転生したらフォルテだった件   作:雷影

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子供達が遂に救われる時。そしてラミリスも救われる。


42話 救われる魂+救われるラミリス

ラミリスの協力を得られた俺達は、ラミリスに精霊の棲家まで案内してもらっている。その中で色々と話をした。

 

「へぇ。アンタ達トレイニーちゃん達三姉妹と知り合いなんだ。樹妖精(ドライアド)になったのは私の堕落の影響かな。昔は小さくて可愛い精霊だったんだよ。」

 

……少し想像してみた。確かに可愛いかもな。帰ったら再現人形を朱菜とアイリスに頼んでみるか。

 

「そっちこそ面識があったんだな。」

 

「そりゃね、昔仕えてくれた子達だもん。元気そうで安心したよ。アタシもこんなんなってからは会ってないからね。」

 

成る程……あっリムルがまた失礼なことを考えている顔をしてる。それにラミリスも気付いた。

 

「…アンタ今、失礼なこと考えなかった?」

 

「いや全く……あれ? そういえば、トレイニーさんは今の精霊女王とは接点ないって言ってたんだけど?」

 

「あ〜それね。私は死んで生まれ変わっても、前世の記憶を残しているからね。」

 

「ん?」

 

首を傾げるリムル。そんなリムルに後ろからついてきていた別の妖精が説明してくれた。

 

「今のラミリス様はまだ小さいけど、本来はもっと威厳のあるお姿なのよ。」

 

「え?」

 

「ラミリス様は転生と成長を繰り返す魔王。前世の自我も記憶も受け継いでいるから、魔王の中で唯一世襲が許されているの。」

 

「成る程。…今はその成長途中と言う訳だな。」

 

「ああ見えても、深い叡智を湛えられたお方なんだからね!」

 

「ははは…叡智ねぇ。」

 

「叡智よ!」

 

それを聞いて色々納得できた。ミリムと同じ最古の魔王の一人なのだからそれに相応しい何か力があるはずだがらな。

後、ラミリスが話の分かる魔王だったことも良かった。

 

フォルテがそう思っていると、遂に精霊の棲家に到着した。

 

「「「「「ああ……!」」」」」

 

「此処が……。」

 

「迷宮の最深部。精霊の棲家。」

 

フォルテ達の前にあるのは聳え立つ岩山に、岩山に塒する光の道。

 

何処となくヴェルドラが封印されていた洞窟と似ており、自然エネルギーが満ち溢れているのが分かる。

 

「此処に上位精霊がいるんだよね?」

 

シズさんがそうラミリスに問う。

 

「居るけど、上位精霊には自我かあってね。呼び出しに応じてくれるかは気分次第だよ。」

 

トレイニーさんが言っていた通りだな。

 

「来てくれなかったらどうするの?」

 

「エネルギーを切り取って新たな上位精霊を生み出せばいいんだよ。」

 

「生み出す?」

 

「応じないなら俺達の手で新たに誕生させろと言うことだな。」

 

「そっ。」

 

成る程。…普通なら困難だが、俺やリムルなら可能だ。今回は先生であるリムルに任せるとしよう。

 

フォルテはリムルを見ると、リムルも分かっているとゆっくりと頷いた。

 

「皆。」

 

「う……うん。」

 

「大丈夫です。」

 

「先生……。」

 

「へ……平気に決まってるじゃない。」

 

「頑張ります!」

 

「ガウッ!その意気だ!」

 

「フォルテ様とリムル様がいるのだ。必ず成功する!」

 

「リムルさん…皆をお願い。」

 

「ああ。ケンヤ!リョウタ!ゲイル!アリス!クロエ!やるぞ!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

皆の姿を見たラミリスは笑顔を見せ先に頂上へと向かった。

俺達も頂上へと光の道を登って行った。

 

 

頂上付近に着いた後、ラミリスが説明を始める。

 

「良いわね?あそこで、精霊に対して呼び掛けるのよ。」

 

「何を?」

 

「何でも良いのよ。助けて〜でも、遊ぼうでもね。」

 

「そんな呼び掛けでいいのか?」

 

「良いのよ。興味を持った精霊がやって来てくれたら成功なの。」

 

ラミリスの説明を聞いて少し不安になるリョウタ。

 

「来てくれるかな………。おっ⁉︎」

 

「来てくれるさ!」

 

そんなリョウタをケンヤが背を叩いて励ます。

 

「う………うん!」

 

「先生!シズ先生!来てくれるよね?」

 

「来てくれる?」

 

ケンヤとクロエがリムルにそう聞いてくる。

 

「大丈夫だ。最悪の場合………悪魔でもなんでも従えてやる。」

 

「そうか。……悪魔って手もあるな。」

 

「ちょっとあんた達、邪悪な顔してるわよ。」

 

「あははは…。」

 

フォルテとリムルの邪悪な笑みにラミリスがツッコミを入れ…シズさんは苦笑いを浮かべいた。

 

だが、悪魔の召喚は悪い訳ではないんだよな実際。

 

「さあ誰から行く?」

 

リムルがそう言った後、年長者のゲイルが精霊との接触を試す。

 

「先生。自分に何かあったらアイツらを頼みます。」

 

そう言うゲイルの体は少し震えていた。無理もない。

そんなゲイルの肩にリムルが優しく手を乗せ不安を和らげる。

 

「さあ、どんなのが呼ばれるか楽しみだね。」

 

ラミリスが前に出てそう言った後、ゲイルは歩みだし中央に立つ。

 

「じゃあ…祈ります。」

 

その場に跪いてゲイルは祈りだす。

 

………しばらくゲイルが祈っていると、ゲイルの周囲に無数の光が出現した。

 

「あれは確かに精霊だ。だが…大精霊から切り取られた僅かな欠片で、上位精霊ではなく下位の精霊か。」

 

あの下位の精霊を一つにすれば上位精霊にできるはず。

 

俺と同じ事を考えていたリムルが行動を開始する。

 

「ゲイル。そのまま祈ってろ。」

 

ゲイルの背後に移動したリムルは、手を翳して暴食者(グラトニー)で周囲の下位の精霊を全て捕食した。その光景にラミリスが声を上げる。

 

「ちょっちょっと……食べた⁉︎アンタなんて事するのよ!」

 

「黙って見ててくれ。考えはある。」

 

フォルテは一応下位の精霊を取り込んだリムルを解析して様子を伺う。同時に電脳之神(デューオ)による解析も開始した。

 

《リムル=テンペスト内で変質者による統合を確認。下位の精霊達は擬似上位精霊へと統合された。その際に、炎の巨人(イフリート)から得た情報(データ)から擬似的擬似人格が作成された。擬似上位精霊〝地〟の作成が完了された。》

 

上手くいったな。後は肝心のゲイルとの統合が上手くいくかどうかだ。

 

リムルはゲイルの頭に手を乗せ作成した擬似上位精霊との統合を開始。

 

解析結果は………成功だ。ゲイルのエネルギーの暴走は止まり制御されて行った。

 

「…上手くいったな。」

 

「フォルテ君?」

 

俺の呟きにシズが反応したが、そのすぐ後にリムルがゲイルに話しかけた。

 

「おし!もういいぞ。良く頑張ったな。」

 

「えっ………。」

 

「崩壊は止まった。もう大丈夫だと言うことだ。」

 

「フォルテの言う通りだ。俺が保証してやる。」

 

リムルとフォルテの言葉を理解して瞬間、ゲイルは涙を浮かべた。

 

「はっ……リっリムル先生!……ありがとうございます!」

 

「……良かった。」

 

シズさんもゲイルが助かったと知り涙を浮かべた。

 

「気にするな。生徒を守るのは当然だからな。」

 

ゲイルが助かったのを確認した子供達も喜びの声を上げる。

 

「バンザ〜イ!」

 

「おめでとう!」

 

「やったわね!」

 

「まだ喜ぶのはまだ早いぞ。」

 

「ああ。全員成功してからだな。」

 

ゲイルは救われた。こうして子供達に擬似上位精霊を宿らせる作業が続行された。

 

次はアリスの番。…リムルに甘えてお姫様抱っこで運んでもらっている。

随分と好かれてるようだな。

 

ゲイルと同じ流れで下位の精霊を捕食するリムル。そんなリムルの姿を複雑な表情で見ているラミリス……まぁ無理もないか。

 

擬似上位精霊〝空〟を作成に成功しそのままアリスに無事統合完了。

 

アリスを再びお姫様抱っこするリムル。

 

「アリス頑張ったな。もう大丈夫だぞ。」

 

「フフッ。」

 

アリスは微笑んだと同時に、なんとリムルの頬にキスをした。

 

「ありがとさん。」

 

リムルが礼を言う姿を見ていたクロエは頬を膨らませていた。

 

「……リムルにモテ期がきたようだな。」

 

「フフフ。」

 

フォルテの呟きにシズがくすくすと笑っていた。

 

次はケンヤの番。

 

「う〜し!次は俺の番だな!」

 

ケンヤが前に出た…その瞬間、周囲から光が溢れ出てくる。

 

「「あ?」」

 

「……まだ祈ってないのに………。」

 

「まさか精霊から来たのか?」

 

「そうなのかな?」

 

突然の事にフォルテ達はもちろん、シズさんも戸惑うなか、周囲の光が一箇所へと集まっていく。

 

「何か来る?」

 

リムルがそう言った直後、集まった光から現れたのは黄色い髪の上位精霊だった。

 

「あ?」

 

「…上位精霊が来たな。」

 

「よお〜元気かい?オイラは元気さ。」

 

随分と軽い感じの上位精霊だな。

 

「あっ…あ〜! ちょっと、アンタ何しに人の家にやって来てんのよ⁉︎」

 

「ちょっとした気まぐれだよ〜。」

 

「…ラミリス。その上位精霊は誰なんだ?」

 

「こいつは……。」

 

「オッス!オイラ光の精霊。初めまして。そこの魔物に堕ちた邪悪な妖精と違って、純粋な光の精霊様だよ。」

 

「誰が邪悪よ!」

 

「そうか、光の上位精霊か。」

 

「ケンヤ。お前、光の上位精霊を召喚したみたいだぞ。」

 

「えっ…ええ〜⁉︎」

 

驚くケンヤ。まぁそりゃあそうだな。祈ってもいないのに上位精霊の方から来たんだからな。

 

「ケンヤって言うのかい。じゃケンちゃんだな。」

 

「…親しむのが早いな。」

 

「なんかケンちゃんに光るものを感じたんだよ。光だけに!」

 

「うっ……。」

 

「面白くねぇよ。」

 

……本当に軽い感じだなこの光の上位精霊。

 

「……ってな訳で、オイラがケンちゃんを助けてやるのだ。ケンちゃんが成長するまでは、オイラが保護するよ。もしかしたら、ケンちゃんは勇者になれるかもしれないからね。」

 

「勇者⁉︎」

 

「ケンちゃんが勇者……。」

 

「おお〜。」

 

光の上位精霊の言葉に男子達は驚き、ケンヤ本人は固まっていた。

 

「うええ……。」

 

「それは将来が楽しだな。」

 

「そうだね。」

 

俺達も驚く中、光の上位精霊はあっという間にケンヤの中へと入った。

 

「あっ。」

 

「宿った。」

 

「えっ?」

 

「本当にあっという間だったな。」

 

「リムル先生………?」

 

実感がないまま終わった事に戸惑うケンヤ。

 

「あ?ああ大丈夫!計画通りだ!ハハハハハ!」

 

いや…違うだろ。まぁ助かったのだから良しとするか。

 

ケンヤが光の上位精霊を宿した後、リョウタの番となった。

 

リョウタが祈ると、青と緑の光…水と風の下位の精霊が現れた。

リムルはもう慣れた手つきで捕食して統合。擬似上位精霊〝水風〟をリョウタと統合させた。

 

残るはクロエ・オベールとなった。

 

クロエは祈りを始める前に、顔を赤くしてもじもじしながらリムルを見ていた。

 

「リムル先生……あのね……リムル先生……」

 

「あ?」

 

クロエの小声で自分の名を何度も言っているのを聞いたリムルはクロエの横に顔を近づける。

 

「ん?」

 

「あのね……リムル先生………あのね………大好き。」

 

「俺も好きだよ。」

 

リムルは笑顔でクロエに答えた。……多分リムルは後十年経ったらとか、前世の時に言って欲しかったとか思っているだろうな。……クロエが見えない所でそんな表情をしているのだから。

 

「…なにその顔?」

 

「いや別に。」

 

ラミリスにまで不思議に思われたようだ。

 

「さぁ祈って。」

 

「うん。」

 

クロエが祈り始めた……その瞬間

 

ズン!

 

上空から凄まじいプレッシャーが俺達に襲い掛かった。

 

「あっ……⁉︎」

 

「何⁉︎」

 

「これは……⁉︎」

 

「この天が落ちてくるような凄まじいプレッシャーはいったい……⁉︎」

 

フォルテ達が戸惑う中、目の前の地面が光り出し形を成していき現れたのは謎の女性だった。

 

「精霊じゃないな……何者だ?」

 

《上位精霊と同様の精神体(スピリチュアル・ボディー)だが、異常なエネルギー量を検知した。上限は測定不能だ。……更に時空に干渉した存在のようだ。》

 

時空に干渉ってことは時間を超えて来たのか?電脳之神(デューオ)の解析結果に驚く中、謎の女が動き出した。

 

リムルに向かって一直線に飛び……なんとリムルに口付けをしてそのまますり抜けた。そのまま俺達の前まで来ると笑みを浮かべながらクロエの方に反転して向かう……その際一瞬だけ姿が変わったように見えた。

 

「あの人は……⁉︎」

 

シズさんは目を見開き、俺は自分の中の逆風竜、電脳竜があの女性に反応するのを感じた。

 

「あの女性は一体⁉︎」

 

突然の事に戸惑う俺達をよそに、クロエに向かっていく女性にラミリスが立ち向かおうとする。

 

「待て!させないよ!あんたの好きにはさせない‼︎」

 

「おい!突然何を……⁉︎」

 

「うるさい!そいつはヤバイんだ!見て分からないの⁉︎」

 

「分かる訳ないだろ⁉︎」

 

「あの女性の何がヤバイんだ⁉︎」

 

「話は後……ああっ⁉︎」

 

フォルテとリムルがラミリスと話している間に、リムル達の前まで接近した瞬間、七色の光となってクロエに吸い込まれるように宿った。

 

「宿っちゃった!もう手遅れだ……やめやめ!私は知らないからね?」

 

ラミリスが何か諦めたように言う中、フォルテとリムルは念の為に一応クロエを解析してみる。

 

(……あの膨大なエネルギーが綺麗さっぱり消えている?状態は安定しているようだが…あの女性は一体…。)

 

その一方で、シズさんは呆然としていた。

 

「シズさん?」

 

「さっきのあの人…。」

 

「何か知っているのかシズさん?」

 

「……私を救ってくれた勇者の姿に見えたの…。」

 

「なんだって⁉︎」

 

その時、セレナードがシズさんから出て来た。シズさんから現れたセレナードに子供達は驚く。

 

「私にも見えました。…シズと共に居てくれたあの勇者に。」

 

セレナードまでそう言うとは……クロエに宿ったあの女性の正体は一体……。

 

フォルテが考え込んでいると、リムルがラミリスに同じ事を問いラミリスは自分で分かる範囲で説明しだした。

 

「分っかんないわよ!詳しくは分からない!でもね……あれは多分、未来で生まれたんだよ。」

 

「はっ?」

 

「未来だと?」

 

「そう。未来からやって来た精霊に似た何か!とても信じられないけど、その子に宿ったことで、自分を生み出す土壌を作った?」

 

「あっ?」

 

祈っていたクロエが目を開ける。

 

未来の精霊に似た存在……それが何故シズさんを救った勇者に似ていたのか…何故クロエに宿ったのか…謎が深まるばかりだな。だが、ラミリスが更に気になることを言った。

 

「何言ってんだ?」

 

「ああ〜!本当に分からない‼︎でも、あれは大きな力を持ってた!未来であれが生まれたら大変な事になる気がする!もしかしてあれは時の大精霊の加護を受けて……。」

 

時の大精霊……やはり時間を超えたのか……平行世界から来たシンシヤ。次元を超えて来たデューオやアイリスにトリル。漫画の世界の存在だったはずの妓夫太郎達……この世界は色々と複雑に絡み合う何かがあるのかもしれない。

 

……これがデューオが言っていた俺の存在がこの世界に与える影響なのだろうか。だが今は子供達全員が救われた。それが何より良かった事だ。

 

リムルと子供達はラミリスに感謝の言葉を言う。

 

「良いじゃないか。全員成功したんだからさ。ありがとうな。お前のお陰で子供達も助かったよ。」

 

「ありがとう。」

 

「ありがとうラミリスさん。」

 

「本当にありがとう。」

 

「感謝するラミリス。」

 

「「「「ありがとうございました!」」」」

 

「感謝する!」

 

「我も感謝する!」

 

「そっ………そんなの良いってば〜!」

 

リムル、クロエ、シズさん、セレナード、フォルテ。そして子供達とランガとゴスペルから感謝されたラミリスは照れたのか顔を赤くして飛び回る。

 

本当にこういう姿は可愛いな。これで最古の魔王なのだからこの世界は不思議だな。

 

その後に子供達が救われたのを祝福するように無数の妖精達が笑いながら子供達の周りを飛び回ったりランガやゴスペルの鼻の上に座ったりしていた。

 

シズさんの未練の一つである子供達を救うことができた。

 

 

……これでめでたしめでたし。

 

 

 

「ちょっとアンタら!何か忘れてやいませんか⁉︎」

 

子供達と帰っている途中でラミリスがそう声を上げるのだった。

 

「何が?」

 

リムルは不思議そうに言っているが……まさか忘れているのかリムルの奴。

 

「ほら!約束のあれよ。アンタが壊した精霊の守護像(エレメンタルコロッサス)の代わりに、新しい魔人形(ゴーレム)を用意してくれるって話!」

 

「……あっ。」

 

首を傾げていたリムルだが、思い出したようで思わず声を上げた。

 

「あっ!ってまさかアンタ本当に⁉︎」 

 

「嫌だなぁラミリス君!ちゃんと覚えていたとも!」

 

目を逸らしながら言うリムル……いや忘れていただろ。……まぁ黙っててやるか。

 

「ちょっと待っていてくれよ。」

 

「…魔人形(ゴーレム)ならやはり…。」

 

フォルテとリムルは掌の上で魔人形(ゴーレム)の作成を開始する。その様子をラミリスは期待の眼差しで見ていた。

 

「ええっと確かこんな形だったような……。」

 

「やはりこれが良いな。」

 

「ああ………!」

 

「ほい!」

 

「出来たぞ。」

 

「これじゃな〜い‼︎」

 

リムルが作り出したのは、マクロスFのバルキリー。

フォルテが作り出したのは、モノアイガンダムと呼ばれる機体シスクードだ。

 

だがラミリスに駄目だしされた。

 

「うっひゃ〜!かっけぇ!」

 

「おお……!」

 

ケンヤとゲイル…男性陣には好評。

 

「何で?魔人形(ゴーレム)だろ?」

 

「これも立派な魔人形(ゴーレム)だと思うが?」

 

「ああ……いや……その二つはかっこいいけど………そうじゃなくて!リムルが壊した精霊の守護像(エレメンタルコロッサス)の代わりだから、私をちゃんと守れる様な物が欲しいの!今回みたいにアンタ達みたいな力の奴が来たら今度はどうなるか……。」

 

確かに……次来る奴が悪人でない保証もないからな。残った精霊の守護像(エレメンタルコロッサス)だけでは心配になったんだろう。

 

「作ってくれるまで絶対此処から出してあげないんだからね!」

 

「ああ大丈夫。俺、空間移動を覚えたから脱出できそうだわ!」

 

「ああ待って!待ってよ!何とかしてよ‼︎」

 

リムルは非情な事を言い、ラミリスは泣きつくのだった。

まぁ俺も、リムルを解析させてもらって空間移動を覚えてはいるが。

 

ちなみに俺とリムルが作ったシスクードとバルキリーは子供達に渡している。

子供達だけでなく、シズさんも興味深そうにして見ていた。

 

「ああ。……とはいえあんな大きな奴を再現するのは難しいぞ?」

 

「本来は人が乗り込むほどのデカさだからな。……迷宮の移動も色々と不便だぞ?」

 

「大きくなくても!私を守れる様な強い奴なら何でも良いんだよ〜!」

 

「となると……。」

 

「あれを使うか…。」

 

俺とリムルは、自身の魔素と魔鋼から作り出した魔人形(ゴーレム)のパーツを取り出していく。リムルはスライムの姿でまるで口から吐き出すような感じになっていた。

俺は手を翳して粒子から形成して作り出した。

 

「あっアンタ達……それを一体何処から出したのよ……?ってもういいわ……。」

 

どこか呆れたような感じでラミリスがそう言った後、子供達はこれから作り出される魔人形(ゴーレム)に興味津々

 

「リムル先生!フォルテさん!僕達も研究したいです!」

 

「私も!」

 

「こういうのが出来るのかな………?」

 

「リムル先生!フォルテ!俺を最初に乗せてくれよ!」 

 

「僕も乗りたい……!」

 

「ダメ〜!私の魔人形(ゴーレム)なんだから!」

 

「「「「「ええ〜⁉︎」」」」」

 

ラミリスの駄目だしに子供達はブーイング。その後は、シズが皆を宥めてくれたおかげで落ち着き、子供達はランガとゴスペルを枕の代わりにして気持ち良さそうに寝ている。

 

その間に、リムルと俺は魔人形(ゴーレム)を組み上げた。

 

「よし、完成だ!」

 

「こっちも出来たぞ。」

 

リムルの魔鋼の魔人形(ゴーレム)はマネキンのような感じで、俺の方は…。

 

「…って!フォルテそれって⁉︎」

 

「こだわって再現してみたがどうだ?」

 

黄緑色の長髪に能面のような顔に黒いロングコート着用させている。

 

「ゴスペル首領じゃん⁉︎」

 

そう。エグゼ2の組織ゴスペルの首領である。正体は小学生である帯広シュンがサイバースーツを着た偽装した姿。アニメだとワイリーが作ったロボットで後にアニメのフォルテが現実世界で活動するための依代になった。

 

だから、俺も同じようにしようとサイバースーツ版とこの魔人形(ゴーレム)版をベスターと協力して作っていたのだ。

 

そしてラミリスの魔人形(ゴーレム)としてこれを使うことにしたのだ。

ゴスペル首領の魔人形(ゴーレム)にリムルは興味津々とばかりに見ている。

 

「すげぇなこれ…コートだけじゃなくて髪の毛一本一本が魔鋼で出来てるのかよ…。」

 

「元々は俺の偽装用だからな。これくらいするさ。」

 

「えっ…いいの?そんな凄いの私の為に⁉︎」

 

「ラミリスの協力なければ子供達は救えなかった。これくらい当然だ。」

 

フォルテの言葉にラミリスは満面の笑みを浮かべた。

 

「フォルテ!ありがとうね!」

 

嬉しさの余りフォルテの頬に抱きつくラミリスだった。

 

さぁ準備は出来たし後は…この魔人形(ゴーレム)達の〝中身〟を呼び出すとするか。

 

「ラミリス、シズさん少し離れてくれ。」

 

フォルテの言葉に従いラミリスはリムル、シズさんはフォルテの背後へと下がった。

そして、リムルとフォルテの前にそれぞれ魔法陣が展開された。

 

「来い!上位悪魔(グレーターデーモン)!」

 

「現れろ!上位悪魔(グレーターデーモン)!」

 

リムルとフォルテの呼び掛けに応えるように魔法陣が輝き光の柱が立ち上る。

そして光の柱の中から二体の悪魔が姿を現す。

リムルの魔法陣から現れたのは黒い悪魔。黒い服装と翼を持ち、黒目に輝く金色の瞳…その瞳孔は赤く光っている。

フォルテの魔法陣から現れたのは紫の悪魔。紫の服装と翼を持ち、黒目から怪しく金色の瞳が紫に輝いている。

 

「「「おお………!」」」

 

リムルが人間態になると、リムルが呼び出した黒い悪魔とフォルテが呼び出した紫の悪魔は二人の前で跪く。

その時、シズさんはリムルが召喚した黒い悪魔をジッと見ていた。

 

「シズさん?この悪魔に何かあるのか?」

 

「フォルテ君…。この悪魔の目…私が昔会った悪魔と同じだなぁって思ったの。」

 

シズさんが会ったことのある悪魔か…。

 

フォルテも少し気になっていたが、悪魔達がリムルとフォルテに話しかけ始めた。

 

「お呼びでございますか?マスター。」

 

「御用件をお聞かせください。」

 

丁寧かつ礼儀正しい悪魔達の姿。

 

「君達にこの妖精の守護者になってもらいたい。」

 

「この妖精の名はラミリス。今はこんな姿だが、最古の魔王の一人である迷宮妖精だ。」

 

フォルテの口から語られたラミリスの事に二人の悪魔はラミリスを見る。

 

「…この方がラミリス様。」

 

「あのおかたと同じ最古の魔王の一人…。」

 

「うっ…うむ!」

 

悪魔達の視線にラミリスは胸を張って虚勢を張るのだった。

 

「期間は100年。代価は俺の魔素と魔鋼で作った依代の魔人形(ゴーレム)だ。契約期間が過ぎても、この体は好きに使ってもらって構わない。」

 

「俺の方も同じだ。この魔人形(ゴーレム)の体を使って100年の間ラミリスの守護者を頼む。代価に俺の魔素と魔人形(ゴーレム)を与える。」

 

「素晴らしい…!」

 

「願ってもない契約でございます。」

 

二人の悪魔はこの契約に応じた。

 

「よし。じゃあ俺が呼んだ方には、ベレッタの名を授ける。」

 

「なら俺が呼び出したお前には、スペルの名を授ける。」

 

ゴスペル首領だからゴを取ってスペルとして名を付けた。…昔リムルがリグルドに名付けをした感じだ。

 

俺達が名付けをした瞬間、二体は光りだし魔人形(ゴーレム)と融合する。

 

その際、魔素をごっそり吸い取られる。……大体は憎珀天達と同じくらい…三割だな。

 

光が収まると、そこには依代を得た二人の悪魔が立っていた。

 

リムルの呼び出した悪魔であるベレッタは仮面を被りながら名乗る。

 

「我は魔将人形(アークドール)ベレッタ。」

 

「同じく、魔将人形(アークドール)スペル。」

 

続くようにスペルも名乗る。与えた首領の魔人形(ゴーレム)の姿が、髪の色が青紫へと変わりコートも紫色となり胸のゴスペルマークとラインが金色となった。

 

「「ラミリス様の守護者として、頂戴した命令を遂行する者でございます。」」

 

「おっおう。お任せするよ!頼んだわね!」

 

ラミリスは自分に使える二人を前に頑張って威厳を保とうとするのだった。

 

そうして、精霊の棲家の外に出た俺達。外には綺麗な夜空が広がっていた。

 

「終わったな。」

 

「ああ。」

 

「リムルは子供達を頼む。」

 

「分かっているって。じゃあなフォルテ。」

 

リムルは子供達を連れて転移の準備に入る。その時、クロエがフォルテを見ていた。

 

「フォルテさん…ありがとう。」

 

「「「「ありがとう!」」」」

 

クロエに続いて他の皆もフォルテに礼を言った瞬間に転移して行った。

 

「…ありがとうか。」

 

リムルのような活躍はしていないが、純粋な子供達の礼は心にくるな。

 

「シズさん。俺達も帰ろうか。」

 

「うん。」

 

「ちょっと待ちなさい!」

 

ラミリスから待ったの声が上がった。

 

「どうしたラミリス?報酬もちゃんと用意したはずだが?」

 

「……アンタには色々助けてもらったから私からお返し…。」

 

そう言ってラミリスの周りにいた妖精達が何かを運んで来た。

 

フォルテはそれを手で掬いながら受け取った。それは何かの破片のような物だった。……よく見ると回路図の様なものが描かれていた。

 

「これは?」

 

「…前に話したドワーフの国で精霊の守護像(エレメンタルコロッサス)の外殻を拾った時、近くに落ちてたの。最初はキラキラしているからいいかなって持って帰ったけどよく分からないから放置してたの。…でもアンタに渡した方がいい気がするから。」

 

そうラミリスが言うので、ドワーフ王国での失敗作かと思ったが…なんか見たことある気がする。

 

試しに鑑定したらとんでもない物だった。

 

「…ヒカリタダシプログラムの残骸だと。」

 

それはロックマンエグゼの映画に登場した重要なプログラムである光正が作り上げたプログラム。スペクトルと言う計画の要にしてワイリープログラムと合わせて初めて機能するプログラムだ。……そして映画ではネビュラグレイを完全体にさせる為に吸収された。……そんなプログラムの残骸が何故?

 

フォルテの疑問に電脳之神(デューオ)が解答する。

 

《この残骸プログラムは時空を超えて来たようだ。残骸なのは吸収される前にロックマンの攻撃により破壊された一部だからだ。》

 

マジか……この残骸どうしようかな。

 

《我ならこの残骸からでも完全復元が可能だ。更にユニークスキル悪之科学者(Dr.ワイリー)からワイリープログラムも作成可能。》

 

え?……それは凄いな!なら色々試したいことがあるから作業を開始してくれ。

 

《了解した。》

 

ヒカリタダシプログラムの残骸を情報(データ)化して吸収し、後は電脳之神(デューオ)に任せた。

 

「ラミリス…ありがとう。」

 

俺はラミリスの頭を撫でる。

 

「なっ⁉︎ちょっと子供扱いしないでよ……でも今回だけは許してあげるわよ。」

 

撫でられ照れるラミリスだった。

 

 

 

 

 

此処はとある空間。

 

そこで黒い服を着た何者かが、手に持つ水晶に映るリムルを見ていた。

その目はリムルが呼び出した上位悪魔(グレーターデーモン)と同じだった。

 

「一生の不覚……。折角呼んで頂いたのに、自分の眷属に先を越されるとは……。次こそ………次こそは必ずや………!貴方様なら私を、世界の真理へと導いてくれる筈………。クフフ…………クフフフフ…………!」

 

更に別の空間では。

 

紫の髪で肩にも付かない短めのサイドテールの少女が紅茶を飲みながら水晶に映るフォルテを見ていた。

 

「あ〜あ。ボクが少し留守にしている間に眷属が先に呼ばれちゃったな。…まぁ今回は呼ばれなくて良かったけど、あの妖精の守護者にされるところだったし。」

 

紅茶を飲みながら水晶に映るフォルテを視詰める。

 

「次は必ずボクが行くから早く呼んでね。フフフ…。」

 

この少女と黒い服の者がそう遠くない未来。……リムルとフォルテに召喚されるのは今は誰も知らない。

 

 

 

 




フォルテはラミリスから新たな強化に繋がるアイテムを手に入れた。
ラミリスへの魔人形(ゴーレム)はベレッタと並ぶならやはりゴスペル首領の姿があっていると思いました。
フォルテの見る謎の少女……フォルテが彼女と出会う日はいつになるかお楽しみにで。
また少し、オリジナル回と転スラOVAの話を投稿していきたいと思います。
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