にそう言われ返事するエイト。

 

何故エイトが猗窩座の道場で鍛錬しているのか?それは、エイトは本家カフカの様に怪獣8号の身体能力と回復能力に頼り切った戦法をとる癖がついているので、猗窩座の元で素流の技を身に付けさせようとフォルテが考え提案したからだった。

 

エイトが猗窩座の素流の技を…破壊殺を身に付ければ凄まじい戦力になるのは間違い。

 

エイト自身も強くなる為にフォルテの提案を聞き入れ、猗窩座の元で真剣に鍛錬を続けているのだった。

 

エイトが汗を流して必死に努力している頃、シルドニアはベスター達と共に研究をしその後は…。

 

「うむ!美味じゃ美味じゃ!」

 

朱菜達が作る料理やお菓子を美味しそうに食べていた。

元の世界で人類の命運を賭けた戦いに剣として身を投じていたシルドニアには、この世界で平和を満喫してもらっているのだ。

 

「ふふ。いっぱい食べてくださいね。」

 

美味しそうにお菓子を食べるシルドニアを見ながら朱菜は追加のお菓子を出した。

 

「おお!感謝するのじゃ。」

 

シルドニアは出てきた追加のお菓子を食べる。

 

「う〜!やはりこの世界の菓子はどれも美味じゃな。特に朱菜が作ってくれる菓子は最高じゃ!」

 

「ありがとうございます。ですが、この世界には私の料理よりすごい料理もありますし、フォルテ様の料理も美味しいですよ。」

 

「なんと!フォルテは魔王なのに料理も出来るのか⁉︎」

 

「はい。気分転換などで良くお作りして私達にくださいます。シルドニアもいつか是非食べてみてください。」

 

「うむ!それは楽しみじゃな。」

 

朱菜と楽しく会話しながらお菓子を食べ続けるシルドニアだった。

 

 

 

新たな仲間達が魔国連邦(テンペスト)でそれぞれの日々を過ごし馴染み出したのを確認したフォルテは、自分の新たな愛刀の力を試そうとしていた。

 

 

「……ゼロの報告通り、電脳魔獣(ウィルス)化した電子獣(デジモン)がこれほど大量に発生しているとはな。」

フォルテの目の前には、その場を埋め尽くす電脳魔獣(ウィルス)化した電子獣(デジモン)の軍勢がいた。

 

しかも、厄介な事にその電子獣(デジモン)の殆どが、触手の様な両大な両手に鋭い赤い爪を伸ばし腹部に緑の発射口を備え青い外骨格に覆われたディアボロモンだった。

 

ディアボロモンとは、デジモン映画僕らのウォーゲームに登場したラスボスであり、唯一単位増殖が可能なデジモン。

 

その能力で何万もの自分を複製を作り上げた。

そんなディアボロモンが数万の軍勢となってフォルテに迫っている。

しかも、ディアボロモンだけでなく、ディアボロモンに恐竜と蜘蛛の要素が混ざった様な黒紫のデジモン…アーマゲモンも数百体いるのだ。

 

アーマゲモンとは、ディアボロモンの幼年期であるクラモンが大量に融合して誕生する超究極体。

その力は凄まじく映画ディアボロモンの逆襲では、オメガモンとインペリアルドラモンFM(ファイターモード)を倒す殆ど。

 

そんなアーマゲモンがディアボロモンの軍勢に混じって数百体いるのだ。

 

「やはり、…冥黒王の影響だな。」

 

そう、突然こんなディアボロモンとアーマゲモンの軍勢が発生した原因は冥黒王の時空干渉だった。

 

本来稀に電子獣(デジモン)が誕生する際の情報(データ)電脳魔獣(ウィルス)電脳病魔(バグスター)情報(データ)が混ざって電脳魔獣(ウィルス)化してフォルテシティに現れるが、ハンドレッドと冥黒王の騒動が原因でフォルテシティとデジタルワールドの境が乱れ電脳魔獣(ウィルス)化した電子獣(デジモン)が大量に発生し易くなってしまったのだ。

 

それで、ブラック達やロイヤルナイツに討伐を頼んでいたが、皆が他を相手している間にこのディアボロモンの軍勢は突如出現しフォルテ自ら討伐に出たのだ。

 

「……ラスボス電子獣(デジモン)の軍勢。新たな力を得た叢雲牙(そううんが)の力を試すには丁度良い相手だ。」

 

そう言ってフォルテは亜空間から叢雲牙(そううんが)を取り出し手にする。

 

『ほう。これは潰しがいのある軍勢だな。』

 

「新たな力を得た初陣には丁度良いだろ?」

 

『ああ。この叢雲牙(そううんが)の力を振るうが良い!』

 

フォルテの叢雲牙(そううんが)を真上に掲げて円を描く様に掲げた腕を振り回すと、上空に赤い魔素(エネルギー)の球体が出現し、フォルテの周囲を叢雲牙(そううんが)の邪気とフォルテの妖気(オーラ)が混ざり合い荒々しく渦巻く。

 

そして、赤い球体に十分な邪気と妖気(オーラ)が集約されると、フォルテは掲げていた叢雲牙(そううんが)をディアボロモンの軍勢に向かって勢い良く振り下ろす。

 

獄龍破(ごくりゅうは)!」

 

振り下ろされた叢雲牙(そううんが)の刃から邪気と妖気(オーラ)を集約させた赤い魔素(エネルギー)の球体を放った。

放たれた赤い球体に黒い竜巻が纏わり凄まじい暴風となってディアボロモンの軍勢に襲い掛かる。

 

放たれた獄龍破は進みながら拡大してゆきディアボロモンとアーマゲモンを次々と呑み込んでゆくと、獄龍破に呑み込れたディアボロモンとアーマゲモンに紫電が駆け巡り帯電すると跡形も無く消滅していった。

 

この力こそ、フォルテが叢雲牙(そううんが)に与えた殺生丸自身の刀である爆砕牙の力。

フォルテの放った獄龍破には爆砕牙の爆砕の力が加わっており、獄龍破に呑み込れたり触れたものは問答無用で爆砕の力が消滅するまで破壊され続けるのだ。

 

やがて拡大しながらディアボロモンの軍勢を呑み込んでゆく獄龍破によって数万はいたディアボロモンと数百体のアーマゲモンは跡形も無く消え去った。

残ってのは、獄龍破によって破壊された跡のみだった。

 

「流石は叢雲牙(そううんが)。凄まじい力だ。」

 

『フッフッフッ。我の力を持ってすればあのような軍勢は敵ではない。それに加え、使い手がフォルテ貴様なら尚更よ。』

 

「ふっ。そうか。」

 

叢雲牙(そううんが)と会話しながらほくそ笑むフォルテ。

叢雲牙(そううんが)は鉄砕牙と天生牙が側にいると獄龍破の威力を下げるが、フォルテの創世の力によって鉄砕牙と天生牙の力を得た事で逆に威力が上昇しているのだ。

 

「さあ、次の能力を試そうか。」

 

『ああ。』

 

フォルテが叢雲牙(そううんが)を前に突き翳すと、叢雲牙(そううんが)から紫の波動が放たれると、獄龍破が通過した場所から何万もの紫の怨霊の様な者達が現れ蠢いている。そして、叢雲牙(そううんが)の刀身に紫の怨霊達が吸い寄せられ吸収されてゆく。

叢雲牙(そううんが)の新たな能力魂喰い(ソウルイーター)だ。

 

『…先ほどの奴らの魂は全て喰らいつくした。』

 

「じゃあ、此処からが本番だ。」

 

フォルテはそう言うと、息を吸い込み声を上げる。

 

「我らによって倒されし者共よ!新たな肉体を得て甦えるが良い‼︎」

 

フォルテが叫んだ次の瞬間、叢雲牙(そううんが)の刀身から血の様な赤い液体が滲み出始めそのまま滴り落ちてゆく。

 

まるで無限に湧き出る血の様に止まる事なく刀身から流れ出る赤い液体が、獄龍破の跡地を全て満たすと、赤い湖が出来上がった。

そして、赤い湖が時間が経てば血が黒くなる様に黒く変色してゆき赤黒い湖へと変わると、赤黒い液体から何かが這い出てくる様に次々と姿を現す。

 

赤黒い液体から現れたのは、先程獄龍破で葬った数万のディアボロモンと数百のアーマゲモンの軍勢だった。

ただ、先程までと違い全身がロックマンEXEのナビDS(ダークソウル)の様に紫に染まっており、目が存在せず眼窩の奥から赤黒い眼光を放っている。

 

「闇の軍勢の誕生だな。」

 

これこそが、叢雲牙(そううんが)の能力である斬った者を魂なき亡者として甦えらせ支配する力。

その能力をフォルテが創世の力で強化され、叢雲牙(そううんが)の邪気と瘴気とフォルテの妖気(オーラ)で作り上げた生前の肉体を再現した依代を与えて復活させる事が出来る様になった。

 

フォルテの妖気(オーラ)が加わり紫に染まった闇の兵士達はフォルテの命令を聞く魂亡き兵士。

生前の能力を発揮出来るだけでなく、傷つけられようが瞬く間に再生する能力も備わっている。

仮に倒されても、魂は叢雲牙(そううんが)が取り込んでいるので何度でも兵士として復活させる事が出来る。

 

そんな魂亡き闇の兵士として、数万のディアボロモンと数百のアーマゲモンは復活しフォルテの戦力となった。

 

甦えったディアボロモン達は一斉にフォルテに跪く。

 

「俺の力で多少変わってはいるが凄まじい力だなやはり。」

 

『フッフッフッ。そうであろう。だが、フォルテの力が加わったお陰で亡骸がなくとも甦えらせる事が出来るのはやはり大きい。』

 

「まあこれで、俺達はかなりの戦力を手に入れられた。感謝するぞ叢雲牙(そううんが)。」

 

『ふっはっはっ。その言葉、素直に受け取ってやろう。』

 

その後、叢雲牙(そううんが)の能力で甦えり闇の兵士となったディアボロモンとアーマゲモンの軍勢は、俺の影の中へと全て入った。

闇の兵士達には影移動のスキルが備わっていた。

やはり、…水篠旬の影の兵士に似ている。

 

 

 

 

 

その後、新たな戦力を得たフォルテは今日の目的を果たす為に宝太郎、クロトー、アトロポスを俺の居城の一つ海道邸改めてフォルテ邸の自室に招待した。

 

「わざわざ来てもらって済まない。」

 

「いや、それは構わないさ。」

 

「それで、僕達だけを呼んだ理由はないかな?」

 

「私達を集めたんだ。何か理由があるんだろう?」

 

宝太郎、アトロポス、クロトーが口々にそう言うと、フォルテは真剣な表情で口を開く。

 

「今回のハンドレッドと冥黒王による侵攻に対して宝太郎達の援護は助かった。だからこそ、俺は宝太郎達にお礼がしたかった。」

 

そう言いながらフォルテはゆっくりと宝太郎の元へと歩む。

 

「そして、俺は偶然にも新たな力を得た。その力なら宝太郎とアトロポス、クロトーの大切な人を甦えらせられる。」

 

フォルテの言葉に宝太郎達は目を見開き驚愕する。

 

「宝太郎。お前の持つデイブレイクザ・サンには九童りんねの魂が宿っているんだったな。」

 

「あ、ああ…。」

 

そう。フォルテは宝太郎の話を聞き、その中で九童りんねの魂がデイブレイクザ・サンと融合しずっと宝太郎を支えていた事を知った。

 

逢魔時王の力を得た後、その力でガッチャードの歴史を再確認にもした。

 

「…俺はある現象で逢魔時王と創世の力を得た。逢魔時王と創世の力を組み合わせれば、九堂りんねを人間として復活させられる筈だ。」

 

フォルテ更なる言葉に宝太郎達は受け止めきれずにいた。

死者の蘇生…それは誰もが願い無し得なかったものだから。

 

「この世界で俺達は一度皆を生き返らせた。その時は魂と肉体が揃っていて奇跡が重なったから出来たことだった。だが、今の俺なら創世の力で生前の肉体を完璧に再現出来る。」

 

そう言って力強く拳を握るフォルテ。

 

「だが、これは俺が勝手にやって良い事じゃない。宝太郎達の気持ちがないより大事だ。だから敢えて問い掛ける。九童りんねを人間として生き返らせる事を望むか?」

 

フォルテはじっと宝太郎達を真剣な表情で見据えながら言う。

宝太郎達は、フォルテの眼差しから嘘ではないと理解した。

 

宝太郎の息が上がる。

九堂が…失った仲間が本当に生き返る。

宝太郎は震える手でデイブレイクザ・サンのカードを取り出す。

 

「九堂…。」

 

『宝太郎…。』

 

すると、デイブレイクザ・サンから女性の声が聞こえる。

そう。…九堂りんねの声だ。

 

「九堂…俺は、俺はフォルテの言葉を信じたい。九堂と…もう一度会いたい。」

 

それは宝太郎の本心。

デイブレイクザ・サンとして共にいてくれた九童りんね。

それでも、自分のせいで死なせしまった事に変わらない。

だからこそ、宝太郎はりんねが生き返るなら生き返って欲しいと心の底から願ったのだ。

 

宝太郎の思いを聞いた九堂りんね。

 

『宝太郎…私も、私も宝太郎ともう一度生きたい。』

 

りんねも宝太郎と共に生きる事を望んだ。

 

「なら、僕も願うよ。りんねちゃんとはまだ仲直り出来てないから。」

 

『アトロポス…。』

 

アトロポスもりんねの蘇生を願った。

 

それを聞き頷くフォルテ。そして、今度はクロトーの方へと振り向き口を開いた。

 

「クロトー。ラケシスが使っていた口琴。今持っているか?」

 

「あっ、ああ…。」

 

クロトーは言われるがままラケシスの口琴を取り出した。

 

「…少し触れても良いか。」

 

「ああ…。」

 

クロトーは震える手でフォルテに口琴を渡す。

まるで……何かを願っているかの様に。

 

 

クロトーから口琴を受け取ったフォルテは、じっと口琴を見つめて調べる。

………そして、口琴にラケシスの魂が宿っていることが判明した。

 

「間違いない。この口琴にラケシスの魂が宿っている。クロトーから願えばラケシスも甦えらせられる筈だ。」

 

フォルテの言葉を聞いたクロトーは、勢いよくフォルテの両肩を掴んだ。

 

「本当か⁉︎本当にラケシスを甦えらせられるのか‼︎」

 

凄まじい勢いと圧でフォルテに問い掛けるクロトー。

それだけ、クロトーはラケシスを…家族を思っている証だった。

 

「…ああ。俺を信じて願ってくれるなら出来る筈だ。」

 

フォルテは真剣な表情のままクロトーの目を見て言う。

 

「……分かった。私もお前を信じる。」

 

そして、フォルテによるりんねとラケシスの蘇生が行われる。

 

宝太郎からデイブレイクザ・サンを…りんねを受け取るフォルテ。

 

「じゃあ、始めるぞ。」

 

「ああ。」

 

フォルテの言葉に宝太郎は頷き少し離れると、両手を合わせて祈りを始める。

宝太郎の隣でアトロポスてクロトーも祈りを捧げる。

 

三人の祈りを受けたフォルテは、逢魔時王の力からギーツⅨ、Xギーツ、ドゥームズギーツ…三人分の創世の力を引き出し、自身の創世の力を発揮し合わせる。

 

「さあ、その願いを叶えよう!」

 

そして、フォルテが創世の力を発揮する。

 

ゴーン!ゴーン!ゴーン!

 

フォルテが創世の力を発揮すると、何処からともなく鐘の音が鳴り響き、周囲が青白い光の粒子に満たされながら光に包まれる。

 

 

 

 

やがて光が収まり宝太郎達が目を開けると、宝太郎達の前に二人の女性が立っていた。

1人は黒い長髪で青い制服に青いマントを羽織った清楚な雰囲気の美少女と、もう1人がアトロポスとクロトーの様な金の装飾が施された黒い服装を着た目に赤い隈取を入れ頭に黒いフェイスベールを被った女性。

 

「……九堂。」

 

「…宝太郎。」

 

「ラケシス…。」

 

「ラケシス!」

 

「アトロポス、クロトー。やっと会えましたわ。」

 

そう。九堂りんねとラケシス。

二人はフォルテの創世の力により生前とまったく同じ状態で甦える事が出来たのだ。

 

「…九堂!」

 

「宝太郎!」

 

宝太郎と九堂は駆け出し互いに抱きしめ合う。

二人は涙を流しながら強く抱きしめ続ける。……この奇跡を確かめ合う様に。

 

「…おかえりラケシス。」

 

「只今ですわアトロポス。それにクロトー。」

 

「……ラケシス!」

 

アトロポスはラケシスを見ながらほくそ笑み、ラケシスもアトロポスとクロトーを見ながら笑顔を浮かべる。

そんなラケシスを見てクロトーは泣くのを我慢し耐えながら、目から涙が滲み出していた。

 

宝太郎達がこの奇跡の再会に喜び合う光景を、フォルテは少し離れてから優しい笑みを浮かべながらしばらく見ていた。

 

 

 

 

しばらくして落ち着いた宝太郎達は改めてフォルテに感謝の言葉を述べる。

 

「…本当に九堂と再会させてくれてありがとうフォルテ。」

 

「私からもありがとうフォルテ。」

 

「僕からも礼を言いよ。」

 

「私も、アトロポスとクロトーと再会させてくれて感謝しますわ。」

 

「私からもだ。感謝する。」

 

「その礼は素直に受け取らせてもらおう。俺も、宝太郎達に助けられた身だ。その礼が出来たなら良かった。後、…これはサービスだ。」

 

そう言って宝太郎の身体に触れるフォルテ。

すると次の瞬間、宝太郎の身体が一気に変化した。

 

「宝太郎⁉︎その姿は……。」

 

九堂りんねが驚くのも無理はない。何故なら、宝太郎が若返っていたからだ。

りんねと同じ高校一年生…17才のあの頃に。

しかも、失った片目も治っている。

 

「宝太郎。お前はもう一度人生をやり直す権利がある。これからは、九堂りんねと共に新たな人生を歩め。」

 

ほくそ笑みながらそう言うフォルテ。

 

「フォルテ……ありがとう。」

 

「私からも、本当にありがとう。」

 

宝太郎とりんねは改めてもう一度フォルテに感謝の言葉を述べた。

生き返らせてくれた事や、宝太郎ともう一度と歩んでいける様にしてくれた事に。

その時、二人は無意識に互いの手を握っていた。

もう二度と離れない様にする為かの様に。




フォルテの行った恩返し。
ハンドレッド撃退に力を貸してくれた一ノ瀬宝太郎とアトロポスとクロトーの大切な存在の復活…九童りんねとラケシスを復活させてみました。
りんねの魂がザ・サンに宿っているのは分かっていたので必要な肉体をゼウスから得た創世の力で作り上げ宿らせる事で復活させました。
ラケシスも、口琴に残っていたラケシスの魂の残滓から創世の力で甦らせました。

彼らに出来る恩返しとしてこれが一番良いと思いました。
後、おまけで逢魔時王の力で宝太郎の年齢を当時の17歳に戻しました。

それから、湊翔達とネグロの模擬戦?は、フォルテの名付けによって更に強くなった蟻の王であるネグロと湊翔、カズマ、白夜のレーザーブーストではやはりネグロの方が強いと判断してあの結果にしました。

最後に叢雲牙(そううんが)の強化された獄龍破を試し、亡骸の軍勢にする相手に相応しい存在としてディアボロモンとアーマゲモンを選びました。

……この2体なら亡者の様になっても違和感がなく戦力としても最高だと思いました。
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