転生したらフォルテだった件   作:雷影

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忙しくなって来て投稿が遅くなりました。
これからもゆっくりとなりますが頑張って投稿していきたいと思います。


48話 ドワーフ王国再び

獣王国ユーラザ二アに来て数日が経過。

俺達はカリオンや獣王戦士団の者達と何度も手合わせをした。

フォビオもあれから腕を上げたようで、以前より技などのキレが良かった。

だが、成長では紅丸達も負けていない。

模擬戦では紅丸はフォビオに見事勝ってみせた……その後カリオンにボコボコにされていたが。

その間、リグル達には農業面を詳しく見て周りながら学んでもらった。

 

そして今日、俺達は魔国連邦(テンペスト)に帰る。その見送りにカリオンをはじめとした多くの獣人達が集まってくれた。

 

「魔王カリオン。この数日色々と世話になった。」

 

「何言ってる。俺もお前との手合わせは楽しかったぜ。」

 

互いに握手を交わしながら話し合うフォルテとカリオン。

 

「それでだが、此奴のことを頼むおいフォス!」

 

「はいです!」

 

カリオンに呼ばれ俺達の前に出てきたのは、狐獣人の女の子だった。

 

「その子が言っていた子か?」

 

「そうだ。獣王戦士団候補の一人フォスだ。これから魔国連邦(テンペスト)で世話になるからよろしく頼む。」

 

「よっよろしくお願いしますです!」

 

頭を下げるフォス

 

名持ち(ネームド)で期待されているんだな。フォルテ=テンペストだ。これからよろしくなフォス。」

 

こうして俺達はカリオンからフォスを託されユーラザイアを後にした。

 

この帰路までの道中で、フォスの実力を知る為にフォルテや紅丸が何度か手合わせをした。

 

素早い動きと身の熟しは中々筋がいい。流石獣王戦士団候補…これなら警備隊に入隊させればかなりの活躍が期待できる。

 

「今日はここまでです!」

 

リグルの声により、今日の手合わせは終了。

 

「はぁ…はぁ…はぁ……。」

 

息を切らしながら座り込むフォスに、フォルテが水の入ったコップを渡す。

 

「今日の動きは良かったぞ。」

 

「ありがとうございますです。」

 

フォスはコップを受け取り水を飲む。

 

「ぷっはぁー!生き返りますです。」

 

「フォス。魔国連邦(テンペスト)に着いたら町の警備隊に入隊しないか。」

 

「警備隊です?」

 

「そうだ。フォスならかなり活躍できる筈だ。それに町の警備の為にパトロールもするから、街を見回ることもできるぞ。」

 

「なるほど…分かったです!私、警備隊に入隊するです!」

 

こうして、フォスの魔国連邦(テンペスト)での所属が決まった。

 

そうして数日後、フォルテ達は魔国連邦(テンペスト)に帰ってきた。

 

「お帰りフォルテ!」

 

「ただいまリムル。獣王国の使節団はどうだった?」

 

「いや〜来て早々絡んできてな……。」

 

リムルの話によると、リムル達を試す為に挑発してきたので紫苑とヨウムがそれぞれ相手をしたと。

 

「…紫苑が極大魔力弾を放とうとしたところをアルビスが止めるまでは良かったけど……。」

 

「制御を外れて爆発寸前とは…リムルがいなかったらマジでこの辺り一帯が吹き飛んでいただろうな。」

 

大変だったようだな。

 

「フォルテの方はどうだったんだ?」

 

「その話はリグル達の報告と一緒に話す。このまま立ち話よりは議事堂で話した方がいいだろう。」

 

「そうだな。」

 

議事堂に移動したフォルテ達。そこで紅丸がまずリムルに獣王国の戦士達の強さを説明した。

 

「獣人達の強さは流石の一言です。一兵卒に至るまで魔王カリオンに徹底的に鍛え上げられていました。やはり、魔王カリオンと獣王戦士団の影響力が大きいようです。」

 

「流石は獅子王(ビーストマスター)と言うところか…。」

 

「ああ。その名に恥じぬ強さだった。」

 

「でもまさか、来た初日でカリオンと戦うとか…聞いてるこっちは冷や冷やするぞフォルテ…!」

 

「無論、カリオンも最初はその気はなかった。俺が戦士団を相手に放った妖気(オーラ)が、カリオンの闘争本能を刺激してしまったようだった。まぁ戦ったことでお互い分かり合うことが出来た。」

 

「はぁ……まぁフォルテは戦闘狂なところが元々あったからな。…でっ他には?」

 

「はい。向こうの建築物は魔国連邦(テンペスト)に比べれば粗末なものでした。ですが、王宮には贅が凝らされ富の一極集中が顕著の様です。」

 

「うぐっ……!リグルがこんな立派に………!」

 

リグルの報告を聞いていると、その姿にリグルドが感激しながら泣き出した。

それを見た俺達は、苦笑いを浮かべる……まぁ気持ちは分からなくもない。

 

フォルテがそう思っている中、同じく苦笑いを浮かべていたリグルが口を開く。

 

「え〜っと………。ですが、悪い意味ではありません。住人がそれを望んでいるのです。」

 

「なるほど……。」

 

「建築だけでなく工芸その他も、今の我が国の技術力が上回っております。」

 

「カイジン達が来てくれた上、黒兵衛と朱菜も居るからな。」

 

フォルテの言葉に、朱菜は嬉しそうに笑みを浮かべるのだった。

 

「しかし一つだけ、目を見張るほどに素晴らしいものがございました。」

 

「それは?」

 

「農業です。」

 

「ほう!」

 

農業と聞いてリムルは興味を示す。去年は皆で畑を耕し収穫もしたからな。

 

「それでだ、カリオンから土産を貰っていてな。是非皆で食べてくれ。」

 

そう言ってフォルテが指を鳴らすとハルナ達が切り分けてくれた獣王国の果物を持ってきてくれた。

 

「おお果物か!」

 

テーブルに置かれた果物にリムルは喜び、人型へと姿を変えた。

 

「どれどれ。」

 

林檎を一口食べるリムル。

 

「甘い!」

 

「そうだろう。」

 

「素晴らしい品質だな。天然ものなのか?」

 

「何代にも渡って改良を重ねたそうだ。」

 

「へ〜。」

 

リグルとリムルが話し合っている間、紅丸はそれはそれはとても幸せそうに果実を食べていた。

 

「我が国とは比べ物にならぬ程、広大な田畑が広がり農作物が彩り豊かに実っておりました。」

 

「それなら、この果実の美味さも納得だな。その技術は俺達でも習得出来そうなのか?」

 

リムルの問いにリグルは少し考えてから口を開く。

 

「…………おそらくは可能かと。」

 

「ならリリナ。」

 

「はい。生産管理部門から次回の使節団に加わる者を選出します。ぜひその技術を我が国にも取り入れましょう!」

 

「期待しているぞ。」

 

「今では、食糧事情はかなり改善されておりますが、未だに試行錯誤を続けている物もあります。そうした状況の改善に何か役立つかもしれません………ああっ!リグルがこんな立派に………!」

 

リグルのしっかりとした報告する姿を見ていたリグルドが再び泣き出したのだった。

 

「ははは…まあ頼んだぞ。」

 

「後、皆に紹介したい者がいる。入って来てくれ。」

 

フォルテに呼ばれ会議室の扉が開くと、フォスが入ってきた。

 

「魔王カリオンから預かったフォスだ。今日から魔国連邦(テンペスト)の警備隊の一員となる。」

 

「フォスです!宜しくお願いしますです!」

 

「へぇ〜その子がそうなのか。」

 

「実力も中々だ。俺達の国で色々と学ばせるつもりだ。」

 

「そっか。宜しくなフォス。」

 

「はっはいです!」

 

「それじゃあ、俺はドワーフ王国に行く準備があるから後は頼んだ。」

 

「俺はフォスに町を案内をしてからだ。」

 

こうしてリムルとフォルテは会議室から退出し、リムルは紅丸を連れドワーフ王国に向かう準備に向かい、フォルテはフォスに魔国連邦(テンペスト)の町を案内しに行くのだった。

 

 

「ここが魔国連邦(テンペスト)首都リムル‼︎……凄いです‼︎」

 

改めて町を見たフォスは驚きながら興味津々とばかりに見ている。

 

「ふあー!道がスーッと真っ直ぐです。しかも、ボコボコしてないし砂っぽくないです‼︎」

 

街道整備は猪八戒とゲルド達猪人(ハイオーク)しっかりしたからな。

 

「ピシッとした綺麗な町です‼︎それに……。」

 

フォスは自分の周りの者達に目を向ける。

 

人鬼族(ボブゴブリン)猪人族(ハイオーク)にドワーフ、犬頭族(コボルト)小人族(ハーフリング)それに魚人族(マーマン)。……本当に色んな種族がいるです‼︎」

 

「そういえば、ユーラザニアではあまり他種族はいなかった。」

 

「ユーラザニアだと弱い種族は首都に入れませんからです。」

 

「そうだったな。実力主義がルールだからな。」

 

「実力主義と言っても、働いて納税すれば弱い種族でも首都の外でなら住めるし、カリオン様と獣王戦士団がしっかり守ってくれるです!」

 

「流石は魔王カリオンだな。実力主義でもちゃんと力のない者達のことも考えている。」

 

「その通りです!」

 

「カリオンのやり方と俺達の違いは皆の長所を生かし、やり甲斐を持って働けるようにしているところだな。」

 

「やり甲斐です?」

 

「力がなくとも器用な者や、器用さがなくても頭が良い者など人や魔物にはそれぞれ個人的に得意なものがある。そんな彼らの長所を生かせる仕事を与えることで、皆が自身を持って仕事に励める。」

 

「…なるほどです。」

 

「折角だから出店の料理を食べてみるか?」

 

「はいです!」

 

 

町を案内するついでにフォスに魔国連邦(テンペスト)の出店の食べ物を食べさせるフォルテ。

 

現在串焼き肉を食べるフォスの顔は……もう幸せと言わんばかりに緩んでいた。

 

「凄いこの串焼き肉!肉汁じゅわわ!柔らかお肉に香草(ハーブ)が良く効いてて絶妙な味です!」

 

「…すっかり出店の料理の虜だな。」

 

「こんなに美味しいですから!さっき食べたシャキシャキ野菜とジューシーハムを挟んだふかふかパンも美味かったです!」

 

「そうか。なら次はポテチはどうだ。」

 

フォルテはフォスに山盛りポテトチップスを差し出す。

 

「いざ!」

 

ポテチを取り一口食べるフォス。その瞬間からフォスの手はポテチを取ることを止められなくなった。

 

「パリパリ食感がたまらないですっ!止まらないですっっ美味しいです‼︎」

 

「そうだろ。やはりポテチは美味いよな。」

 

そう言いながらフォルテもポテチを一枚食べるのだった。すると、出店のゴブリナ達がフォスに言う。

 

「このポテチもリムル様とフォルテ様が考案されたんです‼︎」

 

実際は前世の世界の料理の再現なのだが…。

 

「作り方を教わったので、今新しい味を開発中なんですよ。」

 

「ふあーっ!それは凄い楽しみです…‼︎」

 

「それじゃあ次は街道整備の様子を見に行くか。」

 

 

フォスに出店を堪能して貰い次に町の皆の仕事の様子を見て貰う為に、街道整備の様子を見に行く。

 

「ほぉー!皆協力し合っているです。」

 

街道整備では力のある猪人族(ハイオーク)達が力仕事を熟し、人鬼族(ボブゴブリン)の担当者が的確な指示を出して皆を纏めている。

 

「こうやって役割分担することで、効率よく作業が進む。」

 

「なるほどです!」

 

皆の活き活きした表情で仕事をする姿見ているフォス。……そんな時、フォスが何かを聞き取り耳が僅かに動いた。

 

「…何かあったかフォス。」

 

「大変です!魔物の足音が!しかも複数こっちに近付いてるです‼︎」

 

「ほぉ。ここから魔物の足音を聞き取るとは流石だな。……なら討伐に行くか?」

 

「もちろんです!」

 

フォスに案内してもらいながらフォルテも魔物の元へと向かう。……フォルテも魔物の接近には気付いていたが、フォスの実力でどこまでいけるか試す為あえて気付いていないふりをしている。そして魔物達の相手をフォスに任せることに。

 

森を中を走って行く……そして魔物の群れを発見

 

「あれは手長蜥蜴(リーチリザード)‼︎凶暴な奴らです…‼︎ここから先には行かせないです‼︎」

 

フォスは素早い動きで一頭の頭を切り落とした。仲間がやられたことで手長蜥蜴(リーチリザード)共は怒りフォスに襲い掛かる!フォスはそのまま逃げるように手長蜥蜴達(リーチリザード)を誘導する。

 

「中々いい判断だ。さてこの後はどうするフォス?」

 

だがフォスはこの先の事は考えていなかったようでどうするか悩んでしまい、それにより飛び出た木の根に足を取られ転んでしまった。

すぐに起き上がり構えるフォス。数的に不利だが諦めていない……その時

手長蜥蜴(リーチリザード)の目に矢が突き刺さった。

 

「来たか。」

 

フォルテとフォスが矢の飛んで来た方に振り向く。

 

「警備隊現着っすよ‼︎」

 

「行くぜっ‼︎」

 

そこにいたのは、ゴフタが率いる狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)達。一人だけ獣人戦士が混ざっているが、あれがフォビオが言っていた奴だな。

 

魔国連邦(テンペスト)の警備隊っ‼︎……ってグルーシス様⁉︎」

 

「そこのお前‼︎ぼけっとすんなよ!」

 

「〜〜〜っうかうかしてられないです‼︎」

 

警備隊が加わり反撃開始となり、フォスは手長蜥蜴(リーチリザード)の引っ掻き攻撃を躱しながらナイフで斬り裂く。

 

「おっ!イイ反応っすねぇ!」

 

だが、背後からもう一匹がフォスに噛みつこうと迫る。フォスはそれを感知しその場で飛び上がり回避

 

「くらえっ‼︎」

 

そのまま落下の勢いを活かし脳天を突き刺した。

 

「やるなぁ‼︎」

 

「次ですっ‼︎」

 

警備隊と共に次々と倒していくフォスの姿を見ていたフォルテ。

 

「……やはりフォスは警備隊に相応しい人材だな。」

 

フォスの活躍もあり、手長蜥蜴(リーチリザード)の群は警備隊によって次々倒されていく。

 

「ラストだ‼︎」

 

「いくっすよー‼︎」

 

「これで終わりです‼︎」

 

そして、最後の一匹はグルーシスとゴフタとフォスによって斬り倒された。

 

一息入れるフォスの元にグルーシスが声を上げる。

 

「おいお前!一人で突っ込むなんて命知らずだぞ‼︎無茶は……ってお前フォスか⁉︎」

 

「あっこんにちは!グルーシス様。」

 

「その子知り合いなんすかグルーシスさん?」

 

まだ報告を受けていないゴフタがフォスについてグルーシスに尋ねる。

 

「獣王戦士団候補のフォスだ。狐の獣人族(ライカンスロープ)で中々見込みのある奴なんだよ。」

 

「へぇどうりでいい動きすると思ったっすよ。」

 

「で?なんでお前がここにいるんだ?」

 

「それはカリオン様が…。」

 

「カリオン様だと⁉︎」

 

驚くグルーシス、そんな彼らに説明する為にフォルテが話に割って入る。

 

「カリオンからこの国で色々と学ばせてくれとフォスを託されたんだ。」

 

「あっフォルテ様っす!」

 

「この人が!」

 

「初めましてだなグルーシス。フォビオからの命令をしっかり果たしているようだな。」

 

「はい‼︎」

 

「それでフォルテ様、このフォスって子はどうするんすか?」

 

「それについて後で皆に説明するが、先にこの場の者達に伝えておこう。今日からフォスにはゴフタ達と共に警備隊で活躍してもらう。」

 

それを聞いたゴフタは喜ぶ。

 

「いいすね!フォスちゃんには見込みがあったんすよ。いち早く魔物の接近に気付いた察知能力。恐れずにすぐ動ける行動力。獣人族(ライカンスロープ)なら戦闘能力も申し分なし!」

 

「言われてみればそうだな。」

 

「目利きが良くなったなゴフタ。これも白老との修行の成果だな。」

 

フォスの警備隊入りは問題なくいきそうだな。

 

フォルテがそう思った時、フォスが再び何かを聞き取った。

 

「大変です!先よりも多い魔物の群れがこちらに近付いているです‼︎」

 

フォスの言葉にグルーシスも嗅覚で感知した。

 

「どうやら手長蜥蜴(リーチリザード)の別部隊のようだな。こいつらは斥候ってことか!」

 

「皆!迎撃の準備っすよ‼︎」

 

ゴフタの声に警備隊の皆が一斉に構える……その時、フォルテが皆の前に出る。

 

 

「フォルテ様?」

 

「お前達は良くやった。後のこの群は俺に任せろ。」

 

そう言いながら、フォルテは腕を前に突き出し手を翳す。

すると、フォルテの手に一振りの刀が出現!フォルテはそれを掴み取る。

 

手に取ったその刀を鞘から引き抜くと、引き抜かれた刀から禍々しい闇の闘気が放たれる。

 

そうこれは妖刀村正刃(ムラマサブレード)

 

 

バトルチップのムラマサブレードを具現化し、カイジンと黒兵衛に鍛え直してもらった。暴風大妖渦(カリュブディス)の鱗とフォルテの魔素を注いだ魔鋼を使ったフォルテ専用の妖刀村正。

 

D(ダーク)ブルースの方もカイジン達に鍛え直してもらったが、フォルテの刀はフォルテの魔素を得たことで信じられない切れ味を得た。

 

フォルテが村正を構えると同時に、手長蜥蜴(リーチリザード)の更なる群れがこちらに向かって来た。

 

「おいさっきの倍はいるぞ⁉︎」

 

グルーシスが言う通りさっきほど倍……約50匹の群れ!だがフォルテは慌てることもなく刀を構える。

 

「ホオオオオオ!」

 

フォルテが月の呼吸をすると同時に闇之武装刃(ダークアームブレード)を妖刀村正刃(ムラマサブレード)に重ねる。

それにより、村正から妖気でできた刃が伸び太刀へと変わった。そして、手長蜥蜴(リーチリザード)の群れがフォルテの前に来た瞬間、フォルテが刀を振るう。

 

「月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾!」

 

素早く繰り出された抉り斬るような強烈な力の横薙ぎの一閃

極太の斬撃に三日月型の変則刃が重なり、壱型の数倍以上に範囲が拡大した斬撃により手長蜥蜴(リーチリザード)の群は首や胴を斬り落とされた。

 

……そう。たった一振りで群れを討伐したのだ。

 

「……マジかよ。」

 

「流石フォルテ様っす!」

 

「すっ…凄いです!」

 

グルーシス、ゴブタ、フォスはフォルテの一撃に驚きながら感心するのだった。

 

村正を鞘に納め戻したフォルテがフォス達の元に戻る。

 

「これで討伐完了だ。」

 

「なんて強さだよ……リムル様も凄かったがそれ以上だ……。」

 

「……そうです。フォルテ様は模擬試合でカリオン様と引き分けましたです。」

 

「カリオン様と⁉︎」

 

フォスの言葉にグルーシスは驚愕

 

「あの時はカリオンもまだまだ本気じゃなかったさ。だが流石魔王カリオンだ。素晴らしい強さだった。」

 

フォスの話と先程のフォルテの力を見たグルーシスは改めてフォルテの強さを知った。

 

「さぁてと、フォスこれから警備隊として頑張ってくれ。」

 

「はいです!」

 

こうして問題が起きたものの無事解決してフォスは警備隊に入隊した。

 

 

その数日後にドワルゴンに向かう際に、フォスがゴブリナは少女の為に俺達の元まで連れて来たりもした。

 

そして現在フォルテ達はキャンピングカーでドワルゴンに向かっている。

 

フォルテの乗るキャンピングカー内では、フォルテが自分の顔を模したお守りを見ていた。

 

「良かったねフォルテ君。」

 

「素敵なお守り。」

 

「ああそうだな。」

 

フォルテの乗るキャンピングカーのメンバーはシズさんとアイリス。

キャンピングカーを引っ張っているのは勿論ゴスペルだ。

 

「トリルも連れて行きたかったが…。」

 

「訓練に励みたいから今回は残るって言ってたね。」

 

「ああ。でもそれだけじゃない。」

 

「今はすっかりD(ダーク)ロックマンに懐いているから。」

 

そう。あれから二人は更に互いに心を許し合える存在となった。

やはり元は同じロックマンだから、トリルはそれに惹きつけられるのだろうな。

 

リムルが乗る大型の方には朱菜と紫苑そしてカイジン達が乗っている。

引っ張っているのはランガだ。

 

「カイジン達も久しぶりの故郷だ。ゆっくりと日頃の疲れを癒してもらわないとな。」

 

「カイジンさん達のお陰でフォルテ君達の町は立派になったから。」

 

「ああ。カイジン達に出会えたのは本当に良かった。」

 

フォルテとシズさんがそんな会話をしている中、アイリスは俺達の背後を走る3台の馬車を見ていた。

 

「ガゼル王へのお土産を乗せた馬車は問題ない見たい。」

 

「そうか。それは良かった。」

 

馬車に乗せている土産は最初、リムルの胃袋や俺のチップ化を使って持っていこうとしたが。

 

「こういうのは、形も大切なんです。」

 

「ちゃんと馬車で運んだ方がいいわ。」

 

そう朱菜とアイリスに諭された。

 

「それにしても。……紫苑のあれは大変だったな。」

 

「……そうね。」

 

「あははは……。」

 

あれはリムルが朱菜を連れて行くことを決め紫苑に留守番を頼もうとした時。

 

「えっ?朱菜様達がリムル様とフォルテ様一緒に旅行⁉︎」

 

「いや、旅行じゃなくて仕事……。」

 

「ずるいです!ずるいのです!朱菜様達だけリムル様達と遊びに行くだなんて!」

 

涙目になりだから声を上げる紫苑。

 

「紫苑!遊びじゃない仕事だとリムルが言っているだろ。」

 

フォルテも説得するも全く話を聞いていない紫苑は遂には泣き出した。

 

「うわぁぁぁぁん‼︎」

 

しかし泣きながら凄まじい妖気を放出しだした

 

「紫苑様 ご乱心‼︎」

 

「落ち着いて下さい!紫苑さ……ぐわっ⁉︎」

 

障壁(バリア)展開‼︎」

 

その後は泣くわ、喚くわ、暴れるわでフォルテの障壁(バリア)のお陰で被害は抑えたが、大変だった。

このまま残していけば間違いなくリグルド達の負担が増えるので、リムルは連れて行くことにした。

 

……そんな泣き喚いた紫苑はその後、フォルテの前で正座して説教を受けた。

 

「……紫苑。何故俺が怒っているか分かるか?」

 

「あの……えっと……その……すみません。」

 

凄まじい怒りの闘気を放つフォルテに怒られている理由が分かっていない紫苑は謝るしかなかった。

 

「……分かってないならよーく聞け!一つ!リムルや俺の話をしっかり聞くこと!二つ!勝手に思い込むな!三つ!子供みたいに泣いて暴れるな!お前はリムルの秘書なんだろ!」

 

そこから約1時間ずっと紫苑に説教を続けたフォルテ。

ここまで怒ったフォルテの姿を見た紫苑はただただ説教を聞き続けて反省するしかなかったのだった。

 

そんな紫苑のことを思い出していると、突然キャンピングカーの揺れがおさまってきた。シズさんとアイリスは窓から外の様子を確認する。

 

「フォルテ君見てみて。」

 

暴風大妖渦(カリュブディス)との戦いでボロボロだった道が殆ど片付いてる。」

 

シズさんとアイリスがそう言うのでフォルテも窓から外を見ると、確かに暴風大妖渦(カリュブディス)の配下の空泳巨大鮫(メガロドン)との戦闘で荒れていた道が綺麗に補修されていた。

 

「流石は猪八戒とゲルド達だな。」

 

フォルテ達が猪八戒達の仕事の早さに感心する。

その猪八戒達はと言うと、少し先の方でドワルゴンまで続く街道への石畳を正確丁寧に敷いていた。

 

「うむ。計画通りだなゲルドよ。」

 

「はい父王。順調に進んでおります。」

 

「猪八戒様、ゲルド様。石畳の石材の追加発注をお願いします。」

 

「分かった。ゲルド、採石場に連絡しておいてくれ。」

 

「分かりました。」

 

「うむ…大分整ってきたな。」

 

猪八戒は出来上がっている街道を見ながらそう呟く。

 

「おっ、あれは………。」

 

その時、部下はこちらに向かって来るリムル達に気付いた。

 

「おーい。猪八戒、ゲルドー。」

 

「作業は順調か。」

 

「「リムル様!フォルテ様!」」

 

猪八戒達の元まで着くと、リムルとフォルテは一旦キャンピングカーから降りる。リムル達の姿を見た猪八戒達がリムル達に近寄り話しかける。

 

「今日がドワーフ王国への出発の日でしたか。」

 

「ああ。道が整ってるから揺れも少なくて快適だよ。」

 

「それは良かったです。」

 

「ドワーフ王国方面より折り返し作業をしてまいりましたので、ここから先は全て完成した道でございます。」

 

「なら、更に快適に進めるな。流石だな。」

 

「「ありがとうございます。」」

 

猪八戒、ゲルドは頭を下げる。

 

「それと…リムル。」

 

「ああこれな。良かったら皆で飲んでくれ。」

 

そう言ってリムルは体内から、フォルテは掌から大樽を取り出し猪八戒とゲルドの部下達に渡した。

 

「これは……。」

 

麦芽酒(ビール)だ。」

 

「「「麦芽酒(ビール)!」」」

 

ビールと聞いて皆は大喜び

 

俺達はそのままドワルゴン目指して再出発した。

 

「飲み過ぎるなよ〜。」

 

「二日酔いにならないようにな。」

 

「「はっ!」」

 

 

俺達の旅は順調に進んでいき、出発から四日目にはドワルゴンに到着した。

 

ドワルゴンの門が開きキャンピングカーから降りたフォルテ達は門に向かって進む。その際、周りの者達の話し声も聞こえきた。

 

「あのような立派な魔獣を使役するとは、よほどの者達なのか?」

 

「あれは魔獣なのか?見たことが無いな…。」

 

「あの車は不思議な作りをしている。」

 

皆がランガやゴスペルそしてキャンピングカーを気にする中、ある一人の者がカイジンの肩に手を乗せ声を掛ける。

 

「よっ兄貴。」

 

「ん?」

 

「元気そうで何よりだ。」

 

その人物は、俺達が初めてドワルゴンに来た時に知り合ったカイジンの弟であるカイドウだった。

 

「カイドウか!久しぶりだな!元気か?俺達はリムルとフォルテの旦那の元で楽しくやってたぜ。」

 

「だろうな。顔を見りゃ分かるよ。ガルム達も元気だったか?」

 

「おかげさまでな。」

 

「おう。」

 

「うん。」

 

「それは良かった。それに…。」

 

カイドウはフォルテの前へと歩みよる。

 

「フォルテ殿。お久しぶりですな。」

 

「ああ。本当に久しぶりだなカイドウ。」

 

「まさかフォルテ殿とこのような再会をするとは思いませんでした。」

 

「俺もだ。」

 

「ところで……リムル殿はどちらに?」

 

そう言ってカイドウは辺りを見回してリムルを探す。……まぁ無理もないな。カイドウとリムルがあったのはスライムの姿の時だけ。

今の人間態のリムルを知らないのだから。

 

そんなカイドウに、カイジン達が今のリムルを紹介する。

 

「リムルの旦那だ。」

 

「えっ?」

 

「リムルの旦那だ。」

 

「………えっ?」

 

「旦那だ。」

 

「えっ?」

 

「うん。」

 

「ええ〜⁉︎」

 

カイジン達に教えられたカイドウは驚愕するのだった。

 

「まあ、色々あってな。」

 

「リムルは人間の姿を得たんだ。」

 

「リムル……殿、お元気そうで何よりです。え〜と、じゃあ…こちらへ………。」

 

今のリムルの姿に戸惑うカイドウ……まぁ無理もないな。

こうして俺達はドワルゴンに入国し、早速ガゼル王に面会することになった。

 

ドルフの案内の元、ガゼル王の元へと向かうリムル、フォルテ、朱菜、紫苑、シズさん、アイリス。

 

そんな中、ドルフが話掛けてくる。

 

「ご健勝そうで何よりです。リムル殿、フォルテ殿。」

 

「ドルフ殿もお元気そうで。」

 

「あの時の助太刀に感謝だ。」

 

「ハハハハッ。私に敬語は不要です。さあ、我が王がお待ちですぞ。」

 

「ああ。」

 

暴風大妖渦(カリュブディス)戦の時、援護してくれた天翔騎士団(ペガサスナイツ)の団長ドルフ。

天翔騎士団(ペガサスナイツ)は王直属の特殊部隊なので、普段は文官を装っているそうだ。

 

しばらく歩み続けると、玉座へと繋がる巨大な扉の前に着いた。

ドルフは門番の兵士に頷く。

 

「ジュラ・テンペスト連邦国盟主、リムル陛下とフォルテ陛下のお成りでございます!」

 

兵士がそう声を上げると、それに応えるように扉がゆっくりと開く。

 

「どうぞ中へ。」

 

ドルフにそう言われ中へと入るフォルテ達。

 

一番奥には、玉座に座るドワーフの英雄王であるガゼル・ドワルゴがいた。

 

「久しいな。リムル、フォルテよ。」




ドワーフ王国にようやく到着。……次回はゴブタとの約束……楽園へ。
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