リムルがイングラシアに向かってから1ヶ月が経過した。
そんなリムルがベスターから教わった
「まぁ!なんて愛らしい形のお菓子でしょう。」
お土産に皆にシュークリームを持って。
「これがシューク
「シュークリームな。」
「パパこれ美味しいですね!」
「まさかシュークリームをこの世界で食べられるとはな。」
懐かしきシュークリームの味を堪能するフォルテ。そんなリムルの廬の様子をベニマルが見に来た。
「あれ?リムル様?」
「よぅベニマルお土産あるぞ。」
「いつの間に帰ってたんです?」
「ついさっきだよ。」
するとそれを機に皆が集まった。
「こんな甘いお菓子初めて!」
「こんな美味いものがあったとはな…。」
「…確かに美味い。」
梅、妓夫太郎、憎珀天も美味しそうにシュークリームを食べていた。
「……なぁフォルテ。」
「なんだリムル。」
「あそこにいるのって鬼滅の刃に出てくる鬼…上弦の陸と肆じゃないか?」
「ああ。その通りだ。」
「いや!なんでいるの⁉︎」
ブルムンドからイングラシアまで旅していて何も知らないリムルがスライム形態のまま声を上げる。
「妓夫太郎達もこの世界に転生してきたんだ。」
フォルテはリムルに妓夫太郎達のことを説明した。
「そんなことがあったのか。……妓夫太郎と梅は分かるけど、憎珀天の方は本当に大丈夫か?」
「ああ。真面目に町の仕事にも取り組んでいる。」
町に来た盗賊や荒くれ者達を木龍…
妓夫太郎も鎌と毒で見事に鎮圧してくれている。
俺とリムルが話をしていると、突然梅がリムルを抱き抱えた。
「可愛い〜。この方がリムル様なのね。」
どうやら梅はスライム姿のリムルの可愛いの虜になったようだ。
(……漫画で何度も見たけど、実際だと更に綺麗だな。)
リムルも梅の美しさに魅入っていた。
その様子にシュナとシオンが可愛く頬を膨らませていた。
「あの水玉…スライムがフォルテ様と並ぶこの町の主か。」
「見た目からは想像できない異様な力を感じる。」
妓夫太郎と憎珀天はリムルの真の力を察していた。そして、久々のリムルとの時間を皆で過ごした。
「町の運営は順調か?」
「つつが無いですよ。工事の方はブルムンドから要請のあった簡易宿に着手しました。」
「ブルムンドと言えば…そこからやって来た商人が
「ほう!」
リグルドは話しリムルは喜ぶ。フューズ達が上手く宣伝してくれたみたいだな。
「商人の名はガルド・ミョルマイル。イングラシアにも行商に向かうと言っておりました。」
「へぇじゃあ あっちで出会えるかもな。」
「リムル様。リムル様のお話も是非お聞かせください。人間の国で先生になられたとか。」
「シュナの言う通りだな。子供達の話を聞かせてくれ。」
シュナとフォルテがリムルそう言った。
「そうだな…。」
リムルは話す。自由組合の
そして優樹から正式に子供達を託され教師となり、子供達の担任になったそうだが。
「部屋に入った瞬間、炎の斬撃が襲ってきた。」
「ん?」
なんでもそれをやったのが例の子供達の一人だったそうだ。シズさんがいなくなった後、彼らの担任する者はいなかったらしい。
「リムルさんごめんなさい。まさかそんなことをするなんて……皆にあったら私から注意しておくね。」
「いいって気にするなシズさん。……この世界の都合で勝手に呼ばれて家族と引き離されて更に長く生きられないって知ったらな。」
「そうだな。子供達からしたらふざけるなだからな。」
「リムルさん…フォルテ君ありがとう。」
その後にリムルはランガで子供達を大人しくさせた後、テストと言って子供達の実力を見極めながら力の差を教えたそうだ。
「リムル…大人気ないことはしてないだろうな。」
「もっもちろんさ!」
あっ…これやったな。まぁその事に関してまた話すとして、やはりリムルでも魂と融合した膨大な魔素エネルギーを分離はできないらしい。
「そうなると、やはり精霊の棲家を探し出すしかないか。」
「ああ。」
「それしかありませんのう。膨大な魔素を安定させる程のスキルとなるとユニーク級…厳しい修行を課したとて獲得できるとは限りませぬ。」
「その修行をしている時間すら子供達にあるか分からないからな。」
「まぁこっちでも子供達の面倒見ながら探してみるよ。」
「分かった。こっちも場所に繋がる情報を得たら知らせる。」
「ああ。それじゃあそろそろ戻って……。」
リムルが戻ろうとした時、物凄い表情でシュークリームを見つめるシオンの姿が。
「どっどうしたシオン?やけに静かだと思ったら怖い顔して…。」
「このシュークリムル…これ以上食べたら工事現場の猪八戒とゲルド達の分が…っ!でもっ…でも美味しくて…っ私はどうしたらいいのですかリムル様!」
「…甘味は女性を虜にするからなぁ。」
「食べていいよまだあるから。」
「ほっ本当ですか⁉︎」
「じゃあ私もう一つ!」
「では私も…」
「待った!トレイニー殿はもう4つ食っただろ!」
「若…。」
皆でシュークリームを味わう中、ふと俺はリムルに問う。
「このシュークリームを作った人はもしかして異世界人か?」
「当たり。前にエレンが言ってた店に行ったら吉田 薫って日本人だった。」
「これほど腕前…この町へスカウトしたいな。」
「俺も何度か試したけど、イングラシアの人達に恩があるからダメだってさ。」
「そうか……まぁそれで諦めないんだろう?」
「当然。」
こうしてリムルはイングラシアへと戻って行った。
それから数日後。
「…精霊の棲家に関する情報は今日も無しか。」
中々精霊の棲家に関する情報は集まらない。それでもできる限り情報を集めなければと他の情報を整理していると、ソウエイとシャドーマンが何かを知らせに現れた。
「フォルテ様。」
「少しよろしいでしょうか。」
「どうしたソウエイ、シャドーマン。お前達二人が来るなんて何かあったのか?」
「
「人間なら今までもある程度来ているが、お前達がわざわざ報告にくるとなると、ただの人間ではないんだな。」
「はい。二人とも刀を所持しており魔素量もかなりのものです。」
「額に炎のような痣のある侍と焔色の髪の青年です。」
「……何?」
額に炎の痣の侍に焔色の髪の青年……まさか⁉︎
「…その二人は町の何処にいる。」
「今出店を見て回っております。」
「そうか。ソウエイ、シャドーマンすまないがその二人を議事堂につれて来てくれ。」
「「御意。」」
「…その二人には会う必要がある。」
フォルテが会おうとしているその二人。
「これが魔物の国…
「よもやよもや!まさかこれほどの町とは。」
二人は魔物の国の発展した町並みに感心した。
「町並みも大したものだがなにより、これほど多種多様な魔物達が暮らしているとは。」
「皆良い笑顔で暮らしているようだ。」
町を歩きながら出店を見回っていると、出店の者から声をかけられた。
「あっそこのおにいさん達!お饅頭はいかがですか。」
「…饅頭か。」
「どれ。」
二人は出店を向かう。出店の中には水玉のような饅頭が並んでいた。
「この饅頭は?」
「うちの名物のリムル様饅頭です。」
「リムルとはこの町の主の一人だったな。」
「はい。お一つどうですか。」
「そうだな。なら…この並んでいる分全部買おう!」
「ええ⁉︎」
こうして焔色の髪の青年がリムル様饅頭を大量買いした。
「美味い!…美味い!…美味い!……美味い‼︎」
焔色の髪の青年はリムル饅頭を一口食べる毎にそう声を上げる。
その様子に痣の侍は軽く溜め息を吐いた。
「声を落とせといつも言っているだろ。……まあ兎に角だ。〝鬼〟に関する情報を集めるぞ。」
「はい!ではまずはこの国にいる鬼人達を探すのはどうでしょうか。」
「そうだな…。」
「我々に何ようだ。」
「「ッ⁉︎」」
背後から突然声をかけられ振り返ると、紫の忍者と青い髪の鬼…いや鬼人がいた。
「……要件を言う。フォルテ様がお前達に会いたがっておられる。」
「フォルテ…この町のもう一人の主か。」
「議事堂まで拙者が案内する。ご同行願おう。」
侍と青年を目配せした後に頷いた。
「分かった。そちらの指示に従おう。」
こうして侍と青年は議事堂までシャドーマンとソウエイに案内された。
議事堂の会議室。席に座り待つ侍と青年。
「この町の主…フォルテ。」
「どのような人物なのか楽しみですね。」
やがて会議室の扉が開き、マントに身に纏い黒い冠のような物を被った子供が入ってきた。
(子供?……いや違う!身体から発するあの闘気並みではない。)
痣の侍は、入ってきた子供の強さを察した。そしてその子供は私達の前の席に座った。
「初めまして。俺がこの町の主の一人フォルテ=テンペストだ。」
侍達が議事堂に来る前、フォルテはソウエイ達に指示を出した後直ぐに妓夫太郎達を集めた。
「なんだ?急に俺達を呼ぶなんてなぁ。」
「何かあったのフォルテ様?」
「何があったのだ。」
急な呼び出しに妓夫太郎達がフォルテに問う。
「お前達に確認して欲しいことがあるんだ。」
俺はそう言って議事堂の二階の窓をから外を見てもらう。
そこには、シャドーマンに連れて痣の侍と焔色の髪の青年が議事堂へと向かって来る姿が見えた。
その侍を見た梅と憎珀天は目を見開く。
「あの侍って⁉︎」
「かつて…無惨を追い込んだ剣士……。」
「…やはりか。」
二人の言葉を聞き確信を得たフォルテは三人にこの後の事を説明し、今その侍達の前にいる。
「初めまして。私は継国縁壱と言う。」
「俺は煉獄杏寿郎と言います。」
「……やはりか。まさかお2人までこの世界に来ていたとはな。」
フォルテの言葉に2人は不思議と思った。
「その言葉。まるで私達以外の者達…異世界人に会ったように取れますが…。」
「そうだな…2人にもこの本を読んでもらうか。」
フォルテは2人の前に本を差し出す。2人は本を手に取りその表紙を見て驚愕
「炭吉⁉︎」
「竈門少年⁉︎」
鬼滅の刃…二人はそのまま本を読む。杏寿郎の方は自身と猗窩座との戦い。縁壱には炭治郎の鬼殺隊となるきっかけ…始まりの一巻を読んでもらった。
「これはあの時の俺の戦いそのもの…!」
「炭吉…その子孫炭治郎達もが無惨に……。」
二人は本の内容に驚きながら読み続けた。……やがて読み終わると同時に俺に顔を向ける。
「フォルテ殿!この本は一体⁉︎」
縁壱が声を上げる。まぁ無理もない。フォルテは妓夫太郎達に話したのと同じ話を二人にした。
「…と言うわけだ。」
「…成る程。フォルテ殿が転生者…しかも平行世界の未来の日本からとは。だがそれならば色々と説明がつく。」
「俺達鬼殺隊の皆の戦いがこの漫画とやらになっているのも。」
異世界に来たという実体験により二人はフォルテの話を信じることができた。
「それで、二人はどのようにしてこの世界に来たんだ?」
「…私は鬼となった兄上と再会し、私の手で兄上を倒そうとしたが…老いた私の肉体が剣技に耐え切れず私は寿命を迎えてしまった。その死に際に私は兄上を止められなかった無念と後悔をしながら後少し若ければと思った。その時に世界の言葉が聞こえ気がつけばこの世界の草原に立っていたのだ。……全盛期の肉体となって。」
「俺は上弦の参との戦いで致命傷を受け亡くなる前に亡き母に褒められ息を引き取った筈だが、気が付けばこの世界の林の中に立っていた。」
「…亡くなる前に何か未練はなかったか?」
「あるとしたら、あの上弦の参を倒せなかったことだな。」
「そうか。…やはり何か強い未練があるとこの世界に導かれるのか。話を聞かせてくれて感謝する。」
「いえ。私達も色々聞けて良かった。」
「うむ!鬼のことに関してはまだ聞けてないがな!」
「鬼?
「いや…実はこの世界に私達の世界にいたあの鬼がいるのだ。」
縁壱の言葉にフォルテは目を見開く。
「まさか!その鬼が現れ出したのはいつぐらいだ!」
「…約数年前辺り。私がこの世界に来る前より少し前辺りに現れ出したと聞く。」
「しかも、鬼になるのは人間のみならずこの世界の魔物も鬼と化している。」
鬼を増やせるのはただ一人。……奴がこの世界にいるのか。
「それだけではない。この世界の鬼は日光を克服しているのだ。だがその代償なのか再生能力には限界がありこの世界の人間達でも倒せる。」
「無論簡単には倒せない。だから俺達は鬼の被害が多く確認された場所を巡りながら鬼を討伐している。」
「だがこのままでは俺達の世界のように鬼の被害が増え続ける。故にこの町に来た。鬼に関して何か情報が得られると。」
「…そういうことか。」
まさか鬼滅の鬼が他にも出現していたとは。だがあの男が鬼を増やしていた目的は、強力な手駒の鬼を作り出すことと最も重要な日光の克服だった。
日光に関してはこの世界に来た時に得たスキルか耐性で克服したのだろう。でなければ雑兵の鬼共が日光を克服できる筈がない。つまり…鬼を増やしいるのは新たな上弦の鬼をつくりだそうとしていると考えるのが妥当なはず。
フォルテが考え混んでいる中、縁壱が声を掛ける。
「…フォルテ殿。」
「ああ…済まない少し考え込んでしまったな。鬼についてだが…実は俺の配下になった者達がいるんだ。」
フォルテの言葉に二人は気配が変わる。
「…配下に。」
「それは詳しく聞かなければならない。」
「勿論だ。その前にその鬼達に会ってもらう。」
そう言ってフォルテが指を鳴らすと、扉が開き妓夫太郎達が入って来た。
「っ⁉︎その眼の数字は!」
「上弦!」
二人は席から立ち上がり構えるが…刀は無い。
「あっ…!」
「刀はあの時…。」
そう。議事堂に入る前に危険物持ち込み禁止を説明してリグルドが二人の刀を預かっているのだ。
「やはり刀を預からせてもらったのは正解だったな。落ち着いてくれ二人共。ここの三人は二人と同じようにこの世界に来たんだ。」
妓夫太郎達の事を説明。
「血鬼人…鬼とは違う種族となったと言うことか。」
「ああ。上弦の頃の能力は引き継がれているが人間を喰うことはない。」
「よもや一度は死に地獄に自ら向かう途中でこの世界に来たのか。」
目を閉じてそう言った杏寿郎は次の瞬間カッ!と目を開く。
「ならば良し!話を聞く限り、こちらの世界に来てから人々を襲っていないらしいからな。」
「…意外だな。元鬼だから駄目だと言われるかと思ったが…。」
「確かにかつての俺なら鬼は許さなかった。…だが竈門少年の妹は鬼になりながら人々を守っていた。だからこそ!この世界で生まれ変わった彼らを信じることにした!」
大きな声でそう言う杏寿郎。そんな中、縁壱が問う。
「確かにそうだな。その兄妹については信用できる。だがそこの肆…その分裂体は大丈夫なのか?」
「それは大丈夫だ。四人の分裂体を俺が倒したことで完全に忠誠を誓っている。」
「そうか。それにしても、その三人から感じ取れる魔素量も凄まじい。」
「もとの強さもあるが名付けもしたからな。」
「なんとこの三人に名付けを⁉︎」
その後も互いに、この世界に来てからの事を話し合った。
互いのことが知れた後、二人を旅館に案内してもてなした。
「まさかこの世界で露天風呂に入れるとは。」
「料理もどれも美味い!」
宴会場で料理を食べながら感心する二人。そんな二人にフォルテは話を持ちかける。
「縁壱。杏寿郎。…良ければこの町を拠点にしないか?」
「拠点?…この町を?」
「そうだ。この町には様々な種族が集まるからその分、様々な情報も集まってくる。」
「なるほど!それで鬼に関する情報が手に入る訳だな。」
「その通りだ。必要な装備…新たな刀などもこちらで用意する。うちの鍛冶士の腕は保証する。」
フォルテの提案に縁壱は顎に手を添え考える。
「それは確かにありがたいが、そこまでしてくれる理由を話して欲しい。何か要件があるのだろう。」
「その通りだ。俺からの頼みは…俺達に全集中の呼吸を教えて欲しい。」
「全集中の呼吸を?」
「そうだ。この町を守る為に俺はより強くならないといけない。始まりの呼吸を編み出し基本となる五つの呼吸を考案した縁壱に是非お願いしたい。」
フォルテは真剣な眼で縁壱を見つめる。その眼を見た縁壱は静かに頷いた。
「…フォルテ殿が町の者達を思う気持ちはその目を見て分かった。私で良ければ教授しよう。」
「縁壱…感謝する。」
「俺も承知した!この町の警備している者達はかなり鍛えられているのが見て分かった。鍛えがいがある!俺がまとめて面倒をみよう!」
杏寿郎もそう言ってくれた。そういえば、杏寿郎の鍛練が辛すぎて甘露寺蜜璃以外耐えられる者はいなかったそうだったが、……ふっゴブタ達には丁度良いだろう。
「それはありがたい。皆うちのハクロウ達のしごきに耐えられるから、杏寿郎の鍛練にも耐えられるはずだ。」
「うむ!それは楽しみだ。そのハクロウ殿とも是非手合わせしたいものだ。」
「それはハクロウも喜ぶだろう。」
こうして、
ちなみに二人とも前世と同じ姿の人間なのだが縁壱が聖人、杏寿郎が仙人へと存在進化をしていた。……前世から鬼と戦い続け、全集中の呼吸で人間の限界を超えた力を発揮していた二人だから普通に納得だな。
縁壱と杏寿郎が仲間となり、フォルテ達は新たに全集中の呼吸を身につける。
誰がどんな呼吸を修得するかお楽しみに。