転生したらフォルテだった件   作:雷影

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このタイトルで分かる人もいると思いますが、フォルテの元に新たな存在が現れる。


43話 心ある電脳魔獣(ウィルス)

子供達を救ってから半月が過ぎた。リムルはしばらくの間は子供達の教師を続けている。まだ自分の後任が決まっていないからだ。

 

魔国連邦(テンペスト)に戻ってからのフォルテも、新しい事に取り組んでいた。

 

「この関節とパーツの接着面はこうすれば良いだろう。」

 

「成る程。では此処はこのようにすれば……。」

 

封印の洞窟内にあるベスターの研究所。そこでは、ベスターとフォルテがまるで骸骨のような骨組みの魔人形(ゴーレム)に様々なパーツを装着しながら調整をしていた。

 

「それにしても、フォルテ様のこの魔人形(ゴーレム)のアイデアは素晴らしいですね。基本フレームに様々なパーツを換装して状況に対応できるようにするとは。」

 

「まぁな。これもラミリスの精霊の守護像(エレメンタルコロッサス)情報(データ)があればこそだがな。」

 

「そうですね。……まさか魔王の一人が私達のあの研究を自己流で完成させていたとは……。」

 

あの時のベスターの驚きようは凄かった。

 

精霊の守護像(エレメンタルコロッサス)についての情報(データ)を見た瞬間。まるで玩具を得た子供のように目を輝かせ食い入るようにメモっていたのだから。

 

その後は、精霊の守護像(エレメンタルコロッサス)、リムルが作成した擬似上位精霊、そして魔将人形(アークドール)達の情報(データ)を元にこの新たな魔人形(ゴーレム)を試作しているのだ。

 

まぁ…この魔人形(ゴーレム)は前世のゲームやアニメであったメダロットをそのまま再現しているのだが。

 

アプリゲームでメダロットとロックマンエグゼのコラボがあったので、いいかなと思ったのだ。

 

現段階では、試作品として二体は完成している。…近接格闘戦用クワガタ型のロクショウ。射撃重視型のカブト型であるメタビーだ。

 

まだ意志などを入れていない為動かないが、それでもこの二体を作れたのは嬉しかった。……そう言えばこの二体が合体した姿もあったな…コラボの別作品で。

 

「さてと、今日はここまでにするか。」

 

「そうですね。後のチェックはお任せください。」

 

「分かった。」

 

「今日もあの者達のところですか?」

 

「ああ。しっかり育てなければな。」

 

ベスターの研究所を後にしたフォルテは電脳世界(サイバーワールド)へと向かった。

 

フォルテが最初に向かったエリアは、…プロトエリアだ。

 

赤い肉塊のようなスライムの海に降り立つフォルテ。すると、フォルテが来たことに反応しスライムの海が波打つ。

そして、フォルテの前から迫り上がるように約四メートルはあろう大きなプロトバグが出現した…その赤い目がフォルテを見据えると、無邪気な子供ような声を出した。

 

「フォルテ〜!来てくれたんだね!」

 

「元気そうだなプロト。あれからまた大きくなったな。」

 

プロトは順調に成長し今では喋れるようになった。そして、プロトエリアに時々戻って今までエリアで取り込んだ電脳魔獣(ウィルス)のエネルギーを吸収していた。

 

その結果。今ではこんなに大きくなったのだ。大きさは自在に変えられるので、魔国連邦(テンペスト)ではいつもスライムサイズで過ごしているのだ。

 

「今日も悪い電脳魔獣(ウィルス)退治ご苦労様。今日の数は前回と同じくらいだったか?」

 

「うん。でも全部食べたから大丈夫だよ。」

 

「そうか。…もしシティに何かあったらいつでも知らせてくれ。」

 

「分かった。」

 

プロトはフォルテシティの地下に位置するので、シティ全てとリンクしている。まるで血管のように隅々までプロトの一部のように。

 

「それじゃあ俺はアイツらのところに向かう。プロトも後で遊びに来てくれ。」

 

「うん!」

 

無邪気に手を振るうプロト。

 

そんなプロトと別れたフォルテはシティのとある施設に入って行った。

 

その施設内の柵の中ではなんと、メットール、ラッシュ、ガルー、マルモコなどの電脳魔獣(ウィルス)達が伸び伸びと過ごしていた。

 

「…順調に育っているようだな。」

 

電脳魔獣(ウィルス)達の様子を見ながら奥へと進む。

 

そこには、此処の管理を任せている電脳人(ネットナビ)。俗に言う標準型(ノーマル)ナビ達が敬礼をして待っていた。

 

「ようこそおいでくださいましたフォルテ様!」

 

「今日も電脳魔獣(ウィルス)達の様子を見に来たのですか。」

 

「ああ。変わりはないか?」

 

「はい。フォルテ様の呼び出したものや使役したこの電脳魔獣(ウィルス)達はとても素直でいい子達ですよ。」

 

そう。これまで多くの電脳魔獣(ウィルス)を倒し召喚を繰り返すうちに、俺のユニークスキルの一つ電脳魔獣(サイバーウィルス)召喚は進化して新たなユニークスキル電脳魔獣支配(ウィルスドミネート)となった。

 

このスキルにより、召喚した電脳魔獣(ウィルス)だけでなく自然発生した電脳魔獣(ウィルス)達も俺の支配下に入れることが可能となった。

 

フォルテの支配下に入った電脳魔獣(ウィルス)には頭や胸にはフォルテと同じエンブレムマークが刻印されるので見分けもつけやすい。

しかも、フォルテの影響で強くなり成長もするのだ。

 

そうして、支配下に入った電脳魔獣(ウィルス)達の為に作ったのがこの飼育施設なのだ。

 

「今日はアイツらの様子を見に来た。」

 

「分かりました。」

 

「案内します。こちらへどうぞ。」

 

標準ナビ達に案内され更に奥へと進む。

 

奥は先ほどよりも広いエリアとなっており、そこには成長の影響で巨大化した電脳魔獣(ウィルス)達がいた。その中で、フォルテが会いに来たのがこの6体の電脳魔獣(ウィルス)

 

蜘蛛か蟹のような六本の足を持つ下半身に人間の様な上半身の電脳魔獣(ウィルス)…そうドリームウィルスだ。

 

だがこの6体のドリームウィルスは普通ではない。

 

「メラル。ラピア。ボルト。モス。ビット。ダーク。」 

 

フォルテに名を呼ばれ集まるドリームウィルス達。その身体の色が個体ごとに違った。

 

赤、青、黄、緑、白、黒とまるで戦隊モノのような色合い。

 

そう。このドリームウィルス達は元はビットだった。

 

ドリームメラル。ドリームラピア。ドリームボルト。ドリームモス。ドリームビットとそれぞれ属性を持ったビット達。ダークはドリームビットの最上位個体であるビットSP。

 

シティで発生した電脳魔獣(ウィルス)の中で見つけたのがドリームビットSPだった。

強さがやはり通常のドリームビット達と比べて圧倒的。その強さを気に入ったフォルテが電脳魔獣支配(ウィルスドミネート)で仲間に引き入れたのだ。

 

ビットSPもフォルテの強さを本能的に理解して素直に仲間となった。

そして、ビットSPの仲間として他のドリームビット達を召喚し名付けた。

 

そしてビット達は自分達の属性に合わせたドリームウィルスへと進化を果たしたのだ。

 

ビットSP…ダークはフォルテの魔素とかなり適合していたようで、ドリームウィルスへと進化した後、胸にフォルテのエンブレムマークが刻印されているうえに、額の逆三角形の水晶がフォルテと同じ十字の青い星型マークへと変わっていた。

 

赤のドリームウィルス・メラルは炎能力に特化。

青のドリームウィルス・ラピアが氷水能力に特化。

黄のドリームウィルス・ボルトが雷能力に特化。

緑のドリームウィルス・モスが樹の能力に特化。

白のドリームウィルス・ビットが眷属召喚や魔力光線(レーザー)攻撃に特化している。

 

そして、黒のドリームウィルス・ダークがビット達全ての能力を自在に扱える。

 

そんなダーク達と共に自然発生した電脳魔獣(ウィルス)達を討伐したり、ゴブタ達を鍛えたり、俺やカーネル達の特訓相手など色々と活躍してくれている。

 

今日はそんなダーク達の成長の様子を確認しに来た。

 

「……皆順調に成長しているな。これからもお前達の活躍には期待しているからな。」

 

「「「「「「グオォォオ。」」」」」」

 

ダーク達が声を上げ返事する。その時、地面からミニサイズのプロトが飛び出して来た。

 

「プロト?何かあったのか?」

 

フォルテの言葉にプロトが急いで答える。

 

「フォルテ。…なんかまた電脳魔獣(ウィルス)が出てきたけど、……なんか違う感じ。」

 

「何がだ?」

 

「う〜んとね。電脳魔獣(ウィルス)なのに、電脳人(ネットナビ)みたいな人型でダーク達見たいな顔をしてるんだ。」

 

……ダーク達…ドリームウィルスと同じフルフェイスの仮面のような顔の人型の電脳魔獣(ウィルス)…まさか。

 

「プロト。その電脳魔獣(ウィルス)は今どうしている?」

 

「倒れて気絶してる。」

 

「俺も確認しに向かう。座標を教えてくれ。」

 

「分かった。」

 

プロトから送られた座標を目指して、フォルテは急ぎ向かった。

 

フォルテが目的の場所に着くと、そこにはナビのような人型でドリームウィルスと似たフルフェイスの仮面のような顔……間違いなくゼロだ。

 

ゼロとはゲームキューブ版ロックマンエグゼトランスミッションに登場したウィルスキャラ。

教授と呼ばれる敵がワイリーの意志を継いでドリームウィルスRを誕生させる。その教授が作り上げたゼロウィルス…それがゼロだ。

進化し続けるウィルスであったゼロはウィルスでありながら人の心を知った。

 

そして敗北を認めて倒されることを望むゼロ。ゼロウィルスは存在するだけで害悪を撒き散らしてしまう呪われたウィルス。

だがゲームでは救済措置のルートもあった。ゼロの設計図を発見できていれば、ゼロウィルスの危険部分のみを封印することが可能となりゼロは救われて世界を知る旅に出たのだった。

 

 

………そんなゼロだが、このゼロはゲームの世界から来た訳ではないのは間違いない。何故なら……ゼロが二人もいるのだから。

 

片方は平たく広がっているはずの金色の長髪がなく、もう片方には長髪はあるが肩や肘、膝のアーマーが鋭いエッジとなっており、フルフェイスの仮面の右眼が赤いモノクル形状となっていたのだから。

 

そしてモノクルのゼロはデータが殆ど崩壊して消えかけている。

 

「…まさか自爆の直前にこの世界に来たのか?」

 

アニメ世界だと教授が創り出したところは同じだが、超電脳獣から抽出した獣化因子から作られた存在となっている。

教授は超電脳獣復活の為に暗躍するもゼロに裏切られ、超電脳獣も不完全な状態のまま起動するしかなくロックマン達に倒された。

 

その後は身を隠しゼロとロックマンに復讐する為に、巻き寿司型の巨大飛行要塞とゼロを複製したモノクルのゼロ……ゼロワンを創り出した。

 

そしてゼロワンの攻撃からロックマンを助けた際、ゼロは長髪を失った。

だがゼロの攻撃に加え、ロックマンとガッツマンによりゼロワンは致命傷を受けた。

それにより教授はゼロワンを自爆させようとしたが、ゼロがゼロワンを羽交い締めにしたまま実体化しそのまま教授の要塞に自爆特攻して消滅した。

 

そんなゼロとゼロワンがあの自爆の瞬間に世界を渡ってこの世界にやってきたのだ。

 

今にも消滅しそうなゼロワン。

 

「……このまま消えるには惜しい。」

 

フォルテはそう言ってゼロワンに手を翳しそのデータを回収しチップ化した。

 

「後はゼロだな。……酷い傷だがゼロワンほどではない。修復は可能だな。」

 

フォルテはその場でゼロの修復を開始。完全回復(フルリカバリー)によりゼロの傷は癒えていき、失われた長髪も元通りとなった。

 

ゼロの修復が完了した時、プロトから知らせを聞いたであろうカーネル、トリル、アイリスの三人が駆けつけて来た。

 

「フォルテ様。」

 

「フォルテ何があったの?」

 

「大丈夫?」

 

駆け寄る三人の目にゼロの姿が入った。

 

「……この者は?」

 

電脳人(ネットナビ)?」

 

「どうしてこんなところに?」

 

「…此奴の名はゼロ。心を持った電脳魔獣(ウィルス)だ。」

 

「⁉︎…この者が。」

 

「話には聞いていたけど…。」

 

「本当に電脳魔獣(ウィルス)とは思えない。」

 

三人がゼロを見ていると、ゼロの目に光が戻った。

 

「……此処は……俺は確か…。」

 

「気が付いたようだな。」

 

フォルテの声を聞いたゼロは顔を上げる。そしてフォルテやカーネル、アイリスを見た後、トリルを見て止まった。

 

「……ロックマン?」

 

「…僕はトリル。ロックマンじゃないよ。」

 

「トリル…。」

 

ロックマンと同じ姿のトリルを見続けるゼロ。

 

「兎に角。今から色々と説明しないといけないな。…立てるか。」

 

フォルテはそう言いながらゼロに手を差し伸べる。

 

ゼロはフォルテの目をじっと見たあと、その手を取り立ち上がる。

 

「……お前の手も暖かい。」

 

その後、フォルテはゼロを連れ電脳魔獣(ウィルス)飼育施設に戻りゼロの身に起きた事やこの世界について色々と話した。

 

「…俺は助かり別世界に飛ばされたと言うことか。」

 

「ああ。」

 

「そうか。……トリル達はロックマンの仲間なんだな。」

 

「うん。」

 

トリルが返事する中、カーネルはゼロを興味深く見ていた。それにアイリスが気付く。

 

「兄さん?」

 

「やはりゼロが気になるかカーネル。」

 

「…はい。私は軍事ナビとして多くのウィルスと戦ってきました。ですから、彼のようなここまで自分の意思があるウィルスという存在には大変興味があります。」

 

「そうだろうな。…ゼロも自分の意思を自覚する前は教授の命令に従うだけの存在だったからな。」

 

「……俺は自分について考えながら旅に出た。人間とネットナビにあってウィルスにないもの。それは絆、友情、心なのだと。」

 

ゼロの心への理解。……それはただのウィルスでは辿り着けないもの。

心を理解したゼロの話にカーネル達は優しい表情を自然と浮かべていた。

 

「俺はガッツマンと出会い心と言うものを知った。ロックマンはウィルスである俺を仲間と言ってくれた。……俺は仲間と認めてくれた二人を助けたかった。」

 

「だから自爆寸前のゼロワンと共に特攻したんだな。」

 

アニメで知ることがなかったあの時のゼロの思いと覚悟をこんな形で知ることになるとは。

 

「それでゼロ。これからお前はどうする。」

 

「……わからない。」

 

フォルテの問いにゼロはそう答えた。

 

「この世界には俺の知る者はいない。……ガッツマン達は救えたなら良かった。だが今の俺にはもう何も無い。」

 

その言い放つゼロの言葉は何処か寂しさが混じったような声だった。

 

そんなゼロの手を突然握り取ったのはアイリスだった。

 

「ゼロ。…なら此処に…私達の仲間にならない?」

 

「仲間…。」

 

アイリスの言葉を聞いてアイリスを見るゼロ。

 

「仲間…この俺を…。」

 

「アイリスの言う通りだ。ゼロのような者を放ってはおけない。」

 

「僕もお姉ちゃんに賛成だよ。ねぇフォルテいいよね?」

 

トリルが俺の方に振り向きながらそう言う。

 

「ああ。寧ろ俺からもそう言うつもりだったからな。」

 

「…いいのか。俺がウィルスであることに変わりはない。」

 

「さっき説明しただろ。分かり合えるならどんな奴でも仲間になれる街を俺達は作っていると。だからゼロ。」

 

フォルテはもう一度ゼロに手を差し伸べる。

 

「俺達の仲間になってくれないか。」

 

フォルテを見据えるゼロ……。

 

「…こんな俺を受け入れてくれる者が、ロックマンとガッツマン以外にいるとは思わなかった。……トリル達そしてフォルテが俺を受け入れてくれるなら、俺はお前達を信じる。」

 

ゼロは再びフォルテは手を取り握手を交わした。こうしてゼロはフォルテ達の仲間となった。

 

 

 

仲間となってから数日が経過。

ゼロは現在、電脳魔獣(ウィルス)飼育施設で電脳魔獣(ウィルス)達の面倒を見てくれている。同じウィルスであるゼロだからこそ電脳魔獣(ウィルス)達を統率でき、面倒や仕事それに体調管理を任せられると思ったからだ。

 

そして俺の予想は当たっていた。ゼロがこの世界に来た際に得たユニークスキル電脳魔獣統率(ウィルスコマンド)により電脳魔獣(ウィルス)達を統率して見事に指揮してくれた。

 

「…皆ご苦労。今日は解散だ。」

 

ゼロの言葉に皆は自由に行動する。

 

「流石です。貴方が来てくれて助かりますゼロさん。」

 

標準(ノーマル)ナビ達がゼロを称賛する。

 

電脳魔獣(ウィルス)達はフォルテ様の命で私達の指示も聞いてくれますが、やはり喧嘩を始めたりする者も現れます。」

 

「それによって統率が乱れて勝手に行動し出す者達も出てきますからね。」

 

「でもゼロが来てくれて、喧嘩もすぐにやめてくれるようになりました。」

 

標準(ノーマル)ナビ達からの感謝にゼロは少し戸惑う。

 

「ゼロさん…?」

 

「どうかしましたか?」

 

「……誰かに感謝される……今俺が感じているこの気持ちは……喜びと言うものなのだな。」

 

電脳魔獣(ウィルス)であるゼロとって初めて感じる気持ちだった。

 

「誰かに感謝される喜びは良いものだろゼロ。」

 

そんなゼロに話しかけるのは、丁度この場に来たフォルテだった。

 

「「フォルテ様!」」

 

標準(ノーマル)ナビ達はフォルテに敬礼する。

 

「お前達もいつもご苦労。今日はすまないが、ゼロと二人だけで話したい。少しこの場から離れてくれ。」

 

「「了解しました!」」

 

標準(ノーマル)ナビ達は指示に従い別室へと移動してくれた。

 

「フォルテ…俺に話とはなんだ?」

 

「それは此奴についてだ。」

 

フォルテが真横に手を翳すと、掌から粒子化した魔素が放たれ、人型に構成されていく。

 

やがて構成が終わって姿を現した者にゼロは驚く。

 

「これは…」

 

ゼロの前に立っているのは、ゼロと瓜二つと呼べる者…そうゼロワンだった。

ただ、以前のゼロワンとは違いモノクル形状の右眼と身体が赤から青へと変わり金の長髪も銀の長髪へと変わっていた。

 

「ゼロと共にこちらの世界に来ていたゼロワンだが、自爆で殆どのデータが崩壊していた。なんとかチップ化して保護したが、中枢核のダメージが大き過ぎた。完全な修復をする為に、代用となるある複製魔核と融合させたんだ。」

 

融合させた複製魔核とはもちろん……暴風大妖渦(カリュブディス)

 

それによりゼロワンの修復はできたが、暴風大妖渦(カリュブディス)の複製魔核との融合で今の姿となったのだ。

 

「もう一人のお前……いや〝弟〟と呼べる存在だ。」

 

「…弟。」

 

「このゼロワンはかつてのお前と同じだ。教授の命令に従うだけの存在だった。だが此奴も僅かながら自我に目覚めつつあることが分かった。だからこそ再構成した。ゼロ。お前にはゼロワンを導いて欲しい。」

 

フォルテにそう言われ、ゼロワンを見るゼロ。

 

「……俺は弟…兄妹とやらはまだ理解できない。だが、〝仲間〟を放ってはおけない。」

 

「フッ……ああそれで構わない。」

 

いきなり兄弟として接することはない。まずは仲間として協力し合ってくれれば。

 

フォルテはゼロワンに触れ最後の仕上げに意思データを送り込む。

 

ゼロワンの不安定だった意思を、リムルが擬似上位精霊を創り出したデータとゼロのデータを元に擬似人格として再構成したのだ。

 

意思データがインストールされたゼロワンのモノクル形状の右眼が青く光り出した。

 

「……俺は…。」

 

目覚めたゼロワンは目の前のゼロを見た。

 

「……ゼロ。…そうだ……俺は。」

 

意思に目覚めたゼロワンは自分のこれまでの記憶を思い出した。

 

「何故俺が生きている?……何故俺にまでゼロと同じような意思が……心がある……。」

 

意思に目覚めたことに戸惑うゼロワン。…そんなゼロワンにフォルテが声を掛ける。

 

「俺がお前を復活させた。」

 

「……お前は。」

 

「俺の名はフォルテ…フォルテ=テンペストだ。」

 

フォルテはゼロワンに説明する。

 

「お前が消えるはずだった俺を助け、……この意思を与えたと言うことなのだな。」

 

「その通りだ。…ゼロワン。意思を持ったお前は何がしたい何を望む。」

 

フォルテの問いにゼロワンはしばし沈黙する。

 

「……分からない。今まで命令に従うだけだった俺は、何をどうすればいいか分からない。」

 

「…そう答えるだろうと思っていた。ゼロワン。これからゼロと共に行動してみろ。そうすれば自分のやりたい事が見つかる筈だ。」

 

フォルテにそう言われ再びゼロを見るゼロワン。

 

「…ゼロ。」

 

「ゼロワン。俺は旅をしネットナビにあってウィルスにないものを学んだ。俺が学んだことを、今度はお前に教える。」

 

「……分かった。」

 

「ならお前達に正式な名付けをしないとな。」

 

フォルテの言葉に二人はフォルテの方へと顔を向ける。

 

「この世界での、名を正式に得る意味も学んだ。…本当に良いのか?」

 

「当然だ。お前達は俺の仲間だからな。」

 

フォルテは真剣な表情で名を付ける。

 

「だからこその名付けだ…ゼロ。ゼロワン。」

 

二人への名付けにより一気に魔素を消費するフォルテ

 

「…ふぅ。一気に二人分だからな。」

 

名と共にフォルテの魔素を吸収したゼロとゼロワンは、自分達に起きた現象に驚きつつも興味を示した。

 

「これが名付けによる力の増大…!」

 

「この今までに感じたことが無い感覚……興味深い。」

 

「改めてこれからよろしく頼むぞ。」

 

こうして、ゼロとゼロワンがフォルテの仲間となった。

翌日。名付けによってゼロとゼロワンは電脳魔獣(ウィルス)電脳魔人(サイバーノイド)が合わさった新たな種である電脳魔獣人(ウィルスノイド)へと進化したのであった。




ゼロとゼロワン登場!そしてアニオリであるゼロワンにも心を与えました。
そして暴風大妖渦(カリュブディス)の複製魔核を使って強化しました。ゼロワンのモノクルが良く似ていたので。
そしてエグゼ3要素を入れてウィルスの飼育も開始。
主力となるであろうドリームウィルス達これからも期待して待っていてください。
プロトもすくすく成長中……本来の力を取り戻す日はそう遠くないかも。
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