リムルとフォルテが七曜に対する対策を開始し、ロッゾ一族の密会が行われる少し前。
「ヒナタ様!ヒナタ様!」
「ん?」
自分を呼ぶアルノーの声に気付いたヒナタが振り返ると、アルノーのだけでなくバッカス、フリッツ、リティスまでもが自分を追って来ていた。
「あなた達、何をしているの?」
「それはこっちのセリフですよヒナタ様。1人で抜け駆けですか?」
「馬鹿なの?話し合いに行くのに抜け駆けも何もない。」
「またまた、そんな決戦に赴くような出立ちで言われても説得力がありませんよ。」
「私達は、ヒナタ様の犠牲の上に立ちたいなどと思いません。」
「魔王リムルとフォルテも別に1人で来いとか言ってなかったじゃないですか。」
アルノーに続いてリティスとフリッツが言う。
「分かっているの?相手は魔王よ?私が怒りを買ったのだから、これは私の責任。貴方達は即刻国に戻りなさい。」
「本当は他のみんなも来たかったんです。でも、さすがに隊長が全員抜け出すのも問題があるので、ヒナタ様の命令に従い副団長のレナードは確定。後はくじ引きでギャルドが残留を。」
「あの時のギャルドの顔ったらなかったよな。」
「全く!見せてやりたかったですよ。」
バッカスとフリッツがそう話すとアルノー達は笑い出す。
その様子を見ていたヒナタは、アルノー達が素直に戻らないだろう判断した。
「はぁ…好きにしなさい。」
こうしてアルノー達もヒナタと共に
その道中で野宿するヒナタ達。
アルノー達は眠っている間、1人焚火を見据えながら見張りをするヒナタは、なんだかんだ言ってはいたがアルノー達が共に来てくれた事が嬉しかったのかほくそ笑んでいた。
時は戻り会議を終えた後のリムルとフォルテ達は、ヒナタとは別に迫り来るレナード達に対する準備を進めてゆき、フォルテも出来る限りの準備をしていた。
「さあ…始めるか。」
フォルテは1人でフォルテ邸の自室で
〈ゼッツ!〉
それは、フォルテも知らない仮面ライダーゼッツのライドウォッチ。
その中からフォルテはゼッツを選びウォッチを起動してある存在を出現させる。
フォルテの目の前に黒い靄の様な霧が発生しその中から現れたのは、仮面ライダーゼッツの基本形態と呼べるフィジカムインパクトをモノクロにした闇のゼッツであるゼッツダークネスナイトメアだった。
このゼッツダークネスナイトメアとは、ゼッツに登場する怪人ナイトメアそのもの。
擬似ライダーではなく怪人でありながらゼッツと全く同じと言える能力を宿した存在なのだ。
ゼッツの力が強くなればゼッツダークネスナイトメアの力も強化されてゆき、胸にはドライバーの代わりにダミーパーツを装着していたが、戦いの中でゼッツドライバーを生成しゼッツと同等の力を発揮出来る様に進化した。
そんな怪人であるゼッツダークネスナイトメアを創り出したフォルテは、ゼッツダークネスナイトメアに向かって右手を翳す。
「
フォルテはそのまま自身が創り出したゼッツダークネスナイトメアを吸収すると、フォルテの翳した掌の中にラメが入った漆黒のカプセルが出現した。
それは、ゼッツダークネスナイトメアが生み出したダークネスカプセムだった。
ダークネスカプセムはゼッツダークネスナイトメアの力の源その物。
ダークネスカプセムを生成された直後、
《ゼッツダークネスナイトメアの吸収完了。同時に解析も完了した事により、
「…予定通りだな。」
フォルテが何故わざわざゼッツダークネスナイトメアを創り出し吸収したのかそれは、仮面ライダーとしてではなく仮面ライダーの…ゼッツと同じ力そのものを得ていた怪人であるゼッツダークネスの力を得る為だった。
「更にコイツを強化する。」
そう言って左手に持つゼッツライドウォッチのライドオンスターターを押し再び起動させる。
〈ゼッツ!〉
再びゼッツライドウォッチが起動すると、フォルテの周囲にダークネスカプセムの様な色取取のカプセルが出現した。
それは、仮面ライダーゼッツがフォームチェンジに使うカプセム。
・インパクトカプセム
・トランスフォームカプセム
・ウイングカプセム
・ストリームカプセム
・マシーナリーカプセム
・プロジェクションカプセム
・リカバリーカプセム
・バリアカプセム
・ワンダーカプセム
・グラビティカプセム
・プラズマカプセム
・ブースターカプセム
それだけなく、ゼッツ以外が使用したカプセムもある。
・イレイスカプセム
・シャドウカプセム
・ガンカプセム
・ウルフカプセム
・カオスカプセム
・パニッシュカプセム
・エクストラカプセム
・ショックカプセム
・パニックカプセム
・クリアカプセム
・ファントムカプセム
フォルテの周囲に浮かぶ多種多様なカプセル。
それを確認したフォルテは、右手に持つダークネスカプセムを回転させる。
〈ダークネス!〉
起動すると、ダークネスカプセムに描かれた漆黒の亜人のドット絵が片手を上げて立ち屈みを繰り返す。
すると、周囲に浮かぶカプセムから黒い霧の様な靄が抜け出てその全てがダークネスカプセムへと吸収されてゆく。
実は、カプセムの中には悪夢…ナイトメアが封じ込めれおり、ゼッツ達はその力を引き出して戦っていた。
また、同じカプセムが重複した場合、複数個分の力が一つに集約されその力が倍増する特性がある。
まるでソシャゲの凸強化機能の様な特性。
フォルテはその特性などを
よってフォルテの持つダークネスカプセムは、フォルテが出現させた周囲のカプセムの全ての能力を吸収し力を倍増させた。
ナイトメアが抜けたカプセムは、能力を失ったブランク状態のヴォイドカプセムとなってそのまま消滅した。
こうしてフォルテは、ゼッツの世界のゼッツダークネス ナイトメアの力を凌駕したゼッツダークネスの力を得たのだった。
それから数日間、フォルテはゼッツダークネスの能力を把握する為に1人でコロシアムで鍛錬を続けた。
カプセムだけの状態でどこまで力を引き出せるのかなど試してゆき、今日はドライバーを使った変身を試す。
フォルテは手に持つダークネスカプセムを回転させ起動する。
〈ダークネス!〉
すると、フォルテの胸元辺りから黒い霧状の靄が発生すると、靄が晴れてゆきフォルテの左肩から袈裟懸けでゼッツドライバーが巻き付き装着されていた。
フォルテはそのまま出現したゼッツドライバーの中央にあるカプセムソケットにダークネスカプセムを装填し、ゼッツドライバーの真横にある入力レバーであるトリガムを押し込む。
〈ダークネス!〉
〈メツァメロ!メツァメロ!メツァメロ!〉
待機音声が鳴り響く中、フォルテはそっとダークネスカプセムに指を添える。
「変身。」
フォルテは変身の掛け声と同時にダークネスカプセムを回転させると、ダークネスカプセムから漆黒の亜人のドット絵が浮かび上がる様に出現し、片手を上げて立ち屈みを繰り返した。
〈バッドナイト!ライダー!〉
〈ゼッツ・ゼッツ・ゼッツ!〉
〈ダークネス!〉
変身時の音声が鳴り響きゼッツドライバーが青紫に発光する中、フォルテは黒紫の靄に包まれ姿を変え変身。
靄が晴れ姿を現したのはモノクロのゼッツダークネスへと変身したフォルテだった。
「…ふむ。変身した感覚はやはり仮面ライダーと同じ様だな。」
ゼッツダークネスへと変身したフォルテは、変身した自身の状態を確認した。
何故フォルテがわざわざゼッツでなく怪人のゼッツダークネスの力を得たのか、それはもし仮面ライダーとしての力を封じられたりした時や、怪人でしか対処出来ない状況に備えての事だった。
ハンドレッドとの戦いでダークライダーの力を利用して戦う者がいると知ったフォルテは、逆にライダーの力を封じられる可能性があると予測した。
そして、
ゼッツダークネスへと変身したフォルテは様々な事を試した。
ゼッツダークネスがゼッツの力をどこまで再現しているのかを試しながら、フォルテが吸収させたゼッツのカプセムの能力を全て使えるのか試し、ゼッツの武器も使用可能なのかも調べた。
結果は。武器であるブレイカムバスター、ブレイカムブレイカー、ブレイカムゼッツァー、イナズマブラスターの全てが使用可能だと判明。
そして、プロジェクションとカオスカプセムを組み合わせて使用する事で、ゼッツダークネスの様にゼッツの様々なフォームのナイトメアを創り出し召喚する事が可能なのも分かった。
「今日はこのくらいにするか。」
そう言ってフォルテは変身を解除し
「どうした?蒼影。シャドーマン。」
「フォルテ様。ヒナタ達を捕捉しました。」
「まもなくブルムンド王国に到着すると思われる。」
「…そうか。」
蒼影とシャドーマンから報告を聞いた数日後。
ヒナタ達がブルムンド王国に到着した。
「馬を預けてきました。」
フリッツが皆の馬を預けた後、ヒナタ達は今日泊まる宿を探しにブルムンド王国内の城下町を歩いていた。
「しかし、ブルムンド王国も発展しましたね。」
「そうね。」
城下町を見てアルノーが口開いた。
アルノーの言う通り、ブルムンド王国内は賑わい新鮮な野菜などが売られていた。
「あんな服、イングラシア王国でしか見たことがありませんわ。」
リティスの目線の先には、ショーウィンドウ内に飾られた煌びやかな服があった。
「冒険者の武器防具もやたら質の良いのが出回っているな。」
アルノーはすれ違う冒険者達を見てその武具の質の良さに気付いた。
すると、バッカスが武器屋に入って一本のショートソードを手に取った。
「魔物の素材で出来ているのか。こんな田舎で出回るには勿体ないくらいだ。」
バッカスの言葉に頷きながらアルノーもショートソードを見ていた。
「
「それ以外にないでしょう。」
フリッツの問いにヒナタはそれしか考えられないと答えた。
「魔王と取引して発展するなんて、敬虔なルミナス教徒ならば忌避感があるはずですが…。」
「行くわよ。」
魔王であるリムルとフォルテと取引して発展しているブルムンドを見てリティスが難しく考える中、ヒナタは皆に先に進む様に促す。
すると、ヒナタの目の前に幸せそうな一家が目に入り、その一家を見たヒナタは下を向いてどこか哀しげな表情を浮かべた。
そんなヒナタに気付かずフリッツ達は一家を見て口を開く。
「一般庶民の幸福度も高そうだ。」
「そうね。」
「そろそろ日が落ちる。腹が減ってきたな。」
「何処か探すか…ん?何だあの店は。」
「ちょっと変わった看板ね。」
「飲食店ではある様だが…。」
アルノー達の話し声を聞いたヒナタも少し気になり横目でその店を見て進もうとしたが、目に入った文字と絵に驚愕して勢いよくその店へと振り向いた。
(なっ!ラ…ラーメン⁉︎)
そう。その飲食店はラーメン屋だったのだ。
異世界人に分かりやすい様にラーメンの絵柄と共に日本語でラーメンと書かれた文字に、この世界の文字を振り仮名として一緒に書かれていた。
「ら…らーめん?」
「どんな料理なのかしら?」
「入るわよ。」
「「「「え?」」」」
ラーメンを知らないフリッツとリティスが不思議そうに看板を見ている隣でヒナタが迷いも無く店に入った事にアルノー達は思わず声を揃えた。
カララン♪
「いらっしゃいませ〜!」
席に着いたヒナタは迷う事なくメニュー表を手に取り見る。
真剣な表情てメニューをじっくり見るヒナタの姿にアルノー達は話しかける事が出来ずにいた。
すると、店員さんがヒナタ達の元にお冷を持って来た。
「ご注文はお決まりですか?」
「ラーメンを豚骨でお願いするわ。後、餃子とライスを追加で。」
「かしこまりました!」
なんの迷いも無く注文するヒナタの姿に呆然となるアルノー達。
「他の方はどういたしましょう?」
「あ、じゃあ同じものを…。」
「わ、私も…。」
「うむ。」
「自分もそれで。」
店員さんに問われ流されるままにヒナタと同じものを頼むのだった。
それからしばらく待ち続け、ヒナタ達の元に注文した豚骨ラーメンがきた。
「お待たせしました〜!豚骨ラーメンで〜す!」
豚骨ラーメンを見たヒナタは思わず生唾を飲んだ。
(これは…正真正銘まさにラーメンだわ…。)
「あの…これは一体どういう食べ物なのですか?」
ラーメン知らないアルノーが問い掛けるも、ヒナタは答えず食べる準備を始める。
(しかも割り箸…。)
割り箸まである事に内心驚きながらもヒナタは割り箸を手に取り割ると、レンゲを持って豚骨ラーメンのスープを掬う。
「ふっ〜。」
そしてレンゲで掬ったスープに息を吹きかけ少し冷ましてから、ヒナタはスープを口へと含んだ。
(濃厚豚骨…!)
紛れもない豚骨ラーメンの味に目を見開くヒナタ。
(この世界でどうやってだしを取ったっというの?)
ヒナタはそう思いながらもそのまま割り箸で麺を取り啜る。
(このコシ、この風味…スープと見事に絡んでる。)
紛れもない豚骨ラーメンの美味さにヒナタは目を輝かせながら、頬がほんのり赤らめ表情が心なしか緩んでいた。
「我々も食べてみるか…。」
「そうね。これの使い方がよく分からないけど…。」
ヒナタが豚骨ラーメンを食べる姿を見ていたアルノー達も豚骨ラーメンを食べる事にし、不恰好ながらも割り箸を使って食べ始める。
もっとも箸で食べるのは基本日本人なので、外国人が使う場合も同じ様な感じとなる。異世界の人間であるアルノー達が箸の扱いに苦戦するのは当然だった。
そんなアルノー達がなんとか割り箸で麺やチャーシューを掴んで口に入れた。
「んっ⁉︎」
「「「ん⁉︎」」」
その瞬間、アルノー達は目を見開いた。
「美味いぞ〜‼︎」
「何だこれは!」
「スープもびっくりするぐらい美味しい!」
「こんな食べ物があったなんて!」
皆 豚骨ラーメンの美味さに驚愕した。
バッカスなんて料理漫画の様なリアクションで目から光を放っている様に見える。
アルノー達が豚骨ラーメンの美味さに騒ぐ中、ヒナタは豚骨ラーメンを見ながら思考していた。
(間違いなくリムルとフォルテがかんでるわね。ここまで完璧に元の世界の味を再現するなんて…。もう味わえないと思っていたのに…。)
ヒナタはこの世界で豚骨ラーメンを完璧に再現したリムルとフォルテに感心しながら、もう一度懐かしの味を味わえた事に心の中で感激していた。
「お待たせしました〜!餃子で〜す!」
ヒナタ達が豚骨ラーメンの味に感激している中、店員さんが餃子を持ってきた。
「「「「おぉ〜!」」」」
「これまた珍妙な…!」
アルノー達が初めてみる餃子に声を上げる中、ヒナタは一目散に餃子を割り箸で掴んで口に運んだのだが、餃子を噛んだ瞬間熱々の肉汁が口内で弾けた。
「熱つ…。」
「ヒナタ…様…?」
ヒナタの反応にアルノー達の視線が集まる。
「まさか猫舌…?」
「何を言うのバッカス。天下の聖騎士団長にそんな弱点があるわけないでしょ。」
「リティスの言う通りだよ。世界最強で猫舌なんて。」
「それもそうだな!」
フッハッハッハッハッハッハッハッ!
ヒナタが猫舌なんてありえないとバッカス達が笑い声を上げた。
「んっ!」
そんなバッカス達に対しヒナタは無言のまま鋭い眼光で睨んだ。
ハッハッハッハッアッ…。
ヒナタの睨みにバッカス達は一斉に黙り込む。
「ふ〜ふ〜…。」
((猫舌…。))
((なんだ…。))
ヒナタが猫舌だと知って意外だと思いながらヒナタを見据えるアルノー達だった。
「私もいただきます!」
「俺も!」
リティスとフリッツが餃子を取るとアルノーとバッカスも続く様に餃子を取る。
「あ〜ん…。」
そして、リティスは口を開け餃子に食べる。
「「「「んっ!」」」」
リティスと同時に餃子を食べたアルノー達は口に入れた瞬間にその美味さに目を見開く。
「これもまた美味い!」
「溢れる肉汁!」
「味の革命だわ!」
バッカスは再び目を光らせアルノー達は次々と餃子を食べてゆく。
「おっラス1!いったたぎま〜…!」
フリッツが最後の一個を取ろうとしたその瞬間、電光石火の速さでヒナタがその最後の餃子を掠め取った。
その際、ヒナタから凄まじい
「これは私の獲物よフリッツ。」
横目でフリッツを見据えるヒナタ。……その目は据わっており、視線に殺気が混じっている様に感じた。
「す…すいません…美味しかったものでつい……。」
ヒナタの殺気に当てられたフリッツは、顔を青ざめ震えながら謝罪した。
「足りないならもう一皿頼めばいいでしょ。」
「「「「餃子追加で!」」」」
ヒナタの言葉を聞いたアルノー達は一斉に餃子を追加を注文した。
「は〜い!餃子で〜す!」
「「「「早っ⁉︎」」」」
注文してからわずか数秒後に餃子が届いた。
「あちらのお客様から皆様へだそうです。お代はもう支払って貰ってますから大丈夫で〜す。」
そう店員さんが言いながら顔を向けるとアルノー達も追って顔を向けた。
すると、丁度お金を支払って見せから出ようとする黄緑色の長髪に黒いロングコート着用した青年の姿が目に入った。
「あっ…。」
「行ってしまったな。」
「まぁ、せっかくの好意だ。有り難く頂こう。」
「そうっすね。」
餃子を奢ってくれた青年が去ってしまい申し訳ない気持ちにはなったが、せっかくの好意を無碍には出来ないとアルノー達は感謝しながら餃子を食べる事にした。
「因みに、それが本日最後です。」
「えっ⁉︎そうなの!」
奢ってもらった餃子が最後と聞いて驚くフリッツ。
「実はそれ、魔王様達から直々に卸してもらっている新商品でして…。だからまだ数が少ないんですよ〜。」
「あぁ…そっか〜…。」
(成る程…そう宣伝する様に言われてるのね。)
店員の話しを聞いて心の中で理解したヒナタはそのままラーメンのスープを残さず飲み干した。
「ご馳走様。とても美味しかったわよ。」
「ありがとうございます!」
ラーメンのスープを飲み干し一息付いたヒナタは先に自分の分のお代を支払った。
一方、追加の餃子を食べ終えたリティスがヒナタと同じ様にラーメンのスープを飲もうとした時、ヒナタから注意を受けた。
「一応言っておくけど…スープまで飲みと太るわよ。」
「え?でもヒナタ様も…。」
「太らない体質なの。」
そう言って先に店を出るヒナタ。
「「ぶは〜!」」
「ずるい…。」
リティスの目の前でスープを美味しそうに飲み干すバッカスとアルノー。
そんな2人か先に店を出たヒナタか…リティスは頬を膨らませながら呟くのだった。
翌日。
ブルムンド王国を出たヒナタ達は、ジュラの大森林へと踏み入れていた。
「人の侵入を阻むジュラの大森林…。
「退屈に成る程快調だな。」
「い〜や いやいやいや!どうなってるんですかこの道!イングラシアの王都並みに舗装されてるってどう考えてもおかしいでしょ!」
森の中を進むにあたり色々覚悟していたアルノー達だったが、見事に舗装されている街道を目の当たりにして唖然となり、フリッツは声を上げるのだった。
「魔物の気配もありませんね…。」
「街道全体に対魔結界が施されてるようね。」
リティスは街道近くに全く魔物の気配がない事を不思議に思っていると、ヒナタは街道に対魔結界が施されている事に気付いた。
「成る程…。旅の安全は飛躍的に向上する。」
「ブルムンドに出入りする商人の数がやたら多いのもそういう訳か。」
アルノーとバッカスが感心していると、アルノー達に向かって手を振る
その2人の
「気付かれたか。」
「待ちなさいアルノー。そんな様子ではないわ。」
ヒナタ達は馬の走る速度を下げながら
「よぉ、あんたら初顔だな。商人には見えねえし冒険者かな?」
「ええ。そんなところね。」
「そうか そうか。大丈夫だと思うが一応注意しておくぞ。」
「ゴミは捨てない。喧嘩は御法度。」
「野宿する場合は10キロ地点ごとにある水飲み場を利用する事。」
「キロってなんだ?」
「さぁ…?」
「いいから聞きなさい。」
キロの意味が分からずアルノーとバッカスが口を開くと、ヒナタが話を聞く様に注意する。
「20キロ地点ごとに交番があるのでそっちの方が安全だ。お金があるなら40キロ地点ごとにある宿屋を利用するのもいい。」
「10キロ地点には輝く石板がもあるんだが、それには手を触れない様に。」
ヒナタ達は説明してくれる
「それが街道の結界を維持している。もしも壊したら厳しい罰則が与えられるから。そのつもりでな。」
「ええ、分かったわ。親切にありがとう。」
「な〜に、困った事があれば俺達警備隊に言うといい。」
親切な警備隊の
そして、水飲み場を発見し皆水分の補給を始めた。
「ホントに水飲み場があるのね…。」
「しかも無料って…。」
この世界だと当然水も貴重となるので、この水飲み場の様に無料で設置されていることは殆どあり得ないのだ。
アルノー達が水分を補給している中、ヒナタは水飲み場に隣接している広場を眺めていた。
(まるでキャンプ場じゃないの。)
ヒナタの前に広がる広場はまさにキャンプするのに最適な場所となる様に整備されており、道具なども設置されていた。
「(私達が魔物の脅威から必死で人々を守ってる間に…何だが驚きを通り越して…。)腹が立ってきたわ。」
「「「「えっ?」」」」
ヒナタのその一言を聞いたアルノー達は一斉にヒナタへと顔を向けた。
そして、ヒナタは優樹が言っていた事を思い出した。
(…今なら優樹の言っていた意味が理解出来るわね。)
【まぁ、あの人達は規格外だよ。余裕があるっていうかずっと先を見据えているって感じがするんだよね。だからこんな美味しい物とかを再現する事にかなり本気で取り組んでいるみたいだよ。】
(確かに…生きる事にシビアなこの世界で〝快適さ〟にまで気を回すのは余程余裕が無ければ出来ないでしょうね…。)
その後、ヒナタ達は先へと進み40キロ地点に宿屋に泊まる事にした。
そして、今は食堂のテーブル席に着いてから魔王リムルと魔王フォルテについて話し合っている。
「この街道を見るだけでも魔王リムルと魔王フォルテというのは凄まじく有能な王だと思いますね。下手な領主よりも治世に力を注いでいる様ですし、魔王というよりも良き統括者であると言えそうです。」
「アルノーの言う通り見習うべき点も多いです。魔物だけでなく盗賊や馬車の故障、それに怪我や病気…不慮の事態にこれ程備えた街道は他では見た事がない。こうして宿屋もあってなるべく野宿せずに済む。ルベリオスでも取り入れるべきかと。」
「今となっては神敵認定をしなくて正解でしたわ。」
「後は、魔王リムルと魔王フォルテがヒナタ様の謝罪を受け入れてくれればいいんですがね…。」
「誠心誠意謝ってみるしかないわね。でも、あの
ヒナタはリムルとフォルテなら自分の謝罪を受け入れてくれると思っている。
すると、扉の向こうで店番の人と店員の
「この銀貨1枚が銅貨10枚分。お釣りが足りなくなってきたら両替所に行って補充してください。」
「はい!分かりました。」
硬貨の支払い方などを店番の人から真剣に説明を聞く
(リムルとフォルテは魔物と人間との共存を本気で望んでいる。)
ヒナタはリムルとフォルテの理想とする光景をこうして目の当たりにし、窓の外に広がる夜空を眺める。
「不思議と早く会って話をしてみたいのよね。…リムル、フォルテ。」
そう呟くヒナタだった。
その後、夕食を済ませそれぞれの部屋に戻るヒナタ達。
ヒナタが自分の部屋に戻りドアノブに触れようとした時だった。
「ん?」
部屋の扉の足元の隙間に封筒が入れて置いてあった。
「これは…。」
ヒナタはその封筒を拾うと、封筒を見て目を見開いた。
「日本語⁉︎」
そう。封筒には坂口 日向様へと日本語で書かれていたのだ。
ヒナタはその場で封筒を開くと1枚の手紙が入っていた。
そして、ヒナタはそのまま手紙の内容を読む。
ヒナタ・サカグチ様。
この手紙をお読みくださりありがとうございます。
ヒナタ様や他の
この宿屋の奥の客室で待っておりますので来ていただけませんか?
自分だけでなくアルノー達も一緒に来て欲しいという怪しげな手紙。
だが、わざわざ日本語で書かれたその手紙をヒナタは無視する事はできなかった。
何より、…その手紙の筆跡はシズさんが書いた後と全く同じだったのだから。
ヒナタはアルノー達を連れて奥の客室へと向かい、今扉の前に立っている。
「この部屋ですか?」
「ええ。」
ヒナタは迷いも無く扉をノックする。
コンコン!
「どうぞ。中へ入ってください。」
扉の向こうから声が聞いた。
その声を聞いたヒナタは一瞬だけ目を見開くがすぐにいつもの表情へと戻り扉を開けて中へと入った。
中に居たのは黒いロングコートに身を包んだ黄緑色の長髪の青年だった。
「あっ!あのラーメン屋にいた…。」
青年を見たフリッツは、ラーメン屋で餃子を譲って去った青年だと気付いた。
「久しぶりだなヒナタ。」
「…そうね。」
青年の言葉に返事をするヒナタ。
「ヒナタ様?あの者を知っているですか?」
どこか親しげに話しかける青年に対して返事するヒナタの姿を見たアルノーがヒナタに問い掛ける。
「ええ、私は1度彼に会った。そして分身体を倒したわ。貴方達も会議で彼の姿を1度見ているわ。」
「えっ?」
「それって…⁉︎」
ヒナタの言葉にリティスとフリッツはまさか!と青年を見る。
すると、青年の姿にノイズが入れ乱れ本来の姿を露わにする。
其処に立って居るのは、黒いメットを冠りマントに身を包んだ者…フォルテだった。
「改めて自己紹介をしよう。俺は九星魔王エニアグラムの1人、
いきなり魔王であるフォルテが現れた事で、アルノー達はすぐさま臨戦態勢を取る。
「貴方達!落ち着きなさい!」
「ッ⁉︎」
「ヒナタ様…。」
ヒナタが声を上げ、それを聞いたアルノー達は臨戦態勢を解いた。
「…ごめんなさいね。彼らに悪気はないの。」
「ああ、分かっている。いきなり宿屋で魔王に会ったんだ。…警戒しない方がおかしい話だ。」
ヒナタのこの場における謝罪を受け入れるフォルテ。
「それに、俺よりヒナタに会わせたい人もいるからな。」
そう言ってフォルテが横に目線を向けると、ヒナタ達も釣られて横を見る。
すると、其処にいたのは西洋甲冑の兜を冠った謎の騎士と、シズさんが立っていた。
「シズ先生…!」
「…ヒナタ!」
シズさんを見たヒナタは目を見開き、シズさんはヒナタと再会出来た事に喜びながらヒナタに抱き付いた。
突然の事にアルノー達は戸惑う中、フォルテは優しい笑みを浮かべる。
「ヒナタ、元気そうで良かった。」
「シズ先生もお元気そうでなによりです。」
ヒナタから抱き付くのをやめてから、ヒナタの前に立って笑顔を浮かべるシズさん。
そんなシズさんに対して、ヒナタも嬉しそうにほくそ笑んだ。
「本当ならこのままヒナタと話をしたいけど…。」
「…何か大事な話があるのですね。」
シズさんの言葉を聞き、ヒナタはそう言いながらフォルテの方へと振り向く。
「フォルテ…。貴方が
ヒナタは冷静にそうフォルテに問い掛ける。
「ああ、その通りだ。ヒナタ、お前達とは別でルベリオスから
フォルテの言葉に目を見開き驚愕するヒナタ。
すると、フォルテは水晶球を取り出し翳すと、水晶球から光が放たれモニターとなってレナードと偽ギャルドが
「レナード⁉︎ギャルド⁉︎」
「どうして⁉︎」
「これは…⁉︎」
「おいおい…何やってんだよレナード!ギャルド!」
アルノー、リティス、バッカス、フリッツは映し出されたレナード達の姿に驚き戸惑っていた。
「…その様子からしてやはりヒナタ達は知らなかった様だな。」
「ええ。何故レナード達があんな事をしているのか私にも分からないわ。」
ヒナタの真剣な表情と眼差しを見たフォルテは、嘘ではなく真実だと理解した。
「…そうか。一応確認した方がよいと思って問い掛けたが、やはりヒナタ達は無関係だったな。」
「…その口振りからしてフォルテ、貴方は何か知っているのね。」
「ああ。このレナードって奴を唆したのは、…七曜の老師と呼ばれる連中だ。」
「「「「なっ⁉︎」」」」
フォルテがそう言った瞬間、アルノー達は更に驚きフォルテの方へと視線を向けると、フォルテの持つ水晶球から別の映像が映し出される。
それは、七曜の老師がレナードを唆かす場面だった。
その映像の内容はアルノー達からしたら信じられないものだった。
ヒナタが魔王ヴァレンタインと繋がっていて、今度はリムルとフォルテと繋がろうとしていると七曜の老師が語っているのだから。
「馬鹿な!ヒナタ様がその様な事をする筈がない!」
「アルノーの言う通りよ!」
「てかギャルドの奴、七曜の話を信じているのか⁉︎」
「だが、何故七曜があの様な事を…?」
七曜がレナードを唆かす光景を見たアルノー達はそれぞれ声を上げる。
「…そう。やっぱり七曜の仕業だったのね。」
「ヒナタ様?」
ヒナタの言葉にアルノーが反応した。
「やはり、ヒナタは七曜を疑っていたのか。」
「ええ。七曜の老師共は既に腐り切っているわ。」
「だろうな。その所為で彼も犠牲になるところだったからな。」
そう言ってフォルテは騎士兜を冠る騎士へと視線を移すと、ヒナタ達も彼を見る。
そして、フォルテが頷くと騎士も頷き兜に触れるとそのまま外して素顔を皆に見せる。
「なっ⁉︎」
「嘘⁉︎」
「馬鹿な⁉︎」
「ギャルド⁉︎」
アルノー、リティス、バッカス、フリッツの4人は目を見開き驚いた。
何故なら兜を冠っていた騎士は、レナードと共にいる筈のギャルドだったのだから。
「なんでギャルドが此処にいるんだ⁉︎」
何故ギャルドが此処にいるのかとフリッツが声を上げると、ギャルドが口を開く。
「ヒナタ様、皆、久しぶりだな。俺も七曜に嵌められたんだ。」
それからは、ギャルドは自分の身に起きた出来事をヒナタ達に説明した。
七曜の老師に命じられ極秘にある洞窟の調査へと向かい、その洞窟内で倉田達に捕らえられ
「そんな事が…。」
ギャルドの話を聞いてアルノーは思わずそう呟いた。
「そんな俺を救ってくれたのがフォルテだった。」
「ファルムス襲撃の際、俺が
「そうだったのですね。」
「あれ?ちょっとおかしくないっすか?」
リティスの言葉に続く様にフリッツがある事に気付いた。
「つまりギャルドはファルムス襲撃前から魔物にされていたのなら、俺達と共にいたギャルドって…まさか⁉︎」
「「「あっ⁉︎」」」
フリッツの言葉にアルノー達もその真実に気付いた。
「そうだ。お前達と共にルベリオスにいたギャルドは偽物だったって事だ。」
「しかも、ヒナタ様やアルノー達でさえ気付かないほどに完璧に化られる実力者だ。」
フォルテとギャルドから告げられた事実にアルノー達は目を見開き驚くしかなかった。
仲間もギャルドが偽物とすり替わっていて、自分達はそれに全く気付かなかった事実に…。
そして、その事実を聞いたヒナタは冷静に状況を整理し理解した。
「そう。つまり七曜の老師達はギャルドを嵌め偽物とすり替えて私達の情報を得ていたのね。」
「ああ。そしてギャルドの偽物と共にレナードを唆しながら誘導して、
「…私とリムルを戦わせる為にね。」
「何故七曜がその様な事を!」
フォルテとヒナタの会話を聞いていたアルノーは、人類の守り手にして偉大なる英雄である七曜の老師達が何故ヒナタを陥れる様な事をしているのか理解出来ず声を上げた。
「おそらく、…俺とリムルを戦わせヒナタを始末させようとしているのだろうな。」
「そんな⁉︎」
「ヒナタは
「…確かに、七曜が考えそうな事ね。」
フォルテの推測に対し、七曜をよく知るヒナタも納得した。
「それだけじゃない。レイヒムを殺そうとしてその罪をファルムスにいるリムルの配下に被せて
「レイヒム大司教を⁉︎」
フォルテの口から語られる更なる事実にアルノーが驚愕する。
「護身用に俺がレイヒムに持たせた身代わりアイテムのお陰でなんとかレイヒムは助かったが、それでも既に三万の
「なら、急ぎで事を鎮めなければ!」
「まずはこちらに向かっているレナード達を止めねば!」
「ですが、ファルムスの方も放置できませんよ!」
「どうしましょうかヒナタ様⁉︎」
フォルテから語られる自分達の知らないところで起きている事態にアルノー達は声を上げる。
「貴方達!落ち着きなさい!」
騒めくアルノー達に向かってヒナタが喝を入れ鎮める。
「今からファルムスに向かっても間に合うか分からないわ。それに、レナードの方も私が止めに行っても聞いてくれるか難しいわね。」
「ッ⁉︎何故ですか⁉︎」
「ヒナタ様が説得すればレナードなら止まる筈です!」
「そうっすよ!」
「私もそう思います!」
ヒナタの否定的な言葉にバッカス、アルノー、フリッツ、リティスが声を上げる。
「ヒナタの言う通りだ。」
すると、今度はフォルテがアルノー達に向かって口を開いた。
「さっき見せた映像でレナードは七曜の老師の言葉を信じている。ヒナタが俺とリムルと繋がろうとしている可能性があると。そんなレナードを止めにヒナタが現れたなら、七曜の言葉通りヒナタが俺達と繋がろうとしていると証明する様なものだ。」
七曜の老師達はヒナタが止めに入る事を想定してレナードにヒナタがリムルとフォルテと繋がろうとしているのなら、レナード達を止めに動くと嘘の忠告までしていたのだ。
「ええ。それにレナードの側にはギャルドの偽物もいるわ。私がレナードに語りかけても、ギャルドの偽物が何かを仕掛けるでしょうね。」
「ではどうすれば…!」
「……その為に来たんだ。」
フォルテの真剣な視線に、アルノー達はフォルテから目が離せなくなる。
「止められないなら、此処は七曜の老師の筋書き通りに動くしかない。その上で、奴らの計画を阻止する!」
「つまり、一芝居打つのね。」
「その通りだ。ヒナタはリムルと本気で戦ってもらい、アルノー達にもリムルの配下と戦ってもらいたい。そして、戦闘の最中か戦いが終わったところで七曜が何かを仕掛ける筈。」
「其処を取り押さえるのね。」
「ヒナタにこんな事頼みたくはなかったけど、これしか方法がないの。」
フォルテがそう提案し、シズさんが申し訳なさそうにヒナタに言う。
「気にしないでくださいシズ先生。それに、この状況下ではそれしかないのも理解しているわ。」
ヒナタ達は既に
今頃、聖人ヒナタが魔王討伐に出向いたなんて噂が七曜の手により広まっているだろう。
「フォルテ。貴方の提案に協力するわ。私としても、これ以上七曜の老師達に振り回されるのには嫌気がさしていたわ。」
「ヒナタ様がそう決めたのなら、俺達も協力します。」
「うん!」
「私も!」
「俺も!」
ヒナタがフォルテに協力する事を決めると、アルノー、バッカス、リティス、フリッツの四名も協力してくれる事に。
「ヒナタ様、皆…。」
「良かったね、ギャルド♪」
「おあ⁉︎お前な…。」
ヒナタ達とフォルテが七曜に対して協力する事が決まりギャルドが安堵すると、ギャルドのリンク
「ギャルド…そのぬいぐるみの様な魔物はなんだ?」
「可愛い…!」
突然現れたテリアモンにアルノー達は目を見開き驚く。
……リティスは可愛さに頬を赤くしていた。
「あっ…その…なんだ、俺が魔物にされる際に一緒に合体させられた奴だ。」
「僕はテリアモン!宜しくね♪」
テリアモンはギャルドの方に乗ったまま、耳を手の様にして可愛らしく振ってヒナタ達に挨拶した。
可愛らしいテリアモンの姿を見たヒナタは、目を輝かせ頬がほんのりと赤くなっていた。
そんなヒナタを見たシズさんは、懐かしそうにクスッと笑った。
「ふふ、相変わらず可愛い生き物は好きなんだね。」
「ッ⁉︎シズ先生!」
「えっ?そなんですか。……ヒナタ様もそんな一面あったんですね。」
「…どういう意味かしらフリッツ。」
「ヒィィィィ!なんでもありません‼︎」
余計な一言を言ってヒナタに睨まれ怯えるフリッツだった。
「…別にヒナタが可愛いものが好きで可笑しな事はないだろ?」
突然フォルテがそう口を開いた。
その言葉にアルノー達は一斉にフォルテの方へと視線を向け、ヒナタもフォルテへと顔を向けた。
「ヒナタがどんなに強かろうと一人の女性には変わらない。そんなヒナタが女性らしく可愛いものが好きで可笑しな事がどこもにもない。人の趣味として普通だろう。」
当たり前の事を普通に言うフォルテ。
そんなフォルテの言葉にシズさんは頷き、アルノー達は唖然となっていた。
ヒナタは
その強さと毅然とした立ち振る舞いからアルノー達に尊敬されていた。
故に、フォルテが言う様な女性らしいという考えが思いもしなかったのだ。
そんなヒナタに対してフォルテが平然と言った言葉。
その言葉を聞いたヒナタは、……フォルテを見ながらほくそ笑んだ。
「フォルテ。…貴方とはあの時とは違う形で出会いたかったものね。」
「そう言って貰えるなら嬉しい限りだ。この件が片付いたら、本気で手合わせを頼みたい。」
「勿論、その時は喜んで受けて立つわ。」
フォルテとヒナタは互いに笑みを浮かべながら見据え合う。
「さあ、七曜の老師とレナード達への対応について話し合うか。」
「ええ。」
こうしてフォルテは無事にヒナタ達と接触し、七曜の老師達の暗躍に対応するべく話し合うのだった。
宿屋でヒナタ達と接触し無事に七曜の老師達への対策などを話し合う事になったフォルテ。
異世界だと何気に日本語など出身国の言語は暗号なると思いませんか?
ヒナタ達と共に七曜を欺く為の一芝居が始まる。