転生したらフォルテだった件   作:雷影

35 / 145
一気にクリスマスまで話をまとめました。


32話 冬の出来事とクリスマス

テンペストに滞在中のフューズ達……そんな彼らに緊急事態が

 

「どうしようギルマス!」

 

エレンが慌てながら声を上げる。

 

「くっ!俺としたことが目算を誤った。」

 

「あっしらには大事な使命があるんでやすよ。」

 

「なのに…こんな時に…。」

 

空を見上げるエレン、カバル、ギドそしてフューズ。

 

「「「「テンペストに初雪が降ってくるなんて。」」」」

 

そう魔国連邦(テンペスト)に初雪が降ってきたのだ。

 

「滞在期間を延ばすか…。」

 

「仕方ないですよね。」

 

「でもでもこんなに良くしてもらっているのにこれ以上お世話になるのは…。」

 

「小芝居しなくても居ていいよ。」

 

「やった!」「「「よっしゃ!」」」

 

リムルの許可が出て喜ぶ彼らだった。

 

「素直に頼めばいいだろうに。」

 

「まぁいいんじゃないか。」

 

「そうだよフォルテ君。」

 

そう話ながらお茶を飲む俺とリムルとシズさんだった。

 

 

 

翌日、見事に雪が積もった。皆が朝から雪掻きをして道を作る中、俺はリムルを探していた。

 

「リムルの奴何処に行ったんだ?」

 

今日朱菜が朝に部屋に行くと姿がなかったと聞いて探し回っていた。

 

「ん?」

 

そんな中、朱菜からリムルの話を聞いたリグルドが雪掻きしている場所から何か違和感を感じたような表情をしていた。

 

木のスコップをどかすと……雪の中からリムルが出てきた。

 

「やぁ…。」

 

「何故埋まっているのですかリムル様⁉︎」

 

「いやぁ予想以上に深かったわ……ビビった。」

 

「リムル…お前ひょっとして2階から飛び降りたな。」

 

リムルが発見された後、俺は雪が積もった町を改めて見た。

 

「にしても…本当に積もったな。」

 

まさに豪雪地帯だった。町全体が厚い雪に包まれてしまっている。

 

「……ここは彼奴らを呼ぶとするか。」

 

しばらくして、町全体にリムルから朝の放送が行われた。

 

ピンポンパンポーン!

 

【おはようございます。大雪になったので、今日は議事堂に集合して雪掻きをします。担当ごとに割り振りをするので、シャキッと目を覚まして暖かい服を着てスコップと長靴を準備して集合してください⋯⋯以上!】

 

 

議事堂の前に準備を整えた皆が集まる。

 

「よーし!割り振りは以上。」

 

「皆頑張るぞ!」

 

「「「おー!」」」

 

皆がそれぞれの担当区に向かい始める中、ヨウム達もスコップを手にやって来た。

 

「あっおーいヨウム!」

 

リムルは元気良くヨウムのもとに向かう。

 

「一緒に雪掻き頑張ろうな。その後は温泉だ。」

 

「ちょっと待ってくれよリムルの旦那。確か住んですぐに火の用心の夜廻をしたな。それに用水路のドブ浚いも、ヤグラのペンキ塗りもやったな。」

 

「荒地の開墾とか。」

 

「庭も作ったな。」

 

そう。ヨウム達には色々とやってもらっていたのだ。

 

「はぁーそれで今度は雪掻きだぁ?英雄になるのは引き受けたが便利屋になるつもりないぜ。」

 

まぁヨウムのいい分も分かるなぁ。……そうなるとやはり俺達との訓練だな。

 

「そっか〜。たまには気分転換でもって白老とフォルテの提案だったけど、そんなに修行が好きならしかたないな真面目だなぁ〜。」

 

リムルの背後から禍々しい闘気を纏う俺と白老とカーネルにヤマトマンそれにケンドーマンの姿だった。

 

「「ヒイィィィィ‼︎」」

 

ヨウム達は英雄に相応しい体裁を整える為に武器に装備を用意し、そして相応しい強さを身につけてもらう為に俺達が徹底的に鍛えているのだ。

 

「「「えっさ!ほいさ!えっさ!ほいっさ!ウオォォォオ‼︎」」」

 

修行での恐怖を思い出したヨウム達は凄まじい勢いで雪掻きを進める。

そんなヨウム達に朱菜達が差し入れに温かいお茶を持って来てくれた。

 

「お疲れ様です。大変じゃありませんか?」

 

「とんでもない!」

 

「俺達!」

 

「「「雪掻き大好き‼︎」」」

 

元気に…と言うか全力で雪掻きに励むヨウム達。

 

「まぁ頼もしいですね。」

 

「これもいい修行になるな。なぁ白老、カーネル。」

 

「ええ。」

 

「ほっほっほっほ。フォルテ様の言う通りですじゃ。」

 

ヨウム達の全力の雪掻きを見ながらそう話していると朱菜とアイリスがこちらにお茶を持ってきた。

 

「はいリムル様もどうぞ。」

 

「フォルテと兄さんも。」

 

「ありがとうな朱菜。」

 

「助かるアイリス。」

 

「すまないなアイリス。」

 

アイリス達からもらったお茶を飲み一息入れた後、再び作業を再開する。

その中で一番活躍していたのが紅丸だ。

 

黒炎獄(ヘルフレア)!」

 

見事な火力調整で周囲に被害を出さずに雪だけを溶かしていく。

 

「うおぉ!流石紅丸!やっぱりお前は頼りになるな。雪掻きが捗る捗る。」

 

「おうおうおう!凄いのだ。」

 

「火力調整にコツがいるんですよ。」

 

「確かに見事だ紅丸。だが、彼奴らも負けてないぞ。」

 

そう言って俺が横の道に顔を向け、皆も顔を向ける。

 

火炎之腕(ファイアアーム)!」

 

高火炎放射(ストライクバーナー)!」

 

そこには2人の電脳魔人が強烈な炎を放ちながら雪を溶かしていた。

 

頭に炎を灯す者とまるでバーナーのように高火力の蒼炎を放出する者。

 

その二体はファイアマンとバーナーマンの二体だ。

 

「流石だなファイアマン、バーナーマン。」

 

「フォルテ様。」

 

「へっ!こんな雪なんぞ俺達にかかればどうってことはないぜ。」

 

この2人はミリムとの特訓の際にもっと戦力がいると考えて生み出した。

それからは俺やミリムの相手をよくしてくれている。

 

「おぉ!ファイアマンとバーナーマンも凄いのだ。」

 

「ミリム様に言われるとは光栄だなバーナーマン。」

 

「そうだなファイアマン。」

 

2人は仲良く腕を合わせる。

ゲームと違い2人の仲が良いのは、俺やミリムの相手をする際に協力し合い、時に2人で対決し合って互いを認め合える存在になったから。

 

2人の活躍に何か危機感を感じる紅丸。だがこの2人だけではない。

 

「いくよサン!」

 

シズさんとサンも炎を放って次々と雪を溶かしていた。

 

「シズさんとサンも凄いな。」

 

そのリムルの言葉に紅丸は不味い!っと表情を浮かべた。

 

「俺も負けられん!黒炎獄(ヘルフレア)!」

 

紅丸も更に黒炎獄を放って雪を溶かしていく。

 

「これで雪掻きもすぐに終わるだろう。なぁリムル。」

 

「そうだなフォルテ。」

 

 

皆の頑張りであらかた片付いてきた中、スライム形態のリムルが怒りながら紫苑、ゴブタ、ミリムに水刃を放ちながら追いかけていた。

 

「リムルがあそこまで怒るとは…何があったのやら。」

 

その後、怒りがおさまったリムルから子供達との軽い雪合戦の途中でゴブタ達が乱入し更にミリムに巨大な雪玉を叩きつけられたそうだ。

 

「……ミリム加減しろ。」

 

「ごめんなのだ。」

 

雪掻きが終わり皆が雪で遊び始める中、フリーズマンがアイスマンに氷の結晶の作り方を教えていた。

 

「こうすれば大きな結晶ができる。」

 

「凄いです!僕もできるように頑張るです!」

 

2人の様子を見ているとアニメでの2人のやりとりを思い出す。

 

その後、町の様子を見て回っていると突然、町の中に木が生えた。

 

何事かと急ぎ向かうと、リムルとトレイニーさんがいた。

 

「リムル、トレイニーさん何があった。」

 

「ああフォルテ…気にするなまたゴブタのせいだ。」

 

リムルの話によれば、ゴブタが「トレイニーさんの春はいつ来るんすかね。」なんて言ったそうだ。

 

「……それは確かにゴブタが悪い。」

 

「だろ。」

 

「リムル様ー!フォルテ様ー助けくださいっすよ!」

 

木のてっぺんからゴブタの助けを求める声が響く。

 

「……ゴブタしばらくそこで反省だ。その後は修行再開だ。」

 

「そんなー⁉︎」

 

 

後に白老に助けられたゴブタはそのまま白老に引きずられて行った。

そして今、俺はリムルと一緒に目を閉じている。

 

ミリムが雪で何かを作るらしくできるまで見ないように言われたのだ。

 

「よし!できたのだ。こっちを向いていいぞ。」

 

「やれやれやっとか。」

 

「さて何ができたかな。」

 

俺とリムルが振り返るとそこにある物に思わず声を上げた。

 

「「おお!」」

 

「見ろ見ろ!リムル雪像なのだ。」

 

そこには巨大なスライム姿のリムルの雪像ができていた。

 

「ほぉ。これは凄いな。」

 

あまりの出来の良さに俺は真上からも見る。……ミリム参上の文字が刻まれているな。

 

そうとも知らないリムルはミリムの作った自分の巨大雪像に出来に感心していた。

 

「どうだ中々の出来だろ。」

 

「ああ、デカいのに丁寧だ。この大きさにこの丸みはまるであれみたいだな。」

 

「ああ。まさにかまくらだな。」

 

「かまくら?」

 

かまくらを知らないミリムが俺に問う。

 

「かまくらって言うのは、雪でドームを作って中て遊んだり物を食べたり…簡単に言えば雪の家だな。」

 

「ふーん雪の家か。面白そうなのだ!ちょうどいいからこいつを使って!」

 

「えっ?」

 

ミリムは迷いなくリムル雪像にスコップを突き刺した。

 

「おらりゃあ!おらりゃ!おらりゃ!おらりゃあ!かまくらを作るのだ!」

 

その光景にリムルは笑顔ながら何処か悲しさ感じていた。

 

そしてリムル雪像をかまくらへと皆で作り変える中、俺はふとあることを思いつき、ある2人に念話で連絡を取った。

 

その後、ミリムが勢いよくリムル雪像の中を掘りまくる。

 

「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃや!」

 

そしてある程度掘った後、俺とリムルそれにシンシヤと子供達で協力して中を整え形を整える。

 

そして出来上がったのは……氷の家具やシャンデリアで飾られたかまくら……いや氷の家と呼べるものだった。

 

「「「うわー!」」」

 

「凄いのだ。」

 

「パパ!ミリム様こっちも凄いのです!」

 

シンシヤの呼ぶ声に皆が振り返りながらかまくらを出ると…。

 

「「「「「うわー‼︎」」」」」

 

そこには俺やリムルそれにミリムの氷像があった。

 

「フォルテ様ご指示の通りに作り上げました。」

 

「どうですか?」

 

「ああ。フリーズマン、アイスマン実に良い出来だぞ。」

 

そう、かまくらの入り口に俺達の氷像が見えるように作って欲しいと念話で2人に頼んでおいたのだ。

 

その後、かまくらで子供達と戯れながら過ごした。シンシヤとアイスマンも仲良く雪だるまを作ったりして遊び、フリーズマンも子供達に氷の結晶を作って見せて喜ばせていた。

 

やがて夕暮れ時になった頃、餅と七輪を持った朱菜とシズさんそれにアイリスがこちらに来てくれた。

 

「皆さん。もう暗くなりますからね。」

 

「一緒にお餅を食べよう。」

 

「その後は皆お風呂に入ってね。」

 

「うむ。約束するのだ。」

 

ミリムが笑顔で答え、皆で楽しくお餅を食べる。

 

「皆で食べる餅は美味いな。」

 

「そうですね。」

 

俺の隣にはセレナードが座って一緒に餅を食べていた。

 

「こんな楽しい日々を過ごせるなんて前の世界では想像すらしませんでした。」

 

「セレナードは裏の王だったからな。……なぁセレナード。」

 

「なんですかフォルテ?」

 

「今の俺の力は…お前の知るフォルテと比べてどうだ。」

 

俺の問いにセレナードは少し悩んだ後に真剣な表情で答える。

 

「力の強さではやはりあのフォルテの方が圧倒的でしょう。ですが、貴方には彼にはない強さと力がありますよ。」

 

「……そうか。」

 

俺達は笑い合い楽しく食べる皆の姿を見ながら笑みを浮かべていた。

 

 

そして夜になり、俺は雪掻きを終えたヨウム達と露天風呂に入り湯に浸かっていた。……リムルは相変わらず女湯に入っている。

 

「はぁ〜本当にここの湯はいいですなぁ。」

 

「本当でやすねぇ。」

 

「疲れた身体に湯が染み込んでくる感じだよな。」

 

フューズ、ギド、カバル達は温泉の湯ですっかりリラックスしていた。

 

「そういえばフォルテの旦那。少し気になっていたんだが。」

 

「なんだヨウム?」

 

「この温泉って一体何処から引いてるんだ?毎日これだけ湯を沸かすのまず無理だから何処かに温泉の水脈があるんだと思うんだが。」

 

「ああそれか、この温泉は山岳地帯から直送している源泉かけ流しだ。」

 

俺の言葉にフューズが驚く。

 

「それはまさか、あの魔境と呼ばれる地下大洞窟からですか⁉︎」

 

「その通りだ。俺とリムルそして蒼影とシャドーマンの4人で影移動を使ってここまで引いたんだ。」

 

「なんと…。」

 

「まぁ流石に大変だったからな。各家庭にまでは配管できなかったがな。」

 

「いや…普通にここまで繋げていること事態がすげぇよ。」

 

「流石旦那達っすね。」

 

……まぁ蒼影だけは自宅に繋げているがな。無論俺達の許可あり。

後はシャドーマンの協力で俺とリムルの自宅にも繋げているんだよな。

 

 

充分湯に浸かった後、温泉を出た俺達。

フューズがキンキンに冷やしておいた牛鹿(ウジカ)の牛乳を飲む。

 

「ぷっはー!一仕事の後の温泉にはやはりこれだな。」

 

「改めて今思うと、こんな贅沢していいんでやすかね。」

 

「いいんだよ。力仕事を手伝っだんだからなぁフォルテの旦那。」

 

「ああ。労働にはそれに相応しい対価を与えるのは当然だからな。」

 

「流石旦那!うちのボスにもそこんところ見習って欲しいぜ。」

 

「ほう…後で詳しく聞こうじゃないか?」

 

カバルの言葉を聞いたフューズは鋭い眼差しで睨みながらカバルの肩に手を置く。カバルよ…そう言うのは本人がいる時に言うことじゃないぞ。

 

「いっ嫌!別に……そういえば雪掻きなんて慣れないことしたから明日身体の変な箇所筋肉痛になりそうすよね!」

 

話を無理矢理そらしたかでも…確かにそうだな。前世の俺だったら確実に肩や腰が明後日か明明後日に来るだろな。

 

そう考えていると、ヨウムも「そういえばさっき同じことを言ったら…」と似たようなことをリムルから聞いたそうだ。あっやっぱりリムルもなんだな。

 

「だってさ。」

 

「「「へぇー。」」」

 

その時ちょうどリムル達もあがってきていた。

 

「わっははは!いいお湯だったのだ。」

 

「俺で身体を洗うのやめろよな!」

 

「リムルは泡立ちが良いからな。ほれ!お肌もスベスベなのだ!」

 

「俺のスライムボディが〜!」

 

いやリムル……それ絶対嫌がってないだろう。

 

そんなこんなで冬を過ごしいった。

 

しばらく経った頃、俺はある用事でリムルの元に向かっていた。

 

「リムルこの案件で相談が…。」

 

ノックし言いながら中に入ると、ミリムにもみくちゃにされていた。

 

「…今日は何があった?」

 

俺の問いリグルドが答えてくれた。

 

「フォルテ様。実はリムル様がサンタ…クロースなる人物を知っているのかと聞かれまして。」

 

サンタ?何故に…確かに冬だし…でもこの世界にクリスマスとかないはずだが?

 

ミリムから解放されたリムルに話を聞くと、向こうでの伝承がこっちの世界のスキルとかを使えば再現できるからひょっとしたらこの世界の異人だったんじゃないかと皆に聞いたと。…確かに聞く限りだとそう思うな。

 

 

その後、サンタをきっかけに魔国連邦(テンペスト)で盛大なクリスマスパーティー……冬の宴をする事になった。

 

「やはり宴となると皆の行動は早いな。」

 

皆気合いが入っているようで、クリスマスパーティーの準備が着々と進んでいく。

 

「クリスマスツリーの飾り付けも順調だな。」

 

「そうだねフォルテ君。」

 

「シズさんもやっぱりクリスマスパーティーは楽しみなのか?」

 

「うん。子供達と一緒に冬に楽しんだよ。」

 

「そうか。……この町がもう少し安定したら必ず救ってみせる。」

 

「フォルテ君…ありがとう。」

 

準備にはガッツマンやナイトマンが力仕事を手伝い、アイスマン達が氷の彫刻で辺りを飾り、ファイアマン達が調理場で火力を調整して朱菜達をサポートしている。

 

一通り見て回った後、リムルの元に向かい合流する。

 

「リムル。準備は順調に進んでいるぞ。」

 

「フォルテわざわざ見て回って悪いな。」

 

「気にするな、クリスマスツリーも準備ができたな。」

 

見事な飾り付けされたクリスマスツリーを見上げる俺。

 

「フォルテ様。これが光るんですか?」

 

ツリーについて紫苑が俺に問う。

 

「ああ。夜にはこの辺りはツリーの輝きで照らされるぞ。」

 

「ド派手にな。なぁカイジン。」

 

「どんな感じになるかは見てのお楽しみだぜ旦那。」

 

「流石はドワーフだ。……にしても、カイジン達の完成度も高いな。」

 

俺の目の前には赤い帽子と服を着たカイジン達……更に髭も白く染めているから本当のサンタと言っても信じてしまう完全度なのだ。

 

「だろう。はまり役だよな。」

 

「そっそうすか?」

 

「流行るかな?」

 

「この髭戻るんだよな?なんか老けて見えるぜ。」

 

「はっはは大丈夫だって。…ん?髭のおっさんといえば…。」

 

「どうしたリムル?」

 

「いや…ガゼル王にも参加できたらとサンタの服装送ったの思い出して。」

 

……え?ガゼル王に。……駄目だ。ガゼル王がサンタの格好で玉座に座っている姿はシュールすぎる。

 

「……まぁガゼル王だから着るとは思えないな。」

 

「だよな。」

 

そんな俺達の予想を裏切り、ガゼル王がサンタの服装を着ていることを俺達は知るよしもなかった。

 

その後、リムルと別れて再びクリスマスパーティーの準備を見て回っていると、サンタの服装を来たミリムが俺目掛けて飛んで来た。

 

「フォルテ!」

 

俺は突っ込んで来るミリムをなんとか抱き止めた。

 

「おっと!ミリム危ないだろ!」

 

「フォルテどうだこの格好似合うか?」

 

ミリムはその場で回りながら俺に聞く。

 

「ああ。似合っているぞ。……こう見ると可愛いな。

 

俺が小声でそう言う?

 

「かっ可愛いなんて照れるのだ…。」

 

ミリムが少し恥ずかしそうにしながら頬赤くする。

 

「えっ?聞こえたのか?」

 

「ふっふっふ。それくらいの声はこの竜耳(ミリムイア)なら聞き逃さないのだ!」

 

「…そんな能力まであるのか?」

 

「それと、変な格好した一本角から聞いたぞ!サンタとやらからプレゼントを貰えるのだな!」

 

変な格好って……紫苑一体どんなサンタの服装したんだ。

 

「ああ。良い子の元にはプレゼントを送るのがサンタだからな。」

 

ミリムは魔王……でも幼い子供のような性格だからなぁ。……俺がこっそり用意しておいた物を渡すか。

 

そんな事を思いながらミリムを見ると。……なんと…なんとも澄んだ瞳をしながら純粋無垢な笑顔を浮かべている。……これはプレゼント用意して正解だったな。

 

 

それかも皆が準備を進めてクリスマスパーティーの準備が完了した。

俺とリムルは一息入れる為にスナック樹羅でお酒を飲んでいた。

そんな中、リムルがふとトレイニーさんに聞く。

 

「トレイニーさんは誰かにプレゼントをあげたりするの?」

 

「そうですねぇ。リムル様とフォルテ様と妹達に。」

 

「ああ。ドリスとトライアの2人か。」

 

「ええ。自慢の妹達です。まだ未熟ですが、森の管理者としての私をよく補佐してくれています。」

 

「そっか。」

 

「なるほど。」

 

「あの子達がいてくれるからこそ、私は安心してリムル様とフォルテ様のご相談に…。」

 

その時店に誰かが入って来た。

 

「あらいらしゃ…⁉︎」

 

店に入って来たのは青いオーラを放つトライアと赤いオーラを放つドリス…トレイニーさんの妹達だった。

 

「いつまで油を売っているんですかお姉様!」

 

「お姉様だけずるいです!」

 

2人はお怒りのようだった。てかトレイニーさん2人に内緒で店で働いていたのか⁉︎

 

「あらあらいけませんよ2人とも。盟主様達の御前ですもっと樹妖精(ドライアド)らしく…おっほっほっほほ…。」

 

「管理者の仕事放ったらかしでよく言えますね!」

 

「私達ばかりいつも貧乏くじで〜!」

 

「おっ落ち着いて2人とも!」

 

今まで溜まっていた怒りと悲しみが爆発している2人…この雰囲気にやばいと感じたリムルはひっそりと店を脱出していた。

 

「はぁ…しょうがない。」

 

俺は席から立ち3人の間に割って入った。

 

「トライア、ドリス。お前達の気持ちはよく分かる。だが今日は皆が楽しむクリスマスパーティーだ。今日だけは俺に免じて許してやってくれないか。」

 

「…フォルテ様がそうおっしゃるなら。」

 

「…わかりました。」

 

二人はなんとか怒りを収めてくれた。

 

「トレイニーさんもだ。妹達に仕事を任せるにしても、理由の説明はしないと駄目だ。」

 

「はいすみません…。」

 

俺に頭を下げるトレイニーさん。

 

「これからは互いに話し合って交代制にするように。それでいいな。」

 

「「「はい。」」」

 

なんとか喧嘩にならずに済んだ。

 

それから少し経ち、いよいよクリスマスパーティーの始まりである。

 

「「「「3!2!1!0‼︎」」」」

 

皆の掛け声と共にクリスマスツリーがライトアップ!彩られたツリーが辺りを照らし輝く。

 

「「メリークリスマス!」」

 

「「「「「メリークリスマス‼︎」」」」」

 

俺とリムルに続いて皆が声を上げる。

 

始まったクリスマスパーティーを皆が楽しむ中、それを少し離れた場所から見ているヨウム達。

 

それに気付いたリムルが向かい俺も一緒に向かう。

 

「ん?おーい!楽しんでいるかヨウム、ロンベル。」

 

「どうも」

 

「おっおう…。」

 

「どうしたヨウム?何かあったか。」

 

何か戸惑っているヨウムに俺が聞く。

 

「いや。…此処は本当に魔物の町なのかと改めて思っちまって。……こんな祭り王都でもなきゃやらないぜ。」

 

ヨウムはツリーを見上げながらそう言う。

 

「化かされているかと思うくらいですね。」

 

「なるほどな。」

 

「悪い魔物じゃないっての。」

 

「「ハッハッハッハハ!」」

 

笑い合うロンベルとリムル。そんな時、白老も笑いながらこちらに近寄る。

 

「ほっほっほっほ。」

 

「しっ師匠!」

 

白老を見た瞬間背筋を伸ばすヨウム。

 

「宴の席ではただ楽しめば良い。浮世の全ては、盃の酒と同じく飲んで笑いに変えるものじゃ。」

 

そう言って盃の酒を飲み立ち去る白老。

……そして去り際に一言。

 

「ただでさえ、明日の修行で命を落とすかもしれんからのう。のほっほっほ。」

 

「………化かされたままでいたい。」

 

「…現実は時に残酷だ。」

 

俺の言葉にヨウムは深い溜め息を吐くのであった。

 

ヨウム達と別れた後、宴を楽しむ皆の様子を見回っていると、シズさんとセレナードそれにアイリスの三人が楽しそうに話をしていた。

 

「楽しんでくれているみたいだな。」

 

「フォルテ君。うんこんなに楽しい冬の宴は久しぶり。」

 

「私は初めてですがとても楽しいです。」

 

シズとセレナードがそう答えるなかで、アイリスは少し悲しげな表情を浮かべた。

 

「私はクリスマスの日…光君達に迷惑をかけてしまったの。」

 

「…ああ。トリルを連れ帰らないと行けなかった時だな。」

 

「でもそれはしかたないってその光君達は分かってくれたんでしょう。」

 

「ええ。」

 

「なら大丈夫です。私の知る光熱斗とロックマンも気にしないはずですから。」

 

「そうだな。だから今はこのクリスマスを楽しんでくれアイリス。」

 

俺は少し笑みを浮かべてそうアイリスに言う。

 

「フォルテ…うん。」

 

アイリスも笑みを浮かべて答える。その時、ハルナが俺とリムルを呼ぶ声が聞こえた。

 

「リムル様!フォルテ様!皆さん!こちらにお料理を用意いたしております。」

 

「ああ。もうそんな時間か。」

 

俺達が向かうとそこには彩られた様々な料理が並んでいた。

 

「さぁどうぞ。」

 

「おほぉ!凄いのだ!」

 

朱菜に呼ばれ喜びミリム。

 

そんなミリムや俺達の為に席を用意していたリグル。

 

「どうぞミリム様。」

 

「うむ!」

 

「まるでレストラン見たいだな。」

 

「そうだな。」

 

席に座ると、ハルナ、ゴブイチ、リグルが料理を運んでくる。

 

「八面鳥のローストはリグルがとって来てゴブイチが仕上げました。」

 

ゴブイチ謹製 八面鳥のロースト〜季節の野菜を添えて〜

 

「キッシュはハルナが。」

 

ハルナ謹製 ジュラパーチとほうれん草のキッシュ

 

「ほぉ見事だな二人とも。」

 

俺は二人の料理の出来に感心。

 

「お口に合えば…。」

 

「朱菜様に教えていただきました。」

 

俺達は二人の料理を食べ味わう。

 

「どっちも美味しいよ!流石が朱菜の教え子だ。」

 

「ああ。どちらもとても美味い!」

 

喜びハルナとゴブイチ。ミリムもその美味しさに目を輝かせていた。

 

「次はフォルテ様の作ったパイシチューです。」

 

フォルテ謹製 牛鹿(ウジカ)のパイシチュービーフ

 

「へぇ。これも美味しそうだな。」

 

「なぁなぁフォルテこれはどう食べるのだ!」

 

「上のパイをスプーンで押し破って中のシチューを食べるんだ。」

 

ミリムは言われた通りにパイをスプーンで押して中のビーフシチューを掬って食べる。

 

「うーん!これも美味しいのだ。」

 

「サクサクのパイにシチューが染みていい味になっているな。本当フォルテは色々できるな。」

 

「喜んで貰えてなによりだ。」

 

そう言って俺もシチューを食べる。…うん我ながらいい味になったな。

 

「お次はこちら。」

 

次に出て来たのか、サンタは長靴を模したガラスのグラスに入ったドライフルーツとワイン。

 

アピト&ゼギオン&アーク謹製 蜂蜜とフルーツのホットワイン

 

「ホットワインにはアピトが集めた蜂蜜と、ゼギオンとアークが集めた木の実が入っていますよ。」

 

「ミリム様にはホットジュースです。」

 

「おほぉ!蜂蜜♪」

 

ホットワインは甘く身体の芯まで温めてくれる。

 

「ふー甘くてあったまる。」

 

「三人ともありがとう。」

 

俺達はアピト達に礼を言う。

 

「私は蜜を運んだだけで。」

 

「アピトの言う通り。俺達も木の実を集めただけですなぁゼギオン。」

 

「…うん。」

 

そして次はメインディッシュである朱菜の料理。

 

「私の料理はこちら。」

 

朱菜謹製 牛鹿フィレ肉のロッシーニスタイル。

 

それは一つの芸術。フランス料理のような素晴らしい料理だった。

 

朱菜の料理に皆も思わず声を上げる。

 

「凄い!食べるのが勿体くらいだ。」

 

「良くこれ程の物を作ったな。」

 

「以前リムル様に教わった料理を再現しました。」

 

そういえばリムルは前世でほとんどの友人の結婚式に参加したんだったな……まさかそれがここで活かされるとは夢にも思わないな。

 

俺達はフィレ肉をナイフで切り一口食べる。その瞬間、肉の旨みとソースの絶妙な味わいが口全体に広がる。

 

「んっまーい!」

 

「なんじゃこりゃあー‼︎」

 

あまりの美味さにリムルとミリムは思わず声を上げる。ミリムは目をハートにしてるくらい美味さに感動している。

 

「本当に美味い!流石は朱菜だ。良くこれ程の味を再現するとは。」

 

「さぁ突っ立てないで皆で食べよう。」

 

リムルの言葉に皆一斉に料理を手に取って食べ始める。

 

その美味しさに声を上げるもの、感想を言い合うなど皆美味しそうに食べる。

 

そんな中、紫苑を見たリムルが小声で朱菜に聞いた。

 

「そういえば、よく紫苑が作るとか言い出さなかったな。」

 

それに問いに朱菜は笑顔のままに言う。

 

「一部料理を任せても、全力で!阻止しました。」

 

「…グッジョブ朱菜。」

 

「今回はいい判断だ朱菜。」

 

そしてクリスマスといえばやはりクリスマスケーキ。

 

「皆さんお待たせしました。クリスマスケーキです。」

 

「「「うおー!」」」

 

そのクリスマスケーキはウェディングケーキ変わらないような見事なケーキだった。

 

「凄いぞ朱菜!」

 

「材料もまだ満足に揃わない中でこれほどのケーキを作るとはな。」

 

……ケーキのてっぺんの中央に水飴で再現されたであろうスライム姿のリムルを模したものがあるのは見なかったことにしよう。

 

皆で朱菜の作ったケーキを食べる。

 

「これは美味いでやす!」

 

「うまー!」

 

「本当に美味しい。凄いよ朱菜。」

 

「ありがとうございます。」

 

皆からの称賛に朱菜も笑顔だ。

 

「お店とか出さないんですか?」

 

「私はリムル様とフォルテ様に御使いしてる身ですので。」

 

「えー!リムルさんとフォルテさん羨ましい!これは通い詰めちゃう美味しさだよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

エレンのその一言が朱菜の中の何かを刺激した。

 

「……そう。そのような人がいるのですね…世界には。」

 

……朱菜の瞳に揺らめく何か…その名人と会ったらどうなるんだろう。

 

朱菜達の料理を食べた後、エレンが皆の前で歌を披露し皆が盛り上がる。

その後はメインのプレゼント交換をしあってクリスマスパーティーは幕を閉じた。

 

 

深夜。俺はマントをサンタ風にしてミリムの泊まっている家に向かっていた。

 

「さて、ミリムは喜んでくれるかな。」

 

家の前まで着いた瞬間、窓から爆発が⁉︎

 

「ミリム⁉︎」

 

俺は駆け出し爆破された窓から中を覗く。

……中ではリムルが吹っ飛んでおり、ミリムが巨大なリムルのクッションを笑顔で抱えていた。

 

ああ…リムルもミリムにプレゼントを用意していたようだが、サンタを捕まえようとしたミリムに返り討ちにあったようだな。

 

「おっ!フォルテなのだ!見てくれなのだ!」

 

「ああ。良かったなミリム。これは俺からだ。」

 

俺からもミリムにプレゼントを渡す。

 

「おお!フォルテもかありがとうなのだ!」

 

ミリムは嬉しそうに受け取って箱を開けて中身を取り出す。

 

「わぁ!フォルテのぬいぐるみなのだ。」

 

それは俺の姿をデフォルメしたぬいぐるみだった。

実は、朱菜に教えてもらいながら作ってみたのをこのクリスマスでのミリムへのプレゼントにしたのだ。

 

「前に俺の模した物が欲しいっていっていたろ。ぬいぐるみにしてみたがどうだ?」

 

「うむ!やはりフォルテもこうなったら可愛いのだ!」

 

「気に入ってくれたようでなによりだ。」

 

その後、リムルと一緒にミリムの部屋の窓を修理して俺は家に戻った。

 

「さてと、今日も一日頑張るか…ん?」

 

戻ってみると、机の上に小さなプレゼント用の箱が置いてあった。

 

「ミリム以外に準備はしてなかったはずだが……これは。」

 

箱にはこう書かれていた。

 

      良い子のフォルテ君へ。

 

「一体誰からだ?」

 

俺は気にしながらプレゼントの箱を開けると、中には一枚のバトルチップが入っていた。

 

「バトルチップ⁉︎俺以外に作り出せる者がいるのか。」

 

俺はそのバトルチップを手に取る。チップに描かれているのは、黒い人物の横顔とWWWの文字だった。

 

「……もしかしてこれは、…ワイリーのチップ⁉︎」

 

アニメで登場したドクターワイリーの頭脳と記憶が移植されたチップ。確か海に落ちたはず……てかなんでそのチップが!

 

「……これ本物か?」

 

俺は電脳之神(デューオ)に聞いてみた。

 

《チップのデータを調べた。どうやら本物のようだ。このチップにはドクターワイリーの全てが入っている。》

 

まじか…てかなんてクリスマスプレゼントだよ!

このチップをどうするか考えていると、電脳之神(デューオ)が俺に伝えてくる。

 

《このチップのデータをインストールして新たにスキルとすることが可能だ。》

 

「ワイリーのスキルか……後に必要になるかもしれないな。やってくれ。」

 

《了解。》

 

俺はワイリーチップを握り締めるとチップのデータが俺に流れ込んでくる。

そして、世界の言葉からスキル獲得の知らせの声が。

 

《確認しました。個体名フォルテ=テンペストはユニークスキル悪之科学者(Dr.ワイリー)を獲得。成功しました。》

 

「無事に確認できたな。」

 

このスキルについては後でゆっくりと確認して試すことに。

 

後で知ったが、リムルにも誰から不明のプレゼントが届いていたそうだ。

 

……まさかサンタはこの異世界で実在するのだろうか。




フォルテへのとんでもないクリスマスプレゼント。
異世界にサンタは本当にいる?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。