転生したらフォルテだった件   作:雷影

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夏といえばやはり祭り!


23話 夏祭り

俺達はリムルに呼ばれて会議室にいる。リムルの真剣な表情に皆に緊張が走る。そしてリムルが机を叩く。

 

「この季節にまだ足りないものがある。何かわかるか?」

 

「あっ……分かりません。」

 

「それは夏祭りだ‼︎俺はこの街で夏祭りをやりたい‼︎」

 

「成る程…いいな夏祭り。」

 

「だろ!」

 

「夏…祭り……。」

 

「リムルさんフォルテ君、リグルドさん達は夏祭りを知らないから説明しないと。」

 

「あっそうだった!う〜んと…ようは夏の宴だ。」

 

「宴!」

 

宴と聞いてリグルド達が笑顔に変わる。皆やっぱり宴が好きだな。

リムルは木の板に書いた盆踊りや出店そして打ち上げ花火を絵で説明した。

皆初めて見るものばかりで興味津々だ。

 

「準備期間は1週間!できるか?」

 

「はっ!我ら一同に……。」

 

「「「「お任せください‼︎」」」」

 

「よーし!皆の全力を見せてくれ。」

 

「「「はい!」」」

 

こうして、魔物達の全力の準備が始まり1週間で見事なまでに夏祭りが再現されていた。

 

盆踊りのやぐらも、リムルが書いた絵の通りにできている。

 

「皆凄いな。」

 

「1週間で本当に夏祭りの準備を整えるなんて。」

 

「ん?リムル達…お面屋を見ているのか。」

 

リムル達の元に向かうと、そのお面屋はスライム状態のリムルだけのお面屋でシオンとシュナそしてゴブタがリムルのお面をしてリムルを見ていた。

 

「……異様な光景に見えるな。」

 

「ははは…。」

 

「おっ!フォルテ様っす!」

 

「リムルのお面屋もできたようだが、頼んでいたお面屋もできているか。」

 

「もちろんすよ!」

 

ゴブタに案内され別のお面屋に向かう。

 

「おぉ‼︎いいね!これこそお面屋って感じだ。」

 

そのお面屋に飾ってあるお面は俺やトリルにカーネルなどの電脳魔人(サイバーノイド)達のお面だった。

 

「やはり自分のお面は少し恥ずかしいが、こうやって皆のお面と飾っていると昔を思い出すな。」

 

「僕のお面もあるんだ。」

 

「確かにリムル様のお面も素敵ですが、こうやって皆さんのお面が飾ってあるのもいいですね。」

 

 

その後は皆浴衣に着替えた。俺とトリルは男性用だが……やはりリムルは女性用をシュナ達によって着せられていた。

 

「似合っているぞリムル。」

 

「はぁー…まぁ水着じゃない分ましだよ。」

 

シズさんは白い浴衣で青い花柄模様でシズの美しさが際立つ。今回もセレナードはシズから出て浴衣を着ている。黄色の浴衣にセレナードの羽衣が描かれている。アイリスはシュナと同じ桜色に花柄の浴衣。

 

「セレナードとアイリスも似合っているな。」 

 

「ありがとうフォルテ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「シュナは相変わらず似合っているとして、シオンも今日はなんだが楚々として見えるな。」

 

リムルにそう言われ笑顔のシュナに対してシオンは何だか苦しそうだな。

 

「う〜聞いてください!胸に晒しをギュウギュウ巻かれたんです!」

 

あぁ……成る程。そりゃあシオンは苦しいはずだ。

 

「うふふ、私思ったんです。

大きなお胸は着付けに邪魔…

大きなお胸は着付けに邪魔…

大きなお胸は着付けに邪魔なんです。

 

シュナ怖い。目が据わっているし……トリルも怯えてアイリスの側に避難していた。今は何も言わない方がいいだろう。

 

 

 

 

今回は前世の日本での夏祭りをできる限り再現することが今回の目標だったが、皆の頑張りで前世と変わらない見事な夏祭りを再現された。

 

「見事だな。まさかここまで再現できるとは。」

 

「本当だね。……なんだが昔を思い出すよ。」

 

「私達は情報として知っていましたが、実際に見ると皆さん笑顔で楽しんでいる姿は見ているだけで私達も楽しくなりますね。」

 

「僕もなんだか楽しいよ。」

 

「良かったねトリル。」

 

リムルと別れて皆の夏祭りの姿を見て歩いていると、リムルがたこ焼き擬きの店で感動していた。あぁーあのたこ焼きの再現は皆で苦労したもんだ。俺も協力して生地とソースをなんとか再現したが、タコだけは中々代用できるものかなく、とある魔物で代用した。

食感と味はタコと変わらなかったが……見た目がちょっとな…。

 

リムルが気になって覗こうとしてる。

 

「リムル。どうだ?たこ焼きの再現度は。」

 

「おぉフォルテ!凄いじゃないかもうたこ焼きその物だ!」

 

「それは良かった。じゃあ次はたい焼きはどうだ?向こうの出店にあるんだが。」

 

「本当か⁉︎よし皆で行こうぜ!」

 

リムルは元気よくたい焼きある出店向かって走り出す。

 

「フォルテ様。ありがとうございます。」

 

「気にするなシュナ。タコの代わりがあれだからな…。」

 

 

その後、たい焼きに林檎飴など夏祭りの出店によくある物を食べ歩く。

どれもしっかり再現されていて美味しかった。

 

途中でベニマルとシオンと合流して、リムル一押しの店であるかき氷屋に来た。

 

「かき氷…この時期に氷なんてあるんですか?」

 

疑問に思うベニマルの前にリムルがいちごシロップをかけたかき氷を渡す。

 

「ほら食ってみい。」

 

「はい!」

 

ベニマルにシュナとシオンはイチゴのシロップのかき氷を食べる。

 

「!冷たい…そして甘い!」

 

ベニマルは嬉しそうに食べる。ベニマルは甘党だからな。

 

「氷がまるで雪の様にふわふわです〜。」

 

「かき氷機の刃はクロベエ謹製だからな。」

 

皆が美味しそうに食べる中、クロベエが氷が無くなったことに気づく。

 

「フリーズマンとアイスマン。氷の補充をお願いするっぺ。」

 

「了解した。」

 

「任せてください!」

 

店の隣から氷でできた身体の者と、夏なのに極寒地帯で着るような防寒具に身を包んだ子供が現れた。

 

そう。この2人フリーズマンとアイスマンは夏の暑さ対策で新たに生み出した仲間。今はこの夏祭りで黒兵衛のかき氷屋の氷補充を任せている。

 

氷之塔(アイスタワー)!」

 

氷之立法体(アイスキューブ)!」

 

フリーズマンが地面を殴ると無数の氷の柱が立ち、アイスマンが手を前にかざすと巨大な氷の塊が出現した。

 

その光景に周りの皆は思わず拍手。

 

「2人共ご苦労。」

 

「いえ。フォルテ様や皆様の役に立てるなら光栄です。」

 

「僕もです!」

 

「いや〜この2人のお陰で助かったよ。」

 

「リムルと俺が氷の魔法で出す予定だったが、この2人の事を思い出して生み出したが大活躍だ。」

 

「この時期の氷は貴重だからな。」

 

この氷の出どころを知ったベニマルは固まっていた。

 

「……これ、食べて大丈夫な氷なんですか…。」

 

「へぇ?ダメなの?」

 

「腹凍りませんかねぇ…。」

 

「それは大丈夫だ。ちゃんと調べてから出している。」

 

どんな世界でも食用に適しているか調べるのは大事だからな。

 

「そして、俺の一押しはこれだ!」

 

そう言ってリムルが出したのは青いシロップのブルーハワイだった。良く再現できたな。

 

「この鮮やかな青を再現するのは至難だったな。ちなみにこれはブルーハワイと言って…「これはリムル様色!」?」

 

「おぉ確かそうだ!」

「空の色の様に清々しくて雄大で冷たい氷に優しい甘みが心地良い。」

 

「まさにリムル様!」

 

「リムル味!」

 

「「「「リムル様……味‼︎」」」」

 

おいおい……皆それはあかんぞ。ほら…リムルもまた恐怖で顔が引き攣っている。

 

「あら…。」

 

「本当に…。」

 

「リムル様って…。」

 

「美味しいですね。」

 

「「うっふふふふふふ♪」」

 

シオンとシュナまで…てかいつの間にか全員がリムルのお面を付けているし⁉︎

 

「時々…皆から恐怖を感じるな。」

 

「うん……ところでフォルテのかき氷のシロップは何味ですか?」

 

「グレープフルーツ味。」

 

 

 

その後、リムルと分かれて祭りを楽しんでいく。

 

「ガビルの奴…猪八戒相手に見事な戦いだったな。」

 

「そうだね。実際戦う事がなかったからこうした演劇で戦うことにしたんだね。」

 

「戦闘は本格的だったから見入っちゃったよ。」

 

ガビルは猪八戒と共に劇をして戦闘は互いに真剣にやっていた。戦場で、豚頭帝(オークロード)だった頃に戦うことなく終わった……だからこそ、劇の中でとはいえ互いに戦ってみたかったのだろう。勿論加減はしている。

ちなみ舞台名は英雄ガビル対猪帝猪八戒。

ガビルは最初勇者と入れようとしたらしいがシズさんに止められた。なんでも、勇者とは魔王と同じで特別な存在らしい。

 

 

「ん?金魚すくいか懐かしいな。」

 

「行ってみようフォルテ。お姉ちゃん。」

 

「うん行こうトリル。」

 

「シズさんとセレナードもいいか。」

 

「うんいいよ。」

 

「もちろんです。」

 

金魚すくい屋に入ると、リムルが巨大金魚にポイを喰われていた。

 

「おい!今の何⁉︎」

 

「ふぅ、気を抜くと指をもっていかれるっすよ。」

 

「ああいう時はまずポイのみねで急所を突くのですじゃ。」

 

「異世界の金魚は凄いな…。」

 

「僕もびっくりだよ。」

 

「あっフォルテ様もどうすっか?」

 

その言ってゴブタが俺にポイを渡してきた。

 

「……面白い。」

 

俺は生け簀に泳ぐ金魚達を見ながらポイを構える。………とても金魚すくいをやる雰囲気ではない静寂が支配する。

 

そして俺が生け簀にポイを近づけた瞬間にあの巨大金魚が俺のポイに喰らいつこうと跳び上がる。だが、その瞬間を待っていた俺はポイを紙一重で金魚の口から回避させ急所を突いた。

 

巨大金魚は水面に落ち倒れた。その巨大金魚をポイですくい上げて、俺は掴み上げた。

 

「どうだ。」

 

「見事っすフォルテ様!」

 

「いやはや実に見事な手捌きですじゃ。」

 

「凄いよフォルテ!」

 

「流石フォルテですね。」

 

「凄いねフォルテ君。」

 

皆から盛大に拍手された。そしてこの金魚はあまりにもデカ過ぎるので生け簀に返した。

 

「くっそー!フォルテができたらなら俺だってやるぞ!」

 

「ほっほっほリムル様も頑張ってくだされ。」

 

リムルはそのまま巨大金魚にリベンジの為に再度挑むのだった。

俺達は邪魔しちゃいけないとそーっと店から出て行った。

 

 

 

その後、色んな出店を皆で回って見た。その中でソウエイが射的でクナイを投げて木彫りのガビルを当てたり、ゲルドが小さなゴブリンの女の子ココブに優しく魔獣退治の魔獣役をして喜ばせていた。

 

 

皆から懐かしいあの頃の光景を見ていると、自然と笑みを浮かべていた。

 

そしていよいよ始まった盆踊り。リムルにシズさんにアイリスそしてトリル達も楽しく踊る中、やぐらの前でノリノリで踊るガビル達の姿が目立つ。

 

「ガビルの奴、盆踊りのリズム合わせて良くあんな踊りを編み出したな。」

 

「凄いですね。」

 

皆の踊る姿を屋台の近くで見守る俺とセレナード。

 

「それで、フォルテは踊らないんですか。」

 

「……俺は踊りは得意じゃないからな。」

 

 

やがて踊り終えたガビル達は気持ち良い汗をかきながらリムルの元に。

 

「リムル様ー‼︎ハァハァ…いかがでしたか我らの踊りわ。」

 

「あっ?あぁお前ら此処にいたのか。」

 

「え⁉︎」

 

「良かったな皆と踊れて楽しかったよな。」

 

リムルに渾身の踊りを見て貰えずにショックのガビル。そんなガビルに俺は近づく。

 

「良くあそこまで独自の踊りをしていた良かったぞ。」

 

「⁉︎フォッフォルテ様……我輩達の踊りを…。」

 

「あぁ。最後まで見させてもらった。」

 

「「「「フォルテ様ー‼︎」」」」

 

俺が踊りを見ていたと知ったガビル達は感動しながら俺に抱きつくのだった。

 

その後、今日の間にプロトの面倒を代わりにみてくれたゴスペルに差し入れをし、今はリムルと共にリグルドに呼ばれてある場所きた。

 

「おぉ!こんなの作ってたのか。」

 

「見事だな。」

 

其処にあったのは、リムルのねぶたを乗せた神輿とゴスペルを模したねぶた神輿だった。

 

「リムル様。フォルテ様。ささ乗ってください!」

 

言われるがままに乗ると俺達が乗る神輿を力自慢のボブゴブリンとハイオーク達が引っ張って行く。

 

「「「「リムル様ー!」」」」「「「「フォルテ様ー!」」」」

 

俺達が乗る神輿が通る先にいる街の皆が声を上げながら手を振る。それに応えるように手を振り応える。

 

「リムルさんとフォルテ君は本当に人気者だね」

 

「なんか慣れないな。それに……神輿を引っ張ってくれている皆に申し訳ないな。」

 

「大丈夫ですよ。皆さんはリムルさんとフォルテの為にやっていますから。」

 

「そういえば、フォルテのほうの神輿のモデルはなんでゴスペルなの?」

 

「ああ、それは俺が頼んだんだ。リムルと違い、人型だとバランス悪いし何よりゴスペルのほうが神輿のモデルには最適だったからな。」

 

 

 

神輿が一周した後はいよいよ祭り最後の目玉である打ち上げ花火だ。

 

「クロベエとカイジンの力作が楽しみだ。」

 

「そうだね。」

 

そして遂に花火が打ち上げられた!

 

打ち上げられた花火は完璧だった。鮮やかな色とりどりの花火が夜空に輝いている。

 

「実に見事だ。」

 

「本当に綺麗。」

 

「お母さんにも見せたかったな。」 

 

「そう思う気持ちがわかります。」

 

そして次に大きな花火が打ち上がった時、俺とリムルそれにシズさんからあの言葉が自然と出た。

 

「「「たっまやー!」」」

 

「あのリムル様フォルテ様、たまやってなんです?」

 

「あはははなんだっけ忘れた。」

 

「俺も。」

 

その後も続く花火は前世で見たどの花火大会にも負けない素晴らしい物だった。

そして最後に俺とリムルの特大花火が夜空に輝いた。リムルのスライムの姿と俺の顔の花火……本当にカイジン達の腕前は凄い。

 

こうして夏祭りは無事成功した。

 

 

 




楽しい祭り…コロナ緩和で今年は皆で祭りを楽しめたらいいですね。
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