転生したらフォルテだった件   作:雷影

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コラボ編を終え本編を入ります。
最初はコラボ編の影響で得たあるものについての話の後、タイトル通りあのメイドの元にフォルテが向かいます。


137話 クレイマンの侍女…無情の道化(ノーフェイス)

湊翔達が元の世界に帰ってから数日が経過。

ハンドレッドとの戦いで得た様々な物の整理が終わり、フォルテは今電脳電子世界(スペクトルワールド)内で再現されたある場所で1人でいた。

 

フォルテの周囲に七つの巨大な柱が様々な向きで聳え立つその場所はアニメ遊戯王GXのあるカードを封印していた場所。

OCGで永続魔法カード七精の解門となった場所だった。

 

七つの柱が取り囲むその中心部で、フォルテはエンブレムから3枚のカードを取り出し手に取る。

そのカードとは、幻魔皇ラビエル・神炎皇ウリア・降雷皇ハモンの3枚…三幻魔のカードだった。

 

だがフォルテが手にしている三幻魔はOCGでもフォルテが創り出した真シリーズの物でもなかった。

真の様にカードのフレームがそれぞれ青・赤・黄となっているが禍々しい謎の言語でテキストが表記されイラストはアニメに登場した原作イラストとなっている。

…そう。これは正真正銘本物の“三幻魔”のカードなのだ。

 

何故本物の三幻魔のカードをフォルテが持っているのかと言えば、ハンドレッドの騒動で歪んだ時空の正常化する作業のなかで、フォルテが叢雲牙(そううんが)の時と同じで時空を漂っていた三幻魔のカードを回収したからだった。

 

GXでアモン戦後を最後に三幻魔の出番は終わり、ユベルと十代が超融合した後は行方知れずとなっていた三幻魔のカード。

三幻魔のカードがその後どうなったのかは遊戯王好きの間で色々予想された事があったが、どうやらユベルの手から離れて時空の狭間を彷徨っていたようだ。

 

そんな三幻魔のカードを偶然手に入れてしまったフォルテだったのだが、三幻魔のカードは突然フォルテの手から飛び離れ宙に浮くと、周囲に充満している膨大な魔素を吸収しだした。

 

大量の魔素を吸収した三幻魔のカードから凄まじい妖気(オーラ)が放出され形を成してゆき三幻魔として復活してしまったのだが、完全に復活した訳ではなく不安定な状態となっていたので、フォルテは自身の妖気(オーラ)を解放し三幻魔にぶつけた。

 

フォルテの強大な妖気(オーラ)を浴びた三幻魔は、その圧倒的な力を認めてカードに戻ると再びフォルテの手に収まり、本当の意味で三幻魔を手に入れた。

 

その後、フォルテは手に入れた三幻魔の解析を行った。

解析してゆく中で、三幻魔は復活の為に吸収した膨大な魔素…ヴェルドラ達とグレイガ達…そしてフォルテの魔素を吸収した事でこの世界で幻魔種という精霊の精神生命体となり、ヴェルドラたち竜種やグレイガたち電脳獣と同等の存在となっていた。

 

カードテキストの解析も行った結果、効果はアニメでの効果を無理矢理OCG効果に書き換えた様な効果となっていた。

おそらくユベルのデッキに入った際になんらかの影響を受けたのだろうと予測したフォルテは、試しに自分がこの世界で創り上げた真・三幻魔の効果情報を与えてみた。

すると、カードテキストに表記されている禍々しい言語自体に変化はないが、解析した筈の効果が変わりフォルテの真・三幻魔と全く同じ効果となった。

どうやらフォルテの考えた真・の効果を三幻魔は自分達の効果として受け入れた様だ。

カード名は本来のままなので、ルール効果によるカード名を扱う効果は必要ない故か、ウリアは炎族、ハモンは雷族、ラビエルは悪魔族として種族を扱うルール効果へと変わっていた。

 

そうして三幻魔を解析を続けた結果、三幻魔とフォルテで魂の回廊が確立し、フォルテは究極能力(アルティメットスキル)として三幻魔皇と混沌幻魔(アーミタイル)を獲得した。

 

そして現在。

フォルテは三幻魔を自分の意思で今召喚しようとしているのだ。

 

「さあ…その姿を現せ!」

 

フォルテは三幻魔のカードを天へと掲げると、三幻魔のカードから凄まじい光が放たれる。

 

「神炎皇ウリア!」

「降雷皇ハモン!」

「幻魔皇ラビエル!」

 

フォルテの声に応える様に三幻魔のカードからそれぞれ赤・黄・青の光が飛び出しフォルテの前に広がるフィールドに落ちた次の瞬間、凄まじい火柱が大地から燃え上がる様に噴き出し、突然大地から巨大な氷山が突き出し、大地が裂け青い光の柱が立ち昇った。

 

そして、火柱が弾け飛び中から赤い東洋竜の姿をした口が二重となっている顔をした禍々しい魔竜の神炎皇ウリアが出現。

 

氷山の方では、上空が暗雲に覆われ雷鳴と共に稲妻が氷山に落ち氷山が砕けると、両手に巨大な船底の様な型をした甲殻を持ち、鎧の様な金の骨骼で構成された身体の降雷皇ハモンが顕現。

 

大地の裂け目からは、青い光の柱の中から筋骨隆々たる身体を持つ禍々しい青き悪魔である幻魔皇ラビエルが降臨。

 

ウリアは前足に、ハモンとラビエルは背中から緻密な筋繊維の巨大な飛膜の翼を生やしている。

 

フォルテの目の前に三幻魔が召喚された。

今度は不完全ではない完全な状態の三幻魔…三体から放たれる凄まじい威圧感がフォルテに伸し掛かる。

 

睨み合う三幻魔とフォルテ。

……静寂が支配するこの空間で三幻魔が動き出し、フォルテに向かってウリアとハモンが頭を下げラビエルが跪いた。

 

「我らの新たな主フォルテ。」

 

「我ら三幻魔はフォルテに忠誠を誓う。」

 

「我らはフォルテの力となりて、フォルテの敵全てを薙ぎ倒す。」

 

ウリア、ハモン、ラビエルの三体が喋りフォルテを新たな主と認めた。

三幻魔達は、フォルテから与えられた様々な情報(データ)によって高い知性と明確な意思を得た。

 

ウリアは理性的で落ち着きのある性格。

ハモンは冷静沈着で合理的な性格。

ラビエルは真面目で良識的な性格。

 

知性を得た事でよりフォルテの力と強さを知り、三幻魔はすぐにフォルテを新たな主に認めたのだ。

 

「ウリア。ハモン。ラビエル。これから宜しく頼む。」

 

フォルテがそう言うと、三幻魔達は頷き再びカードへと戻った。

 

フォルテは魂の回廊が繋がっているので大丈夫だとは思っていたが、万が一にも三幻魔が暴走するならこの場所に封印する事を考え召喚したのだった。

 

こうして、改めて本物の三幻魔を手にしその主となったフォルテ。

三幻魔のカードを自身が組んだ三幻魔デッキに入れた後、デッキを収納し魔国連邦(テンペスト)に戻り、ある者達を引き連れ次に向かう目的地へと転移した。

 

 

転移先でフォルテの目に映ったのは、クレイマンの城。

フォルテが来たのは、かつてクレイマンの支配領域だった傀儡国ジスターヴだ。

 

「まさか、こうして城に帰ってくる日がくるとはな。」

 

「フッ。…そうだな。」

 

フォルテの背後でそう口にしたのはアルヴァロとヤムザだった。

 

フォルテが連れて来たのは元クレイマンの配下だったヤムザ達だ。

何故ヤムザ達を連れて来たのかそれは、城にある彼らの私物の回収と同胞達との再会の為に連れて来たのだ。

アダルマンとピローネ達は今回は魔国連邦(テンペスト)で待機してもらい、また後日連れ来る予定だ。

 

「じゃあ行くぞ。」

 

フォルテが城に向かって歩み出そうとしたその時だった。

 

フォルテ達の前に美しい黒妖耳長族(ダークエルフ)の侍女が現れ頭を下げて挨拶した。

 

「ようこそジスターヴへ。お待ちしておりましたフォルテ様。」

 

「ああ。」

 

「久しいなエヴァ。変わりはないか?」

 

フォルテに頭を下げて迎えてくれたのは、クレイマンに仕えていたメイドのエヴァだった。

 

エヴァの姿を見たアルヴァロが声を掛ける。

 

「はい。アルヴァロ様もお変わりない様で良かったです。」

 

頭を上げアルヴァロに笑顔を見せるエヴァ。

 

そうしてエヴァに案内されクレイマンが使っていた客間へと入ったフォルテはソファーに座りエヴァの入れて紅茶を飲んでいた。

 

「…うん。実に美味いな。」

 

「ありがとうございます。」

 

フォルテに美味いと言われて笑みを浮かべるエヴァ。

 

フォルテが紅茶を飲んでいる間に、アルヴァロ達は自室で自分達の私物を確認している。

 

一息ついたフォルテは、ティーカップをテーブルに置いて真剣な表情で隣に立つエヴァに話しかける。

 

「さて、俺がここに来た理由はもう知っているな。」

 

「はい。…アルヴァロ様から手紙で教えてもらいました。」

 

そう。フォルテがヤムザとアルヴァロ達を仲間に加えた後、アルヴァロに城にいる者達に状況を説明する為に手紙を出す事を許しており、アルヴァロとエヴァは文通で互いの状況を報告しあっていた。

 

「それで…本当なのですか?何者かによってクレイマン様が精神操作されていた事は…。」

 

エヴァはまるでそれが真実であってほしいと願っているかの様に声に出した。

 

「…ああ。間違いない。クレイマンの記憶を直接調べて分かった事だからな。」

 

そう言ってフォルテのエンブレムからクレイマンの魂を宿したチップを出現させ手に取ってエヴァに見える様に見せる。

 

「ッ⁉︎それがクレイマン様の魂なんですね。」

 

「その通りだ。」

 

エヴァはチップから発せられるクレイマンの妖気(オーラ)にすぐに気付いた。

 

「アルヴァロ達の願いでクレイマンの魂は俺が保護している。…これからの頑張り次第では復活も考えている。」

 

フォルテの言葉に目を見開くエヴァ。

 

「本当ですか⁉︎」

 

「ああ。」

 

すると、エヴァは真剣な表情となってフォルテに向かって跪いた。

 

「なら、この私…無情の道化(ノーフェイス)もフォルテ様に忠誠を近います。」

 

そう。エヴァは中庸道化連の一員だった。しかも、素の実力ならクレイマンより強い。

 

「…そうか。ならこれから宜しく頼むぞエヴァ。」

 

こうしてフォルテをエヴァを仲間に迎え入れた。

最も、基本的にはこの城の管理を任せるので魔国連邦(テンペスト)には息抜きの為に連れ来る感じになるだろう。

 

すると、エヴァがフォルテに忠誠を誓ったそのすぐ後に客間の扉が開いて何者かが入って来た。

 

「フォルテ様。遅れてしまい申し訳ありません。」

 

「えっ?クレイマン様⁉︎」

 

エヴァは入って来た者を見て驚愕した。何故なら、クレイマンと瓜二つのクレイマン・オルタが入って来たからだ。

 

「……いえ。違いますね。もしや、貴方がアルヴァロ様の話にあったオルタですか?」

 

「ええ。その通りです。」

 

エヴァはすぐにクレイマンとは違う金髪と蒼瞳に褐色肌のオルタに気付いた。

……その発せられる膨大な妖気(オーラ)にも。

 

「貴女がエヴァですね。これから宜しくお願いします。」

 

エヴァに向かって丁寧なお辞儀をするオルタ。

 

「じゃあ行こうか。」

 

フォルテの言葉に二人は頷きエヴァに案内され城の地下にある地底都市(ジオフロント)アムリタの上層部へと向かった。

 

「こちらが地底都市アムリタの入り口でございます。」

 

エヴァの案内によって頑丈な鉄を扉の前に着くと、オルタが扉を開きフォルテが地下へと続く階段を降りてゆく。

 

そうして階段を降りた先でフォルテが見たのは、…古代の遺跡都市だった。

 

「此処が地底都市(ジオフロント)アムリタか…!」

 

目の前に広がる古代遺跡の都市にフォルテは感動し周囲を見渡すと、黒妖耳長族(ダークエルフ)の民達が平和に暮らしていた。

 

「……皆元気そうだな。」

 

「はい。フォルテ様の配給してくださった食糧のお陰で皆は助かりました。」

 

フォルテはクレイマンの記憶を解析する中で、民達が奴隷の様に扱われ衰弱しきっている事が分かるとすぐさまアムリタの黒妖耳長族(ダークエルフ)達の為に食糧の配給を行なったのだ。

 

お陰で黒妖耳長族(ダークエルフ)の皆は十分な食事を取り回復する事が出来た。

ボロボロだった衣服も朱菜が作った新しい物を配り、皆は以前の様に平和に暮らせる様になった。

 

そんなアムリタへと足を踏み入れたフォルテ。

アムリタの民達はエヴァが同行しているのもありすぐに気付いた。

 

「おや?」

 

「長老!」

 

黒妖耳長族(ダークエルフ)達はエヴァの元に集まる。

実はエヴァは黒妖耳長族(ダークエルフ)達の長だった。

 

「皆変わりはないですか。」

 

「はい。お陰様で。」

 

「ん?そちらの方は……クレイマン様⁉︎」

 

黒妖耳長族(ダークエルフ)達がエヴァと会話していると、1人がエヴァの後ろにいたフォルテ…ではなくオルタに気付いて驚愕した。

 

まぁ、無理もない。死んだと聞かされていたクレイマンとまったく同じ容姿なのだから。

 

これにより、オルタの存在に気付いた周囲の者達もざわつき始めた。

 

「落ち着きなさい!彼の方はクレイマン様ではありません。フォルテ様によって創り出されたクレイマン様の写身の様な存在です。」

 

エヴァの言葉聞いた黒妖耳長族(ダークエルフ)達は、エヴァの視線を追ってようやくフォルテの存在に気付いた。

 

「…改めて自己紹介をしよう。俺が新たな魔王となった凶戦士帝王(バーサークカイザー)のフォルテ=テンペストだ。」

 

フォルテの自己紹介を聞いた黒妖耳長族(ダークエルフ)達は一斉に跪いた。

 

「そう畏まるな。普通にしてくれて構わない。」

 

フォルテがそう言うと、黒妖耳長族(ダークエルフ)達は戸惑いながらも立ち上がった。

すると、クレイマン・オルタの前にボールが転がってきた。

フォルテとオルタがボールが転がってきた方に振り向くと、黒妖耳長族(ダークエルフ)の子供が転んで足に怪我を負っていた。

 

どうやら大人達が跪く時にぶつかって転んでしまった様だ。

怪我をして涙目の子供の姿を見たオルタはフォルテに目線を送り、フォルテはそれに対して頷く。

 

すると、オルタはボールを持って子供の元へと歩む。

オルタが近づいてくると分かると、…子供は怖いのか震えだす。

 

そして、オルタが子供の前に着くとしゃがんで目線を合わせながら話かける。

 

「おやおや。これは痛そうですね。すぐに治してあげましょう。」

 

そう言って子供が怪我をした足にオルタが手を翳すと、掌から緑の光が放たれ子供の怪我を瞬く間に治した。

 

オルタには真大魔王(バーン)の力があるので、バーンが使用していた魔法も全て使える。故に、今オルタが使っているのはドラクエの回復魔法であるベホマで治療を行なったのだ。

 

傷が癒えた子供はゆっくりと立ち上がる。

 

「もう痛くないですね?」

 

「うん!」

 

「それは良かった。」

 

オルタは優しい笑みを浮かべながら子供の頭を優しく撫でる。

その光景を見た周囲の者達は、オルタから本来のクレイマンの姿が重なって見えた。

 

その後、オルタは黒妖耳長族(ダークエルフ)達と打ち解け共に笑い合いながら色々と話をしていた。

その様子を、エヴァは懐かしむ様に見ていた。

……オルタに本来のクレイマンを重ねて。

 

オルタがアムリタの民達と打ち解け合ったのを確認したフォルテは、皆に色々と話を聞いて情報を集めた。

……クレイマンが誰に精神操作された事を調べる為に。

 

「……アムリタの民から聞いた話でも、やはり十年くらい前辺りからか。」

 

フォルテは湊翔から聞いた情報からやはり、…東の帝国との取引が盛んになった頃だと判明した。

アムリタの民から話を聞き終えたフォルテは、最後にアムリタの遺跡に触れてこの遺跡全体をスキャンし解析を行なった。

クレイマンの記憶を解析する中で、アムリタが3層構造になっている事を知った。

中層と下層に行く扉には古代魔法の仕掛け施されており、クレイマンは自力で解く事でき他はカザリームの古参の幹部だけが持つ許可証が必要。

 

当然フォルテにも解除は可能だが…クレイマンの記憶を解析する中で、この場所がクレイマンにとってとても大切な場所だった事を知り今はそっとしておく事にしていた。それに、ルミナス教や開国祭などやる事が多いので全てが終わって落ち着いてからリムルと共に本格的な遺跡調査をする予定。

 

故に、今は全体的スキャンによる解析だけを行なっているのだ。

 

「…解析完了。アムリタの全体的な構造は大体の把握が完了した。」

 

解析情報(データ)によるとアムリタの中層は迷宮となっており、様々な罠や魔人形(ゴーレム)が待ち構えている様だ。しかも、地脈から魔力核にエネルギーが供給され続ける仕組みなので半永久的に活動出来る。

良く考えて作られている。

そして最下層には、広大な空間に巨大な石碑が安置されている様だ。

 

「迷宮のマッピングも完了したから後で地図を作成しないとな。」

 

こうしてアムリタでの目的を果たしたフォルテは城へと戻りヤムザ達と共に昼食を摂る事にした。

 

エヴァに案内された城の食卓で食事をするフォルテ達。

 

「うむ。相変わらずクローディアの料理は美味だな。」

 

「本当っすね。」

 

「うん…。」

 

「確かに。久しぶりだが相変わらず美味いな。」

 

久しぶりの城での仲間の料理にアルヴァロ、ジョイス、サイラス、ヤムザの四人は美味しそうに食べるのだった。

 

「ありがとうございます。私もまた皆様にこうして食べて頂けて嬉しいです。」

 

その様子を見ながら嬉しそうに笑みを浮かべる黒妖耳長族(ダークエルフ)の美しい女性シェフこそ、クレイマンの城の料理長であるクローディアだ。

 

「確かにどれも美味だ。魔国連邦(テンペスト)にスカウトしたくらいだ。」

 

「そう言って頂けて光栄です。」

 

フォルテがそう言うと、クローディアは笑みを浮かべたまま頭を下げる。

やがて皆が食事を終えると、タイミング良く食卓の入り口の扉が開きメイドを引き連れてクレイマン・オルタが入ってきた。

 

「皆様。食後のスイーツをお持ちしました。」

 

皆の前に出されたのは、…スコーンだった。

 

「相変わらず良い出来だな。」

 

「はい。今回はハルナから抹茶をいただきまして混ぜてみました。」

 

「これは…確かに良い出来ですね。」

 

フォルテとオルタの会話を聞いていたクローディアは、オルタが作ったスコーンを見て感心していた。

クレイマンもミリム達が来た時に極たまにスコーンを振る舞っていたからだ。

 

「ふふふ。クローディアにそう言ってもらえるなら嬉しいですね。エヴァとクローディアの分もありますから是非召し上がってください。」

 

そうしてフォルテ達はクレイマン・オルタが作ったスコーンを食した。

 

「うむ。やはり美味い。」

 

外はサクッと中はしっとりとしていて抹茶の苦味とスコーンの甘味が互いを引き立て見事な味を醸し出している。

 

「まさか…これほどの美味とは。」

 

「美味いっすね!」

 

「うむ!」

 

「本当に美味しいですね!これだけのスコーンを作れるなんて凄いですよ。」

 

アルヴァロ達にもオルタの作ったスコーンは好評でヤムザはあまりの美味さに素が出ていた。

 

「本当に美味しい…!」

 

「クレイマン様が作った頃より更に上達していますね!」

 

エヴァとクローディアにもオルタのスコーンは好評だった。

朱菜達と共にスコーンを始めとした様々なお菓子作りに励み続けた成果の賜物である。

 

そうして昼食を終えた後、魔国連邦(テンペスト)に戻る前に腹ごなしにオルタと軽い組手をする事にした。

 

「はぁっ!」

 

「たあっ!」

 

クレイマンの城にある闘技場で凄まじい攻防を繰り広げるフォルテとオルタ。

 

「すっ凄まじい…。」

 

「凄すぎですよ。」

 

「何という攻防…!」

 

「これが軽い手合わせ…⁉︎(次元が違い過ぎる!一撃一撃が致命傷になりかねん重い一撃でありながら俺の目には追えぬ凄まじい速度で放たれいる⁉︎)」

 

フォルテとオルタの“軽い”組手を目の当たりにしたアルヴァロ達とヤムザは改めてフォルテとオルタの途轍もない実力を改めて理解した。

特に、猗窩座の道場で素流を学んでいるジョイスとヤムザには二人の組手の凄さがより鮮明に理解出来ていた。

 

「ふぅ…今はこのくらいで終わるとしよう。」

 

「そうですね。」

 

しばらく組手を続けたフォルテとオルタは満足そうに組手を終えた。

 

「お見事です。フォルテ様。オルタ様。」

 

二人の組手を見守っていたエヴァが二人を賛頌する。

 

「これほどまでの組手は今まで見た事がありません。私もそれなりに鍛錬を続けていますがフォルテ様達の組手からしたらまだまだですね。」

 

「ん?…そういえばエヴァもかなりの実力者だったな。せっかくだからエヴァの強さも知りたい。誰かと少し組手をしてくれないか?」

 

「フォルテ様が望むのであれば私は構いません。」

 

フォルテの頼みにエヴァは笑顔で了承した。

 

「なら相手は…ジョイス頼む。」

 

「えっ?俺っすか⁉︎」

 

エヴァの相手に任命されたジョイスは、…若干青ざめていた。

 

そしてエヴァとジョイスの手合わせが始まったのだが……。

 

「ぎゃあああああああ!」

 

エヴァの柔術…関節技にな術なくやられていた。

 

「相変わらず見事だな。」

 

「まったくですな。」

 

「まさか…エヴァがあそこまでの実力者だったとは。」

 

エヴァの実力を知っていたアルヴァロとサイラスは変わらない技のキレに感心し、何も知らなかったヤムザはエヴァの数々の関節技を見て青ざめていた。

 

「…見事な柔術だ。魔国連邦(テンペスト)に連れ帰りたいくらいだ。」

 

「フォルテ様の言う通りですね。」

 

 

こうして、ジスターヴのクレイマンの城でのフォルテの用事は終わった。

エヴァにはこれからも城とアムリタを守ってもらいながら、フォルテの配下として必要な時には魔国連邦(テンペスト)に来てもらい、エヴァがいない間はオルタやフォルテのエージェント達が城とアムリタの民達を守る事となった。

 

「エヴァ。これをお前に渡しておく。」

 

フォルテは魔国連邦(テンペスト)に戻る前にエヴァにある物を渡した。

 

「これは⁉︎クレイマン様の仮面…!」

 

フォルテがエヴァに渡した物は、魔王達の宴(ワルプルギス)でフォルテが回収したクレイマンの仮面だった。

破損していた仮面はフォルテの手により完全に修復されている。

 

「これはお前が持っている方が良いだろう。複製した方をオルタに渡している。」

 

「…フォルテ様。ありがとうございます。」

 

エヴァはクレイマンの仮面を大事そうに抱きしめながら涙した。

 

フォルテが戻った後、クレイマンの仮面はエヴァの手によりクレイマンの自室に飾られた。

 

 

一方。フォルテがジスターヴでの調査を終えた同じ頃、神聖法皇国ルベリオスでヒナタ達が重要な会議を始めようとしていた。

 

「待たせたわね。それでは法皇両翼合同会議を始めましょう。」




クレイマンREVENGE(リベンジ)に登場したエヴァが仲間になりました。
開国祭でも彼女を出そうかと思っていますので、どんな活躍をするのかお楽しみに。
それから、フォルテが手にした本物の三幻魔。
遊戯王GXでは別次元で行方が分からなくなっていたカードなので、ハンドレッドの騒動でフォルテの世界に引き寄せられフォルテのカードとなりました。
今月にはOCGで新たな三幻魔のカードも登場するそうなので楽しみです。

次回はいよいよ両翼会議に入ります。
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