七曜の老師共の最後を…どうぞ。
リムルとフォルテの始末に失敗した七曜の老師達がこの場から逃亡しようとした瞬間、美しい装飾が施された白き扉が出現し扉が開くと中から法皇ルイと共に
ルミナスの姿を見た七曜の老師達はその場で平伏し、ルイが前に出てアルノー達に向かって声を上げる。
「控えよ!余は法皇ルイである。そしてこちらにおわす御方こそ、我らが神ルミナス様であらせられるぞ!」
「ル…ルミナス様⁉︎」
「あの方が…神⁉︎」
「神…ルミナス様!」
「うそだろおい…。」
「フリッツ黙って!」
アルノー達はすぐさま神ルミナスに対し跪く。
(…やはりアルノー達は知らなかった様だな。)
アルノー達の様子を見てフォルテは心の中で呟いた。
…実はフォルテは神ルミナスの正体を知っていた。
ラージャ小亜国でウルティマの配下の勝手な暗躍を解決してしばらく経った頃、フォルテがウルティマにルミナスについて聞いていた。
コリウス王国でウルティマとルミナスが互いを知っており、ウルティマが度々ルミナスに何かちょっかいをかけていた事を知っていたフォルテはウルティマに尋ねてみると、ルミナスがルベリオスの神ルミナスだと教えてくれたのだ。
あまりにも大き過ぎる真実を知ったフォルテは、ヒナタ達との和解が済んだらウルティマを通じてルミナスに色々聞こうと考えていた。
そして今回の七曜の暗躍で七曜の老師達を捕らえたらすぐさまウルティマに頼んでルミナスに知らせるつもりだったのだ。
そんな事を知らないリムルは、下手にばらさず黙っておこうと心の中で思っていた。
「ヒナタ…自重せよと申しつけたであろうに。」
ルミナスは哀しげな表情で心臓と身体中の急所を刺され倒れるヒナタの側へ向かいしゃがみ込む。
「勝手な真似をしおって…。」
そう言ってルミナスはヒナタの胸元に向けて両手を翳す。
「
ルミナスから神聖魔法の聖なる力が放たれヒナタを優しく包み込むと、身体にあった刺し傷が瞬く間に治癒され失われかけていたヒナタの命が蘇ってゆく。
「…流石は神ルミナスだな。」
魔王でありながら神聖魔法を見事に使いヒナタを蘇生させる姿を見ていたフォルテは呟いた。
その光景なまさに神の奇跡と呼べるものだった。
液体兵に心臓を貫かれ上に身体中の急所を刺し貫かれたヒナタの意識は闇の中にあった。
その闇の中でヒナタは自分の過去を振り返る様に思い出していた。
(高校の入学式の日に私はこの世界に落ちて来た。下校の途中で突風が吹き目にゴミが入ったら嫌なので目を閉じて……再び目を開けたら見慣れぬ風景が広がっていた。)
異世界に来てヒナタが最初に見た光景は半壊した商人の荷馬車と無惨な亡骸と化した人達だった。
そして、この惨劇を起こした野盗達が嫌らしい目でヒナタを見ながら迫って来た。
(ああ…此処も一緒か。思えば父の会社が倒産した時から嫌な思いばかりしてきた気がする。)
ヒナタの脳裏に母に暴力を繰り返す父親の姿が呼び起こされる。
(父はギャンブルに手を出し母に暴力を振るう様になった。)
日に日に増す父の暴力を見続けたヒナタは……ある覚悟を決めた。
(だから私は…私は母の為に父をこの手で……。)
ある海岸の断崖でヒナタは父親の背中を突き飛ばし……海に落とした。
(……大丈夫。証拠は残してない。父は蒸発した。それで十分通る。いずれ保険金も下りるからそれまで待てばいい。もう怯える必要は無い。しばらくは悲しいだろうけど、いつかきっと母は笑ってくれる。いつかきっと……。)
父の殺めたヒナタだが……母を父の暴力から救うにはそれしか当時のヒナタには選択がなかった。
(……母は宗教に救いを求めた。耳障りの良い言葉に縋り私の励ましに耳を貸そうとはしなかった。)
ヒナタは宗教にのめり込み……神に縋る母の背中を見続けるしかなかった。
(父が死んでから母は…母の心は壊れてしまった。私の大切な者は奪われてばかり。父の会社も…母の心も…幸せだったあの頃も全て奪われてしまった。)
そうして自分の過去を振り返っているヒナタへと迫る野盗達。
(もう奪われる側は嫌だ。奪われるくらいなら私が奪ってやる。)
《確認しました。ユニークスキル“
そのヒナタの強い思いが力となり、
(私は正しい。私の計算に間違いはない。弱肉強食…それがこの世の不変の法則なのだから。)
《確認しました。ユニークスキル“
こうしてヒナタはこの世界に来てすぐ力を得て…野盗達を始末した。
(わかってる。本当に壊れたのは母ではなくて私の方だ。)
その直後に駆け付けたシズさんとヒナタは出会った。
そしてヒナタはシズさんの元で色々と学び共に過ごしていった。
(私が贖罪の機会を得たのは偶然立ち寄った町で
「ヒナタ!探したよ。」
「魔物が出たって言うのにいなくなっちゃうんだもの心配したんだよ?」
「…先生。今までお世話になりました。」
ヒナタを心配し駆け寄るシズさんに対し、ヒナタはそう言って頭を下げた。
(この世界で唯一私に手を差し伸べてくれた存在。とても尊敬しているしとても感謝している。でもこれ以上この人の側にいるのが怖かった。だってもしも突き放されたら耐えられない。…あの時の母を思い出してしまうから。)
ヒナタは無意識にシズさんと母を重ねて見ていた。
(だからこれは私の一方的な決断だった。)
「え…どうしたの?なにかあった?」
ヒナタの突然の言葉にシズさんは少し戸惑い、後から駆け付けた優樹と共に一旦宿に戻って詳しい話を聞いた。
「…もう決めたんだね。」
「はい。」
「いいのかヒナタ?後悔しても知らないぜ?」
「しないわよ。もう教わる事はないもの」
「…そっか。」
シズさんはヒナタが選んだ道を後押しする事を決めた。
「でも…道に迷った時は私を頼ってほしい。…ね ヒナタ。」
そう言って仮面を外しヒナタに笑顔を見せるシズさん。
こうしてヒナタはシズさんの元から巣立ちルベリオスで
……それから時が経ち、東の商人からリムルとフォルテによってシズさんが殺されたと嘘の情報を伝えられヒナタは敵討ちの為にイングラシアにいた二人を襲撃した。
その後、2人は生きて魔王となりシズさんも生きている事を知り、2人に謝罪する為に
(シズ先生と再会出来た時は本当に嬉しかった。……だから先生ともっと色々と話し合いたかった…。)
そう後悔しながらもシズさんの事を思うヒナタ……やがて意識が戻りゆっくりと目を開けると、シズさんと思われる人物が目に入った。
「せ…先生…?」
「おう。寝ぼけるなよ。何が先生?だ。」
「無事に目覚めた様だなヒナタ。」
「君達……。」
目覚めたヒナタの目に映ったのはリムルとフォルテ……ヒナタの無事に涙し安堵するアルノー達の姿だった。
「そうだ奴ら…七曜は⁉︎」
目覚めたばかりで朦朧としていたヒナタだったが、自分が七曜の老師達が操る液体兵に刺し貫かれた事を思い出し勢いよく起き上がる。
「慌てんなって大丈夫だよ。」
「ああ。今まさに然るべき存在から断罪が始まるからな。」
「然るべき存在…?」
フォルテの言葉を聞いたヒナタはフォルテが向いている方へと顔を向けると、……凄まじい怒気を放つルミナスの姿が目に映った。
「さて 七曜よ。此度の件どの様に言い訳するつもりじゃ?」
「ル、ルミナス様‼︎これには事情があるのです!」
「そうです!若輩者に身の程を教えようと……!」
ルミナスに睨まれる七曜の老師共が醜い言い訳を言い続ける姿を見ていたフォルテはゆっくりと歩み出しルミナスの隣立つ。
「おいおい。自分達の崇拝する神に向かって嘘の言い訳をするなんて見苦しいぞ。お前達の暗躍の証拠は既に上がっているんだ。」
そう言ってフォルテはリムルがメッセージに使用した水晶球の複製を取り出し、水晶球からある映像をルミナスの前に映し出す。
映し出された映像を見たルミナスの目が鋭くなる。
何故なら、七曜の老師がレナードを騙す為に自分達がロイを倒したと言いヒナタがリムルとフォルテと繋がろうとしていると嘘を言ってレナードが
「…成る程のう。お前達は
ルミナスは冷たい眼差しで七曜を睨む。
「ヒィッ!」
「これは…誤解なのです!」
「ルミナス様!」
これでもまだ言い訳をする七曜の老師共……本当に見苦しい。
「これだけの証拠があるのにまだそんな言い訳をするとはな……そういえばまだあの液体兵について話してもらってなかったな。」
そう言いながらフォルテはルミナスの方に身体を向けてルミナスに対して跪いた。
それを見た紅丸達が声を上げ様としたが、フォルテが目で黙って見ていてくれと語っているので我慢した。
ルミナスはフォルテが自分に跪いた理由を一目見てすぐに理解した。
「神ルミナスよ。少し願いたい事があります。」
「なんじゃ?言ってみるが良い。」
「この俺の力で七曜の老師共から必要な情報を直接引き摺り出したい。その際七曜の老師共には相応の苦痛を与える事になってしまうが、どうしても必要な情報故にその許可を頂きたい。」
「そうゆうことか……良い。
「なっ⁉︎」
「「ルミナス様⁉︎」」
ルミナスの言葉に七曜の老師共は慌てて声を上げる。
「今回の件は妾が此奴らを野放しにしていたのが原因。お主の好きなやり方で必要な情報とやらを得るが良い。」
「ありがとうございます。…では。」
ルミナスの許可を得たフォルテは、立ち上がると同時に分身体を二体作り出し一瞬で七曜の老師共の背後に回り込み頭を掴んで持ち上げる。
「なっ⁉︎」
「貴様!」
「何を…⁉︎」
「お前達の神ルミナスから許可を得た以上、容赦はしない。……無理矢理にでも奴らに関わる情報を貰うぞ!」
フォルテがそう言うと同時に、七曜の老師共の頭を掴んでいるフォルテの手が光を放つ。
「「「ぐああああああああ⁉︎」」」
その瞬間、七曜の老師共は汚い悲鳴の声を上げる。
無理矢理頭の中から情報を抜かれる激痛に、七曜の老師は耐えきれず顔のヴェールから目、鼻、口の箇所から血が染み込んでゆく。
苦痛に耐え切れず目、鼻、口から血を流しているのだ。
「…恐ろしい光景だ。」
「ええ…。」
「無理矢理に記憶を読まれる苦痛は想像を絶するだろう。」
「
「あれが魔王フォルテ……。」
その光景を見ていたアルノー達は改めて魔王フォルテの恐ろしさの一端を目の当たりにしたのだと理解し敵対しなかった事を本当の意味で良かったと思った。
……そうしてフォルテは七曜から必要な情報を引き出しきるとその手を離した。
「がっ…かはっ!」
「あ…ああ。」
「ぐっ…ぐはっ!」
七曜の老師共は無理矢理頭から情報を引き出された苦痛に耐えきれなかったのか事切れた人形の様に倒れ込む。……まだ微かに息をしているので死んではいない。
「必要様な情報は得られました。後はルミナス様にお任せします。」
「うむ。」
フォルテはそう言って分身体を消してリムル達の元へと向かった。
そして丁度そのタイミングでウルティマから向こうの七曜の老師共を始末した連絡が来た。
『フォルテ様。老害の駆逐が終わったよ。』
『ウルティマか。首尾はどうだ?』
『バッチリだよ。予定通りヨウムがファルムスの新たな王になる手筈も済んだよ。』
『流石だな。なら、後はディアブロに任せて戻ってきてくれ。』
『うん♪』
ウルティマとの念話を終えたところで、…ルミナスが七曜の老師達に判決を言い渡した。
「死罪じゃ!せめて
「お…お慈悲を!」
「私共はルミナス様の御為に!」
「我らの…我らの長き忠誠に免じて何卒!」
見苦しくもまだ命乞いをする愚かな七曜の老師達。……だが神ルミナスが許す筈はなかった。
「
ルミナスが声を上げると同時に眩い光が全身から放たれると、上空から白く光輝く巨大な両腕が出現し七曜の老師に向かってゆく。
「ひっ…!」
「ひいいいいっ!」
迫る手に怯える七曜の老師達。
「ルミナス様…ルミナス様‼︎」
「どうかお慈悲を…ッ!」
「どうか…!」
最後まで醜く命乞いをする七曜の老師共だったが、遂に光の手に捕まり両手の中で光が七曜の老師を包み込むと、手から解放された七曜の老師共の肉体は崩れ灰となって散った。
「……正に神の
最後は自身の崇拝する神によって粛清された七曜の老師。
老害の最後に相応しい末路だとフォルテが思っている中、七曜の老師共が着ていたローブが風に煽られ飛ぶと、その方向にいたある人物にぶつかり被さった。
「うお⁉︎なんだこの布⁉︎…ローブか?我の趣味ではないな。」
「「ヴェルドラ⁉︎」」
そこに居たのは
ヴェルドラの登場でルミナスの視線が鋭く冷たいものとなった。
それに気付いたルイは冷や汗を流した。
「ヴェルドラ。…何で此処にいるんだ?」
「おいこら、お前には町の最終防衛ラインを頼んだだろ?」
「おうとも。気合いを入れて待っておったぞ。だというのに敵の気配は一向に近づいてこんし暇だから索敵の範囲を広げてみれば覚えのある魔王の
「おい。」
「いやそれは…。」
フォルテとリムルはヴェルドラが何故この場所に来たのか問いかけるとヴェルドラはルミナスの
「え…魔王?」
「今 魔王の
「魔王リムルと魔王フォルテのではないのか?」
「話の流れ的に別の魔王じゃ…。」
ヴェルドラの言葉にレナード達が騒めく。
(…まずい。このままだとヴェルドラが余計な事を言ってしまう。)
「おい…おいちょっと。」
フォルテはヴェルドラが絶対に遣らかすと心の中で思い、リムルは止めようと話しかけるが……時既に遅しだった。
「む?おお、なんだ貴様か。」
ヴェルドラがルミナスに気付いたその時だった。
「兄者!」
「やはり此処だったか!」
ヴェルドラを探していたアゲンストとヴェルキオンが現れヴェルドラを止めようとしたが間に合わず、ヴェルドラはルミナスに向かって指差しながら大声で言ってしまう。
「
(……言ってしまった。俺はもう知らんからなヴェルドラ。)
皆の前で盛大に魔王ルミナスの名を言ってしまったヴェルドラに対しフォルテは頭を抱えて色々諦めてしまった。
リムル、アゲンスト、ヴェルキオンの三人もフォルテと全く同じ気持ちだった。
「元気そうだな。我が感じた
そんなフォルテとリムルの気持ちも知らず自信満々にルミナスに言い放つヴェルドラ。
「ルミナス様が…。」
「魔王ルミナス・バレンタイン?」
ヴェルドラの言葉を聞いたアルノー達は余りの衝撃的事実に戸惑っていると、ルミナスから凄まじい怒気が滲み出ると同時に青薔薇を模した鍔の真紅の剣を出現させヴェルドラに向かって突き出す。
その剣こそルミナスの持つ
「ウオァッ⁉︎」
迫る刃にヴェルドラは訳も分からずその場に座り込みながら焦る。
「この…クソトカゲが‼︎毎回 毎回 妾の邪魔をしおってーーッ‼︎」
「ぐわ〜‼︎」
こうしてルミナスのヴェルドラへの裁きが始まったのだが、最初の一撃を喰らった瞬間ヴェルドラはすぐさまフォルテの背後に逃げた。
「…おいヴェルドラ。」
「フォルテよ助けてくれ!我はちゃんと名前を呼んだだけなのに……!」
激怒するルミナスの迫力に恐怖したのかヴェルドラは震えていた。
そして、凄まじい怒気を放ちながらゆっくりとフォルテへと歩み寄るルミナスは、フォルテの前で足を止めた。
「ま、まぁ落ち着け。我はキチンと謝るつもりでおるのだ!」
「なんじゃと?」
「弟達が我の代わりに謝ったと聞いた。だから、我自身も謝罪するべきだと思ったのだ。」
「ほう…?」
ヴェルドラの言葉を聞いたルミナスは…一応謝罪を聞く事にした。
「うむッ!あの時は我も悪気はなかったのだ。若さゆえの過ちというヤツだからして、お前も寛大な心で我を許すがよいぞ!」
ぶちん!
それは謝罪と言うには酷過ぎるものであり、ルミナスの堪忍袋が切れる音がフォルテ達の耳に聞こえた。
「魔王フォルテよ。」
「…なんだ?」
「そのトカゲをこちらに渡せ。」
ヴェルドラを睨みながらフォルテにヴェルドラを寄越せと言う魔王ルミナス。
それに対してフォルテがとった行動は……。
「いいぞ。」
なんの躊躇いもなくヴェルドラをルミナスに差し出した。
「う、裏切ったなフォルテ‼︎」
「自業自得だヴェルドラ。」
「フォルテの言う通りお前が悪いよね。」
「うむ。お主らは中々に物分かりが良いようじゃな。」
「それほどでもないよ。都の事も今回の暴露もヴェルドラが迷惑掛けてるしね。」
「気が済むまで存分にやってくれ。それで許せるなら許してやってくれ。」
「ふむ。考慮しよう。」
「ちょっ⁉︎」
完全に自分が罰を受ける流れでフォルテ、リムル、ルミナスの三人が話を進めてゆくのに声を上げようとするヴェルドラだが。
「兄者よ。素直にルミナスの裁きを受けた方が良いぞ。」
「我らから見ても完全に兄者が悪い。」
「そんな!お前達まで⁉︎」
アゲンストとヴェルキオンにまで言われてしまうヴェルドラ。
「うむ。やはりお前達はこの邪竜と違い物分かりが良い。」
「今回も間違いなく兄者が悪い。」
「魔王ルミナス。存分に兄者にお灸を据えてくれ。」
「そうか…では今までの恨みまとめて晴らさせてもらうぞ!」
「待て!ちょっと待て!我の意見も聞くべき…ぐわ〜‼︎」
こうして、リムルとフォルテ達に見守られながらルミナスのヴェルドラへの裁きが始まったのだった。
一方。ヴェルドラがルミナスに裁かれいる頃、ルベリオスの奥の院で七曜の老師最後の1人が他の老師達からの連絡を座して待っていた。
「……遅い。何をしておるのだ彼奴らは。何故 何の連絡もよこさん。」
いつまで経っても他の老師達から連絡がこない事に少し苛立つ最後の老師。
「(作戦を仕切っている
最後の老師は作戦が失敗した事を悟った。
(あの女は頭が切れすぎる。消えてもらわねばワシの計画の妨げになるというのに。そしてファルムスで暗躍する
…最後の老師である
「どうされましたか?」
すると、何者かが突然背後から
「酷く苛立っておられるようですね。
「ニコラウス枢機卿か。ヒナタの腰巾着が何をしに此処へ?」
「一つ面白い発見をしましてね。」
そう言ってニコラウスが取り出したのは、リムルのメッセージが込められた水晶球だった。
「発見だと?」
「これに細工がなされた痕跡が見つかったので復元してみたのですよ。」
そう言ってニコラウスが水晶球を起動すると、今度はリムルのメッセージがちゃんと再生された。
「…まぁ言わなくてもご存じですね。アナタが細工をしたのですから。」
「……」
ニコラウスの言葉に対し黙秘する
「私わね、アナタ方が何を考えていようと興味は無いのです。神ルミナスその方の寵愛を欲すもあるいはその力を利用使用と企むのも。」
「おかしな言い草よの。神は信じる者の心の内に…「茶番は結構。」ッ。」
「神ルミナスが実際する。そんな事はとっくの昔に気が付いていました。」
そう言いながら
「ヒナタ様が秘密にしていたから私も気付かぬフリをしていただけ。だから本当に興味が無いのですよ。アナタ方にもルミナス教にも…。」
「貴様…!」
そう言いながらが身に付けていたペンダントを手に取るニコラウスの姿を見た
「老害は滅ぶがいい!」
ニコラウスがペンダントを翳すと
「
「ば…馬鹿な…。」
ニコラウスの
「クソ虫が。ヒナタ様を害しようとするなど私が許すと思ったか?」
「……この世に神がいるとすれば、それはヒナタ様に他ならない。」
こうして七曜の老師最後の1人もこの世から消えった……筈だった。
ニコラウスが
「おのれ…ニコラウスめ…。(
「まさか
「…御爺様。」
「…ああ。どうしたんだい?マリアベル。」
グランベルの前にマリアベルがある報告をしに現れた。
「さっきグレンダが戻って来たわ。自分の見たものが信じられなかったみたいなのよ。」
「…そうか。(やはりそちらも失敗か。既に
…その悪魔が原初の
「それだけじゃないわ御爺様。彼女、戦線離脱した後潜んで様子を見ていたようなのだけど、エドワルド王は報道陣達の前で退任を表明…次の王位には英雄ヨウムが就く流れになったらしいの。」
(…結局はあの悪魔の思い通り…いや、その主魔王リムルと魔王フォルテの思惑通りとなった訳か。)
「あの魔王達の町は危険よ…危険だわ。」
爪を噛みながら
「
「いいえ違うわ御爺様。あの魔王達は経済で世界を支配するつもりなのよ。」
マリアベルはそうグランベルに言い放つ。
「それはまさに私達ロッゾ一族が為そうとしている事。」
「まさか…新参の魔王共がそこまで考えていると?」
「本当よ。本当にそうなるわ。だからこそ潰さなければならないの。」
リムルとフォルテの行動はマリアベルの言う通りと言っても過言ではない。
「なるほど。お前がそう言うのならそうなのだろう。」
「ええ。次こそは必ず潰してみせるわ。この私、“強欲のマリアベル”の名に懸けて!」
マリアベル・ロッゾ。
グランベル・ロッゾの直径の子孫にしてリムルとフォルテと同じ転生者。
“異世界”の知識を有するロッゾ一族の希望である。
だが、フォルテの有する“異世界”の知識と技術には遠く及ばない事を知らない。
原作通りルミナスに裁かれた七曜。
フォルテにより強制的に記憶を引き摺り出されその苦痛とルミナスの裁きによって肉体すら残さず消されたのであった。
最後の1人
次回から和解編に入りますが、…その前にやらかしたヴェルドラへのお灸をお楽しみに。