フォルテ達が大晦日を過ごしている頃、ジュラの森で焚き火をする者達がいた。
ユーラザニアに帰還しようとしている黒豹牙フォビオと獣王戦士団の面々である。
焚き火の前に座り込んでいるフォビオ。
「くそっ‼︎許せねぇ!」
フォビオは怒りながら枝を折り焚き火に放り込む。
「俺を誰だと思ってる…黒豹牙フォビオだぞ。」
苛立つフォビオを部下の猿の獣人であるエンリオが宥めるように声をかける。
「あの魔王ミリムが相手では不可抗力と言うものです。…魔王カリオン様であっても…。」
「馬鹿やろう‼︎カリオン様ならこんな無様は晒さなかっただろうぜ。…俺が未熟だっただけの話よ。しかし、このまま成果無く戻るのは俺の誇りが許さんのだ。」
フォビオは焚き火を見ながら
「…彼奴らは自分達で町を作っていやがったな。下等な魔物だと侮っていたが、俺達でも及ばぬような技術を持っていやがる。」
「全くです。配下に加えるなどと言わず、我らがユーラザ二アと国交を結びたいほどですな。」
「ああ。魔王ミリムがいなかったとしても、俺の対応は間違っていた。頭ごなしに支配しても、奴らの信頼は得られなかっただろうからな。……それにあのフォルテって野郎の強さは認めたくねぇが間違いなく俺より上だ。」
フォビオは冷静さを取り戻し、自分の間違いやフォルテの強さなどを認めていた。だが…それでもフォビオにも獣王戦士団としての誇りがあった。
「だが今更だぜ。この屈辱は怪我が癒えても消えはしねぇ。…カリオン様に迷惑をかけねぇようになんとかして復讐してやりたいんだよ。」
「そうは申されましても、復讐など現実的には…。」
「わかってんだよ!頭では無理だって。だけどこればっかりは理屈じゃねぇんだよ。」
悔しさと怒りにより苛立ちがおさまらないフォビオを心配そうに見つめる部下達。
そんな彼らは森の奥から何者かの笑い声を聞いた
「おーほっほっほっほ!」
その声にフォビオ達はすぐに立ち上がり、エンリオが声を上げる。
「何者だ!」
森の奥から現れたのは怒ったような仮面を付けた太った男だった。
「いやいや〜その悔しい気持ち、私にはよーく理解できますね。ご機嫌よう皆様私はフットマンと申します。」
「フットマン?」
「中庸道化連が一人、
「…知らんな。その道化が何の用だ。」
フォビオは突然現れたフットマンを警戒しながら目的を聞く。するとフットマンの背後から今度は涙目の仮面をつけた少女が現れた。
「そんなに警戒しないでほしいな。アタイは
「…それで、一体何の用だ。」
「ほぉお〜っほっほっほ。私はね、怒りと憎しみの感情に呼ばれてやってきたのですよ。」
「怒りと憎しみ…。」
「上質な怒りの波動を感じました。何を怒られているのか聞いてもいいですかね?…きっと貴方の力になってごらんにいれますから。」
フットマンの言葉に僅かに揺らぐフォビオ。
そんなフォビオに変わってエンリオが前に立つ。
「フォビオ様。このような者共の話を聞く必要はございません。排除してもよろしいですか。」
エンリオと他の二人の部下が立ち上がり構える。
「我々は、魔王カリオンの獣王戦士団に属する者。野良の魔人程度が相手になると思ったか!」
エンリオがフットマンを睨み付け声を荒げる。そんなエンリオを意にかえさずにフットマンは話続ける。
「力が欲しいのでしょう?ございますよ…とびっきりの力が。当然ですが危険も大きい。しかしその危険に打ち勝った時、得られる力は絶大です。」
「…ほう。」
「フォビオ様⁉︎」
「勝ちたいんだよね!魔王ミリムに。だったらさぁ!アンタも魔王になっちゃいなよ!」
「⁉︎魔…王。」
ティアの言葉…自分が魔王になる。フォビオの心は大いに揺さぶられた。
エンリオ達もその言葉に唖然となった。
「魔王だと?そのような戯言で俺を騙せるなどと…!」
「
「っ⁉︎」
その名を聞いたフォビオは目を見開く。
「ご存じありませんか?」
「…
静寂が続く中、ティアが諦めたように話し出す。
「はあ〜あ。あの大怪魚の邪悪な力なら、魔王に匹敵するんだけどなぁ〜。いらないなら、他をあたるから行くね。」
ティアの言葉に黙ったままのフォビオ。
「ほら行こう!」
「ほっほっほ。残念ですねぇ。」
立ち去ろとするフットマンとティア。
「待て!」
それをフォビオが呼び止めた。
「なりません!フォビオ様。」
「…俺は最初から面白くなかったんだ。なんで
「フォビオ様…。」
ミリムとフォルテへの怒りと復讐心…豚頭帝の魔王への進化の不満…そして力を求めていたフォビオは魔王に匹敵する力の誘惑に負け抑えていた感情を爆発させた。
「詳しく聞かせろ!」
「おお!流石はフォビオ様ですね!そうでしょうとも、魔王となるのは貴方を置いて他にはいませんとも。」
「やっぱり!強い者が魔王にならないと間違っているよね。アタイもそう思うよ。そのてん、フォビオ様なら適任だよね!」
フットマン達から話を聞くフォビオ。その様子をエンリオ達は心配そうに見ていた。
「この話、てめぇらに何の徳がある?何が目的だ。」
「魔王になったら、アタイ達を贔屓にしてくれたらいい。当然色々と便宜をはかってもらいたいしね。」
「ほっほっほ。我々だけでは
「せ〜っかく封印された場所を見つけたけど、このままじゃ宝の持ち腐れだし!」
「タイミング良く!フォビオ様をお見かけしましてね。」
「なるほどな。だが…俺が
「ほっほっほ!フォビオ様なら必ずや成功するでしょう!」
「大丈夫!大丈夫!」
「……その話引き受けようじゃないか。」
フットマン達の誘いを受けることを決めたフォビオはエンリオ達に別れを告げる。
「お前達は戻れ。」
「フォビオ様!」
「事の顛末を伝えるのだ。」
「しかし…」
「カリオン様に迷惑はかけらねぇ。三獣士の地位を返上し野に下るとお伝えしてくれ。」
フォビオはエンリオの肩に手を乗せる。
「今まで仕えてくれてありがとう。」
「フォビオ様…」
「俺は修羅となり、俺の力を魔王ミリムとフォルテに認めさせてやる。」
「…わかりました。カリオン様にご報告いたします。ですが、
エンリオ達はフォビオの言葉に従い別れた。
エンリオ達が見えなくなるまで見送ったフォビオ。そのタイミングでフットマンが声をかける。
「では向かうとしましょう。」
「ああ。俺と
「ほっほっほ!その意気です!」
「うんうん!アタイも応援してるよ。」
こうして、フォビオがフットマン達と行動を開始した。
ときは戻り、正月を終え遂にヨウム達が旅立つ時が来た。
「それじゃあリムルの旦那、フォルテの旦那行ってくるぜ。」
この数ヶ月間、俺と白老達の特訓を受け装備を整えたヨウム達は英雄と呼ぶに相応しい一団となっていた。
「佇まいに隙かなくなりましたな。真面目に修行した成果といえましょう。」
「ワシ達の特訓を受けたからな。」
「拙者から見ても大丈夫だと判断できますぞ。」
「私の訓練にも見事に耐えました。」
「皆良く頑張っていたよ。」
白老、ケンドーマン、ヤマトマン、カーネル、シズさんからもお褒めの言葉を貰ったヨウム達。これなら
まぁ本当は20万の軍勢や
「それでヨウム。ロンメルは先に行ったのか。」
「はいフォルテの旦那。ロンメルの奴は一足先にファルムスに戻ってます。
「いいんだよ。」
「その為にこれまで色々準備してきたんだ。」
ヨウム達には今後魔物の国を拠点として英雄活動を行ってもらう。
ヨウム達の名声が高まればそれだけ協力した俺達の評価も上がる。
いよいよ旅立とうした時、ミリムがやってきた。
「なんだもう行くのか?」
「あ…ああミリムさん。」
ミリムに少し怯えるヨウム。あの初対面の後に、俺達がミリムが魔王であることを話したのでヨウム達もミリムの機嫌を悪くしないように気をつけていた。
「しっかり頑張るのだ!」
「お おう…。」
「良かったなヨウム君。魔王の激励なんてそう受けられるもんじゃないぞ。」
「魔王から激励された英雄の誕生だな。」
そうしてヨウム達は旅立って行った。
その夜。俺達は露天風呂に浸かりながらフューズと話をしていた。
「ヨウム英雄計画の準備は順調か?」
「それは問題ないですよ。既に手の者に伝えて仕込みは終わらせておりますから。」
「なるほど。だから此処でのんびりしていると。」
「ははは。ここは実に居心地がいいですから。」
「気に入ってもらえてなによりだ。」
「ろくに休みも無かったですし。ゆっくりハネを伸ばすのもいいのではないかと。」
「まぁギルドマスターやっていたらそうそう休めないだろうな。」
「それに、リムル殿とフォルテ殿を信用出来ると判断しましたので。」
まぁ信用してくれているのはこの満喫ぶりで分かる。
湯から上がり俺達は客間で酒を飲み交わす。
「いやホントに…ブルムンド王国の近場にこのような保養場が出来たのは喜ばしいことです。往復路の危険さえなければ通いつめるのですがね…。」
確かに、このジュラの森は冒険者であろうと通るのは困難だからな。
「やはり、道を作るのが手っ取り早いか。」
「そうだなリムル。」
「はい?」
「ブルムンド王国までの道を整備しようと思っている。」
「いやいやそれはありがたいことですが、大規模な国家事業になりますぞ。莫大な予算が…。」
「そこだよフューズ君。」
「君⁉︎」
「俺達はこの町をもっと発展させたいと思っている。」
「その為には色んな国の人間に来てもらいたいんだよ。街道の舗装はウチがやろう。」
「そのかわり、俺達が危険のない魔物だと広めて欲しい。」
「…わかりました。そこまでして頂けるのでしたらこのフューズ、持てる人脈を駆使してこの町の喧伝に尽力いたしましょう。」
「ああ。」
「よろしくな。」
その夜はフューズと一晩飲み交わしたのだった。
同じ頃、フットマン達に案内されていたフォビオはついに
「ここに…。」
「そうだよ!」
「まだ復活はしていませんが、破壊への渇望が漏れ出ています。そうした感情が大好物な我々だからこそ発見できたのですけどね。」
「確かに。異様な妖気を感じるな。」
洞窟の奥から漂う妖気…そこに
「
「死体?」
「
「なるほど。…それで。」
「貴方の役目は…。」
「まさか…お前!」
フォビオはフットマンの言おうとしていることを今理解した。
「従えるとは、つまり
「俺の体に…。」
「やめるなら今だよ。でも…。」
「でも?」
「この封印はもう長くは保たないかも。」
「…保たなかったらどうなる。」
「いずれ自動的に復活しちゃうかな。」
「死体が必要なんだろ?」
「そうだけど、封印されてても自分の復活に必要な魔物の死体ぐらいは用意できちゃんじゃないかな。そうなったらワタシはくたびれ損になっちゃう。」
「そうですね〜。」
フットマンとティアは首をがっくりと下げながら言う。
「自動復活しちゃったら制御は無理だろし。純粋な破壊の意思だから誰の命令も聞かないだろうし…。」
「復活する前に封印を解き、その力を奪わないと駄目と言う訳か…。」
「えっ?あ……うん!そういう事。」
「流石です。」
フォビオは覚悟を決めた表情で洞窟を見つめる。
「良いだろう。
「おお!流石はフォビオ様。ならこれをお持ちください。」
そう言ってフットマンが取り出したのはダークチップ。
「それは…?」
「これはフォビオ様の力を一時的に増幅する物です。
「そうか…有り難く使わせてもらう。」
何も知らないフォビオはダークチップを受け取り洞窟の中に入っていった。
魔法で明かりを灯しながら奥へと進んで行くフォビオ。
「やってやるぜ。
決意を固め
そんなフォビオを見送ったフットマンとティア。
「行きましたねぇ。」
「行ったねぇ。」
「流石は脳が筋肉で出来ているカリオンの部下ですねぇ。」
「簡単だったねぇ。」
「おーほっほっほ!」
「あっはははは!」
高笑いをする2人。
「これで終了ですか?」
「クレイマンからは、
「ん?」
何かを思い出すティア。
「そういえばもしも時の為に用意してたレッサードラゴンの死体、要らなくなっちゃたねぇ。」
「…しかし、備えあれば憂いなしですからねぇ。」
高笑いするフットマンとティア。その奥には大量のレッサードラゴンの死体が山積みとなっていた。
クレイマンの策略により
数日後。
フォルテはミリムとカバル達と共に狩りに出かけ今
「わはははは!いま帰ったのだ。」
「はぁ重かった。」
「ギドお疲れ様。まぁこれだけの量だから。」
荷台に袋詰めされた大量の魔物で溢れかえっていた。
「おお!」
「ミリムちゃんとフォルテさんは凄いですよ。ミリムちゃんがすぐに魔物を発見してくれて、その後にフォルテさんが殆ど狩ってくれたから私は楽でした。」
「魔物の発見くらい余裕なのだ。」
「俺もいい運動になった。」
「いやいや⁉︎あれで運動って……やっぱフォルテの旦那はすげぇな。」
「本当でやすよ。あっしらだけなら間違いなくやられてやすよ。」
ギドとカバルはフォルテの戦いを思い出しながら苦笑いを浮かべる。
「まぁフォルテだからな。兎に角皆お疲れ様。」
「本当疲れやしたねぇ。」
「風呂に入って一杯やるか。」
「一杯やるのだ。そして今夜もご馳走なのだ!はーはははは…あっ!」
この瞬間!殺気を感知した。
「ミリム様‼︎」
「うむ!」
シオンはリムルをミリムに渡して構える。
「何者です⁉︎」
シオンが構えると同時に紅丸、白老、蒼影そしてシャドーマンとカーネルがすぐさま駆けつけた。だが、俺はこの気配を知っている。
「落ち着け。」
「その人は敵じゃない。」
俺とリムルの発言の後、その者は姿を見せる。…そう
「どっ
「初めて見た…。」
「お久しぶりでございます盟主様。」
「ああそうだなトライアさん。それより説明してくれるか。」
「その殺気…何かと戦っているのだろう?」
「……緊急事態でございます。厄災が近づいています。」
「厄災?」
「
その名を聞いた紅丸達は驚愕する。
「そして、彼の大妖はこの地を目指しおります。」
トライアさんからの知らせを受け、皆を議事堂に集め緊急会議を行う。
「なんと!あの天空の支配者が復活ですと⁉︎」
「
「ヴェルドラの申し子?」
「
「なるほど…確かに申し子だな。」
となると、俺とリムルは
「
「言ってみれば知恵無き魔物。固有能力のサモンモンスターで
空飛ぶ鮫って…どこのB級映画作品だよ。空から自由自在に襲い掛かる鮫とか、
「状況は最悪です。召喚されたメガロドンは、何故か近くにあった大量のレッサードラゴンの死骸を依代にしたもよう。」
いや…それ絶対誰かが用意しただろ。
「その数は33。」
魔王並の化け物一体と召喚された空飛ぶ鮫が33体か…冗談抜きで災厄だな。
「ヴェルドラ様の因子を持つ
「まだあるのか⁉︎」
リムルが思わず声を上げる。
「
「となると
「おそらく、魔法ではなくとも魔素を媒介とする術は効かないかと。」
紅丸と朱菜の言う通り。上空から攻めて来る敵に遠距離魔法が効き辛いのは厄介だ。
「それにどれだけ傷を負わせても直ぐに回復してしまうのです。あの凄まじい回復力は間違いなく超速再生を保有しているものと…。」
聞けば聞くほど厄介な相手だ。ヴェルドラの申し子と言われるだけはあるな。
「リムル様、フォルテ様。どうなさいますか。」
「どうするって…。」
「答えは決まっているな。」
俺とリムルが顔を見合い互いに頷く。その時、ミリムが含み笑いを溢した。
「ふっふっふ。何か重要な事を忘れているのではないか?
確かにミリムなら確実に倒せる。リムルもその手が有ったか!みたい顔をしている…スライム態だから多分。だが…。
「そのような訳には参りませんミリム様。私達の町の問題ですので。」
「ふぇ⁉︎」
紫苑の言う通りだ。自分達で立ち向かわなければ意味がない。
「でっ…でも私はマブダチ。」
「そうですよ。友達だからとなんでも頼ろうとするのは間違いです。リムル様とフォルテ様がどうしても困った時、その時は是非ともお力添えをお願い申し上げます。」
「そっか…。」
ミリム的には俺達の為と見せ場を見せられると思ったんだろうな。落ち込んでるミリムに俺はそっと肩に手を乗せる。
「フォルテ…。」
「ミリム。前に言ってくれたよな。俺がもし魔王になるなら認めてくれると。」
「…うん。」
「魔王になる奴が
「…そうだな。」
「ここは俺とリムルそして、仲間達の力を信じてくれ。もし本当に駄目なら、その時こそミリムに頼む。」
俺はリムルを見ると、リムルもそうだなと思ったようだ。…俺達のもう一つの目的を思い出したようだ。
「そうだぞミリム。まぁ俺達を信じろ。」
「…わかったのだ。」
なんとかミリムも納得してくれた。
「では
「直ぐに準備開始だ!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
皆すぐに動き準備を始めに向かう。その中で、フューズが俺達に言う。
「倒すって。あの…分かってるんですか?相手は
「盟約を結んだガゼル王の応援も期待出来るし、やるだけやってみるさ。」
「…なぜ逃げないのですか?
フューズは真剣な表情で言い続ける。
「あなた方は…魔王を相手にしようというのですか?」
「逃げてどうする。」
「俺達二人がこの国で一番強い。絶対に勝てない相手なら逃げて次の策を考える。だが、その判断を下すのは敵の強さを見極めてからでも遅くはない。真正面からぶつかり敵の強さを確認する。そして倒せるなら倒す!」
俺は腕を前に上げながら拳を握りしめてフューズに告げる。
フォルテの強い覚悟を決めた鋭い眼差しを見たフューズは納得したかのように笑みを浮かべる。
「……なるほど。魔物の主。そうでしたね。」
「王を失ったら終わりの人間とはそこが違うんだよな。」
「しかし、あれですな……。リムル殿とフォルテ殿は、我々人間の様な考え方をされるのですね。とても魔物とは思えませんよ。」
「う〜ん。そうかもな。」
「信じられないだろうが、俺とリムルはこの世界とは違う世界の人間…元異世界人だ。」
フォルテの言葉にフューズ達は目を見開く。その中、リムルが続けて話す。
「向こうで死んで俺はスライムに、フォルテは
話し終えると同時にリムルは人間態となる。俺とリムルの話を聞いたフューズはシズさんに問いかける。
「シズ殿、お二人の話は本当なのですか?」
「ええ。リムルさんとフォルテ君は私と同じ異世界人だよ。」
「俺はシズさんとフォルテのおかげでこの姿がある。そんな俺がシズさんと似た姿で情けない真似は出来ないよ。」
「そっか、やっぱりリムルさんとフォルテさんは信じられる人だよ。」
「うん。」
「それに約束したからな。」
「約束?」
「シズさんの心を縛る思いを俺達が晴らすってな。」
「…俺達の獲物は魔王レオン・クロムウェルだ。」
「魔王レオン⁉︎」
リムルとフォルテの言葉にフューズは思わず声を上げる。
「そうだったの!」
「そんな大物、獲物とか言っちゃ不味いでやんす。」
「そりゃあ…魔王レオンに比べれば、
「そう、魔王レオンは後だ。」
「先ずはこの町に向かっている
戦いが始まろうとしていた。その場所はジュラ・テンペスト連邦国首都、中央都市リムルと武装国家ドワルゴンの中間地点。
相手は………厄災